第105夜 デザインモードは難しい!「エキサイトバイク」
この「エキサイトバイク」が出たのは1984年、まだファミコン黎明期です。当時はバイクのレースゲームなんてほとんど無い時代でしたから、このゲームをはじめてCMで観たときは、「面白そうなゲームが出るなあ」と楽しみにしていたものでした。
横スクロールのレースゲームなんて、当時は(今でも、かな)斬新でしたし。
ただ、はじめて「エキサイトバイク」を遊んだときの感想は、「う〜ん、なんか、あんまり爽快じゃないゲームだなあ…」というのが正直なところ。このゲーム、一台一台のバイクは小さくてちまちました感じだし、ちょっと障害物につまづいただけで転倒しまくり。しかも、山のような障害物の手前で転倒すると、ご丁寧にもわざわざ転がりながら山を登って下ってから、転んでしまうのです。ちょっとタイミングを外すと、障害物に遮られてなかなか加速できなくてイライラするし…
プレイヤーにできることは、コースを変えること、ターボを使って(オーバーヒートしない程度に)加速すること、そして、ジャンプの角度を変えることくらいでしたし。
当時としても、「これって単純すぎなんじゃないの?」とか思ってました。
でも、このゲーム、慣れていくにつれ、次第に面白くなってきたのです。ちょっとしたジャンプの角度やコース取りのテクニックで、あれだけイライラさせられていた障害物はスムースにクリアできるようになっていきます。その「自分が上手くなったという実感」が、バイクの動きでものすごく伝わってくる、そんなゲーム。
敵の車の前輪を引っ掛けて転倒させるのに夢中になってみたりもしたり。
そういえば、「エキサイトバイク」で、もうひとつ印象的だったのは、「デザインモード」でした。この時期のファミコンで流行った「コースを自分で作れるモード」のなかでも、このゲームのものは、とくに印象に残っているんですよね。
…だって、このゲームの「デザインモード」で友達が作ったコースって、みんな障害物だらけで、陰険極まりないコースばっかりだったような記憶が。最初から最後までずっと山の連続、とか。
やっぱり、「作り手」になってしまうと、自分の個性を出そうとして(あるいは、単に友達をいじめてみたくなるだけかもしれないけど)、ついつい過激になってしまうもの、なんですよね、きっと。本当は、作り手の個性を出すより、プレイヤーがストレス無く、楽しく「遊べる」コースを作るほうが、よっぽど大事なことなんだよなあ。