第21夜 それでも少年は冒険を求めた「ダイヤモンドアドベンチャー」

 ゲームといえば、アクションゲームだった時代。ちょうどファミコン前夜くらい。
当時、ケイブンシャの「大百科シリーズ」(導入部からマニアックだ…)の「マイコン大百科」をみて、僕は「apple2が欲しい!」と思ったものでした。当時のアップルのゲームといえば、綺麗なグラフィックとジャンルの広さで、他の追随を許さないものだったのです。
 で、なかでも僕の眼を引いたのが「ミステリーハウス」。初期アドベンチャーゲームの代表作のひとつであるこのゲームは、ある閉ざされた館で次々に起こる連続殺人の謎に迫っていくという内容で、グラフィックは線画だったものの「リアルタイム性がなくて、頭を使って物語をすすめていく」という内容に、大人のゲームだ…と憧れたものでした。

 しかし、小学生に買えるほど「アップル2」は安くなく、周りに取り扱っている店もない。そして、なんといっても最大のネックはオールEnglish!というわけで、アップル2購入計画は挫折し、その後僕は運良くシャープX1(シルバー)を手に入れることとなるのです。で、ミステリーハウスのようなゲームがやりたい!ということで買ったのが、この「ダイヤモンドアドベンチャー」(byマイクロキャビン)当時のシャープX1には数少ない「アドベンチャーゲーム」でした。
 とあるビルに隠された時価数億円のダイヤモンドを見つけ出すのが目的。早速ゲームを始めると、このビルは3階建てで、ドアが各階にひとつずつ。そのほかには目立つものはなにもなし。そのうち2つのの階はドアに鍵がかかっており、ドアを壊そうとしても、ノックしてもダメ。最上階は鍵がかかってないもののドアを開けると「チカン〜!!!」ということで警察を呼ばれていきなりゲームオーバー。 もう、そこで一ヶ月ストップ。その間も、隠し扉があるんじゃないか、とか、警察を呼ばれるドアをノックすればいいんじゃないか、とかいろいろやったけど、全然ダメ。

 ところがある日、ふと気がついたのです。「このドアの下にある緑の四角は何?」そう、その“MAT”を”MOVE“すると”KEY“が出てきて、TAKE KEY”で鍵をとり、
それでドアを開けると、ついにビルの中に入れたのでした。
やった〜と思ったのもつかの間、2時間後、すでにエンディングを迎えてました。
それも、安っぽいダイヤの絵が出て"END"みたいな。

それにしても、あの緑の四角は“MAT”には絶対見えんし、気づかないよ…
これが、僕が最初にクリアーしたアドベンチャーゲームだったんです。

よく一ヶ月もやってたよなあ、こんなこと。ゲームに賭ける執念ってすごいものだよなあ。
もし当時アップル2を買ってもらえてたら、今頃英語の達人になってたんじゃなかろうか。