第26夜 ウタダでもクラキでもない…「ディーヴァ」


 まだパソコン(当時はマイコンか)の機種がたくさんあり、それぞれ互換性がない状況で、激しいシェア争いが繰り広げられていた時代。主流はNEC(PC88、98シリーズ)で、その対抗馬として富士通のFM7、シャープX1などがあったのです。
 で、新しいゲームは
まず88か98で発売され、多機種はそれが「移植」されるのを待つ。シャープX1信者だった僕はにとっては、ほんとにNECが憎い日々でした。そんな時期に発売されたのが、この「ディーヴァ」(T&Eソフト)。今で言うところのマルチプラットフォームといいますか、ほぼ同時に多機種版を発売し、しかもそれぞれの機種ごとに異なる主人公が設定。それらの主人公が絡み合って、「複雑なストーリーが完成していく」というのがウリでした。

 ゲーム自体は、艦隊戦と地上戦に分かれており、各主人公が宇宙艦隊を率いて帝国軍の艦隊を迎撃し、その後に帝国に支配されている惑星を攻略して勢力を広げながら、帝国本拠地をめざすというのが大筋です(最近のゲームでは、シュバルツシルトに近い感じ)。
 ところが、X1版はとにかく難しかった。敵艦隊は強いし(このゲームでは、戦艦以外の艦船はほとんどただの障害物)
一度撃破しても、あっというまに再編成された最強艦隊がやってきます。もう、涙・涙。

 ちなみにX1版は惑星占領のための地上戦も難しく、地上戦後は、攻略成功したとしても艦隊ボロボロのことが多かった。他機種からパスワードで援軍の艦隊に来てもらえるのですが、それがないと攻略は至難の技。 でも、ウリのはずだった異機種交流は、主人公同士が「よろしく!」と挨拶するていどなのですが。

 クリアしても「ディーヴァの謎は、まだこれからだ!」というような終わり方。決定版と銘打たれた98版では、そのあたりははっきりしたんでしょうか?

ところで、このゲームの発売機種って、98、88、X1、MSX、FM7、ソニーの777、で、あと1機種がどうしても思い出せないんですよね…