第66夜 キング・オブ・クソゲー「デス・クリムゾン」
1996年8月に発売されたこの「デス・クリムゾン」というゲーム、
発売当初はファミ通のクロスレビューで低評価だったくらいで、
とくに多くの人の印象に残るゲームではありませんでした。
いわゆる、「どこにでもあるつまらないゲーム」という評価。
しかしこのゲーム、一部マニアの間では、まさにカルト的な人気を博すようになったのです。
その人気の理由は、とてもサターン用とは思えないような、そのクソゲーぶり。
当時、サターン専門誌「セガサターンマガジン」(通称サタマガ)には、
「読者レース」という名物コーナーがありました。
これは、読者がアンケートで、好きなソフト5本の評価を10点満点で行い、
その平均点でサターンソフトのランキングを作る、というもので、
当時のサターンマニアの間では、とても影響力があるものだったのです。
まあ確かに、リアルなユーザーの声ですからねえ。
そんな中、この「デス・クリムゾン」は、平均1.0909!
(繰り返すようですが、10点満点です)という伝説的な低得点で、
初登場からブッチギリの最下位でした。
ちなみに、ひとつ上のゲーム(下から2番目・296位)は、2.52点でしたから、
ほんとうに圧倒的最下位だったのです。その後も読者レースの底辺をひた走り
(途中で最下位の座は明け渡すのですが)、サターンのクソゲーの代名詞として君臨したのでした。
しかし、そこまでつまらないと言われてみれば、
かえって一度はやってみたくなるのも人間心理というものではあるのですが。
ちなみに、この「デス・クリムゾン」ですが、
エコールソフトというところから発売されていて、
主人公「コンバット越前」が、とにかく敵を撃ちまくるというシューティングゲーム。
しかしながら、このゲーム、シューティングゲームにもかかわらず
照準が狂いまくっているし、当たり判定は変だし、しかもやたらと難しい。
敵の叫び声もすごく異様。
主人公が「せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ」
と言って選んだ扉はなぜか緑色だったりと、まさにクレイジー。
ところが、このゲーム、あまりのクソゲーぶりに、噂が噂を呼び、
けっこう売れたらしいのです(実売2万本弱、らしい)。
中古屋では値段が高騰し、隠れたお宝と化していたとか。
まさに、伝説のクソゲー。
あまりの人気ぶりに「デス・クリムゾン2」という続編すら作られたのでした。
僕の友人のセガマニアは、このゲームをプレミア価格で入手し、
「やっぱりスゲーつまんないよ、デス様!」
と大喜びで話してくれたことを今でも思い出せます。
やっぱり、クソゲーも徹底してやったほうが良いという事なんでしょうか?