第146夜 「ダンスダンスレボリューション」は、うまく踊れない!


 「ビートマニア」と並ぶ、KONAMIのリズムアクションゲーム最大のヒット作が、
この「ダンレボ」こと「ダンスダンスレボリューション」でした。
 要するに、画面で指示された場所をリズムに合わせて踏んでいくだけの
シンプル極まりないゲームなのですが、これが、言うのと観るのとやるのとでは大違い!
中高生のガキども(失礼!)が華麗なステップを踏んでいるのを横目で眺めつつ、
さりげなく人がいなくなるのを待って、自分のリズム感の無さに愕然とする…というのが、僕にとっての「現実」でした。
というか、20代後半(当時)の男がゲームセンターでひとりでやるゲームじゃなかったんですよね、当時の「ダンレボ」って。
カップルのいかにも「ヒップホップ系!」というような男が、いいところを見せるためのゲーム、という感じで。
 しかしながら、この、僕にとっては限りなく縁遠いゲームだと思われていた「ダンレボ」も、
プレステに移植されることが発表されたのです。
「でも、あんなのコントローラーでやっても、面白くないんじゃない?」
確かにその通り。そこで、プレステ版の「ダンレボ」は、「専用コントローラー」というか、
専用マットと同時に発売されたのでした。
 この「専用コントローラー」は、昔の「ファミリートレーナー」と同じく(と言ったところで、
「ファミリートレーナーのほうが遥かにマイナーなので、誰も知らないかもしれないけど」、
シート状になっていて、そのシートの所定の位置を踏めばいいという、
ゲームセンターの雰囲気を再現したものでした。
「これで、『ダンレボ』を家でできる!」と僕も切実に購入を検討していたときに、その「問題」は起こったのです。
 そのころ僕の家で、毎晩、上の家から「ドスン、ドスン」という音が、聞こえてくるようになりました。
すわ、ポルターガイスト?と最初は不安だったのですが、よく聴いてみると、
その音は、なぜかリズムに乗っていて、上の階の人がいるときにだけしかしないのです。
 謎は、すぐに解けました。
 上の階の人も同じ学校だったのですが、どうもその人は「ダンレボ」にハマって、
毎晩家でやっていたようなんですよね。
それで、あの「ポルターガイスト音」は、「ダンレボ」の専用コントローラーを全身で操っているときの音だった、と。
 まあ、そんなこんなで、僕は「ダンレボ」を買わなかったのですけど
(というか、近所迷惑になるのが怖くて買えなかった)、
当時思わず買ってしまった「ギターフリークス専用コントローラー」(ギター型でデカい!)を見ると、
今でも溜息が出ます。あのころは「コレでやらないと、面白くない!」とか思っていたんですけどねえ…
捨てればいいんだけど、そういうのって捨てられない。
 ゲーセンでやるのは恥ずかしい、家でやると近所迷惑。ダンレボって、
ほんと、僕には縁の薄いゲームだったよなあ……