第58夜 大戦略ビルよ、いまいずこ…「現代大戦略」


 システムソフトから発売された(最初はPC9801)、
ボードゲームタイプのシミュレーションゲーム。
 この「大戦略」が出てくるまでにも、
コンピューターと対戦できるシミュレーションゲームは、いくつもあったのですが、
それらは、あくまでも「ボードシュミレーションゲームをパソコンで再現する」
というものでした。

 「大戦略」は、六角形のヘックスで仕切られたマップ上で、
歩兵、戦車、飛行機などの兵器を生産し、
移動、戦闘を敵国と交互に行いながら戦っていく、ターン制のゲームです。

 地形による有利不利が設定されていたり、
戦闘シーンには当時としてはけっこうリアルなグラフィックが使われていたりと、
ボードゲームとコンピューターゲームのいいとこ取り。
 少なくとも、今までのボードゲームでは相手がいないとプレイできませんでしたし、
地形効果なども自分たちで計算してゲームをすすめていかないといけなかったんですから。
 ほんとに、当時のシミュレーションゲームは、
ごく一部のマニアたちだけのものだったのです。
最初は「コンピューターでボードゲームをやらなくても…」
なんていう声もありましたが、
「大戦略」により、こういうゲームにこそコンピューターを使うメリットがある、
ということが浸透してきた面も。
コンピューターもものすごく強いとは言えないまでも、
「相手になる」レベルでしたし。

 さすがに、広いマップになるとコンピューターの思考速度が遅くなって
時間がものすごくかかったりもしましたが、
それでも、こういうボードゲームタイプのシミュレーションが普及したのは、
このゲームの功績だったと思います。

 大戦略シリーズは、この後もどんどん進化していったのですが、
逆にあまりに複雑になりすぎて、僕はついていけませんでした。
「誰がこんなゲームずっとやってる時間があるんだ!」
と叫んでしまうくらい、時間もかかったし。
 広いマップで4カ国で戦っていると、自分の番が来たら朝!なんてことも…
 マニュアルも枕になるほど(オオゲサ)分厚かった。
 ある意味、ハードの進化とともに歩んできたゲームなのかもしれませんね。

 現在では、個々の登場人物に思い入れができる
KOEIの歴史シリーズほど売れてはいないようですが、
コンピューターシミュレーションゲームの歴史を作ったゲーム「現代大戦略」。
 「ファミコンウォーズ」や、たぶん「ファイヤーエムブレム」も、
この「現代大戦略」がなかったら出ていなかったはず。
 
 そういえば当時は、「戦争ゲームは、教育上良くない!」なんていう議論もありました。