第60夜 フライトシミュレーター事始「ザ・コックピット」
もう20年前くらいになるんでしょうか?
雑誌「I/O」に載っていたこのゲームは(いや、正直なところ、
ゲームだったのだろうか?)当時ものすごく話題になりました。
ゲームの内容は、フライトシミュレーション。
ただし、後にパソコンで大流行する、離陸からはじまって航路を決め、
着陸までを行うものではなくて、
空港への着陸だけを行うシミュレーションだったのです。
当時のパソコンの性能でしたからそれが限界で、
しかも再現できたのは夜景だけ、街の明かりや滑走路の光をドットで表したものでした。
だから正確には、ランディングシミュレーション、なのかな。
それでも僕らは、飛行機を操る快感とその難しさに驚嘆し、
パイロット気分を味わったもの。
ほんと、見た目はいろんな色のドットばかりで地味だったし、
よく「これ、どこが面白いの?」と周りの人に言われたものでした。
でも、みんな遊んでみると、このゲームの凄さに気がつくんですよね。
空港によって着陸のしやすさに違いがありますし、パイロットって凄い!と感動。
飛行機に乗ると、思わず着陸を評価してしまったり。
やっぱり、人間は空を飛ぶのが好きなのだなあ、と思います。
ただ、このゲーム、かなり難しかったんですよね。
最後に航路のグラフが出るんですが、ガタガタに波打ってるし。
飛行機に乗るのが、怖くなってしまうくらいに。
ああ、書いていて、少しずつ大きくなってくる滑走路の灯りが
とても懐かしく思えてきてなりません。