第75夜 「ハドソン!」じゃなくても別によかった
 「バンゲリングベイ」

 とにかく、宣伝がやたらと派手だったこのゲーム。
 CMで、「2コントローラーで『ハドソン!』と叫ぶと何かが起こる!」
 というのが、すごく話題になったのです。
 実は、ハドソンをメジャーにしたのは、このゲームなのではないかと。
 ちなみにハドソン、ファミコン以前は細々とパソコンゲームをつくってて、
ボンバーマンの雛形となる「爆弾男」(なんかヤバイなこのタイトル)や
傑作アドベンチャー「デゼニランド」「サラダの国のトマト姫」
などを出してました。

 さて、ファミコンで一躍メジャーシーンに躍り出たハドソンが
満を持して出した「バンゲリングベイ」。
 空母から出撃した自機(ヘリコプター)が、
やたらと広大なバンゲリング帝国内
にある6つの敵工場を
破壊していくというものです。

ところが、敵工場を破壊するには何発も爆弾を落とさなければならず、
それは味方の基地か母艦でしか補給できない。

 しかも、母艦はしょっちゅう敵機の攻撃を受けて
「WARNING!」がピコピコするし、
時間がかかりすぎると無敵の敵戦艦が建造されて、
母艦のいる海域に戦艦がくると無条件に母艦は沈没させられてしまうのです。
とにかくこのゲーム、やたらと難しかったのですが、
(ヘリコプターなので、旋廻するときに慣性がつき、思い通りに動かない…)
僕にとっての一番の難敵は「スクロール酔い」
グリングリンと回る画面にすっかり気分が悪くなり、
中学生にもかかわらず、ああ、胃が痛い〜と思いながらやったものです。

このゲームで一番楽しかったのは2プレイヤー側(敵側)になって、
常軌を逸した動きをする(しかも速い!)
ホーミングミサイルを撃ちまくることでした。
面白いように1プレイヤーのヘリが落ちる落ちる。
ちなみに、冒頭の「ハドソン!」なんだけど、実は何を言っても関係なく
(そりゃ、当時のファミコンに音声認識機能なんておるわけないわな)
そのことに気づいたときには、なんだか宣伝のために
利用されていたような気がして、ちょっと傷ついたものでした。
だいたいみんな「バカ!」とか「ナムコ!」とか叫んでたもんなあ。
で、マイクで叫ぶと何が起こるかっていうと、
2プレイヤー側(バンゲリング帝国側)に戦闘機が助けにくるわけですね。
もう敵の援軍ばっかし。

 ほんと、これってムチャな作戦だ…