第138夜 DSじゃないと解けない!「アナザーコード〜2つの記憶」
公式サイトはコチラ
ニンテンドーDS初の本格的アドベンチャーゲーム(以下ADV)。昔からADV好きの僕としては、「ファミ通」で殿堂入りした、この「DSの機能を生かした、新感覚ADV」を発売直後に買わずにいられなかったのです。どんな仕掛けなんだろうなあ、とものすごく期待しつつ。
このゲームのストーリーは、【政府の秘密機関研究所で働く父が開発した謎の装置「アナザー」。13歳となった主人公アシュレイは、トラブルに巻き込まれ行方不明となっていた父から受け取った手掛りを頼りに、ブラッド・エドワード島へ向かった…。】というものなのですが、まあ、なんといいますか、ひとことで言えば「古典的な屋敷内探索ADV」なんですよねこれって。「アナザー」って、重要そうに語られるわりには、そんなに印象に残らないし。滑らかなキャラクターの動きや美しいグラフィックは「さすがDS!」と思えますし、「年齢相応にちょっとだけ斜に構えた女の子」である主人公アシュレイのキャラクターも、けっこうツボにはまる人は多そうです。
ゲームは基本的に、必要なアイテムを探し出して、謎を解決しつつ先に進む、というものなのですが、このゲームの最大の特徴は、「DS特有の機能を使った謎解き」がけっこうみられる、ということなんですよね。謎解きというか、トンチとか閃きなんじゃないかそれは、というようなものも中にはあって、純粋に謎に対する適切な解法というよりは、DSにはこんな機能があるから、こんなことをやってみたらどうだろう?というような感じでアプローチしてみたほうが、早くクリアできるかもしれません。ちなみに僕は、2箇所ほどどうしてもわからなくて、攻略サイトのお世話になってしまいました。ゴメンよララァ、僕にはもうゲームの謎解きのために徹夜できるほどの体力も情熱もないんだ。昔は一日中「惑星メフィウス」の牢屋の中でもがいていたのに……という感じです。
でも、そういう謎解きに関しては、確かに「やられた!」という心地よい敗北感もありますし、よく考えたなあ、と感動もできます。逆に「DSの機能を使うこと」に縛られてしまっているようなところはあるにせよ。
写真が撮れるシステムも、けっこう楽しいです。最初のことは何でも写真撮影しすぎて、すぐフィルムが一杯になってました。実際は「使いどころ」はそんなにたくさんはないし、使うのも「いかにも」というところばかりなんですけどね。
ただ、ストーリー的には、「で、けっきょくあのキャラクターは、何のために出てきたの?」というようなところもあるし、「その理由は強引&ご都合主義すぎないか?」と思うようなところがあって、僕にはあまり感情移入できなかったのです。でもまあ、このゲームの本質は、「DSの機能を使ったADVを作る」ということでしょうから、目的は十分に達せられていますしね。アシュレイはけっこうかわいいし、謎解きもセンスがいいというか、洒落ている、という感じだし。
クリアまでは、5〜10時間(ハマらなければ)というところでしょうが、オトナの時間潰しには、けっこうオススメできます。長い間遊べるゲームじゃないと…という人には、ちょっとオススメしにくいけど。