June 2005


6月28日(火)
多摩川

今日は平日ではあるが、これから天気もよくなさそうだし、潮も悪くなる一方だし、ということでやや強行ながら出撃。金曜のイベントのために明日、明後日は遅くまで仕事をせねばならんのでその前に上半期最後の釣行。といいつつも満潮は22時過ぎ。明日も仕事があるのでそう長くはできない。短時間の一本勝負。一本獲れれば今日は勝ちである。
そう決めて満潮間際にポイントに立つ。

ポイントは前回沈没船から引きずり出したエリア一帯。このポイントも上流域に負けず劣らず魚は着いているはず。

沈没船のポイントもおいしいのだが、今日は幸運にも明暗のポイントに人がいない。おそらく小潮に入ってアングラーの活性も下がったのだろう。こっちにしてみればそれが狙い目。人のいない隙に自分が獲る。これけっこう大事。

だが、アングラーの活性がさがる最大の要因があるのも事実。魚も活性が低い。やはり流れが緩すぎるようだ。
自分の十八番どおりコモモからスタート。だが、見た目どおり流れは緩く明暗になかなか寄らない。しかたなくいきなり明暗を直撃。暗部に潜らないリトリーブスピードで明暗沿いにコモモを引いてくる。

が、やはり活性が低いせいか出てこない。こういうときはルアーチェンジで対応。同様にフローティングで勝負。まずはサイズダウンでK-TENをチョイス。こいつのテイルの振り方といったらなんともいえない絶妙なもの。それに誘われてくれと祈りながらキャスト。
今度はややアップ気味にキャストし、徐々に明暗に寄せる。そして岸際から10m程度のところでU字でバイトを誘う。

。。。。。。バイトは一発出てくれたが、結局それっきり。

なので再度ルアーチェンジ。今度はさらにルアーサイズを下げて対応。選んだのはNight raid80F。これは先日汽水域では沈む事を確認したが、今日は先日よりも十分下流にあたる。なので再度潜行してしまうか試してみる。どうやら塩分濃度はガス橋より高いようだ。Night raidは微妙なバランスで浮いている。

これを見たところでそのまま抜き上げ、明暗に再度トレース。

が、活性が低く、全然表層に出てきてくれないのか、すでに何度もルアーが通って見切られてしまっているのか。いずれにせよ沖は沈黙を保っている。そんな中。。。

ボシュッ!

岸際で小魚へのライズ音が炸裂。ちょうど明暗の境付近であった。

「ほほう。。。そこに居たのね」

たしかにその場所はこのエリアで想像できるいくつかのポイントのうちの一つ。
そこを狙うべく、それまで沖の明暗をリトリーブしていたNight raidを急いで回収し、上流側からダウンクロスで岸から5mくらいのところにキャスト。あとは流れで最後にそのちょこっと沖側に寄るはず。

1投目。出ず。
まぁそう簡単には出てきてくれない。なにせ流れはあるけど緩すぎる。

そして2投目。先ほどより岸よりに着水。緩い流れながらも水の抵抗を受け、岸によりつつNight raidは多摩川を遡上する。そして明暗に差し掛かったところで食わせの間を与えるべく1秒あるかないか、ルアーをわずかに止める。そして再度ハンドルを巻いて1/3回転ほど回るか回らないか。。。

ゴンッ!

沖側から銀色の魚影が急激に岸に寄り、反転。水面直下なので水面が「モワッ」「と湧き上がる。それと同時にティップを弾くような衝撃。

出たッ!

その一瞬の出来事に見惚れ、合わせを入れることを忘れていた。が、レッドシャフトはグインっと撓る。向こう合わせで乗っていた。出遅れながらもロッドを横に倒し、追い合わせを一発かます。これで十分にフッキングしたはず。
あとは慌てることなく岸に寄せればよい。

相変わらず川のシーバスは元気だ。ロッドをねかしたにもかかわらず尾鰭で水面をはたいて走り寄ってくる。私は常日頃からバーブレスフックを使っているのでラインテンションが緩めば即フックアウトになってしまう。なのでその走りに対応すべくロッドを振り上げ、一気にラインを巻き取る。

その後2回ほどエラ洗いをかわし、引きも十分堪能したところでランディング。


明暗の岸際に着いていたフッコ。相変わらず魚体は綺麗だ。

サイズは45cmと小ぶり。だが、魚を確認し、自分なりの想像と試行からたどり着いた大事な答えである。
今回も感じからして「食われた」のではなく、「食わせた」に近い。これほど嬉しい事はない。

今日はあいにく入水する道具は持ってきていない。なので念入りな蘇生作業はできないのでそそくさとランディング後のルーチンワークを済ませ、さくっとリリース。

とりあえうず、今日も満足いく一本を獲る事ができた。
ホントはもっと続けていたのだが、この一本に満足し、数投したところで納竿とした。


おそらくこれで2005年上半期は最後の釣行となる。
なので帰宅したところで上半期の釣果をまとめてみた。

さて、どう纏めたかというと。。。

いつだったか、雑誌にルアーフィッシングで釣れる魚の卸値一覧が載っていた事があった。
そこに出ていた鱸の卸値は「¥1800/kg」
さすが高級魚。いい値しますなぁ。。。

ということで2005年上半期にいくら釣り上げたのか計算してみた。

基準は50cm級に設定。
55cmのフッコを2kgとし、計算を簡単にするためにその他のサイズは体積比で重量を見積もり、重量単価をのせる。
ということで、2005年上半期、いくら獲ったかをまとめたのが以下の表↓。

長さ(cm) 15 25 35 45 55 65 75 85
体積比 3375 15625 42875 91125 166375 274625 421875 614125
重量(kg) 0.041 0.188 0.515 1.095 2.000 3.301 5.071 7.382
単価 73 338 928 1972 3600 5942 9128 13288
GET数 2 22 15 47 23 0 0 0
小計 146 7438 13916 92672 82800 0 0 0
総計 196972

なんと。。。20万円ちかくも釣っていたのですね。
築地に持っていってたら20万円か。まぁセイゴクラスは買ってくれないにしてもそれでも18万弱にはなるわけだ。

が。。。

私のシーバシングのスタイルは「キャッチ&リリース」
結局は釣ったシーバスはお金にはならんのです。。。

なんとも非生産的な遊びであるが、これで儲けようなんて考えはサラサラ無い。ゲームフィッシングと心に決めた瞬間から余計な殺生はしないんである。それが自然の余力で遊ばせてもらっているアングラーのせめてもの自然への敬意。これからもこのスタイルは変わる事はない。(ごく稀にキープさせてもらうことはありますが。。。)

ま、これで2005年シーズンも折り返し。

しばらくは厳しい期間が続くが、水中の想像がより鮮明になるようロッドを振り続けることだろう。

しかし。。。

いつまでたってもスズキ級が出てきてくれませんわ。。。
そろそろ出ておいで!スズキ君!


6月24日(金)
多摩川

今週末は残念ながら釣行できず。

ならば今日は逃せない。
ということでさっさと仕事を済ませ、そそくさと会社を飛び出して多摩川を目指す。
上流から河口までどこに立つか悩んだが、結局はいつもよく立つポイントに決定。ここは河口域や最上流域のような混雑はしない。そういう場所でのびのびとキャストできる方が望ましい。これが最上流域を選ばない大きな理由。

案の定、ポイントに到着してみると誰もいない。我が物顔でエントリー。

だが、いつもと様子が違う。この日は大潮後の中潮初日。なのになかなか流れが速くならない。下流から吹き上げる風の影響か、それとも気圧の関係か。とにかく予想外の緩やかな下げ。そのせいか、なかなか活性もあがらず岸際にはびっしりベイトがざわめいているのに肝心のライズはポツリポツリ。。。

だが、ライズが出ているのは確か。着いている魚は少ないかもしれないが、魚はそこにいる。
「釣れる」と「釣る」は違う。後者になれるよう想像をひろげ、自分なりの解を模索する。

まずは多摩川No.1のHITルアー、コモモからスタート。まずは明暗の境際に立ち、緩い流れにあわせてやや速めのリトリーブ。コモモのトレースラインは間違っていない。事実コモモを通したラインでライズはあがっている。が、コモモにはバイトがない。橋の暗部を含めひととおりコモモで探った後、K-TENにルアーチェンジ。同様に境目やや上流側を通す。が、これでも出ない。
つづけてNight Raid。が、これにも出てくれない。Night Raidを投げて本日はじめて気付いたことがあった。それは

「Night raid 80Fは中上流域では沈む」(97Fは沈まなかった)

これはおそらく塩分濃度の影響である。ソルトウォータ用に浮力を調整されているため、汽水域でもここまで上流に上がると塩分濃度は低い。というか淡水に近い状態。これでは微妙にチューニングされたフローティングプラグも沈んでしまうんである。沈んでいくNight raidを見て即ルアーチェンジ。ハンプのブラスに変更。が、これにも結局来なかった。

しかたない。ちょいと沈めてみるか。ということで水面直下を引けるペンシルベイトに変更。まずチョイスしたのは先日夜行人さんが調子良いといっていたので購入したTRIP85。とりあえず初物ルアーがどんな動きをするか試したい。そう思ってとりあえずキャストしてみる。

だが、これが意外と飛ばない。私の1軍ルアーであるヨレヨレ、ワンダーと飛距離を比べると

ヨレヨレ>>ワンダー>TRIP

って感じ。まぁ多少飛距離は劣るが、動きはペンシル系のゆらゆらとしたソフトな動き。これで明暗のライズポイントを通してみる。しばらく投げるが小さなバイトが一回のみ。その後バイトは出ず。
バイトが出たのに次が来ないときは即ルアーチェンジ。ルアーごとの微妙な動きの差に掛けてみる。
次に選んだのはヨレヨレ。飛距離抜群。岸際から橋脚の奥まで放り込める。
まずはただ引き早巻きで明暗を引いてみる。が、数回通せどあたらず。なのでダートアクションを加えてみる。私はヨレヨレのダートアクションはある程度つかんだつもりである。トゥイッチを入れるプラグはリップ付のプラグが多かったりするが、リップレスのペンシルベイトも十分スライドしてくれる。特に今回のようなどシャローなポイントではペンシルベイトのダートアクションは誤って潜ることもなく根がかりの心配も不要。

明暗ちょい上流に着水させ、暗部に潜らないスピードで「パンッ!パンッ!」とヨレヨレを水面直下で滑らせる。
そして3投目、

ゴンッ!!

滑った直後の抜きの動作から再度ヨレヨレを弾こうとした瞬間、ラインには逆方向への力がかかっていた。
エイやコイのスレ掛かりとはモノが違う。明らかに食わせの間でヤツにトリガを引かせられた。
やや引きが弱い。感じからすると40cm前後。数回のエラ洗いをかわし、エントリーポイントまで引き寄せて無事ランディング。


橋脚の明暗でダートアクションに「ガバッ!」と出た。44cmながら満足


もう少し大きいのが出てくれる事を期待していたが、今回はこのサイズでも十分に満足できる。
なぜならこの魚は「釣れた」のではない。「釣った」のである。この違いは大きい。自分なりのアプローチでシーバスにトリガを引かせる。こういう魚はたとえフッコであってもスズキ級の価値がある。アングラーにとって至福のひと時であることに間違いない。

しばらく眺めていたかったが、弱り過ぎない程度の時間で検量をすませ、念入りに蘇生作業をおこなう。一発尾鰭で水面をはたいたところでリリース。この上ない満足感の中で吸う一本の味はまた格別である。

その後ヨレヨレを投げたおしてみるが、着いている魚が少ないせいか、あとが続かない。それともまだまだ私では食わせられる技を持ち得ていないのか。。。ま、きっと後者だろうな。。。
結局その後、ヨレヨレのダートアクションにイナっ子スレ掛かり。あたりはボラジャンプばかりになったのでこの辺で納竿。

いったん家に戻ったのだが、土日といい潮まわりを投げられない自分を抑えられない。
ということであと少しだけ。。。ということで再度出撃。ということで向かったのは一番近いポイントながらこれまでの未踏の地、


初の多摩川最上流域丸子橋の堰。


ここはいろんなアングラーの集まる場所。シーバサー、バサー、フライマン、鮒師、それゆえいつも混んでいると言われるポイント。数多くアングラーが集まる分マナーも悪いとか。
だが、すでに干潮を向かえ、河川のダラダラ上げ潮ならそうアングラーは多くないはず。それに期待して悪い時間帯ながらもポイントに向かう。

ポイントに到着。が、すでに陸から堰を狙っているアングラーが数名。それから週末の合コンの延長戦をしている若者が10名ほど。しばらく様子を見て、いよいよ入水を決意し、ウェーダーに足を通す。先日夜行人さんから教わったとおり瀬を渡って特等席を目指すことに。するとすでにウェーダーを着込んだアングラー出現。挨拶を交わし同じポイントを目指しているとのこと。「自分もそこに立ちたい」と告げ、近場で投げさせてもらうことわりを入れ、そそくさと準備をすませ、その人の後を追う。立ち位置は5mほどだが、投げるポイントを変え、自分は東横線の鉄橋沿いにルアーをトレース。

時折ライズが出てはいるのだが、質の違う2種類のライズがあがる。おそらく1つ目はシーバス。そして2つ目はおそらくどでかいコイ。ボラジャンプは出ていない。
シーバスは表層を意識しているようなのだがこちらが投げるルアーには無反応。そんななか、隣のアングラーにHIT。
さらに立て続けにもう一本HIT。どんなルアーでHITさせているのか聞いてみると実はスプーンであった。
残念ながらスプーンは持ち合わせていない。仕方なくヨレヨレを沈め、やや早引きでバイトを誘う。

が、結局あたらず。

いよいよ真っ暗な空に明るさが戻ってきた。本日はやりたいだけできない。タイムリミットは7時。それまでになんとか結果を出そうと先日夜行人さんがさくさくHITさせたシャローランナーを投げたおす。
しばらくすると、再度隣のアングラーにHIT。なんとルアーはメタルジグ。(全然狙っているレンジが違うじゃんか!?)

それを見たがこれまたメタルジグなんて持ち合わせていない。しかたなく本日持ってきたルアーボックスから湾ベイトを放り込み、早引きで深目を探る。さらにバイブレーションもはや引きで誘うがあたりはサッパリ。。。

そしていよいよタイムリミット。

結局初の丸子堰はボーズで終了。ま、なかなかうまくは行かんモンです。
満潮過ぎの上げ潮位をバレリーナのように爪先立ちで陸までもどり、ウェーダを脱いでいると、こちらへ寄ってくる人が。。。

「あら!かいぱぱさんだ!」

実は私がエントリーした直後、東横線の下流側にエントリーしていたんだとか(全然かいぱぱさんとは気付かなかった)。この後の予定もあるのでしばらく情報交換をしたところで「お疲れ様でした」と先に引き上げることに。

結局1晩で2ラウンド回ったがフッコ一本、イナっ子一本で終了。ま、獲ったフッコの価値はひじょうに高いものであったのでそれに満足しておくとするか。
しかし6月末になってながらまだ今月は2本しか獲れてない。けっきょく今月はパターンをつかめずに終了ってところかな?来月はさらに厳しい月になりそうだが、とりあえずなんとか活路を見出したいもんだ。釣れないときはしかたない、有明に縦列駐車でも取り締まりにいくとするか。。。


6月18日(土)
多摩川

来週末は大潮後の中潮で日が暮れてから満潮がくるなんともよい潮まわりなのだがちょっくら温泉旅行なんてものに行くことになってるので今週が6月としてはおそらく最後の週末の出撃。とりあえずシーバスは一本獲ってはいるが、やはり昨年同様渋い1ヶ月となってしまっている。

今日はkeyさんと出撃。夜行人さんとも最近出撃していないので連絡してみたところ、合流するとのこと。久々ヒヨッシーズ釣り部とフッキングクラブの交流会みたいなもんである。

私の立てた予定は干潮が20時ごろにくるので最河口域で上げの流れを狙おうと思っていたのだが、keyさんはその前の夕マヅメの下げからエントリーするとのことだった。実は私は干潮に合わせるつもりだったので会社で仕事をしていたのだが、潮時表をよくよく見てみると、たしかに夕マヅメもギリギリ下げが効くいい時間であることを確認。それを知ったあとは仕事が手につかず。。。結局予定より1時間半ほど早めに仕事を切り上げ、タックルを車に積み込んで一路多摩川は最河口域を目指す。

やや道路が混雑していたので予定より20分ほど遅れて到着。keyさんはすでについてひとりお目当てのポイントに向かったようだ。ウェーダーに足を通し、ウェーディングベストに本日の一軍ルアーを詰め込んで土手に登る。だいぶ下げてはいるが流れはまだあるようだ。他のアングラーが手前のポイントを叩いているのを横目にこちらは立ち込める最下流へまっしぐら。10分ちょい歩いたところでお目当てのポイントに到着。沖を見やると立ち込んでるアングラーが1名運河筋へ流れ込むエリアを狙っている。keyさんである。
私はその上流側に入り、本流側でキャスト開始。

・・・・・・

久々の多摩川河口。6/4に同じ位置に立ったがほとんどキャストできずに雨にやられたのもあったのでこのポイントでのキャスト、リトリーブの感覚がまだもどってこない。結局あれこれ投げてみるが、潮目も現れず、潮も十分下がりきってるせいもあってかノーバイトで干潮を迎えた。

いったん陸に上がって潮が動きだすまでしばし小休止。先週のコイの話やら、このポイントの潮の動きやらを話して時間を潰す。

いよいよ動き出すだろう時間が来たので再び入水。
上げの場合は本流よりも運河筋からの流れのほうがこのポイントは利くのでそちらの流れからクロスに投げて本流側へ流す。ただしこのポイント、干潮に調子付いて深く立ち入ろうとするとヌタヌタで足が膝位まで埋まるので注意が必要。ドシャローなので深く潜らないルアーで対応する。

しばらくK-TENを投げているがあたる様子がない。上げもまだそれほど利いてないのでいったんkeyさんの様子を伺いに近寄ってみると
key:「ワンダーで今さっきHITしたんだけど、バレた。。。」
ウェーディングで初HITということもあってか、対抗するのにあたふたしてしまった隙にフックアウトしてしまったようだ。

それを聞いて私もK-TENからワンダー、ヨレヨレに変更。水面直下をふらつかせながらU字を描く。すると、

ゴンッ!

あたった!が、フッキングに至らず。

魚は入ったようだ。が、なかなか次が続かない。
しばらくあたらないので少しでも沖に放り込めるよう一度陸から投げてみることに。ポイントが変わったのでセオリーどおり表層、ビッグサイズルアーから探りをかける。

バンズ・・・ダメ
コモモ・・・アタリなし
レア・・・ダメ
ナイトレイド・・・静か

ここら辺りでフローティングからペンシルベイトに変更。

ワンダー80・・・ダメ
ヨレヨレ・・・ゴツッ!

しばらく動かない。ゴミでもかけたかもしれない。そう思って腰を使ってロッドをゆっくり引き上げるように寄せにかかる。
すると。。。

ジ・・・ジジジ・・・ジーーーー

ゲゲッ!重い。。。しかも重いけどただラインが出て行くだけ。
この感触、上流でも味わった。が、ここは最下流域。川というより海である。こんなところにコイがいるはずもない。
ってことは。。。

サッパメソッドでおなじみのステルス戦闘機みたいなヤツである。

keyさんに教えてやりたいとこだが、自分の立ち位置からでは声も届きそうにない。しかたなく独りこのステルスと格闘。これまた先日のコイ並みの不気味な走り。ロッドはこれでもかってほどに撓って、ドラグをさらに強めに設定しなおしたのにお構いナシでラインがでていく。
10分ほど格闘したろうか。ようやくラインが真下にくるあたりまで寄せてこれた。ここまで寄せて一度も水面に出てこないのはヤツしかいない。さて、ここからどうしようか。。。

そう思った矢先、急激に突っ込み始めた。じつはここにはかけ上がりがある。それにラインが掛からないようにロッドを振り上げようとした瞬間、

プツンッ

ラインブレイク。ヨレヨレをつけたままステルスは沖へと戻っていった。

少なくともルアーだけは回収したかったのだがそれもできずに終わってしまった。
しばらくするとkeyさんがこちらへ戻ってきた。エイ警報をだし、よくよく注意しましょうということで再開。

keyさんは陸の横にできるヨレ周辺を、私は陸から再度沖の潮目を狙う。
そして再び選んだのがヨレヨレ(BlueBlue)。以前ここで沖目からヨレヨレでフッコをだした記憶をたどり、7秒ほど沈めてジャーキング。そして数度トゥイッチをかけては抜きを作り、バイトを誘う。それをくり返すこと数回。

コツッ!

HIT!

そばにいたkeyさんに「HIT」を伝えファイトに入る。が、これまた様子がおかしい。
走り出したら止まらない。エラ洗いもでない。もしかして。。。

先ほどと同じ突っ込み。またもやエイを掛けてしまったようだ。

それを確信したところでkeyさんに再度、

「どうやら平べったいヤツです。。。」

ここでランディングするなら陸にズル引き。そうなると必然的にkeyさんが立ち込んでるあたりをこの平べったいヤツが通る。さすがにkeyさんもそこに立ち続けてられないと一旦陸にあがってきた。しばらく突っ込みに耐えたがさすがにこの重たい引きを連発したら腕がかなりしびれてきた。なので一度keyさんにバトンタッチ。keyさんにエイの引きを感じてもらうことにした。すると、

keyさん:「この引き、前に感じたことある」
私:「それって東海埠頭でどでかいの当てたって言ってたやつ?」

実はkeyさんもこの引きは知っていたようだ。そしてそれがスズキでない事を再確認。だいぶ腕の感覚が戻ってきたので再度バトンタッチしてルアー回収にかかる。無理やり水面に上げようとしてもそう簡単にあがらない。ちょこっとヤツが浮き上がった力を利用して背筋でロッドを引き上げる。ようやく浮いてきた。魚体を確認。

ワガテンテキ、アカエイ

空でも飛ぶかのように座布団のようなその体をはためかせている。
さて、最後はどうやっても今の立ち位置からランディングできない。しかたなく一旦水に入り、干潟にズル引きを試みる。が、最後の最後がなかなか寄らない。一瞬浮いたような感触が伝わったので一気に引き上げようと強引に寄せる。次の瞬間。

プツンッ!(再)

誤ってロッドの撓りを使わずまっすぐ引いてしまった。そしてGood bye ヨレヨレ・・・

またもやエイにヨレヨレを持っていかれてしまった。
エイを掛けただけでもかなり気分が萎えるのだが、さらに大事にしているヨレヨレを2つも持っていかれ、完全に意気消沈。が、まだ潮は動いている。なので気を取り直して懲りずに再開。

私は懲りずに陸から。keyさんはステルス地雷に気をつけながら運河筋の流れをクロスに攻める。
しばらくしてkeyさんが再びこちらによってきた。

keyさん:「なーんか、右足が冷たい感触が。。。」
ウェーダー内は洪水がおきていた。理由は不明。おそらくフックでも誤って掛けてしまったのだろう。
これ以上入水すると被害が拡大するので立ち位置を交換し、再開。

が、結局二人ともあたらず、keyさんは洪水と疲労とでしばらくして先に納竿とした。

私はまだやめれない。これではまた釣果記録が止まってしまう。それまで狙っていた運河筋から本流側に移動して再度表層から。コモモ、バンズと投げ終わったところで夜行人さんからTEL。

「最下流域で50cmGET」

すでに夜行人さんが入っているのは予想がついていた(暗くてだれだか視認できんのです)。
それを聞いてこちらもやる気を振り絞る。
満潮を向かえ、再度陸にあがって一休み。

タカマツさんと夜行人さんから先日の丸子橋の状況を教えてもらいながら時間を潰し、いよいよ潮が下がりだすところで再度エントリー。

が、結局うまくいかないときは何やってもだめなのはいつも通り。

日の出までのマラソン釣行。結局HITできたのはにっくき天敵のみであった。

せっかく先週GETできたのに釣果記録は1日でまた止まった。
帰り道、土手を歩きながら夜行人さんから重要な一言をいただいた。

夜行人さん:「有明、京浜運河、隅田みたいにパターンを見つけなきゃ」

まったくもってその通りである。このゲームは季節ごとのパターンが存在する。
潮、水温、ベイト、その他シーバスが着く要素が集まるポイントを探さねばならない。だが、これが一番難しい。とくにこれから8月くらいまではかなり難しい。夏=河川なんて言われることもあるが、河川に入れる個体はすぐれた環境適応能力を持っていなければならないはず。

これからの季節のパターン模索。
それなりにシーバスの着き場を探せるようになったが、まだまだ今の私ではこの季節の攻略法は見つかっていない。
またまた暗中模索だな、こりゃ。。。

帰宅してベッドで横になりながらそんなことを考えているうちにあっという間にオチたzzz


6月11日(土)
多摩川

日本各地で梅雨入り

いよいよ個人的に一番いやな季節に突入。基本的に外でばかり遊んでることが多いので降るのか降らないのか分からん天気はどうにも予定が立てられない。どうせ降るならドバッと降られた方が諦めがつくってのに。

実は前日出撃しようと思っていたのだが、雨で中止。
今日もそんな日。天気予報では曇りのち雨。アメダスを確認すると雨雲予想は微妙な感じ。
悩みに悩んだ挙句、今日は濡れてもまぁいいかということで強行出撃。

ポイントはもちろん多摩川。スズキ級を狙うなら私の手の内ではここが一番確率が高い。先日フッキングクラブが多摩川のシーバスフィッシングエリアとしては最上流域となる丸子橋で二人揃って75cmをあげたとのことだが、こちらには向かわず、そのひとつ下流側のポイントに狙いを定める。丸子橋のほうが距離的には近いのだが、このポイントはマナーの悪さは前々からよく聞こえている。ラインがクロスするのもお構いなしだとか。

そんなわけでひとつ下流のガス橋に到着。天気はなんとか小康状態を保っているが、風がやや強め。そんな中、ウェーダに足を通してお目当てのポイントにエントリー。岸際では稚アユがワサワサと逃げ惑っている。こりゃ好条件かもしれない。あまり深くに立ちこまず手前から徐々に探ることに。
先日コモモをいきなり根にかけたのであまり潜らないK-TENからスタート。まずは明暗の上流側に立ち、まだ早くなっていない流れにあわせてゆっくりと通す。が、まだ明暗付近に着いた個体の活性は上がっていない様子。しばらく投げ続けていると徐々にライズ音が増えてきた。いよいよ活性があがってきたようだ。

明暗よりやや上流でライズ発生。しかも十分ルアーを通せる位置。これまでよりさらにアップクロスにK-TENをキャストし、ドリフトでそのポイントに寄せていく。ラインスラッグからするとそろそろそのポイントをK−TENが通過しようかというあたりで「モワ〜」とボイルがあがり、その直後、

ゴンッ!

出ました!みごと活性があがった個体をHITさせた。いきなりエラ洗いはせずに潜行開始。サイズの大きい個体はこういう傾向があり、ある程度暴れて苦しくなったあたりでエラ洗いをだす。橋下の暗部に向かって猛烈に突っ込んでいく。ドラグは50UP確定を知らせている。というか悲鳴をあげ続けている。時折激しくアタマを振る様子が右腕にバンバン伝わってくる。

「ついにスズキ級きました!?」

と、にんまりした次の瞬間。。。

プツンッ! プツッ!

だが、まだ引き抵抗は感じている。おそらく水中で暴れてそれまで掛かっていたフックが外れていく感触である。そして、とどめの、

プツ、フッ・・・

まったく引き抵抗がなくなった。代わりにK-TENがお尻を振る感触だけが残っていた。
フックアウトである。
なんとも悔しい。残るのはやり取りした右腕の気だるさのみ。最近は以前と違って魚のいる場所がだんだんと見えてきた。が、そのあとがまずい。まだまだやり取りが未熟である。
フッコとスズキ、特にやり取りに差はないのだろうけど、なんでかスズキ級と思われる強い引きはバラしてしまう。

一度陸に上がり、タバコをつけて小休止。いろいろと考えてみる。特に魚の誘導が悪かったとも思えない。やはり合わせの甘さが原因か。まぁ、あれこれ考えてもフッキングの状態なんてその都度違う。そのときそのときで臨機応変に対応せねば結果にたどり着けないんであろう。

タバコを消して再び入水。一度掛けて場が荒れたのか辺りでライズがあがらない。しばらく当てもなくルアーをキャストすると岸際で大きなライズ発生。これを見逃さないわけがない。立ち位置を変え、そのエリアをくまなく探る。そして10投くらいしただろうか、

コンッ!

明らかにシーバスのひったくるバイトとは感触が違った。どちらかというと根がかりでルアーが止まった感触。
だが、根がかりではなかった。1秒、もしくは2秒ほどテンションが張っていた直後、

ジーーーーーッ!

突然ドラグが勢いよく鳴り出した。
(で、でかい!!)

ドラグは止まる様子がない。50UPが分かるドラグ設定では全然止まる気がしない。左手でスプールを抑えてマニュアルでドラグを調整するが、スプールを完全に止まらせようものならあっさりラインが切られそうな突込み。左手で滑りでるラインを微調してステイさせるのは諦め、ドラグが出るのもお構いなしでジャカジャカとラインを巻き取ってはみるが、ラインを巻いている方向とスプールの回転する向きは全くの逆方向。

しばらく巻いているうちにふと嫌〜な感触がよみがえってきた。

「この感触、ボラではない。が、このトルク。。。もしやして平べったいやつ???」

さすがにガス橋ほどの上流域までのぼって来るとは思えん。
シーバスならそろそろエラ洗いを出してもよいもんだが、まったくその姿は水面に上がってこない。あきらかにシーバスとは違うという気持ちがやり取りをしているうちにだんだん強くなっていくが、そいつの正体が何だか見当もつかない。
ラインの先にいるヤツの引きに耐えている右腕がかなり重くなってきた。が、それでもまだラインは出ていく。
10分は軽く格闘している、ドラグの出はだいぶ緩くなったがラインを巻き取ろうとしても先にドラグが利いてしまい、魚が全然寄ってこない。しかたなくロッドを引き上げながらラインを巻き取っていく。

恐らく岸まで10m以内までは寄せたのだが、その最後が寄らない。
もしかすると流木かなにかの沈み根にラインが絡まったか?恐る恐るラインが水面に見える位置まで歩み寄ってみる。そこは何度も立ち込んでいるポイント。そういう根がない事はよく分かっている。ラインの近くまで行くと「ブルブル」とまたもがきだした。だが、先ほどみたいに沖に走る力はないようだ。左手でスプールを押さえ、強引に岸に引きずりだす。ようやく背が水面に見える位置まで寄せてきた。が、ラインの先端と魚体の位置関係に違和感を感じた。

「やはりエイ地雷ではないようだが、どうもスレ掛かりのようだ。それにしてもでかい。スレでもシーバスだったらよいのだが。。。」

ライトをつけ、その魚体をマジマジと拝ませてもらう。

「ゲゲゲッ!なんじゃこりゃ!?」

シーバスではない。が、その腹から背までの高さといったらこれまでみた事がない。
正確にはよう分からんが、口ひげがあるところからするとどうやら「コイ」である。

最後の最後、重たすぎて水から上げられない。フィッシュプライヤで口をつかんで持ち上げようとすると、あまりの重さで持ち上がらない。そのままズル引きで岸際にランディング。


背にスレ掛かりながら76cmのコイ。K-TENが小さく見える。。。


前にも言ったが再度、

「今年の外道はとにかくでかい!!」

フィッシュプライヤは重量も測れるのでどのくらいあるのか確認してみた。すると何と!

7.5kg

こりゃ全然寄せられんわけだ。というかその腹ン中に何が入ってるんだ?
右腕が完全にしびれている。そのくらい引きは強かった。
なんでシーバスはバレるのに外道はガッチリフッキングしてんだか。。。

とりあえず初外道なので写真に収め、また岸をズル引きしてリリース。無事に戻っていった。向こうもビックリしただろうが、こっちもかなり驚かされた。

外道ながら右腕がしびれてロッドを握ってる感触もおかしくなっていたのでタバコをつけて小休止。

しばらく休んだあと、再びエントリー。さすがに外道だけでは帰れない。
とはいえ、夏の潮は夜はあまり動かない。しかも暦では中潮も明日まで。だいぶ緩くなった流れの奥まで立ち込んでのキャスティング。ここまで立ち込めばやや沈むコモモカウンターでも根に掛かるまい。コモモを橋脚の奥まで放り込み、U字で橋脚をかすめるようにリトリーブ。だが、だいぶ潮が緩んでいるため、魚は着いているのだろうけど活性があがってない様子。しばらく橋の暗部や上流側を通し、橋脚のピンポイントを10分ほど休め、再度集中した1投でコモモをU字で橋脚をかすめるようリトリーブ。そしてラインが流れにのって橋脚まで1mまで接近。そしてそこからコモモに引き抵抗はわずかに強く掛かった瞬間、

ドンッ!

出たッ!
これぞシーバスのバイト。ティップが弾けるような感触。先ほどのスレ掛かりともボラアタックとも違う。
数秒潜ったと思ったら今度は一気に急上昇とともにエラ洗い。ティップを水中に沈めエラ洗いに対抗。エラ洗いはシーバスと確信するファイト中の1光景ではあるが、一番ばらされやすい行動のひとつであるのでできればこれを出させずに寄せたい。エラ洗いを出されぬようにすると今度は下流に向かって一気に走る。さきほどのコイとのやり取りでドラグ設定を少し強めに変えたのだが、それでも連続的にドラグは悲鳴をあげている。

「今度こそスズキ級?」

今度はバラせない。一度ステイした隙に背筋を伸ばすようにロッドを振り上げ、追いあわせを一発いれる。おそらくこれで完璧にフックは刺さったはず。あとは丁寧に寄せるだけ。
しばらくこの強い引きを堪能し、岸際で最後のひと暴れをかわしてようやくランディング。


やはりコモモは強いがスズキ級には届かず。57cm。


やはり河川のシーバス。港湾の個体よりその魚体は綺麗である。そしてなによりリバーシーバスはそのサイズで港湾の+10cmくらいの引きがある。サイズは60cmに到達していなかったが、有明で60cm超とやり取りしているのと同じような引きだ。
テイルフック1本だけが掛かっていたが、追い合わせがきいていたのか、がっちり口の横っちょにかかっていた。

さきほどのわけわからんコイと違って眺めていて惚れ惚れするような魚体である。しばらく眺めていたいところだが、リバーシーバスはもともと港湾より個体数が少ない。なのでなるべく元気なうちに返してやるのがゲームフィッシングをやっているアングラーの彼らへの敬意。そそくさと記念写真をおさめてリリース。

やや遅ればせながら今月に入っての初シーバス。昨年のこの月はなにをやってもダメだったが、完封されることだけはなくなった。その後しばらく投げてはみるが、完全に活性低下。ボイルのボの字もでなくなった。一応ボーズ記録は1日で終了。だが、やはりリバーはバチパターンのように爆釣というわけにはいかんかな?
まぁ釣果があがるだけありがたいといったところか。

しかし、困ったことがひとつできてしまったのも事実。それはなにかというと、

今年の最長記録をまた外道が更新してしまった。

実は今年のこれまでの最長記録は京浜運河であげたトドの68cm。今度はそこから8cmUPしての76cm。。。
昨年はシーズンオフギリギリまでダツ(68cm)が最長となっていた。シーズン最後の最後で幸運にもランカーをGETできたので無事シーズンを閉じることができた。
ランカーシーバスなんてまだ私の実力では年に1本獲れるかどうか。そう簡単に76cmを超えるサイズになんてお目にかかれんもんである。とくに港湾ではほとんどお目にかかれんだろうな。個人的にはひとつ大きな十字架を背負ったような気になってしまった。。。

こりゃ、今年は多摩川にたくさん通わねばならなくなったわ。。。(といいつつ、有明なんかにも出向きますがね)
とりあえずこの外道を超えられるようがんばるとするか。


6月5日(日)
三崎-多摩川

前日は何ともさえない日だった。

その鬱憤を晴らすというわけではないが、とりあえず何か食えるものを釣りたい。
そう思って決めた三崎釣行。
サバでもアジでもいい。できればマダイがいい。アオリイカが釣れたらサイコーだ。そう思って朝っぱら3時の起床。急いで三浦半島の先端を目指す。

いつもの通り衣笠で三浦縦断道路に入り、京急の三崎口を通り過ぎ、マグロ漁港の手前にある餌屋に到着。
が。。。なんと朝マヅメのいい時間だというのに閉店中。
今日は餌釣り。餌がなければ何もできない。仕方なく一度戻って一番近くにあった餌屋でコマセとオキアミを購入。

これで準備万端。
あとはあのアスレチック堤防を降りていつもの潮通しのよいポイントに立つだけ。

が、すでに餌屋が開いていないことが何かを物語っていたのかもしれない。
冷凍加工場の奥にある駐車スペースが妙にガラガラ。

「おっかしいなぁ。。。ここに来たら駐車スペースを探すのが常なのだが。。。
妙な感じがしたのでいったん回りを見渡しにいった。やはり一般車両が見当たらない。おかしい。。。
加工場から第一のアスレチック関門の堤防を登るところを見に行ってみた。すると。。。

これでもかという頑丈な柵が張られていた。。。

しかもそれまであったはしごは撤去されていた。

これまでは暗黙の了解で立ち入らせてもらっていたのだが、とうとう完全に立ち入れないようになっていた。実はいつもやっているポイントは現在新たな船着場にしようとしている新堤防。いよいよ最終工事に入るためか、一般人の立ち入りを厳しく規制しだしたようだ。

これでは仕方ない。ポイントを他に移すとしよう。といって、どこにしようか。。。
とくによいポイントを知っているわけではない。手持ちのタックルでは城ヶ島の磯に立てるものも無いし。
しかたなく反対側の船着場でひじょーにおとなしい餌釣りとなった。

隣のおっちゃんはマメアジ、子サバ、カワハギをGET中。仕方なく私もサビキのバケにオキアミを刺して岸壁沿いを探る。昨年のこの時期、keyさんたちにカワハギが当たった。なのでそれと同じ狙い方。
が、前とはポイントが違った。さらに最悪なことに当初の予定では軽く10mはあるだろう新堤防の岸壁で岸ジギを敢行するため、ベイトタックルを持ってきていた。しかもそのロッドはいずれタチウオジギングにも出られるよう硬いバット。ジグも60gクラスまでなら普通に耐えるもの。これで挑んでいるのだからカワハギなどの繊細あたりは取れない。。。

結局またも干潮まで粘ったが獲れたのはネンブツダイ一匹。。。

ボーズではないが、ボーズとなんら変わりはない。

前日同様、さえない結果となってしまった。
これで終われない。終われるはずがないんである。

そう思わせたのは夜行人さん。

実は三崎でコマセを振っている間、夜行人さんからメールが届いた。

「多摩川丸子 75 60 60 50 40 40 40・・・」
どうやら多摩川で爆釣したらしい。(しかし日曜の朝の9時前にメールって。。。起きてたからよかったものの。。。)
あとでGETBOOKで分かったことだがタカマツさんも爆ったようだ。二人して75cmを獲ったんだとか。

夜行人さんの釣果を聞いて、しかも三崎の惨敗という結果を前に、行かないわけにはいかない(って諦めが悪いんです、私。。。)

一度戻って仮眠をとり、久しぶりにチャリンコで多摩川へ向かう。ただし、夜行人さんらが攻めたポイントでなく、もういっこ下流のポイント。こっちのポイントの方が思い入れがある。なんといっても初スズキ級を獲ったポイントなんである。丸子橋とガス橋はチャリンコでせいぜい15分。特に問題ない距離。チャリンコにロッドを括りつけ、背中にウェーダーを背負って一路ガス橋へ向かう。

が、仮眠が長すぎた。。。

すでにポイントに到着したときは完全に日が暮れ、おいしい橋の明暗上流側はすでに先客がいた。

しかたなく橋の下流側にエントリー。こちらは上流側より出は悪いがそれでも出ないわけではない。これまで何度かここにエントリーしている間にシーバスがライズするエリアはおよそ知っていた。
まずは何よりもコモモカウンターをチョイス。カラーは違うがこれが私の多摩川攻略で最強のルアー。昨年の秋、コイツは大活躍だった。

とりあえず橋の暗部から徐々にドリフトで流そうとキャスト。が、これがミスキャスト。力んだせいで狙った方向とは全然違う下流側へ着水。「ありゃりゃ、こりゃ失敗。。。」と思ってやや急ぎ気味にリールを巻き、ルアー回収を試みた。
が、これが失敗。

コモモカウンターはふつうのコモモより重量を増している分潜る。
このポイントはいろんなところに上流から流れてきたゴミが沈んでいることを忘れていた。

ゴツッ!

巻いていたリールのハンドルが止まった。
ん??
魚の辺りではない。が、リールが巻けない。

あっちゃー!いきなり根がかりだ。。。

しかもどうやっても外れそうにない。さすがにコモモをロストするのはひじょうに痛いのでラインの先を見て十分立ち入れるポイントで根がかったのを確認し、自らコモモ救出に向かう。
しかしこれが意外に深かった。まだ潮位が十分高いので足元にコモモがいるのは分かっているがこちらはほとんどバレリーナの状態。とても手を突っ込める状態ではない。しかたなく足でどんなものに引っかかったかを探ってみると、どうも長いシート状のもののようだ。足でそのシート状のものをはがそうと試みたが、これまたどうやらとても大きい様子。足で少しずつそのシート状のものをめくり上げていくがいくら捲っても取れそうにない。

そうやっている間にも時合いはすぎていってしまう。しかたなく、ラインを切ってコモモを諦めることに。

こういうシャローは一度根がかりすると次の攻め方に影響が出る。
深く潜行するルアーをどうしても敬遠してしまう。ということで次に選んだルアーはTuned K-TEN。これならほとんど潜らない。しばらくはただ巻きでアプローチするが当たる気配がしないので時折トゥイッチをまぜてリアクションバイトを誘う。

すると、トゥイッチを入れた直後、

ゴンッ!

あちゃ、また根がかり??

そーっと巻いてみる。全然根にかかった様子はない。
言うまでもない。シーバスのバイトだったのだ。根にあわせてしまうかもしれないという恐怖感からその感触に合わせを入れられなかった。

その後、3回アタリはきたが、ショートバイトであわせきれず、そのアタリを最後に時合いは終了。
最後に投げたローリングベイトをロストしてしまったところで意気消沈。これにて納竿とした。

さすがに2つもルアーをロストするのはひじょーに痛い。ローリングベイトは橋脚に引っ掛けたので深さからするとどうやっても取りにいけない。潮は十分下がったのでさきほどラインを切ったコモモ救出に向かうことに。

足で先ほどのシート状のものを探りあて、コモモのフックがウェーダのフエルトに掛かったのを確認。そのまま強引にフエルトで引っ張るとソールがそのままはがれる恐れがあるので腕を突っ込んでシート状のものを引っこ抜くことにした。
シート状のものは実は絨毯。これではどう頑張ってもロッド操作で回収は難しい。足と腕でなんとか絨毯を引きずり出し、無事コモモ救出に成功。水を含み、泥がかぶったその絨毯は軽く7,80kgくらいはあったかな?
おかげで疲労倍増。その足に鞭打ってチャリンコをこぎ、家路に就いた。

結局、この2日間、何をやってもダメだった。
これは以前から何度も味わっていたこと。

「ダメな時は何をやってもダメ!」


このコトバをあらためて認識した週末となった。

4月はじめから続いていたシーバス連釣記録も今日でついに止まった。まぁ、これまでが調子よすぎたのかもしれない。たまにはボーズでも喰らわないと釣れる喜びを忘れてしまうかもしれないのでこんな結果があっても悪くない。そんなことも考えながら帰宅。

ま、連釣記録はこれで止まったけど、これからも頑張りますよ。


6月4日(土)
館山

待ちに待った日。

実は先日からどうしてもやってみたい事がありまして。。。
何かというと、

ヒラメ釣行

ソルトウォータでルアーを投げているなら一度は獲ってみたいターゲットである。
こいつがかなり高級な魚だということはたいていの人は知っている。鱸も十分に高級魚であるが、おそらくそれ以上に違いない。えんがわを食べようものなら昔マンガであった味将軍ばりに絶叫しそうなほど。

普段はリリーススタイルを重んじているが、こと外洋サーフではその限りではない。鱸もそうである。
東京湾奥のようなどす黒くなった魚体はまずあがらない。なので味も格別なはず。
ということで、本日は「Catch & Eat」のルアーフィッシング。

雑誌などで有名なあるヒラメハンターがこんなことを書いていた。

「6月は1年を通して最もヒラメの釣率があがる」

なら行かない手はない。雑誌に紹介されていたのは南房総。水温が16度を超えてくると高活性になる(らしい)。ということで房総では一番暖かくなっているはずであろう、最南端の館山をkeyさんと目指すことにした。
ヒラメは朝マヅメが調子いいということなので日の出前からポイントに立てるように時間を決めた。

が。。。

実はこの日の前日は会社は休みだった。
体調万全で臨もうと思っていた木曜の夜、職場の上司からTEL。嫌な予感。。。

「明日(金曜)、予定ある?」

いやな予感的中。
私が直接担当していない仕事であるが、どうにも突破口が見出せないということで急遽金曜にあれこれ調べて欲しいという連絡だった。実はこのトラブル、昨年の11月にざっと見て関係者には知らせておいたことだった。たしかDiaryにも書いていた気がする。「爆弾処理をしといた方がよいよ」と言っておいたのに、結局爆発寸前になってあれこれ騒いでいる。半年間何もやっていないツケが今来たのだ(まぁ何もやってなかったわけじゃないが)。
金曜はさっさとあがるつもりだった。が、この考えが甘かった。

「今日(金曜)はエンドレスだな・・・」

夜8時から始まった会議で上司がそんなコトバを発した。

勘弁してくれ!明日はkeyさんと南房出撃の日。最悪でも終電までには帰してくれ。
そうは言ったものの、せっかくの3連休、しかも実担当でない私に徹夜せよとは言うつもりはなかったようで、終電には帰してくれた。

といいつつ、すでにkeyさんをピックアップする予定時間からは大幅に遅刻。急いで拾いに行って一路南房総を目指す。

結局朝マヅメの前半戦には間に合わず、日の出直前でポイントに到着。


なかなか良さそうなサーフ。さて、結果はいかに。。。


ウェーダを履き、いよいよヒラメ釣行開始。


払い出しを狙うkeyさん。頑張って釣っちゃってください!


昨年の夏、私はサーフからのジギングを一度だけトライした事があるのである程度の波は予想していたが、この日もやはり打ち寄せる波は強く、引き波に体ごともっていかれそうなところを踏ん張りながらのキャスティング。
しかしこれがまた難しい。波の立ち上がりの奥にルアーを放り込みたいのだが、そこまで届かない。別に風が強かったわけではない。完全な凪。ポイントまでちょっと遠い。さらに中潮の下げだけあって速い。のんびり巻いているととんでもない方からルアーが返ってくる。ひどいときは打ち寄せられた波にもまれ、私の背後から返ってくることも。。。

ヒラメ用に購入したシマノのオシアヒラメSPもプロディジーもあたらず。
ルアーを変え、立ち位置を変え、結局2kmくらいのサーフをローラー作戦で潰していったがダメ。挙句の果てに底狙いで投げたローリングベイト、表層シーバス狙いのヨレヨレをキャスト時にラインがガイドに絡んでロスト。その他フルスイングキャストで力んだせいか、ライントラブル多発。
結局干潮まで粘ったが二人して何一つあたることなく第1ラウンド終了。。。

keyさんと次のポイントを探しに行くと、ところどころに良さそうな磯場を発見。はじめは様子見で立っただけなのだが、二人ともある考えに到達。

「とりあえず、通してみますか」


上げ始めからポイント探し。なんともよいサラシを発見。


いったん車に戻り、再度タックルを準備。ルアーは磯のヒラスズキ用に細身のフローティングで挑む。
私は念のためにウェーディングベストを着用したのだが、keyさんはいつもの湾奥スタイルで。
(ちょっと心配だなぁ。。)


狙うは磯のヒラスズキ。コイツが釣れたらランカー並みに嬉しい。


それぞれ打ちつける波がかぶらない磯場に立ち、それぞれの正面にあるサラシめがけてキャスト開始。
あれこれ試してみる。が私には全くアタリなし。ついでにそこそこ大事にしていたルアーショアラインシャイナーを磯に掛けてロスト。keyさんのチビワームは何度かバイトがあったようだが鋭い歯でワームをちぎられるだけで乗らず。もちろんそう簡単にあたる筈もない。シーバスを狙うものなら一度は手にしてみたい魚種。それくらヒラスズキは価値が高いし釣れない。。。
結局どうにも釣れそうにないのでこの磯場から次のポイントに移動。

何箇所かポイントを見て回ったが、春の潮の昼のど干潮。あまりに干上がりすぎて何も釣れる気がしない。
仕方なく東京湾内で何かを釣ろうと木更津方面に戻ることに。
途中、ガストによって腹ごしらえ。実は以前keyさんと伊豆に釣行したときからの決まりごとがある。

「ボーズの時はご当地名産を食ってはならない」

「ボーズだからこそ」という考えもできるが、これは自分らに科した罰ゲーム。釣れんヤツは食う資格なし。というルールを守り、学生の頃よくお世話になったこってりハンバーグで腹を満たした。
実はこのとき、「さすがに疲れたので夕グラは棄権しましょう!」
ということになった。

疲労で腹を満たしたのでオチるのも時間の問題。keyさんはガスト出発して間もなくご就寝。私もいつものようにオチると思ったのだが、何でかこの日は眠くならなかった。途中の道の駅で仮眠をとることもなくアクアラインを走る。湾岸線は渋滞しているとの事だったので浮島からは一般道を通ることにした。
その途中、浮島から一番近い公園のトイレでホッと一息。ついでに多摩川の潮色を確認。するとkeyさんから一言。

「(夕マヅメGP)やりますか」

待ってました!そのお言葉。
実はこの公園でトイレに寄ったのは半分そのコトバを期待していたからだ。keyさんならありえる、そう思って寄ったのは正解。

コンビニでリゲインを購入し、夕グラのキーワードを車中で待つことに。
午後4時過ぎ。Salty!編集部からのTEL。今回のキーワードは「チームの絆」。
さて、何にしよう。。。

これといってよいアイデアが浮かばない(疲労でアタマが働かない)。
面倒なのでルアーのフックを使って輪を作り、それを私とkeyさんの腕に通して記念撮影。
この大会は不正を防ぐために毎回編集部からその回ごとにキーワードが渡され、その写真をおさめたところから開始となる。結果はそのフィルムを編集部に送り、総ポイントで順位を決める。

疲れた体に再度ムチを打って多摩川は河口域へと向かう。途中岸壁沿いを叩きながら昨年の秋、ランカーと出会えたポイントを目指す。


結局第3ラウンド突入!Salty!の夕マヅメGPで多摩川スズキを狙う。


空を見るとなんとも怪しい雲行き。
携帯の天気サイトでアメダスと3時間の雨雲進路予想を確認。すでに府中や立川の方は大雨。雨雲予想進路を見るとどうやら雲は南風に乗って北上するとのこと。
これを信じてウェーディングできる最下流へ再出発。

ちょっと手前のシャローに到着。あたりは稚鮎が何かに狙われていたのか、水面を騒がせていた。そして時折あがるボイル。とりあえず狙ってみようとTUNED K-TENをキャスト。
すると、一投目から根がかり。。。

(今日はホント調子悪い・・・)

keyさんも最下流まで行かず私がルアー回収に立ち入ったエリアからキャスト開始。
根がかりを外し、そのポイントから沖目を狙い始める。が、今度は2投目でまたもメインラインがガイドに掛かってK-TENだけ沖にすっ飛んでいった。。。

さすがに腹が立ったのと、K-TEN自体はフローティングなので浮いているだろうあたりに深く立ち込んで捜索(無事回収)。
ラインシステムを再度組みなおし、気を取り直して沖へキャスト。

ふと、空を見やる。

(うーーーん。。。なんか嫌〜な雲だなぁ。。。)

それまで背中側から感じていた南風が止んでいた。
それから数投するとわずかながら雨がポツポツ。
気になったので再度アメダスを確認。

ゲゲッ!真っ赤なエリアがすぐそこにあるじゃんか!?
予想進路を確認。

東京と神奈川の境付近をまっすぐ下りてくる。

まさに多摩川に沿って東京湾を目指しているのである。
こりゃ、あかんわ。。。雲の色からして確実にバケツをひっくり返したような雨が降る。さて、どうする?
沖に立ち込んで投げていたkeyさんの方に歩み寄り、雨雲進路を知らせる。

「今日はこの辺にしておきましょうか」

さすがにこの雲行き、この結論は正しいと思う。
先ほど来た土手沿いをまた歩いて戻る。すると向かいから二人のアングラー。どう見てもこれから通り雨があるのに。。。
一応その両アングラーにkeyさんから「これから大雨来ますよ」と伝え、我々は車へと戻る。

オデに到着し、着替えをしていると、あっというまに大粒の雨。
やはりあの時点で切り上げて正解だった。さっさと着替えていたのでほとんど雨に当たらずにすんだ。(
途中すれ違ったアングラーはびしょ濡れになって戻ってきた)

結局夕マヅメGPは開始後の1時間弱で終了。
そのままkeyさんを送って帰宅となった。

一応これまでシーバス釣行で連続釣果を更新していたが、野球で言うところの雨天による規定回に未到達の無効試合とさせてもらう。

朝から12時間超のマラソン釣行。
結局二人して1本も獲れずの完敗を喰らった。
ホント、ダメなときは何やってもダメであると再認識した日となった。

ま、初ヒラメ釣行でいきなり釣れると思う方が間違いかな?
とはいいつつも、懲りずにこれからもたびたびサーフには立つことだろう。
お疲れさんでした。





Back