山口民報2007年1月28日、第2498号掲載

空母艦載機の移転問題と岩国

 

  昨年 12月 19日、防衛施設庁は 2007年度の岩国新庁舎建設補助金を支給しないと通告してきました。

 日本共産党東部地区委員会は仁比聡平参院議員を通じて緊急に防衛施設庁に、要請、抗議を行いました。補助金を支給しない根拠とする、KCー130空中給油機のグアム、鹿屋への訓練移転について何がどのように岩国への負担軽減になるのか、根拠を示すように求めましたが「ローテーションでグアム、鹿屋で訓練するので岩国での負担は少なくなる」を繰り返すだけで、米軍と協議し約束をとりつけているのでもなんでもないことが明らかになりました。

 結局、岩国市が空母艦載機の受け入れに反対している事への制裁 措置以外何者でもないことがあらためて明らかになりました。こんなことが法治国家の元で許されていいのかと代表団は厳重に抗議しました。この行動には仁比参議院議員だけでなく、安保・防衛問題を担当する沖縄の赤嶺衆院議員も駆けつけてくれ久米けいすけ前県議、春名参院候補、中林衆院候補、大西、藤本両市議と総勢 7名で 1時間奮闘しました。

 昨年 12月 3日付け中国新聞社説でも、アメリカのフロリダ州の住民投票の例をあげ、アメリカ国内では住民の意思を尊重し、日本では住民意思を無視してダブルスタンダードと批判しています。

  12月議会最終日に保守系 4会派が合同して「井原市長問責決議」を強行してきました。来年度に予定していた新庁舎建設補助金 35億円が付かなかったのは、井原市長が艦載機受け入れに反対しているからで「現実的対応」をせよとせまるものです。問責されるべきは国であって、絶対対認められるものではありませんが記名投票の結果 17対 15(棄権 1)で問責決議は可決されました。

 採決に当たって問責決議反対討論は、 4会派 7名が行ったのに対し、賛成派は周東町出身の阿部議員が行ったのみで、旧岩国出身議員は黙って座っているだけという自信の無さでした。

 岩国では、今回の新庁舎補助金カットという国の制裁に対して市民の激しい怒りが巻き起こっています。「国の言うことは何でも聞かなければいけないのか、それでは民主主義ではない」「国がそんな無茶を言うのであれば基地をのけてもらえばいい」などである。

  住民投票を力にする会(吉岡光則会長)では住民団体の統一した行動を粘り強く働きかけながら、独自に「いやなものはいや・艦載機くるな」のポスターを作製し貼り出しを進め、近く署名運動を始めることも計画されています。

 艦載機受け入れ派は、国や県の意向に沿って新庁舎補助金問題、愛宕山開発事業の赤字問題を利用し、盛んに夕張市のようになると口コミで流しています。また、このほど愛宕山開発に伴う「市道改良事業」の国庫補助を認めないとの新たな「圧力」も明らかになりました。

 井原市長は 12月議会以後、市議会各派との意見交換を行い日本共産党市議団(大西明子団長)とも率直な意見交換を行いました。井原市長は、艦載機問題など対応が難しくなっているが、私の考えは以前と変わっているわけではない。財政問題など市民の中に誤解も生まれているので、よく説明してあげてください。市としても 3月議会前に住民説明会を検討中であると説明し和やかに懇談しました。

 いまこそ日本共産党の責任の重さを自覚し、艦載機来るなのたたかい、県議選、参院選の勝利のため頑張らねばと決意を新たにしています。(岩国市議団幹事長 藤本博司)