2005年2月9日、岩国地域合併問題審議の臨時議会がありました。

私たち日本共産党岩国市議団は、合併に反対の立場で討論をしました。3人それぞれの発言をご覧ください。


・藤本ひろしの 発言

 岩国地域市町村合併に関する諸議案についての内、議案第4号岩国市、玖珂郡由宇町、同郡玖珂町、同郡本郷村、同郡周東町、同郡錦町、同郡美川町及び同郡美和町の配置分合について、議案第号岩国市、玖珂郡由宇町、同郡玖珂町、同郡本郷村、同郡周東町、同郡錦町、同郡美川町及び同郡美和町の配置分合に伴う財産処分に関する協議ついて、議案第号岩国市、玖珂郡由宇町、同郡玖珂町、同郡本郷村、同郡周東町、同郡錦町、同郡美川町及び同郡美和町の配置分合に伴う経過措置に関する協議について反対の討論を行います。

 私たち日本共産党市議団は今回の8市町村合併についてあらゆる角度から調査し研究してまいりました。同僚議員との重複を避けて私は4点について討論します。

 第一は住民の自治、住民の声が行政や議会にどう反映していくかという問題です。住民の意見を反映する地域審議会を設けるとされていますが、この地域審議会には何の権限も一円の予算の配分もありません。権限も予算もなければ要望があってもいいっぱなし、聞きっぱなしと言うことになってしまいます。特に過疎といわれる地域の問題をどうするかという問題は深刻です。これらの地域が何とかして人口の減少を食い止めようと設けていた転入奨励金や結婚祝い金などの施策は無残にも切り捨てられています。替わりの手立てはなんら講じられていません。これでは過疎に拍車がかかるだけです。

 議会への住民の意思や意見・要望がどうなるでしょうか、今でも議員の姿が住民に見えないといわれています。8市町村の人口を現在の議員数119人で割ってみると議員一人当たり約1300人です。これが議員34人になると約4500人になります。さらに中国山脈から瀬戸内海までの山口県一の広大な面積となり、ますます議員と住民の距離が遠くなるのは目に見えています。

 結局住民の声は行政にも届かない議会にも届かないということになり、国会議員・政治家への不信感ともあいまって住民の政治への関心がますます低くなり、選挙の投票率も低下していきます。これが民主主義の形骸化になってしまう危険性に大きな危機感を持つものです。

 農業委員の数も大幅に減少します。農業委員は単に農地の宅地への転用の審議だけではなく、基盤整備、土地改良、営農指導など広範囲にわたる問題に専門的にかかわる機関ですが、80人の委員が一年間の在任期間を経過後30人になります。この広大な土地を議員より少ない、わずか30人では目が届きません。これも形骸化していくことを憂慮するものです。

 第二は地域の将来がどうなるか、地域の経済がどうなるか、現在の市町村がどうなっていくのかという視点です。

 新市建設の根幹となる事業 ― 新市主要事業 ― を見ると岩国市のほうは中心市街地活性化事業とか軍民共用空港開設とか市庁舎建設とかが上げられています。一方町村の主要事業を見ると公共下水道、図書館、コミュニティ施設、学校施設の整備など切実な問題が多くあげられています。こうした新市の根幹となる事業は多額の費用を要するものであり、合併により住民一人当たりの借金は増える、国からの交付税は大幅に減らされるわけですから、これら事業を短期間に行うことが出来ないことは明確で、絵にかいた餅になる公算が大きいと指摘せざるをえません。

 第三に職員の仕事や雇用、将来の見通しという視点です。

 合併のねらいが職員を減らすことそして人件費を抑えることに置かれています。つまり、合併の最大のターゲットが職員だといっても言い過ぎではないでしょう。とにかく職員さえ減らせばなんとかるというのが、非常に乱暴な言い方ですが、合併協議の数値で具体的に示されている中身だといっても差し支えないでしょう。

 しかし、この広大な面積を持つ新岩国市が、類似団体比較の範囲におさまるわけはありません。仕事があればその仕事をこなすために人はいります。いるものはいるのです。現に、いま正規の職員は確かに減っていますが、臨時職員や嘱託など低賃金労働者に置き換えて仕事をこなしている状況です。

 つまり限界に来ているということです。無理をしてこれを減らせば、働く意欲を奪うだけでなく質の低下を招きかねません。「人は城」という言葉がありますが、経済効率だけを求めていけばやがて大きなしっぺ返しを食うことになるということを警告しておきたいと思います。

 最後に、合併協の新市建設計画概要版に「新市はどんなまちになるのでしょうか」新市の将来像として「豊かな自然と都市が共生した活力と交流にあふれる県東部の中核都市―自然・活力・交流のまちづくり―」と書いてあります。これが実現できれば本当にすばらしいまちづくりができるでしょう。こんなことを書いているかと思えば一方では財政の所で、「合併後11年目からは普通交付税の支援措置が減額・廃止されるため決して楽観は出来ず、更なる行政の効率化が必要」と書いています。本当に支離滅裂な新市計画ではありませんか。

 過疎が進んで人間がいなくなったら、豊かな自然も何もあったものではないと思います。新逐条地方自治法の著者の解釈によると、そもそも地方自治法は市と町を区別して考えているそうです。市の行う事務と町の行う事務にも福祉事務所とか都市計画法の適用とか差を設けています。また地方交付税の補正係数について格差を設けています。

 それは「人口が集中している都市部と農林水産業中心の町や村とはおのずからそこに経済的社会的な性格の相違を予定している」と述べています。

 したがって、本来人口の少ない産業の少ない、自前の収入が少ない町村の面倒は国が見なければならないものなのです。財政力の乏しい岩国市が7つの町村の面倒が見れるわけがありません。

 私はこのたびの平成の大合併は、戦後の新しい憲法の元で打ち立てられた、地方自治制度を根本から破壊するものだと思います。つまり自治体が自治体でなくなっていく過程の重要な一里塚にされてしまいまう危険です。

 国は無駄づかいを続けながら、銀行やゼネコン優先の政治の結果生まれた国の借金のつけを地方に一方的に押し付けて、国から地方への支出を減らすことに一生懸命です。国の方針が変わらなければ自治体リストラには際限が無いと思います。道州制へ行き着くことは目に見えているではありませんか。これが地方自治の破壊でなんでしょうか。

 自分たちの住んでいるところを住みやすい町にしたいと望んでいない人は誰もいないと思います。長い歴史と伝統を持つ自分たちの町や村を守って行きたいとみんな考えています。しかし、先ほどからみてきたように、岩国地域の8市町村合併は大きな矛盾・無理があります。合併は、岩国のためにも町村のためにも住民のためにもならないことを確信を持って主張いたします。

 以上の意見を述べて議案第4号、5号、7号に対する反対討論といたします。


・大西明子の発言

 私は議案第4号、岩国市、玖珂郡由宇町、同郡玖珂町、同郡本郷村、同郡周東町、同郡錦町、同郡美川町及び美和町の廃置分合について、議案第5号岩国市、玖珂郡由宇町、同郡玖珂町、同郡本郷村、同郡周東町、同郡錦町、同郡美川町及び美和町の廃置分合に伴う財産処分に関する協議について、議案第7号岩国市、玖珂郡由宇町、同郡玖珂町、同郡本郷村、同郡周東町、同郡錦町、同郡美川町及び美和町の廃置分合に伴う経過措置に関する協議についての3議案に一括して反対討論をおこないます。

 日本共産党は今回の「平成の大合併」市町村合併の押し付けには、きっぱりと反対の立場です。

 それは、平成の『大合併』で政府、与党が目指しているのは『自治体リストラ』であり地方自治の蹂躙だからです。

 自治体リストラと言うのは、国にとっては金のかからない地方制度づくり、財界が望む地方制度作りです。効率の悪い地方の市町村を合併し、そこから財源を引き上げて都市に集中しようというのが財界戦略です。

 総務省は『市町村合併は画期的な行政改革』『市町村合併すれば安上がりになる』と繰り返し明言しています。今回の合併の動きは、市町村側から自発的にはほとんど生まれませんでした。そこで、国による都道府県を動員しての合併押し付けが強力に進められました。地域住民や市町村の意思でなく上からの押し付けであるわけですから、まさに地方自治の蹂躙そのものです。

 こうした国による市町村合併の押し付けにきっぱりと反対するのは、地域と住民の利益のためにも、地方自治を守る立場からも当然のことです。

 岩国地域の合併は(1)対等合併(2)総合支所方式(3)在任特例を前提に進められてきました。何が何でも合併しかない。合併先にありきの論議が先行し住民にとって希望の持てない将来が展望できない合併の内容となっています。

 困難な問題や住民に具体的に利害につながる事例はみんな先送りしており、例えば総合支所方式一つとっても総合支所に予算が着くのか、職員の人数はどのくらいになるのか、こうした質問には具体的に答えていません。

 それぞれの自治体は市役所や役場を中心に、日々の生活や地域経済が動いています。今後その中心である総合支所がどうなるかは、地域の経済の将来に多くの影響を与えます。日本共産党市議団は合併して9年目になる丹後篠山市、東京あきる野市等へ視察に行き現地を見てきました。合併した一つの市は区画整理も行われ、道路も拡張され新しい町並みが出来ており、もう一方の町は、銀行も支店から出張所に、保険センターは撤収され郵便局も中心部へ移転し、それこそその地域は火が消えたような寂れ方でした。篠山では60人いた職員が人に、あきる野市は二百数十人いた職員が社協の人を含めて10人です。

 企業の少ない町村にとって役場は企業に変わる雇用の場でもあります。若者が定住する大きな役割を果たし地域の活性化を担っているのが現実です。新市になって数年立てば出張所になる。これはすでに合併した自治体を見れば明らかです。岩国市の出張所並に職員は3人から人、多いところでも10人程度と予想されます。

 現在7町村の職員数は560人です。これが5060人しかいらないとなるとそれこそ町は寂れ子どもや孫の働く場も無くなり、役場周辺の商店街も人がいなくなれば衰退します。

  まさに合併が過疎を促進することになるのです。これでどうして豊かな自然と都市が強制した活力と交流にあふれる県東部の中核都市が出来るのでしょうか、私は無理だと思います。

 新市建設計画の根幹となる事業に庁舎建設、民間空港、駅前開発を挙げています。これらの事業費だけでも500億円近い巨額の費用が必要だといわれています。町村からも総合公園や運動公園、総合支所の整備など多くの根幹事業の要望が出されています。

 516億円の合併特例債は借金の返済にも使い全額使えないとしています。さらに事業費の三分の一は自主財源が必要です。岩国市は平成17年度は10千万円の財源不足です。これでは大型事業にまわす財源はありませんし、大型事業を優先すれば住民のサービスが切り捨てられます。

 老朽校舎の修繕、道路や少子化対策など市民の暮らしや福祉の予算が削られ地方自治の任務である住民の利益は守られません。地方自治は住民の福祉、教育、暮らしを守るとりででなければなりません。住民の利益を守れない合併はすべきではありません。議案号の議会の議員の在任に関する特例に付いては日本共産党市議団は原則選挙を主張しており、在任特例に反対します。

 以上の理由を述べて議案第4号、号、号の3議案に反対の討論とします。


・山田やすゆきの発言

 私は、議案第4号 岩国市、玖珂郡由宇町、同郡玖珂町、同郡本郷村、同郡周東町、同郡錦町、同郡美川町及び同郡美和町の配置分合について。

 議案第5号  岩国市、玖珂郡由宇町、同郡玖珂町、同郡本郷村、同郡周東町、同郡錦町、同郡美川町及び同郡美和町の配置分合に伴う財産処分に関する協議について。

 議案第7号 岩国市、玖珂郡由宇町、同郡玖珂町、同郡本郷村、同郡周東町、同郡錦町、同郡美川町及び同郡美和町の配置分合に伴う経過措置に関する協議について反対の討論を行ないます。

  日本共産党市議団は、市町村合併は「自治体のリストラ」であり、国は地方への財政支出を大幅に削減し、一方、大型開発をより効率的に進められる体制づくりであること。 また、「自主的な市町村合併」といいながら、その実、国による強力な誘導策と押し付けは、地方政治の精神に反すると度々指摘してまいりました。

  昨年、地方交付税が 2兆 9千億円も削減されました。「三位一体」どころか補助負担金の縮減や税源委譲とは全く無関係に地方交付税を突然、一方的に大幅に削減しました。

  地方 6団体(知事会・市長会・町村会・県議会議長会・市議会議長会・町村議会議長会)は「このままでは 2005年度以降の予算編成の見通しが立たない」と 7000余名で異例の決起大会を開催いたしました。

  昨年合併した周防大島町は既に来年度の予算編成において、 6億円の財源不足が生じているとのことであります。

  又、岩国圏域の町村でも来年度予算編成にあたって、 10数億円の財源不足が予想されています。

  岩国市長は、当初「周辺の町村を救わなくてはならない・・・・・」と発言していましたが、国の三位一体改革に伴う地方交付税の予想以上の落ち込みで、 17年度予算編成において岩国市は 10億 3000万円の不足が生じ、記者会見で「市政運営はきわめて困難。合併後も厳しい状況が予想される」と表明しています。

  岩国市は平成 12年度末に借金が約 670億円・一人当たり 63万 4000円に達し、財政は危機的だとして、平成 13年 2月に「財政健全化計画」を策定。市民のささやかな要求・要望には予算がないと退けてきました。

  今日の厳しい財政状況は一時的なものではなく、バブルとその後の国の経済対策にしたがった公共事業の急速な拡大によるもので岩国市もしかり、特に周辺の町村は大借金。

  その内訳は法定協の資料だけでも、岩国市の借金約 651億円、町村の借金約 444億円、

 8市町村の借金残高は合併後 1095億円になり、市民一人当たり 61万 5000円が 71万 1000円と大幅に増えます。

  このほかにも愛宕山関連並びに公共用地取得事業、市庁舎建設事業、公共下水道事業等多大な借金が予定されています。この付けは孫子の代まで負わすことになります。

  合併後は更に厳しい予算編成になり、住民サービスは行き届かなくなることは必死です。

  国の推し進める市町村合併は、当初「サービスは高く、負担は低く」を合言葉で始めましたが、法定協資料に「合併したからといってすぐバラ色ではない」といわざるを得ない状況になっています。

  「周辺の町村を救うどころか、市職員でさえ合併すれば岩国市・岩国丸は沈没する」とあちこちで話している状況であります。  

  これでは 30人学級の実現や老朽校舎の修繕、特別擁護老人ホーム建設などなど市民の暮らしや福祉にお金は使えません。

  合併算定替えについて、「合併後 10年間で 300億円、その後 5年間で 75億円の増加額が見込まれます」と説明し、そのように理解されているようですが、合併して特別に多額の財源が確保されるものではありません。

  これは合併した市町村に対して、合併後 10年間は合併しなかった場合の普通交付税を保障するというものであります

  合併 11年目から、 5年間段階的に引き下げられ、 16年目からこれが「ゼロ」になります。

  合併したら交付税を大幅に減額するのが、国の合併の目的であります。この「合併算定替え」は合併を無理やりに成し遂げる為のもう一つの「アメ」であります。

  皆さんも御承知のように地方交付税は年々見直されていきますので、合併後の交付税も財政シュミレーションに示されている金額が保障されているわけではありません。

  又、財政調整基金も、 03年度末、約 20億円あったが 7億円に減る見通しが明らかになりました。 10万都市では 10億円程度が適切とされていますが、各町村の状況を見ても 9億円を大幅に割り込むとの報道もあり、これも困難になってきています。

  このように財政の一端を見てもこの合併には無理があり、市民の理解が得られるものではありません。

  このことを述べ、私の反対の討論といたします