12月26日、平和とくらし、福祉を守る岩国市をめざして、日本共産党東部地区委員会と岩国市議団は一緒に、

岩国市にたいして下記のような2004年度予算編成についての要望を提出しました。


平和とくらし、福祉を守る岩国市に

二〇〇四年度岩国市予算編成に対する要望

日本共産党東部地区委員会   

委員長  吉田 貞好

日本共産党岩国市議団

団長  大西 明子

岩国市長

井原 勝介 殿

 

  はじめに

  日本経済と国民生活は日本列島のどこでも不景気で苦しんでいます。

  小泉内閣が進める道は、この長くつづく大不況の中にあっても国民への巨額の負担増を強いています。

  医療保険制度の改悪、介護保険料引き上げ、年金給付額の引き下げ、雇用保険改悪など社会保障制度の大改悪やタバコの増税、配偶者特別控除の廃止などの増税で合わせて四兆四〇〇〇億円の国民負担が押し付けられようとしています。

  市の予算編成で最も重要なことは、リストラ、倒産、失業、社会保障の切捨てで苦しんでいる市民生活を応援することにあります。

  米軍岩国基地を擁する岩国市は、自衛隊のイラク派兵に反対し、これ以上の基地拡大・強化は許さず、地方自治の原点である「住民のくらし・福祉」を守り、国の悪政から住民生活を守る立場にたって、奮闘することを願うものであります。

  日本共産党は、以上の立場で新年度予算編成にあたって以下のよう求めます。

 

一、米軍岩国基地の拡大・強化を認めない平和行政の推進を

1、岩国基地での着艦訓練については絶対に認めないこと。

2、日本国内での着艦訓練は禁止する旨を日米地位協定に明記させること。

3、米軍岩国基地の機能の拡大・強化に反対し、早朝・夜間の飛行については容認しないこと。

4、岩国都市計画道路にかかわる基地用地は無償で返還させること。

5、米軍の岩国港などの利用は認めないこと。

6、沖縄・普天間基地のKC130部隊の先行移駐は認めないこと。

7、米海兵隊の強襲侵攻用ヘリコプター部隊HH46とMH62Sの岩国への常駐・配備と訓練を認めないこと。

8、米軍機事故については、原因の公表と安全対策を徹底させること。

9、米兵犯罪については、日本の司法権の拡充を国に求めること。

10、21世紀の早い時期に米軍基地を撤去し、核も基地もない平和な岩国をめざすこと。

11、「核兵器廃絶都市宣言」を尊重し、未臨界核実験にも抗議するなど、核兵器廃絶のための行政を充実させること。

 

二、民主主義・地方自治

1、「市民こそ主人公」を基本に市民のくらしと福祉・平和を守る岩国市政を進めること。

2、今日までの同和行政の到達点を明らかにし、終結と一般行政への移行の展望を示すこと。

3、同和行政に関する補助金のあり方を見直し、他の補助金との格差を是正すること。

4、上からの「押し付け市町村合併」は行わず、地方自治を守り発展さすこと。

 

三、福祉・医療

1、高すぎる国保料金を払える料金に引き下げること。

2、市町村国保への県助成を求めること。

3、介護保険の低所得者を対象にして利用料・保険料の減免制度を創設すること。

4、短期保険証の赤丸短を廃止すること。

5、ホームヘルパーの質的充実・処遇の改善、給食サービスの充実改善を行うこと。「保険あって介護なし」の解消のため特別養護老人ホームを建設すること。

6、早急に灘海園の建替えを行い、増床・個室化をはかること。

7、乳幼児医療無料化制度の所得制限をなくすこと。

8、学童保育所入所希望者数にみあった施設の充実・改善をはかること。

9、リストラによる失業の増大など、厳しい経済状況である窓口規制による生活保護受給抑制を止めること。

10、生活保護所帯の自動車の保有を無条件に認めること 。

 

四、教育・文化・スポーツ

1、教育施設の維持・補修費を大幅に増額すること。行政改革を口実に文化・スポーツ・教育予算を削減しないこと。

2、30人以下学級の早期実施を国に求めること。楽しい学び舎づくり事業を継続すること。

3、学校給食の自校方式を堅持し、中学校給食は地域の実情をふまえできるだけ早期に実現すること。

4、総合体育館の使用料を引き下げること。

 

五、自然・生活環境・街づくり

1、分別収集による再利用・再資源化の徹底で、資源循環型社会をめざすこと。

2、ごみ焼却場のダイオキシン調査、並びに錦川の環境ホルモンの調査を行い、結果を公表すること。

3、水源保護条例を制定し、水源地域の安全性を高めること、上流域の保水造林を進め、錦川の水質を守り、ダムによる水量の減少をきたさないようダム協定を守らせるとともに平瀬ダムの建設見直しを国・県に申し入れること。

4、中国電力の上関原子力発電所計画の中止を県・中国電力に申し入れること。

5、岩国市に財政負担を強いる「愛宕山地域開発」を再検討すること。

6、市営バスは市民の足を守る為、福祉施策として位置づけ、料金の値上げは行わないこと。

7、シティ電車を当面、南岩国駅まで延長するようJRに申し入れること。

8、岩国駅地下道にエレベーターを設置すること。

9、 耐震性貯水槽・消防ポンプ車をはじめ、施設・設備の増強、消防職員の充足をはかること。

10、北河内、南河内に早期に診療所を再開し、常駐の医師をおくこと。

11、住民合意のない国病沖の産廃処分場建設計画を白紙撤回すること。

 

六、中小企業

1、サラ金・クレジット・商工ローンの被害の実態を把握する為に相談窓口を設置すること。

2、納税者の人権と権利の尊重をうたった「納税者憲章」の制定を国へ要求すること。

3、特別保証制度の主旨を生かし、弾力的な運用をはかること。

4、無担保無保証・超低金利、据え置き期間を延長とする特別融資制度を検討するなど対策を強化すること。

5、公共事業の発注・物品購入などは分離分割発注を徹底させ、地元業者優先をつらぬくこと。

6、不公正な企業への補助金支出をやめること。

7、大型店の進出を規制し、中小商店の営業を守るための「街づくり条例」を制定すること。

8、小規模修繕契約制度をつくること。

9、産業活性化支援事業「住宅リフォーム助成事業」を実施すること。

 

七、農林漁業 

1、米を輸入自由化の対象からはずすよう政府に申し入れること。

2、レンコン生産を地場産業と位置づけ、環境を守り、後継者問題などについて対策を強化すること。塩害の原因を解明し、価格を保障すること。

3、漁業振興をはかり、アサリ貝などへの支援を強化すること。

4、林業者の要望に基づき、林道の新設・整備を推進すること。

5、農作物を猿・猪の被害から守る対策を行うこと。

以上