12月1日、「国の仕打ちは許さん怒(ど)!」1万1千人が集まり、「国の仕打ちに怒りの1万人集会in錦帯橋」は大成功、国に市民の声をしめす歴史的な集会となりました。

 

  錦帯橋の河原で開かれた集会には目標を超える11000人が集まり、米軍艦載機部隊の配備反対に対して市庁舎補助金をカットした国への抗議の意思を示しました。

  集会は、日本共産党市議団も参加し党派を超えて空母艦載機部隊移転に反対する「議員有志の会」や市民団体などで実行委員会を結成し、開催されました。

  井原勝介市長は「市庁舎建設補助金の突然のカットは、国民の負託を受けた国のやることではない」と国を強く批判。「これは、岩国だけの問題ではない。地方自治、民主主義を守ることであり、どこでもおこりうることだ」とのべ、「あくまで市民を守るために自らの手で新しい民主主義を勝ち取ろうではありませんか」と訴えました。

  実行委員会の岡田代表は「国のやり方は、悪徳代官のやり方と同じだ。艦載機を受け入れて犠牲になるのは私たちの子や孫だ。反対の世論を大きく広げていこう」とあいさつしました。

  百合ヶ丘自治会副会長さんは、「子どもはおとなの背中を見ています。百の言い訳より一つの信頼。今この社会で「約束を守る」国の正義を見せてください」と訴えました。

  日本共産党、民主党、社民党などの国会議員9人も激励に駆けつけ、共産党から は穀田恵二衆院議員、仁比聡平参院議員が連帯のあいさつをしました。

  ステージからの各氏の発言に「そうだ」の声と大きな拍手が何度も上がりました。

  最後に、プログラムの裏に書かれてある「怒」の文字を、「国の仕打ちは許さん怒(ど)ー」の唱和とともに掲げ会場を埋め尽くしました。

 

 

怒りの一万人集会アピール

 いま岩国市は4度にわたって予算案が否決され、財政は重大な局面を迎えています。このような混乱の原因は、約束を守らない国にあります。

 庁舎建設補助金は、KC−130空中給油機移駐のみかえりとして国が約束し、すでに2回にわたり 14億円が交付されています。米軍再編はそのあとに出てきた話です。

 汚職疑惑で逮捕された守屋前防衛事務次官は「わが官僚生活に悔いなし」と題した寄稿文のなかで「厚木の艦載機部隊の移駐は自分が思いついた」と述べています。しかし、「厚木にいらないものは岩国にもいらない」のです。

 また、混乱を招いたもう一つの原因は、市の予算案を否決した議員にあります。艦載機受け入れ容認派の議員は「民意は変わった」といいますが、旧岩国市議会で「艦載機受け入れ反対」を全会一致で議決したことを忘れたのでしょうか。

 今回の市議会議員選挙で「反対」を表明しながら予算案を否決し容認を迫るなどをみても、変わったのは「民意」ではなく、そうした議員の方です。

 「現実的対応」とは言ったが、「受け入れ賛成とは一言も言っていない」と詭弁をろうする議員もいます。

 国や県の圧力に対して、市民の安全・安心を守ろうと立ち向かう井原市長をリコールするという動きにも負けられません。

 この清流錦川や錦帯橋のまち岩国を、極東一の米軍基地にしていいのでしょうか。愛宕山に米軍住宅などもってのほかです。

 米兵 4人による女性暴行事件のように、日本の法律が適応されない治外法権の状態はゆるせません。日米地位協定の見直しを求めます。

 去る 25日には、沖縄で基地を囲む人間の鎖行動が行われ、明日は神奈川の座間市で2万人の集会が開かれます。

 私たちは多くの市民と手を携えて、また全国の運動にも励まされて必ず 35億円の庁舎建設補助金を国に出させるまで運動を強めていく決意です。

 同時に、国の仕打ちに怒りの一万人集会の名において、全国の皆さんに呼びかけ、庁舎建設資金を自らの力で作り出すために、全力を尽くすことを宣言します。

2007.12.1

「国の仕打ちに怒りの1万人集会in錦帯橋」


 

 

 

岩国だけの問題ではない

1万人集会 井原市長の発言

 山口県岩国市で開かれた一日の「国の仕打ちに怒りの一万人集会」での井原勝介市長の発言(大要)を紹介します。


 岩国市は基地を撤去しようとまでは言っておりません。国にも国政にも協力しないといけないという考えで、基地に協力してきています。

 しかし、地域住民の生活、安心を守ることは基本的な問題です。今回の空母艦載機部隊移転だけは我慢できない。これが市民の痛切な思いだったと思います。それを端的に示したのが、あの住民投票です。岩国は圧倒的な意思を示しました。

 本来、民意は政治の場では重いものです。でもなかなか市民の声が届かないのが現実です。その後も一方的に再編が進められようとしています。

 あまつさえ、言うことを聞かないからといって建設中の市庁舎補助金を三年目にしてカットする。本当に信じられない強硬な措置がとられました。こんな非常識な措置、今までないのではないですか。

 国民の負託を受けて政治、国があるのです。「アメとムチ」で市民の意思を押さえつけようとする手法は、国が行う措置ではない。こんなやり方では不信感が高まるばかりです。米軍再編は国の安全保障と地域住民の安全・安心、これをいかに調整するか、バランスをとるかの問題です。お金、圧力で左右すべき問題ではない。

 「国の決めたことだから、くるものはくるから、それならカネをもらったほうがいい」という人たちがいますが、そんな市民をあきらめさせる政治は絶対にしてはいけません。

 私たちは豊かで、安心して、本当に平和に暮らせる、平穏な生活を望んでいます。

 そのためには一人ひとりが自由に生き方を決め、町の未来を選択できる真の民主主義の仕組みが必要です。

 岩国市民は住民投票を契機に、既存の政治に任せられない、自らの町の未来は自ら選択するという強い意思を示しました。

 市民の中から、庁舎の問題で岩国の心意気を示そう、カネが出ないなら自ら三十五億円集めようという自主的な動きが出ています。

 これは岩国だけの問題ではありません。全国どこでも起こりうる問題です。そうした観点で一緒に岩国とともに行動してほしいのです。

 こんなに大勢のみなさんが集まっていただいて、百万人の味方を得た思いで感激しています。十二月一日、きょうが、日本の自立した新しい民主主義の輝かしい第一歩になるんではと感じております。私は、この身を挺(てい)して頑張るつもりであります。

 あくまで市民を守るために、自らの手で新しい民主主義を勝ち取ろうではありませんか。