2005年3月議会で外来生物(アルゼンチンアリ・クロゴケグモ)防除対策の早期実施を求める要望決議が全会一致で採択されました。


外来生物(アルゼンチンアリ・クロゴケグモ)防除対策の早期実施を求める要望決議

 自然界における生態系は、太古より捕食、被食といったことを繰り返し、微妙なバランスのもとで成立している。地域のさまざまな生物の相互作用により 成り立っている生態系は、外部からの生物の導入にもろい面を有しており、特に島国で独特の生物相や生態系が形成されている我が国においては典型的であ る。

 近年になって、交通手段の発達に伴い人と物資の移動が活発化し、国外または国内の他地域から、生物が本来有する移動能力を超えて、人為によって意図 的・非意図的に導入される生物が増加し、これら外来生物の中には、地域に侵入してくると、生態系への影響だけでなく、人の生命・身体、農林水産業へ被 害を及ぼすものがあると指締されており、早急な対策が求められている。

 本市の一部地域においても、ここ数年、外来生物であるアルゼンチンアリや クロゴケグモの存在が確認され、特にアルゼンチンアリについては、人的被害や農作物への影響が訴えられており、また西日本地域に拡大することも懸念されるなど、もはや看過できない事態となっている。

 こうした状況の中、国においては昨年 6月、我々の生活や生態系への悪影響を防止することを目的として、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防 止に関する法律」を公布し、本年 6月の法施行を目指し現在、指定生物の検討を行っている段階において、アルゼンチンアリ、クロゴケグモが指定される見通しとなった。

 このことから、市当局におかれては、当該法律の制定を契機とし、また本市議会においても再三、問題提起されたことを踏まえ、関係住民のみならず、岩国市民が安全で安心して暮らせるよう国及び県との連携を密にし、アルゼンチンアリ、クロゴケグモの防除対策を早期に実施されるよう強く求めるものである。

 以上決義する。

  平成 1723

                         岩 国 市 議 会


南米原産の外来種アルゼンチンアリ問題は2002年夏頃から住民から苦情が寄せられはじめました。

 黒磯地区、元町周辺、岩国駅前の6地点の地区でも発見され、特に黒磯地区では大量に繁殖し家の中に入ってきたり、農作物にも被害が出ています。

 同年12月議会で山田泰之議員が市議会で初めて取り上げました。県議会でも当時久米けいすけ県議が取り上げました。

 日本共産党東部地区委員会も03年1月から東京大学の寺山守先生達の協力のもと、被害実態調査を行ってきました。その後も東京大学の研究室がフェロモン剤を使った防除の研究を被害の一番大きな黒磯地域の畑で行っています。

 また地域住民が「被害地域住民の会」を結成し岩国市に実態調査と駆除剤購入費の補助を求める署名を提出していました。

 このたび、岩国基地で繁殖が確認される毒グモ・クロゴケグモとともに国の「外来生物防止法」の指定生物になる見込が生まれたことを契機に全会派が一致して議員提出議案として採択しました。

実験の様子 アリが集まってきた 

写真はアルゼンチンアリの防除実験の様子と黒磯地域

 

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