2004年8月13日、沖縄国際大学構内の本館ビルに米軍ヘリが激突、墜落炎上するという重大な事故が発生しました。
奇跡的にも人身への被害は免れましたが、大惨事になりかねない事故であったにもかかわらず、米軍が事故直後から墜落現場を封鎖し大学関係者や付近住民の立ち入り、沖縄県警の現場検証さえ拒否しました。
また、事故原因の徹底究明・再発防止策の十分な説明もないまま22日には事故機と同型機の飛行を再開、あまりにも日本の主権を無視しています。
沖縄の住民の大きな不安と恐怖感は決して他人事ではありません。
墜落したCH−53D大型輸送ヘリコプターは岩国基地所属でした。
9月市議会の最終日9月22日、墜落事故に関しての意見書を全会一致で採択しました。また、日本共産党市議団を代表して藤本議員が意見書に賛成討論を行いました。
CH−53Dヘリコプターの墜落事故に関する意見書
去る 8月13日、米軍岩国基地に配備されていたと報道されている、CH−53Dヘリコプターが、普天間飛行場に隣接する宜野湾市の沖縄国際大学構内に墜落する事故が発生した。
米軍岩国基地は、普天間飛行場と同様に市街地に位置していることから、基 地周辺住民を初め市民は、今回の事故に極めて大きな不安を感じているところ である。
このため、本市では、今回の事態を決して看過できない重大事故として受け とめ、国及び米側に対して、事故原因の究明と早期公表や機体の安全性が確保 されるまでの飛行停止などについて強く要請しているところである。
しかしながら、米側は、十分な事故原因や再発防止策等の説明を行わないま ま同型機の飛行を一方的に再開し、加えて、事故後、沖縄県警察による現場検 証を拒否するなど、日本側の要求を無視するやり方に市民は強い憤りを持って いる。
よって、国におかれては、国民の生命と財産を守る立場から、今回の事故に ついて、米側に対して厳重に抗議するとともに、下記の事項を速やかに実現さ れるよう強く要望する。
記
1 事故原因を徹底的に究明し、その結果を早期に公表すること。
2 機体の徹底的な安全点検を実施し、安全性が確保されるまで飛行を停止すること。
3 日米地位協定の抜本的見直しを行うこと。
4 工場及び市街地の上空の飛行については、岩国日米協議会での確認事項を遵守すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成 16年9月22日
岩 国 市 議 会
藤本博司の賛成討論
みなさんおはようございます。
日本共産党市議団を代表してCH-53Dヘリコプター墜落事故に関する意見書(案)に賛成の立場から討論を行います。
本意見書の趣旨は去る8月13日に米軍岩国基地所属のCH-53D大型輸送ヘリが沖縄国際大学構内に墜落する事故が発生したことに対して、徹底した事故原因の究明と早期公表及び機体の徹底的な安全点検と、安全性が確立するまで飛行の停止を求めることを主な内容とするものです。
この事故は、市街地への墜落という、一歩間違えば大惨事につながりかねなかった重大事故であり、市街地の中にあって、同じCH-53Dヘリコプターが配備されている、米海兵隊岩国航空基地地元自治体として、決して看過することは出来ないものです。
そもそも、CH-53Dヘリコプター岩国配備が2001年末に持ち上がったとき、政府の説明は「A級事故、重大事故は2000年以降ゼロだと安全性を強調」していました。
日本共産党市議団は当時から米軍の資料などをもとに、このヘリコプターが製造後30年を経過した老朽ヘリで、重大事故を起こす危険性や事故率も決して低くなく、保有機数からすればむしろ高い方だと指摘していました。
当時私は議員ではありませんでしたが、大西さん久米さんと一緒に国会に調査に行って政府の説明も直接この耳で聞いてきた所です。
事故原因についてはまだ発表されていませんが、報道などによるとヘリコプターの尾翼が一番最初に破壊されたとの目撃情報や、このことを裏付けるように墜落現場から一番遠いところ、300数10メートルの所から尾翼の破片が発見されたとの指摘もされています。
こうしたことは岩国に再配備されたときに、今度は岩国の市街地に落ちるのではないかという市民の不安が高まっていることは当然です。
したがって本意見書が墜落の原因究明、機体の徹底した安全点検と安全確認までの飛行停止を求めているのは至極当然のことです。
さらに私たち日本共産党市議団は岩国基地所属のFA18ホーネット戦闘攻撃機が短期間のうちに基地内とオーストラリアで相次いで重大事故を起こしたことも意見書の中に盛り込むべきと主張しました。米軍岩国基地でのFA18ホーネットの年間飛行回数はヘリコプターに比べて比較にならないほど多く、報道によれば海兵隊ではここ1年で「クラスA」とよぶ重大事故がすでに16件発生しているそうです。
このFA18ホーネットの事故原因究明などの安全性についても意見書の中に盛り込むよう求めた所です。この点は今後とも引き続いてこの主張は貫いていきたいと考えていることを表明して賛成討論といたします。