施政方針に基づく平成30年度一般会計予算に反対する討論
日本共産党市議団の小川安士です。
日本共産党市議団を代表して、平成30年度一般会計予算に、反対する討論に立たさせて頂きます。
空母艦載機の移駐が実際に進み米軍機が増える中で、基地周辺は言うに及ばず広い地域に騒音が広がり、市民の不安も広がっています。
岩国市としても国に対して云うべきことは云わないと、市民の不安や基地被害は益々広がると危惧します。
こうした事態に対して市長は、施政方針で基地対策の基本姿勢を2つ示されました。
1つ、基地機能が変更される際にはその影響により、周辺環境が現状より悪化する事となる場合や、十分な安心・安全対策が講じられると認められない場合はこれを容認できない。
1つ、激しい騒音をもたらすN L Pについては岩国基地での実施は容認できない、の2点です。
しかしこれらの2点は、住民説明会で示された、基地対策の4つの基本スタンスからは明らかに後退しており、住民との約束違反になります。
端的な例は、F C L Pは容認できないとの約束から、N L Pは容認出来ないとの約束への後退です。
更に実際の基地対策は、この施政方針の基本姿勢からも大幅に後退しているのが実情ではないでしょうか。
例えば基地機能の変更では、周辺環境が現状より悪化する事となる場合は容認できないとしながら、騒音の苦情に対しては、
沖合移設以前の数値までは悪化してないと応え、騒音の増加を沖合移設時の、最悪の数値まで容認する答弁に、終始しています。
また、安心・安全対策は、米軍機の事故で、事故現場が岩国から遠い場合や、岩国基地に所属するものと同じ機種の飛行機、及び、岩国を中継して国内各地を、飛行する機体等については、安心・安全対策を積極的には求めていません。
政府は、米軍の運用は何一つ規制しようとしておらず、そのような国に対して言いなりでは、市民の安全は守れません。
基地のある地方自治体の先頭に立って、住民の安全を守り、平和で住み良い岩国市の実現を目指されるよう求めます。
そしてこのように、地域の課題に対して主体的な対応がなされない状況を素直に反映しているのが、一般会計予算です。
端的な指標が、自主財源比率です。類似団体との格差が、益々大きく開いています。
市税収入額は、類似団体では伸びているのに岩国市では停滞し、10年前より低い金額でしか予算化できず、歳入総額に占める
市税の割合が、平成20年度には33・5%でしたが、新年度は22・8%で、3分の2に低下しています。
今、地域経済の振興は、岩国市にとっては、一般論に留まらず焦眉の課題になっています。
基地関連の国庫支出金は、21.6%増加し、138億円を超えて過去最高となり、一般会計の総額の17・3%に達し、極めて異常な、基地依存予算となり、とても容認できません。
一方で、岩国市は,相対的に 自立性を低下させ、経済的活性が弱まり、市民の所得は伸び悩んでいるのが実情です。
地理的条件、経済的条件、歴史的な資源や、その蓄積を活かして、平和な産業が振興されるよう求めます。
また新年度予算には、航空博物館の誘致事業が組まれましたが時期尚早であり容認出来ません。
同和対策については、山口県の人権推進指針を尊重すべきであり、同和問題も様々な人権問題の一部門として扱い、同和の名称の補助事業は速やかに終了するべきだと考えます。
人件費比率の一層の引き下げは、積極的なまちづくりを阻害しているのではないかと心配です。
高齢者対策、交通体系の再構築、基地対策など、多くの課題が山積みの状態です。
必要な陣容を整え、市民福利の向上に努められるよう求めます。
以上、平成30年度一般会計予算への反対討論と致します