2015年9月議会一般質問 小川安士議員

 

32番 日本共産党の小川安士です。通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。

 これまで、私は、玖珂総合支所のあり方に関しまして、地元の住民感情や岩国市まちづくり方策の観点から支所への格下げに反対をし、要望と提案を行ってきましたが、今回も支所機能の充実を求めまして、合併後の新たな変化や財政面からも見解をただしていきたいと思います。

 これまでも引用してきましたが、現在の支所の統合を進めた平成21年11月の文書、岩国市組織・機構見直し指針七は、さらなる所管区域の見直しについて、統合した場合の総合支所においては、これまでの総合支所を確保しつつ、統合した所管区域の産業振興や施設の維持管理等について、より広域的・専門的に対応できる体制としますとしています。

 そして、支所においては、市民生活に身近な各種証明書発行業務等を集約した窓口と、これまで総合支所において取り扱っていた申請・受付業務を引き続いて行う体制としますと言ってます。つまり、支所となったその地域には、現地の産業振興や施設の維持管理等について対応する機能がなくなって、別の地域にいる職員が離れた場所の地域振興を考えることになります。

 地域に密着した問題は、現地の職員が地元の住民の顔の見えるところで考えることで、血の通った、生目のいった対策がとられます。常に住民と密接に交流して、まちづくりを進めてほしいと思います。今はそうした人がいるのに、あえて取り去ることは、それこそ住民サービスの最大の切り捨てです。こうした事態が支所への格下げであり、いずれ地元の衰退につながりかねないと思えば、住民として穏やかなはずがありません。

 こうした支所統合の裏には、合併して10年後には地方交付税が大幅に削減されるという交付税の一本算定がありました。当時の地方交付税は人口10万人の自治体で二つの支所があることを算定基準にしていたので、とりわけ支所運営の財源が厳しくて、支所統合を前提とした議論が自然に進んだのではないでしょうか。

 こうした経過の中で策定された文書には、合併した岩国で、どこに、どのような課題があり、その課題を解消するためには、行政はどのようなシステムで対応するべきか、こういう検討が欠けることになってしまいました。改めて、合併によって、ようやく得たそういう新たな可能性を積極的に探求する必要性を感じます。ぜひ、出先機関の機能強化について再検討を求めたいと思います。

 以上のような視点で最近の動きを見ますと、26年4月の総務省の文書で、旧町村役場の全てを支所とみなして、支所に要する経費を算定するように変更されたことは、とても大事な地方交付税の変更点です。その交付税の算定変えでは、所管区域の人口8,000人で、2億4,000万円規模で一本算定に上積みするということで、かなりの金額になります。それだけの金額が支所分として交付税算入されれば、岩国市でも総合支所の統合計画も見直しが十分可能なはずです。

 こうした国の合併後の方針転換をきちんと生かして、合併の弊害を解消するとともに、地元住民の要望の強い総合支所の機能維持を図り、行政と住民の連携を深めて、住民参加でまちづくりを進める仕組みを充実していくべきです。

 以上から、まず第1点といたしまして、玖珂総合支所の支所への格下げをやめ、地域課題に総合的に対応できる総合支所で残すよう求めて、見解をただします。

 また、これまでに既に統合した支所においても、原則として総合支所に戻すべきだし、あるいはそのほかの要望が地元にあれば、地方交付税の算定基準の趣旨にのっとって、支所の充実強化を進めるべきだと思いますが、見解をただします。

 

 

  2点目です。次に、国民健康保険料の負担軽減についてお尋ねいたします。

 国民健康保険料の都道府県単価に向けて検討が進んでいると思いますが、状況をお尋ねいたします。特に、移行後の市の独自施策の可能性について、規制が強まるのか、これまでと同様の施策を組む可能性が確保されるのか、お尋ねいたします。

 また、加入者の保険料の軽減策についてですが、25年度の市町村の国保の実態調査によると、一世帯当たりの所得に対する保険料調停額の比率が全国平均で10.5%となり、保険料の負担感が高まっていることが報道されました。これは、所得の伸び悩みや低下に悩まされている住民が消費税の増税で負担が高まって苦しんでるのに、さらに大変な負担として加算されているものです。

 住民の暮らしと健康を守るためには、保険料が高くて払えず、無保険になってしまうような事例も生まないよう、保険料の引き下げや減免制度について、充実が必要と考えます。そうした手だてが新制度移行後も可能なのか、そして、積極的に取り組む考えはあるのか、見解をお尋ねいたします。

 



 3点目として、グリーンオアシスの存続を求めてお尋ねいたします。

 温水プールの存続を求める声が私たちの会派の3人の議員にそれぞれ寄せられており、地域を超えて、住民の皆さんの要望が強いことを示してます。さきの議会では、総合公園との連携を図りながら、有効利用を図るような、そういう観点も含めて検討するとの答弁がありましたが、浴室や温水プールのその後の検討の経過をお尋ねいたします。

 


 

O市長(福田良彦) それでは、小川議員御質問の第2点目の国民健康保険料の負担軽減についてお答えをいたします。

 まず、(1)の都道府県単位化の影響についてでございますが、議員御案内のように、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律が国会において、平成27年5月27日に可決され、同月29日に公布されたところであります。

 この改正は、市町村単独で運営している現在の国民健康保険を平成30年度以降は都道府県が市町村とともに共同保険者となって運営責任を果たしていくもので、急速に進む少子高齢化のもとでの安定的運営を目指すものとなっております。

 しかしながら、今回の改正は制度の大枠を示したものであり、スムーズな運営のための政令や省令、ガイドライン策定などの詳細は、今後、国と地方が協議を重ねながら検討をしていくこととなっております。

 保険料に関する都道府県と市町村の役割分担について、現時点でわかっていることは、都道府県は財政運営を行い、市町村は都道府県による財政運営のもとで、保険料の賦課徴収を行い、必要とされる額、いわゆる国保事業費納付金を都道府県に納付するものとされています。

 今回の制度改正による山口県や岩国市の財政運営に対する影響につきましては、市町村ごとにおいて、医療費水準や所得水準に違いがあること、保険料の算定方法が異なること、収納率に違いがあることなど、さまざまな要因があるため、県が示す自治体ごとの標準保険料率がどのようになるか、図りかねているところであります。いずれにいたしましても、現時点では不明な点が多く、今後の国や県の動向を注意深く見守りながら、適正に対応していきたいと考えております。

 次に、(2)の加入者の保険料軽減策についてでございますが、国民健康保険につきましては、被用者保険と比べ、一般的に低所得者層や高齢者層が多いため、保険料の負担が重く感じられることは以前から指摘をされています。そのため、国民健康保険料について、前年の所得が一定基準以下の場合には、均等割額や平等割額の一部が軽減される国の制度があります。この制度では、所得に応じて、均等割額と平等割額を7割、5割、2割の割合で軽減するものでございますが、平成26年度と平成27年度において、5割軽減と2割軽減の対象となる所得等の見直しが行われ、保険料が軽減される対象者が拡大されたとこであります。

 この軽減制度とは別に、自治体独自の減免制度もあり、本市では、災害等により保険料を納付することが困難な場合や、失業、病気等により所得が大幅に減少した場合に、所得の減少割合に応じて保険料を減免してるとこであります。

 なお、国民健康保険料の算定は、被保険者の人数と前年の所得をもとに当該年度の保険料が決定されるものであり、実際に保険料を納付するときの収入は保険料の算定に考慮されませんので、保険料の納付が難しいことも確かにあると思われます。そうした場合には、まず、納付相談をしていただき、その際に、支払い能力等を考慮した上で、分割納付にも応じております。

 また、分割納付が困難なほど、生活が著しく困窮している場合には、減免基準に照らし合わせて、減免の措置を講ずるなど、適切に対応してるとこであります。

 本市におきましては、保険料軽減策の一環として、平成22年度から毎年1億円を一般会計から国民健康保険特別会計に繰り入れており、保険料の抑制に努めています。その結果、平成26年度における一人当たりの保険料は、山口県内13市中5番目に低い保険料となっております。

 今後、都道府県単位化された平成30年度以降の岩国市における加入者の軽減策がどのようになるのか、現時点でお答えすることは困難ですが、都道府県単位化されましても、保険料の減免を初め国民健康保険全般について、制度の目的に沿った適正な運営をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。



○総務部長(杉岡 匡君)

 第1点目の総合支所や支所の扱いについての(1)周東・玖珂総合支所統合についてと(2)既に統合した総合支所、支所について、まとめてお答えをいたします。

 本市におきましては、平成21年11月に、岩国市組織・機構の見直し指針を策定し、合併効果を最大限に発揮するための組織の見直しや定員の適正化を推進してまいりました。

 また、平成23年2月には、総合支所等整備方針を策定することにより、組織の集約化と迅速かつ柔軟に対応できる組織を目指し、総合支所再編に取り組んできたところでございます。

 総合支所再編につきましては、組織の集約を進めながらも、合併前の旧所管区域に総合支所あるいは支所の配置を維持することにより、市民生活に身近な業務は従来どおり提供できる体制を整えており、住民サービスの維持・向上に努めております。

 そうした中、議員御指摘の地方交付税制度につきましては、平成の合併により、市町村の面積が拡大するなど、市町村の姿が大きく変化していることから、平成26年年度以降5年程度の期間で見直しを行うこととされたところです。

 このうちの一つが市町村合併に係る支所に要する経費の算定見直しであり、平成26年度以降3年かけて3分の1ずつ一本算定の基準財政需要額に加算されることとなったものでございます。しかしながら、普通交付税等の合併に係る算定見直しがされてはおりますが、算定がえと一本算定の帝離差が全て解消される見込みではなく、平成27年度交付決定額をもとに一本算定を試算しますと、その帝離額は約34億円となります。このため、将来的には減収による厳しい財政状況に陥ることが懸念され、引き続き行財政改革を進める必要があると考えております。

 こうしたことから、繰り返しになりますが、総合支所の再編につきましては、組織の集約化により効率的な行政運営を進めるとともに、その一方で、市民生活に身近な業務につきましては、住民サービスが低下しないよう、合併前の旧所管区域に総合支所あるいは支所を配置することにより、従来どおりの住民サービスが提供できる体制を引き続き維持してまいりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。



○市民生活部長(井上昭文) 第3点目のグリーンオアシスの存続についてのプール、浴室の検討状況について、お答えをいたします。

 周陽環境整備組合余熱利用温水プールグリーンオアシスは、本市・周南市・和木町で構成する一部事務組合、周陽環境整備組合の施設でございまして、平成7年の開館から20年目を迎えております。

 この施設は、隣接するごみ焼却施設の余熱を利用した温水プールであり、平成31年4月に予定されている新たな焼却施設の供用開始による周陽環境整備センターの廃止後にはグリーンオアシスの温水供給がなくなることになり、温水プールの運営を継続するためには、燃料費などの経費増大が見込まれること、経年による老朽化対策も必要になることから、周陽環境整備センターが廃止された後の方向性につきましては、周南市、和木町と連携し、幅広い観点から検討するとの市の方針を6月市議会定例会において市長から御答弁をさせていただいております。

 当施設には、プール施設のほかに、ウオータースライダー、浴室などが設置されており、平成26年度の年間利用者は全体で4万8,941人、年齢別の利用者内訳では、大人が61.1%、小・中学生が29.5%、幼児が9.4%となっており、幅広い年齢層の方に利用をいただいております。

 また、隣にございます玖珂総合公園は、平成26年度には、把握できるだけでも6万1,000人を超える御利用をいただいており、本年10月には「ねんりんピックおいでませ!山口2015」グラウンド・ゴルフ交流大会も開催予定でございます。

 現在、両施設の連携を図りながら利用促進に努めているところでございます。

 検討に当たりましては、利用の状況、玖珂総合公園との連携など、さまざまな観点から検討を続けておりますが、現在、具体的な内容をお示しするに至っておりません。引き続き幅広い観点から検討を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

 

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