日本共産党市議団の大西明子です。
 まず最初に、8月6日豪雨で亡くなられた皆さん方に心から哀悼の意を表します。そして、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 それでは、日本共産党市議団を代表して一般質問を行います。


 最初に、集団的自衛権行使容認の閣議決定について、(1)一内閣の閣議決定で憲法解釈を変更することについて市長の見解を問います。
 安倍政権は、7月1日、国民多数の反対の声を踏みつけにして集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行いたしました。日本共産党市議団は、憲法9条を破壊するこの歴史的暴挙に断固抗議するとともに、閣議決定の撤回を強く求めるものです。
 閣議決定は、憲法9条のもとでは、海外での武力行使は許されないという従来の政府見解を180度転換し、海外で戦争する国への道を開くものとなっています。こうした憲法改正に等しい大転換を与党の密室協議を通じて一内閣の閣議決定で強行するなどということは立憲主義を根底から否定するものです。
 閣議決定は、海外で戦争する国づくりを二つの道で進めるものです。
 一つは、国際社会の平和と安定への一層の貢献という名目でアフガニスタン報復戦争やイラクの侵略戦争のような戦争をアメリカが引き起した際に、従来の海外派兵法に明記されていた武力行使をしてはならない、戦闘地域に行ってはならないという歯どめを外し、自衛隊を戦地に派兵するということです。閣議決定は、自衛隊が活動する地域を後方支援、非戦闘地域に限定するという従来の枠組みを廃止し、これまで戦闘地域とされてきた場所であっても支援活動ができるとしています。
 戦闘地域での活動は、当然、相手からの攻撃に自衛隊をさらすことになります。攻撃されれば応戦し、武力行使を行うことになります。殺し殺される事態に犠牲者を出すことにつながります。
 二つは、憲法9条のもとで容認される自衛隊の、自衛の措置という名目で、集団的自衛権行使を公然と容認しています。日本に対する武力攻撃がなくても、我が国の独立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合には武力の行使、集団的自衛権の行使ができるとしています。
 政府の、第9条に関するこれまでの全ての見解は、海外での武力行使は許されないことを土台として構築されています。今回の決定は、従来の政府見解への基本的な議論の枠内どころか、土台から覆す乱暴きわまる解釈改憲です。明白な危険があるか否かを判断するのは時の政権です。限定的といいますが、時の政権の一存で海外での武力行使がどこまでも広がる、そういう危険性があります。必要最小限の実力の行使といいますが、一旦、海外での武力の行使に踏み切れば、相手からの反撃を招き、際限のない戦争の泥沼に陥ることは避けられません。集団的自衛権には、事の性格上、必要最小限などということはあり得ないのです。
 こうした無制限な海外での武力行使を自衛の措置の名で推し進めることは、かつての日本軍国主義の侵略戦争が自存自衛の名で進められたことを思い起こさせるもので、およそ認めるものではありません。海外で戦争する国づくりを目指す閣議決定は戦後日本の国のあり方を根底から覆すものです。
 自衛隊が創設されて60年になります。この60年間、自衛隊は他国の人を一人も殺さず、一人の戦死者も出していません。それは、憲法9条が存在し、海外での武力行使をしてはならないと歯どめが働いていたからです。閣議決定は戦後日本の国のあり方を否定し、日本を殺し殺される国にしようというものです。それは日本の国を守るものでも、国民の命を守るものでは決してありません。アメリカの戦争のために日本の若者が血を流すことを強要し、アメリカと一体に他国の人々に銃口を向けることを強要することです。こうした解釈改憲を一内閣の閣議決定で強行しようというやり方は、立憲主義の乱暴な否定です。
 政府は、政府による憲法の解釈、集団的自衛権と憲法との関係について、2004年6月18日付の閣議決定で次のような立場を明らかにしています。政府による憲法の解釈は、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであります。政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えている。仮に、政府において憲法解釈を便宜的・意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈、ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねない。憲法について見解が対立する問題があれば便宜的な解釈の変更によるものではなく、正面から憲法改正の議論をすることにより解決を図ろうとするのが筋であるとしています。
 今回の閣議決定は、論理的な追求とは無縁であり、政府が閣議決定でみずから厳しく戒めていた便宜的・意図的な解釈変更そのものです。国民多数の批判に耳を傾けることもなく、国会でまともな議論も行わず、与党だけの密室協議で一内閣の閣議決定によって覆すというのは憲法破壊のクーデターとも呼ぶべき暴挙です。こうした一内閣の閣議決定による解釈改憲を市長はどのように受けとめているのか、市長の見解を問います。
 次に、自衛隊員や市民に与える影響についてお尋ねいたします。
 岩国基地は、KC-130空中給油機を受け入れ、オスプレイの分遣を受け入れ、2017年には厚木の艦載機59機がやってきます。極東一の基地になります。この基地から自衛隊が出撃することはテロの対象、相手から攻撃の対象になりかねません。市民の安全・安心、暮らしが脅かされ、自衛隊員の命も保障されない状況が起きてきます。市民の安全・安心を守る責務がある市長として、どのように考えているのかお尋ねいたします。


 2番目に、暮らしを支える施策についての(1)国民健康保険料の負担軽減について質問いたします。
 日本共産党は、市民アンケートを実施をいたしました。その中で、市民が望むベスト5は、第1が国保料の減免、値下げ44%、第2が介護保険制度の充実40.3%、第3が交通渋滞の解消、第4が買い物や病院の交通手段25.5%、第5、道路の整備・改修21.9%でした。
 国保料が高い、何とかしてほしいというのは市民の共通の願いになっています。1世帯1万円の引き下げには2億4,000万円の財源が必要ですが、国保財政基金は9億円あります。この基金がどういう状況になるのか、また保険料引き下げに対応できるのかどうかお尋ねいたします。
 次に、財政調整基金の活用についてお尋ねいたします。
 岩国市の財政調整基金は、平成25年度決算で76億8,300万円です。また、合併自治体に対する特例措置見直しによる平成26年度からの加算はどのくらいになるのかお尋ねいたします。こうした基金を全てため込むのではなく暮らしを支える施策に使う、国保料金抑制に使う等検討すべきだと考えますが、市長の答弁を求めます。


 3番目、災害対策についての(1)急傾斜地崩壊対策事業に岩国市分担金徴収条例第9条を適用するということについて質問いたします。
 新港地区では、裏山が崩れて住居が倒壊し、住民1人が死亡いたしました。同地区は急傾斜地危険地域として県による対策工事が検討されていたようですが、全地権者の同意が得られず着工ができない状況にあったようです。現行制度では住民負担が大きく、危険箇所に指定されている地域でも同意は得られず、今回、土砂崩れの被害が起きている地域は新港以外にも錦見三丁目など数多くあります。現行制度の見直しも必要だと思いますが、私は災害復旧のため、さらには台風シーズンに備えて新たな被害を防ぐためにも、今ある制度を市民のために活用すべきだと思います。岩国市分担金徴収条例は地方自治法第228条第1項の規定に基づき、事業に要する費用または経費に係る分担金の徴収に関し必要な事項を定めています。第2条では、分担金を徴収する事業に急傾斜地崩壊対策事業、自然災害防止事業、小規模急傾斜地崩壊対策事業、がけ崩れ災害緊急対策事業、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業の5事業を掲げています。そして第9条では、「市長は、天災その他特別の事由により必要があると認めるときは、分担金を減額し、若しくは免除し、又は徴収を延期することができる」とあります。
 今回の急傾斜地崩壊対策事業等災害関連に関し適用し、住民負担をなくすよう強く求めます。市長の答弁を求めます。


 次に、公共施設等の地下に調整池を設置することについて質問いたします。
 今回の豪雨災害で浸水した川西地区、平田地区、麻里布地区は、いずれも周辺が以前は田畑で、ダムの役割を果たしていたのに、開発でその役割が失われており、予想を超える雨量には耐えられない状況になっています。それぞれに対策を講じておられるようですが、麻里布地区では麻里布中学校グラウンド地下に4,000トンの雨水をためる調整池をつくる計画が、ことしは基本計画策定予算を計上しています。早くに調整池ができていたらと残念です。
 私は、川西地区、平田地区など今回浸水した地区の公共施設、例えば川西供用会館、平田供用会館等の地下にも調整池をつくる。場所が狭ければ丸久とか中央フードなど民間にも協力していただくなどして浸水対策を行うよう提案するものです。
 最後に、平田川と大谷川の合流地点の改善と平田ポンプ場の配電盤の位置を高くすることについて質問いたします。
 大谷川が平田川に合流する手前が大きな石や土砂で閉塞され、平田供用会館周辺、平田保育園周辺の冠水、浸水は、平田でこんなことが起きるのか、今までにないことだ、住民の間では驚きと、これからいつ起こるかわからない異常気象に不安がいっぱいです。平田川に合流する手前で閉塞状況が起きるのは大谷川から平田川に直角に流れ込むので閉塞が起きるのではないかと指摘されています。早急にこの合流点の改善を求めます。
 平田ポンプ場は、大谷川と大応川が土砂で閉塞され氾濫した水が低地の中央フードやみなみ病院に流れ込み、一気に増水したことから、ポンプ場がつかり配電盤がショート、結果的にポンプは停止したそうです。
 市は、仮にポンプが稼働していても、あの増水は食いとめることはできなかったとしていますが、しかし、住民は、ポンプがつかるような低い位置では不安、これからも心配で仕方がない、とにかくポンプの位置を高くしてほしいという強い要望です。ポンプの位置を高くするよう求めます。
 市長の答弁を求めて、壇上からの質問は終わります。

 

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