2014年6月議会報告 

つぼた恵子

 

 質問の前に、米軍機や自衛隊機の爆音被害に苦しむ米海軍厚木基地周辺住民6,993人が、国を相手取り飛行差しとめと損害賠償を求めた第4次厚木爆音訴訟で、5月21日、横浜地裁は自衛隊機の夜間の飛行差しとめを命じる判決を出しました。
 全国の基地騒音をめぐる訴訟で、飛行差しとめを命じる判決は初めてで、訴訟団は声明で画期的な判決と評価しました。判決で佐村裁判長は、原告らが受けている睡眠妨害の被害は、相当深刻などとして自衛隊機について毎日午後10時から翌日午前6時の飛行差しとめを命じました。
 米軍機の飛行差しとめについては、原告の訴えを退けたということですが、判決は、爆音被害は違法であるとして、総額約70億円の損害賠償を認め、周辺住民が受けている被害は、健康または生活環境にかかわる重要な利益の侵害だと指摘し、当然に受忍しなければならないような軽度の被害であるとはいえないと断じたということです。
 昨夜も、夜間10時50分ごろ、物すごい爆音で由宇町上空を米軍機が飛行しました。せめてここ岩国でも早急に米軍機の夜間の飛行時間を10時までとするべきです。日本の国内法が適用されない米軍は、日本から出ていってもらうしかありません。このたびの判決は、米軍機ではなく自衛隊機の爆音によるものであっても、爆音被害に苦しむ住民の声が届いたことに間違いはありません。私たち日本共産党は安保条約の廃棄とともに、安倍政権が強行しようとしている戦争をする国づくり、人づくりの集団的自衛権に反対します。
 一般質問に入ります。1項目め、災害対策問題についてです。一昨日、片山議員が南海トラフの質問をされました。できる限り重複を避けて質問いたします。
 3月14日午前2時7分ごろ、伊予灘でマグニチュード6.2の地震が発生しました。山口県でも防府、下松、柳井市等で震度5弱を観測し、もしかしたらと飛び起きた方も多くおられたと思います。伊予灘では、13年前にも最大震度5強の芸予地震が起きており、上関原発建設は極めて危険だということが明らかになってきました。国は、南海トラフ地震を想定し、岩国市を防災対策推進地域とし、防災対策推進計画の作成が求められています。
 市の危機管理課では、2014年度以降に緊急避難場所を記したハザードマップを作成されるとのことですが、死亡者ゼロを目指した対策を今後どのようにされるのか、市長の見解をお聞かせください。
 また、たびたびのオスプレイの飛来、米軍機の玖珂方面、由宇町も山側から海岸へ向かっての飛行など、どんどん民家上空飛行がふえていることに住民から不安の声が上がっています。由宇町は、過去に米軍機の墜落が2度あったそうです。一度は大将軍という山に、一度は海上に、災害といっても人災事故という言い方が正しいかと思いますが、そのようなときの日本と米軍の協定はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 続いて、2項目め、ごみ袋の改善についてお尋ねいたします。
 昨年の12月議会で共産党市議団に寄せられた多くの市民の声を代弁し、高い割に破れやすいという扱いにくいごみ袋の改善を求めました。市の御答弁は、ごみ袋が破れやすいことにより、市民の皆様に御負担をおかけしている現状もございます。それを軽減できるよう、規格、仕様などについて、さまざまな角度から検討しますと、前向きな御答弁がありました。あれから、半年が経過しました。市民は、生活する上で毎日のように出るごみ袋の問題解決に期待をしています。その後の経過をお聞かせください。
 また、新たな要望として、現在使われている一番小さなごみ袋より、もう一回り小さい袋をつくってほしいという声が、特にひとり暮らしのお年寄りから出ています。理由は、生ごみの量が少なくても大きな袋で出さないと、袋がもったいない。また、金属破砕ごみを現在の小袋に詰め込んだら、重くてごみステーションまで運ぶのが大変という理由です。
 市も、ことし3月に岩国市一般廃棄物処理基本計画、豊かな自然環境を未来に引き継ぐためを策定し、ごみの減量化に向け御苦労されています。3Rと言われるリデュース、リユース、リサイクルの推進も市民として十分考えていかなければいけませんが、ごみ問題は一昔前と異なり、家庭の庭先で燃やすわけには行きませんし、全ての家庭でコンポストが使えるわけでもありません。買い物をすれば過剰な個包装で菓子箱や袋やトレー等に包まれた食品は、ごみも買ってごみ袋代を払って処分する実態です。企業もコマーシャルのための過剰な包装をやめるべきです。全てが消費者である私たちの負担へと押しつけられてしまいます。
 このように、ごみの発生抑制には困難な部分が伴います。多くの市民は分別にも時間や手間をかけ、努力をしています。しかし、紙類、箱類、生ごみ、どれをとっても燃えるごみに間違いないわけですから、燃えるごみの袋に入れ処分せざるを得ない方もたくさんおられます。そのように、リサイクルできなかった場合でも耐えられる袋にするのが私は市の責任だと思います。木くずや枝、かたい箱、かたい紙、魚の骨、竹串など全て燃えるごみです。かたい箱や紙の角ですぐに破れるような袋ではごみ袋ではありません。一日も早いごみ袋の改善を求めます。
 引き続き、3項目めの就学援助制度について質問いたします。
 これまでも、この制度に関しては平成22年に共産党市議団が、算定基準が所得に対して1.5%が収入に対して1.3%に引き下げられたことに対し、もとに戻すようにと何度も質問をしてきました。しかし、算定基準に関しては、収入に対しての1.3%のまま現状に至っています。そのため、岩国市でも就学援助の受給者は当時24.7%から、18.7%へと大幅に後退しました。
 就学援助制度は、義務教育は無償とした憲法第26条などの関係法に基づいて、小・中学生のいる家庭に学用品費や入学準備金、給食費、医療費などを補助する制度で、誰でも申請できます。
 私のこのたびの質問要旨は、もちろん算定基準をもとに戻していただきたいという要望もありますが、平成22年度から支給項目として加わったクラブ活動費、生徒会費、PTA会費を岩国市でも支給していただきたいということです。
 現在、特に中学校の部活動は教育の一環として入部し、活動することになっています。義務教育の段階で、お金があるなしで望んでいる部活動を諦めさせてよいのでしょうか。どの子も心身ともに豊かに育つ教育でなければいけません。岩国市が、就学援助は国民の権利に基づく制度であることを踏まえ、新3項目を準要保護者の支給項目としていただくことを求めます。
 最後に、4項目め、安心して働き続けられる職場改善についてお尋ねいたします。
 今、日本では特に若い人たちを長時間働かせ、心身ともに疲弊させ、使い捨てるというブラックな働かせ方が広がっています。厚生労働省が行った無料の電話相談には1日に1,000件を超える電話が殺到しました。
 ブラック企業という言葉は若者たちがつくった言葉で、大学を卒業した新卒の若者を正社員として大量に雇い、長時間労働で潰れるまでこき使い、ついてこれない社員はパワハラで心身ともに追い詰め、最後は退職に追い込む、相談の中には売り上げが悪いと暴力を振るわれるなど、深刻な事例も報告されています。労働法規が守れず、人間らしい働き方ができないという雇用の実態が、ブラック企業がはびこる土壌となっています。
 また、2012年の総務省の実態調査では、自治体で働く臨時、非常勤職員の総数は、約60万人で、4年前の2008年の調査と比べて約10万人ふえているそうです。今や自治体職員の30%、地方公務員の3人に一人が非正規職員ということです。市の職員が臨時で生活していける状況にあるのか、また多忙と言われている教職員で長期に休まれている方はおられないかなど、さまざまな家庭環境の中で育つ子供たちと向き合いながら、非正規職員であっても専門性が求められる保育士など、職員、教職員等の現状を伺います。市長の御答弁を求めます。
 以上、壇上での質問とさせていただきます。
 

 

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