2014年3月議会報告
山田やすゆき
最初に、施政方針の在日米軍再編、基地問題について質問を行います。
岩国基地滑走路沖合移設事業は、昭和43年6月に米軍板付基地のF−4Cファントムジェット機戦闘機が九州大学の構内に墜落したことがきっかけに、同機種が岩国米軍基地に配属されていることから、現在の基地を沖合に移設することを岩国市議会が要望決議を採択しました。日本共産党市議団は、これには反対しています。その後、岩国商工会議所等の民間の沖合移設期成同盟が設立、滑走路をV字型とかいろいろありましたが、最終的には滑走路を1キロ沖合に移設の案でまとまり、山口県知事が平成8年に埋め立ての事業を承認いたしました。
沖合移設事業計画は、戦闘機の墜落の危険性と騒音被害などの軽減を求めて滑走路を1キロ沖合に移設を愛宕山開発と連動し、平成22年度末をもって滑走路移設事業は完了し、民間の沖合移設期成同盟も解散いたしました。
市民の多くは、滑走路が1キロ沖合に移設し、騒音が減少すると思っていましたが、逆に騒音が増加し、怒りいっぱいでだまされたと述べております。さらに、基地内では再編目的である工事が今日も着々と進められております。
平成17年10月29日、日本と米国の2プラス2で在日米軍再編の共同文書を合意し、在日米軍再編、厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐が具体的に提案され、これが実施されれば岩国基地は自衛隊機を合わせると162機以上の航空機で、まさに極東一の軍事基地になります。岩国基地の拡大強化には反対であります。
施政方針で、当初2014年まで代替施設完成ということでありました。3年程度おくれ、2017年ごろまでに完成すると表明されてますが、どのような事情でおくれるのか具体的な数字等を含めて答弁を求めます。
沖縄を初め、日本全土に米軍基地が置かれ、戦後68年たった今日でも米軍が日本を駐留しているのは、日本が戦争に負けたからしようがないとか、日本防衛のためとよく言われますが、外務省が2012年7月末に1967年の外交文書で、日本に駐留する米軍の部隊は日本を守るための軍隊ではなくアジア戦略の拠点として位置づける、すなわち国防とは関係がないことが明らかになりました。日本に駐留する米軍は、世界のどこで紛争が起こっても真っ先に殴り込み部隊という任務を持った部隊であります。
在日米軍再編は、厚木、岩国、沖縄、グアムが、これらが一つのパッケージとして進められるとしてますが、再編計画の中で最優先して行うべき辺野古の新基地建設は、今やオール沖縄で拒否されております。既に、米国議会は、米国の2012年度会計で財政難から海兵隊グアム移転費、全額削除を決定しております。再編計画は暗礁に乗り上げ、沖縄、グアムの計画は予定どおり進んではおりません。米国の不足予算を日本が肩がわりしてまで再編事業を推し進めようとしています。とんでもないことであります。
施政方針では、治安対策の騒音対策などで、一定の成果を引き出すことができたと述べ、地域の負担と協力に見合う財政的支援を国と交渉と言い、本市の長期的発展と述べられていますが、私はKC−130についても、今まで先行移駐は認めないと明言していた市長が、沖縄の負担軽減を根拠にKC−130、15機の移駐を容認いたしました。
市長の政治姿勢を見てみると、厚木基地の空母艦載機の岩国移駐が先行し、米軍再編もFCLPも岩国に押しつけられ、それを市長は容認するのではないかと危惧をしております。
基地が所在するほとんどの市町は、どこも発展していません。私は、基地機能強化依存の見返りに交付されたり、補助されるお金は普通のお金ではありません。一時的に市政運営は楽になるかもしれませんが、まさに麻薬のようなもので、基地栄えて町滅びる、このような未来のない危険な市政運営はやめるべきです。
岩国市の発展を願うのであれば、名護市のように再編交付金は受け取らず、基地に頼らないまちづくりを打ち出していくべきではないでしょうか。名護市は、健全な財政運営で予算総額をふやすことができ、子育て、教育環境の整備に力を入れ、人口も増加し、かなりの前進があったと言われております。
日本共産党は、基地に頼らないまちづくりを求めます。市長の見解を求めます。
次に、今まで何度も高齢者福祉対策として、交通弱者の通院、買い物対策について質問を行ってまいりました。今までの答弁では、タクシーの利用について、総合的に勘案し慎重に検討するとか、今後の検討課題として実施したいとしております。検討して現在どのようになっているのでしょうか、答弁を求めます。
旧岩国市の市街地の住宅は、高度成長期時代の前期後半、すなわち昭和37年ごろから岩国市内の宅地開発が始まり、岩国市で一番よいところに米軍基地が居座り、平地が少ないことから、山を切り開いてできた住宅地、すなわち今言われている高台団地が40数カ所でき、今日に至っているわけです。
その当時、住宅を建設された方々は現在70歳以上の方々がほとんどです。以前、幹線道路まではバスが運行されていることから、バス停まで歩くことも可能であると答弁されておりますが、そのことが可能ならば私は質問する必要はありませんけれども、高齢者は本当に今困っております。高齢者が本当に地域で安心して暮らせるまちづくりのため、通院、買い物が困難な高齢者のタクシー利用者に援助をする制度を早急に実施されるよう強く求めます。
最後に、安心・安全なまちづくりについて質問を行います。
施政方針に「安心・安全、災害に強いまちづくり」と述べておられます。麻里布川や川西川には地下調整池やポンプ場を設置するとのことです。近隣の住民の皆さんは大変喜ばれていると思います。私は恵美須川のことについて質問通告いたしましたとき、恵美須川が感潮河川だということを初めて知りました。感潮河川とは、下流において流速や水位が潮の干満の影響を受けて変動する河川だということだそうです。したがって、感潮河川が岩国市にどのくらいあるのか私はよく知りませんけれども、恵美須川の浸水被害対策について質問を行います。
先ほど、高齢者福祉対策の質問のときに申しましたように、昭和37年代以降、岩国市は平地が少なく、市街地周辺の山を切り開いて宅地造成が行われ、多くの住民がそこに住んでいます。さらにその上、今まで遊水地の役割を果たしていた田畑は、ミニ開発で住宅地に変わり、近年の異常気象に伴い、ゲリラ豪雨が頻繁に起こり、一気に大量な雨水が海土路地内を水源に南岩国町五丁目地内を流れる河川、恵美須川に流入、河川が氾濫し、周辺は住宅浸水が頻繁に起こり、周辺住民は手の打ちようがありません。住民が安心して暮らせるよう抜本的な対策を求めます。
以上で、壇上からの質問を終わります。