2014年3月議会報告 

大西明子

 日本共産党市議団 坪田恵子です。本日最後の一般質問をさせていただきます。皆さんも大変お疲れのことと思いますが、もうしばらくおつき合いください。


 私のこのたびの質問は、教育問題と介護問題です。


 初めに、日本の教育は異常な競争教育、世界一の高学費、教育の自由への乱暴な介入という世界に例のないゆがみを抱えていると言えます。
 安倍政権は、改悪教育基本法の具体化として、全国学力テスト体制、教員統制、教育委員会制度の改悪、教科書検定基準の改悪、侵略戦争美化の歴史教科書の押しつけ、道徳の教科化などを進めつつあります。
 その狙いは9条改憲と一体に戦争ができる国、弱肉強食の経済社会という国策に従う人づくりを進めるものであり、教育のゆがみを一層ひどくするものです。
 私たち日本共産党はこの暴走と対決し、日本の教育のゆがみを憲法と子どもの権利条約の立場からただし、世界最低水準の教育予算を抜本的に引き上げ、新しい日本にふさわしい教育を築くために力を尽くします。
 また、安倍政権が進める社会保障制度改革は、制度改革の基本を国民の自助、自立のための環境整備とし、憲法25条に基づく社会保障を解体して、公的支えをなくし、国民を無理やり自助に追い込むというものです。
 みずからの悪政によって生み出した貧困や生活苦の解決を、自己責任と家族による助け合いに押しつけ、社会保障に対する国の責任を丸ごと放棄し、医療・介護・年金・子育て・障害者など社会保障のありとあらゆる分野で、手当たり次第の負担増と給付減を強行するものです。このような社会保障解体論を決して許すわけにはいきません。
 では、通告順に従い、質問させていただきます。


 1項目め、教育問題の養護教諭不在時の対応について尋ねます。


 養護教諭という学校になくてはならない存在の方が、休暇や研修等で留守にし、保健室をあけるときがあります。特に、中学校の修学旅行では養護教諭も子供たちとともに参加しますので、3日間ほど留守にします。そのようなときに、学校の保健室の機能をおろそかにしない体制づくりが、今求められています。
 現在の複雑な社会の中で育つ子供たちの体と心の健康を保障するためには、教育環境の整備とともに教育条件の整備が不可欠です。先日、ある学校の保健室を訪ねました。約束の時間に養護教諭とお会いすることができ、今ようやく子供が教室に戻ったので、ちょうどよかったですと言われたのもつかの間、○○さんを見なかった、いないんだけど、と先生が子供を探している様子、養護教諭も保健室を出て約15分すると、その子と一緒に戻って来られ、慌てている様子でした。その日は結局、十分お話しすることができず帰る結果となったのですが、このように毎日が慌ただしく日ごろも一人で対応するのが大変ということが伺えました。
 養護教諭の職務は、基本的には専門性を生かして児童・生徒の健康を保持・増進するための活動を行うことであるとありますが、保健体育審議会答申に基づいて、当時の文部省では次のような指針を示しています。「学校保健情報の把握、保健指導、集団を対象とした保健指導、救急処置及び救急体制、健康診断、健康相談、相談活動、学校環境衛生の実施、学校保健に関する計画及び組織活動の企画、運営への参画及び一般職員が行う保健活動への協力、伝染病の予防、保健室の運営」と全てに関することが記されていて、最後にその他必要な事項とありました。  小規模校でも、これほどまでの養護教諭の職務は毎日でないにしろ、大変な職務ですが、大規模校や部活動のある中学校ならさらに大変なことでしょう。小学校の大規模校で851人以上の児童、中学校で801人以上の生徒がいないと、複数配置にならないという定数改善計画は学校現場の状況、実態を十分把握しての計画なんでしょうか。
 市では養護教諭の必要性をどのように考えておられますか。不在時の対応をこれまでどのようにされてこられたのでしょうか。また、今後どのようにされるのでしょうか。
 私は、子供たちのことを一番に考えたら、養護教諭が不在時には保健室を留守にするのではなく、その方にかわる養護教諭が現在の学校には必要だと思います。不在時の学校に養護教諭をきちんと補うことができる体制を求めます。


 続いて、スクールソーシャルワーカーについてです。
 ある先生が子供の行動で、身の危険を感じるときがあると言われていました。一昔前と違い、今は子供に食事を与えない、与えた仕事をしなかったら食事をさせない、子供を無視するなど、いわゆるネグレクトが増加傾向にあると言われています。
 親も仕事がない、過密労働で余裕がない、人間関係が希薄など社会との関係に何らかの問題を抱えています。親なら多くの人が子育て中に一度は育児放棄したいと考えるような場面に出くわすときがあると思います。しかし、決してそんなことをしてはいけないと、我に返るのが母親だと思っていました。しかし、現実は思っている以上に深刻な状況だったんです。突然暴れたり、大声で叫んだり、泣いたりしたら乳幼児でも大変なのに、例えば小学校の高学年でそのような行動が生じたら、特に、女性の先生は対応が非常に困難だと思います。
 家族にもなかなか連絡が取れない、取れたと思ったら返事はメールであり、直接話ができないなどなど、本当に以前では考えられなかった実態です。子供も親も先生も悩んでいる。そんな中、スクールソーシャルワーカーの果たす役割は重要な位置を占めることになります。
 スクールカウンセラーと違い、家庭に出向き、家族の様子や環境、それぞれ抱えている困難な問題と直接向き合うことが可能です。まだ制度としては導入されていないということですが、要望に応じての増員を求めます。
 続いて、スクールカウンセラーです。以前も先生や保護者からの要望で質問をいたしました。カウンセラーの巡回相談を行っていただきたいということです。
 市内全ての中学校には定期的に派遣しておられるとのことでしたが、派遣したらそこにとどまっているのではなく、担当する地域の小学校等を巡回してもらえないかということです。問題が起きてからその学校へ行かれるのではなく、定期的な巡回を望まれているということについて、市のお考えをお聞かせください。


 教育問題の最後です。特別支援教育支援員の増員です。
 まず1点は、校外の活動に支援員が同行できるようにならないかということと、その学校の要望に応じて、もう少し利用しやすい体制をつくってもらえないかということです。具体的には、一人の支援員が五日間のうち例えば三日は中学校、二日は要望のある小学校と曜日等で分けるのではなく、その場合は二人の支援員体制で丸一日ではなくても、その子の必要な時間帯に五日間支援するということが求められています。毎日必要だから支援員をお願いするわけですから、その点十分お考えいただき御答弁をよろしくお願いいたします。


 続いて2項目め、介護保険について質問いたします。
 厚労省は通常国会で介護保険法を改悪し、介護給付の削減と負担強化を狙っています。しかも、それぞれに国民生活に多大な影響を及ぼす医療と介護の制度改悪を、一本の法律にして提出するという前代未聞のやり方です。
 介護保険改悪の中の一つは、要支援の高齢者への介護保険給付の打ち切りです。要支援者が利用するサービスの6割を占める訪問介護と通所介護は、市町村が実施する事業に丸投げします。サービスの内容や人員、単価など国が定める一律の基準はなくなり、市町村が対応することになります。
 見直しの基本的な考え方は、地域包括ケアシステムの構築と介護保険制度の持続可能性の確保としています。強調されているのは自立、自助が基本です。これでは何のための介護保険かわかりませんし、家族介護から社会介護へが、再び家族介護に逆戻りです。
 憲法25条第2項の「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」から見れば、このたびの見直し案は、正反対と言えます。医療・介護一体で公的給付を削減しようという国のやり方には反対です。
 市は要支援の一部、訪問介護とデイサービスを保険給付から外して、ボランティアなどによる市町村事業に移すことに対し、市民にどのような影響を及ぼすことになるとお考えか、市長の見解を求めます。
 以上、壇上での質問といたします。


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