日本共産党市議団坪田恵子です。今議会では3項目の質問を通告しています。
質問に入る前に、政府は、2012年8月に「社会保障と税一体改革法」を成立させ、それとあわせて「社会保障制度改革推進法」も成立しました。中身は、社会保障の充実とはほど遠いもので、自己責任原則による福祉の保険化と消費税増税による共助の制度とするものです。
権利としての社会保障を覆すだけでなく、消費税増税だけで13.5兆円、社会保障の削減を合わせると20兆円に及ぶ負担増を押しつける大改悪です。中でも保育を市場化する子ども・子育て新システ。では、保育所給食の共同発注による経営効率化も事例に上げられています。
今、子供の貧困が大きな社会問題となっています。親の生活スタイルが夜の就業などのため子供の発達に合わず、寝不足や朝食をとることができずに保育園に登園する子供の存在につながり、保育園で初めて朝食をとるという事例もあちこちで生まれています。
日本自治体労働組合総連合の蛯名さんは、保育は、遊びも学びも食事も昼寝も保育園での生活全てがちゃんとつながって初めて保育と言えるのだと言っています。 しかし、新システ。めざす保育は、保育園での生活をばらばらにして給食も市場サービスへと変質させてしまうと。保育の市賂化により保育園の給食は外部搬入となるのではないか危倶されます。公的保育の給食は、工夫を凝らしながら離乳食や乳児食、また、幼児食と子供の発達に見合った調理方法でつくられ、また、園によってはアレルギー食の対応も行われてきました。
厚労省は、自治体に第2次食育推進基本計画に基づく保育所における食育の推進についてという文章を2011年5月31日に通知しています。
国は保育に、子供の育ちや食育の必要性を発信しながら、それとは相容れないほいくの市場化を行うのですから、子供も保護者も保育士も戸惑い危機感を隠せません。
年々増加をたどる子供たちのアレルギー疾患、環境汚染や化学物質、食品添加物など数多くの原因が考えられています。安心・安全でなければいけない保育園や学校での給食は、有機リン系農薬、ポストハーベストが残留している輸入小麦でつくられるパン、またアレルギーを誘発させると言われるトランス脂肪酸を含。マーガリンかどうかはしっかり調査をし、子供たちが毎日食する給食に使うべきではありません。
また、日本がTPPに参加すれば、これまで以上の大量の食品添加物が日本に入ってきます。アレルギー対策も大切ですが、アレルギーとなる物質の根源を断つことが何より重要です。輸入食品に頼らない国産小麦でつくるパンや地産地消の食材でつくる安心・安全な給食を岩国市では、元気な子供たちを育てるためにこれまで以上にお考えいただきたいと思います。
一般質問に入ります。初めに1項目め、生活保護制度について質問いたします。
健康で文化的な最低限度の生活とはどんな生活か。人間に値する生活とはどんな水準であるのか。生活保護制度は憲法第25条の具体化であり、かかる費用を全て公的に保障する制度です。
日本では今、悪政のもと貧困と格差が広がっています。こういうときだからこそ生活保護制度が多くの人たちを救わなければならないのに、生活保護制度が悪のようなバッシングがされています。
しかし、実際にそうでしょうか厚労省の資料では、日本の生活保護率は2010年で195万2,063人、利用率は1.6%程度で、100人中一人か二人の利用者です先進国では、イギリスが574万人で9.3%、フランスは372万人で5.7%、ドイツは793万人で9.7%です。
また、生活保護を必要とする状態にある人のうち、どれだけ保護を利用しているかという比率、生活保護の捕捉率は、日本はわずか15%から18%で、80%以上の人、約800万人が生活保護以下の暮らしを強いられているという実態です。これもヨーロッパ先進国では80から90%が捕捉され、日本とは大きな差が見られます。以上のように日本の生活保護制度は、先進諸国と比較しても異常に利用が少ないのが現状で。また、日本の生活保護基準は、勤労者の最低賃金とも連動しています。 日本の最低賃金は先進国では最低水準で、全国平均が時給749円に過ぎず、フランス1,084円、イギリス928、アメリカ753円より低い額で、年間2,000時間働いても年収はわずか150万円以下ですから、低賃金労働者を生み出しやすく、それが全体の賃金を引き下げる構造になっています。
今、日本では不況脱却のために勤労者の賃金を引き上げ、内需の拡大をすることが最優先の課題です。実際にローソンなど大手企業が貸金の引き上げを表明し始めています。
国が行おうとしている生活保護基準の引き下げは、この動きと全く逆行するものです。今こそ憲法第25条で保障されている国民の権利を誰もが困ったときに利用できるようしなければいけない時です。
そこでお尋ねいたします。
岩国市では、国が行おうとしている生活保護基準の引き下げによって市民にどのような影響が出るとお考えかお尋ねいたします。また、生活保護基準の引き下げは、今でも苦しい生活を強いられている市民をより一層貧困へと導きます。貧困の責任を国民に押しつけるような改悪、引き下げに対し、国は憲法で保障された国民の生存権を守るという責務を果たせと引き下げに反対し国に要望すべきではないでしょうか、いかがか見解を伺います。
続いて2項目め、学校支援員について質問いたします。
日本共産党は、2010年4月に障害のある子供たちの教育条件を改善するための緊急提案をしました。中身は、早急に現在の40人学級などの教育条件を改善し、一人一人に目が行き届くよう教育条件の整備、30人学級の実現を目指すとともに、教職員の増員、特別支援教育支援員をふやし、その処遇を改善し、専門性を確保することを求める提案です。
国連の障害者権利条約2008年5月発効は、障害のある人が障害のない人と平等に人権を保障され、豊かな生きられる社会を実現するために教育分野でインクルーシブ教育をすることを提唱しました。
日本共産党は、同条約の批准を進める立場から、日本の教育制度全体がインクルーシブ教育にふさわしいものとなるよう国民的な合意形成を大切にしながら改善し発展させるべきと考えます。
目の前の障害のある子供たちの劣悪な教育条件の改善を急ぐことが障害者権利条約の立場からも求められていますが、今障害のある子供たちの教育は、特別支援学校、小・中学校の特別支援学級、通級指導教室の主に三つの場が設けられています。
私がお尋ねするのは、通常のクラスに通う発達障害の子供を支援する特別支援教育支援員と呼ばれる方の増員についてです。
1999年の約18万人から、この10年間で約30万人と、12万人もふえ、年を追うごとに増加している障害を持った子供たちですが、LDと呼ばれる学習障害やADHDと言われる注意欠陥多動性障害、自閉症の子が今通常のクラスにいる割合が全国で6%から7%と言われています。
ある学校ではそのようないわゆる手のかかる児童を抱えて担任の先生一人では大変な状況にあるにもかかわらず、支援員不足なのか週5日のうち2日に及び3日しか来てもらえない状況。
子供本人にとってもクラスの皆にとっても支援員が毎日来てくれたらどれくらい助かるかことでしょうか。
岩国市では、現在、通常クラスの中で特別な支援を必要とする児童はどれくらいおられ、今後そういう児童に対しどのような対策をお考えか。また、教育支援員の増員は考えておられるのかをお尋ねいたします。
最後に3項目めの小・中学校の空調設備について質問いたします。
25年度より順に市内全校の小・中学校に空調設備・エアコンが設置されます。 これまで米軍ジェット機による騒音被害や暑さで頭痛に悩まされたり、汗でアトピー性皮膚炎が悪化したりしていた児童・生徒、また先生方が、どれだけ効率よく勉強や仕事ができるかと思うと待ち遠しい限りです。今やエアコンの設置は温暖化の影響もあり、全国で設置に向け保護者による運動にまで発展しています。以前の質問でも言いましたが、お隣の広島でも一足先に整備が始まっています。
1012年7月の週刊教育資料でも、安心・安全の新常識として学校環境衛生基準と衛生計画の策定で、1日の3分の1を学校で生活する子供の学習環境のことが書かれていました。
多忙な日々を送られている先生方にとっては定期検査や日常点検が面倒なことにつながるかもしれませんが、点検表の教室等の環境には、(1)換気、(2)温度10度C以上30度C以下が望ましい、(3)明るさ、まぶしさ、(4)騒音は、学習指導のための教師の声が聞き取りにくいことがないことなどが項目として上げられ、点検することになっています。もちろんそれが全てよいことかどうか改善も必要となることでしょうが、ようやく学校もここまで来たのかという思いです。市長が言われる弱い立湯の人たちを守っていくこととは、岩国の宝である子供たちを守ることにもつながっていると思います。
そこでお尋ねいたします。学校への空調設備の整備計画についてどういった基準で進められていかれるのか。毎年何校ずつの学校の整備を行い完了はいつごろになるのか、年次計画もあわせてお尋ねいたします。市長の御見解を伺います。
以上、壇上での質問とさせていただきます。