職員の退職手当を大幅に減額する条例への反対討論
山田泰之議員
日本共産党を代表して、議案第74号 岩国市職員の退職手当に関する条例等の.一部を改正する条例について、日本共産党市議団を代表して、反対の立場から討論を行います。
衆議院が解散される昨年の11月16日、政府・民主党が、国家公務員の退職手当削減法を、わずか1日、しかも衆議院総務委員会で1時間、参議院の総務委員会で45分、両院の本会議で2時間足らずの審議において、国家公務員の退職金について、平均402万円、15%引き下げる法案を採択、日本共産党などの反対を押し切って強行採決し、それにあわせて、地方公務員にも押しつけたものであります。
このことは地方分権に逆流するもの、つながる内容になっております。
本条例は 国家公務員の退職手当の支給水準を引き下げる措置にあわせて、岩国市職員の退職手当の引き下げを行うものであります。
退職金手当とは長年にわたって、まじめに、懸命に働いてきた職員に対する労働の対価としての給料であり、また退職後の生活設計の最大の根幹をなすものであって、職員にとって財産権であり期待感もあります。
今回の議案は、そのような性格を持つ退職手当にもかかわらず、人件費削減を唯一の理由として出されたものであります。削減の実施を、平成25年度に平均140万円、平成26年度に平均280万円、平成27年度に平均400万円と段階的に、それ以降平均400万円削減を続けるという内容になっております。公務員労働者はこの十数年、賃下げの強行で、手取り収入と可処分所得は減り続けております。そのため、わずかばかりの預貯金の取り崩しさえ余儀なくされております。退職金は、退職後の生活設計例えば退職金の一部を住宅ローンの返済などに充てるなど、削減は、退職後の生活設計に大きな影響を与えます。
また、青年層にとっても、将来不安をさらに大きくし、働きがいや仕事への意欲を失わせるものです。日本共産党は、公務員の退職金引き下げなどより、無駄の排除をやるべきことはある。その一例として、国民の税金を政党に交付している政党助成金を廃止するべきであります。政党助成金は、政党の財政を国民の税金で賄うもので、日本共産党は一円も受け取らず 自前で党財政を賄っております。この制度ができて17年経過しておりますが、各党が山分けした税金の総板は、5,555億円にも上っております。
このたびの措置は国家公務員の退職金を引き下げるとともに、地方公務員の生活破壊する第一歩と言わざるを得ません。職員の退職金削減はその家族の暮らしにとどまらず、地域住民の福祉や暮らしを守る公務員労働者の質の維持にかかわる問題です。
今、勤労者の消費が落ち込んでるとき、さらに所得を減らすことはデフレ不況と地域経済の落ち込みを一層深刻にし、地域経済に深刻なダメージを与えます。市職員の暮らしと岩国市の経済にとって影響の大きい議案は大変乱暴なやり方だと言わなければなりません。以上の理由から、議案第74号に反対いたします。
(無記名投票の結果反対9名、賛成22名で可決成立)
平成25年度一般会計予算への反対討論
山田泰之議員
議案第12号平成25年度岩国市一般会計予算について、日本共産党市議団を代表して、反対の立場で討論を行います。
昨年8月3日、民主、自民、公明の3党が談合で消費税増税法案を国会を通過させ、11月16日衆議院を解散、衆議院で自民党が多数を獲得、安倍第二次内閣が成立いたしました。安倍内閣は、平成25年度予算案で、生活保護費の引き下げを狙うなど、弱い立場に人に厳しい施策が目白押しです。1、政策について、反対委の意見を述べます。
日米安保条約があるゆえ、すべてアメリカの言いなりに、日本防衛とは無関係の基地拡張、増強が行われています。
岩国基地内では平成9年度より滑走路の建設で1.4倍に拡張、在日米軍再編関連工事費は、平成19年度に始まり、昨年度までに工事費総額1,075億円。このように、在日米軍再編に向けた工事が着々進み、さらに、愛宕山に米軍住宅等の建設が進めばさらに基地が拡大されます。具体的には岩国基地は、事実上の滑走路2本化、大型艦船も接岸可能な港湾建設、ヘリポート建設、愛宕山に米軍住宅建設等で、厚木の艦載機部隊の受け入れの態勢が進められつつあります。岩国基地には今後、オスプレイの分遣隊やF35ステルス戦闘機配備など、さらに基地機能強化が進められようとしています。
一部に、日本に米軍基地があることにより米軍が日本を守ってくれるという考えがあるようですが、米政府は、「日本を拠点に海外に出撃する、日本を守るために駐留しているのではない」、このようにはっきりと公言しおります。
基地の所在しない他の自治体では福祉や子育ての施策等行い、まちづくりを進めております。岩国市は、過度の基地依存する姿勢はやめるべきであり、基地政策に反対いたします。
日本共産党は、日米安保条約を廃棄し、アメリカと平和友好条約を締結し、米軍基地のない平和な日本、岩国を目指し、お互いに発展することを望みます。私たちは、平成25年度予算の全てに反対しているものではありません。子ども医療費助成事業、小・中学校の空調設備設事業、住宅リフォーム助成事業、ブランド牛産地づくり事業など、賛成すべき予算がたくさんあることは十分承知してます。しかし、平成25年度予算の人件費同和対策予算が計上されています。同和対策のための特別措置法は、失効してから既に11年経過しております。議案審議の中で、山口県内の各市町でも、岩国市だけが実施していることが明らかになりました。岩国市だけが、同和の名を冠した特別措置をやめようとしていません。このことは、長年、私たちは指摘してまいりました。そして、中止を求めてきました。同和対策予算には反対であります。早急に廃止することを求めます。
以上意見を述べて議案第12号平成25年度岩国市一般会計予算の反対討論といたします。
議員提出議案第3号(大西議員の提案)
岩国基地を拠点にした「オスプレイ」の低空飛行訓練に反対する意見書につきまして、提案者を代表して提案理由の説明をいたします。
それでは、案文の朗読をもって、提案理由にかえさせていただきます。
岩国基地を拠点にした「オスプレイ」の低空飛行訓練に反対する意見書
このたび、昨年7月に岩国基地に陸揚げされた沖縄の普天間基地に配備された新型輸送機MV−22オスプレイが、岩国基地を拠点にオレンジルートを使用して低空飛行訓練等を行うと伝えられた。この飛行機は、これまで各地で事故が発生してたくさんの尊い人命を失うなど安全性を危惧する深刻かつ重大な事故の報道が、世界的にも繰り返し伝えられてきた。本市議会においてもこのような状況に鑑み、平成24年6月議会において同機の陸陽げ・一時駐機に反対する意見書を可決し提出したところである。
もとより日本全国に設定された空域での米軍の低空飛行訓練は、15年以上前から岩国基地などを拠点に実施され、爆音被害や事故を引き起こしてきた。
にもかかわらずこの実態はこれまでほとんど明らかにされてこなかった。
ところが、このたび米軍がみずから公表した環境レビューにより、国内に6カ所以上設定した低空飛行ルートを使用し、MV−22オスプレイの低空飛行訓練等を行うことが明らかになったのである。
しかも、岩国から沖縄に移動した後の同機の飛行訓練は 日米政府の合意に基づく飛行ルートを無視した形で繰り返されており、これに沖縄県民からも大きな怒りの声が上がっている。
先ごろ、飛行中に水筒を落下させるという、信じられない不注意な事故も発生しており、大事故はもちろん、あらゆる事故に対する不安感は一層増してきているのが実情である。
また、特に本市として重要視しなければならないのは昨年末開港した岩国錦帯橋空港との関係である。1日8回離発着の民間機とMV−22オスプレイは同一の滑走路を使用することになる。
本市の地域活性化の大きな鍵を握る同空港は今まさに全力で搭乗実績を安定化させなければならい最中にあり、その中で、「怖い・危険な飛行場」という印象づけがなされたり、代名詞とされかねない事態は本市としては絶対にさけなければならない。
よって、岩国市議会は市民の生命財産と安心・安全な生活を守る立場から、垂画離着陸輸送機MV−22オスプレイの岩国基地を拠点にした低空飛行訓練等の実施に反対するものであり、国におかれては、本市の実情を十分認識され誠意ある対応をされるよう強く要請する。
以上地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年3月21日
岩 国 市 議 会
以上全会一致でご賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
坪田議員の賛成討論
議員提出議案第3号 岩国基地を拠点にした「オスプレイ」の低空飛行訓練に反対する意見書に、日本共産党市議団を代表し、賛成の立場で討論をいたします。
MV−22オスプレイは、3月6日から3日間岩国基地を拠点に、オレンジルートを使用し夜間訓練等を行いました。また、一昨日の3月19日午後には、突如、上空から響き渡るオスプレイの騒音に耳を疑いました。
環境レビューというオスプレイについて書かれた文書によると、「オスプレイの分遣隊は月に2から3日、キャンプ富士、岩国基地に展開し、訓練を行うことになる。訓練の回数と機体数は任務と他の要求に従い変更されることもある」とあり、19日に事前の情報提供もなく飛来した4機のオスプレイは、まさに文書の後述部分の「変更されることもある」そのもので、機数も期間も内容その他も自由自在で、安保条約のもとではオスプレイも何でもありということです。
また、岩国基地では危険が一層高まる夜間訓練も行うと言われています。
飛行機ともヘリコプターとも言いようのない、コンピューター化された最新の軍用機オスプレイは、パイロットが意図する動きとは無関係な動きを機体がしてしまう、すなわち操縦入力と実際のかじの動きとの間のおくれが生じパイロットにはそれが十分対応できないとされる設計ミスとも言われるオスプレイを、米軍は「人為ミスが多く、機体に問題はない」と言っているのです。
また、米海兵隊のオスプレイが、2001年から12年までの11年間に起こした事故は計40件と言われていますが、その中で、ここ2年間の事故の72%を米軍は人為ミスとしていることに対し、「機体は安全で人為ミスが72%もあるような飛行機が本当にあるのだろうか」と、オスプレイについて分析した報告で、元県議の久米慶典さんは話しています。
パイロットの意に反して発生する機体の周期的振動運動、パイロットはそうする気はないのに勝手に機体が振動してしまう、そこで慌てて操縦不能になってしまう、最新のコンピューター化されたフライトコントロールシステムにおいては、パイロットは操縦系統の一部を占めるに過ぎず、パイロットだけのミスなど余り考えられないとも言われています。
操縦が難しく危険なオスプレイが岩国基地を拠点に日本の各ルートへ低空飛行訓練に出かけ、墜落の危険等が日本各地に及ぶことに対し、岩国市議会としてオスプレイの低空飛行訓練等の実施にきっぱりと反対を表明する以外に、国民また市民の安心・安全を守ることはできません。
また、一昨日の突然のオスプレイ飛来に関し、山本県知事も福田市長も、飛来の目的等の事前の情報提供もなく岩国基地に飛来したことに対し、「遺憾であると言わざるを得ない」とコメントしています。議員各位におかれまして、この旨十分御理解いただき、意見書に御賛同いただけますようお願いいたしまして、賛成の討論とさせていただきます。
(採決の結果賛成11人、反対20人で意見書は否決されました。)