20129月議会 坪田恵子議員の一般質問

  お疲れさまです。日本共産党市議団 坪田恵子です。昨日の沖縄でのオスプレイ配備に反対の声を上げた集会では、10万人を超える大規模な、まさに怒りの集会となりました。福田市長は、その10万人という岩国市民の7割にも当たる方々の声の重みを十分に理解していただきたいと思います。
 一般質問に入る前に、危険な米国産牛肉が日本に入ってくることに少し触れたいと思います。
 日本が米国から輸入している牛肉はBSE、つまり狂牛病対策から20カ月齢以下の若い牛の肉に限定してきました。米国での牛肉産業は、同国での農業産業分野で最も大きな位置を占め、しかも最大の輸出先が日本です。その米国産牛肉の輸入を認める対象について、現行の20カ月齢以下から30カ月以下の緩和を容認する答申案を5日、内閣府の食品安全委員会プリオン専門調査会が了承しました。調査会の結論は、国内産も米国産も30カ月以下に緩和すると言いますが、日本とアメリカでは余りにも検査体制に違いがあります。日本は国産牛肉の安全確保のために、全頭検査、危険部位の除去、履歴と三つの方法で体制を築いていますが、アメリカには日本のように一頭ごとの履歴はなく、検査も屠畜頭数の0.16%程度で、飼料規制も始まったばかりです。同等に論じることは無理がありますし、緩和の要望は国内からはありません。30カ月齢前まで規制が緩和されると、米国からの牛肉の輸入量は2010年の実績の9万8,000トンの倍以上の20万トンを超えると言われています。
 今、日本政府はTPPに加盟する方向で検討に入っていますので、後に30カ月齢の規制すら撤廃されることは確実となります。これでは、安全性を守るために自治体が独自に進めてきた全頭検査も崩壊することでしょう。食の安全・安心より米国優先の政府の姿勢は、私たち消費者から安全な牛肉を奪い、国民の命と健康を危険にさらすことにつながります。牛肉の輸入条件の緩和を阻止するため、そしてTPP参加にストップをかけるために、日本共産党は幅広い皆さんとの運動を強めていきます。
 では、通告順に一般質問を行いたいと思います。

 1項目の南岩国駅のバリアフリー化について質問いたします。

 昨年9月議会でもこの問題を取り上げましたが、愛宕山への医療センター並びに介護福祉施設の移転に伴い、今後、南岩国駅の乗降客数は増加傾向にあると考えられます。現在、山口県内では3,000人を超えるバリアフリー法対象の駅が11カ所ほどあり、南岩国駅も対象駅の一つです。障害者や高齢者が自由に安心して町の中を行動し、交通機関を使って目的地に移動できることは、人としての基本的な権利です。2000年11月に施行された交通バリアフリー法ですが、当時の正式な法律名は「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」という長い名の法律です。日本共産党は、法律ができる以前から多くの障害者や高齢者の方々とともに、要望や交渉など全国で多面的な運動を進め、実現に力を尽くしてきました。当時は1日の乗降客数が5,000人以上が対象でしたが、2008年から3,000人以上に改善され、より多くの駅等が対象となり、整備され、多くの障害者や高齢者の方々から喜びの声が上がっています。
 私たちが一貫して提言してきた移動の自由と権利、そして安全確保を目的に、岩国市としても南岩国駅のバリアフリー化実現に向け、JRに要望していただくことを強く求めます。御見解をお聞かせください。
 続いて、2項目の高校生の就職状況についてお尋ねいたします。
 皆さんも御承知のように、山口県内ではことしに入り大企業のリストラ、合理化が強行されています。JT日本たばこ産業株式会社防府工場が3月に閉鎖、シルトロニック・ジャパン株式会社光工場が5月に閉鎖、日本製紙クレシア株式会社の岩国工場が今月で閉鎖、半導体メーカーMCS株式会社下関工場が来年3月で閉鎖、出光興産株式会社徳山製油所が来年度で製油部門の撤退、宇部市のルネサスエレクトロニクス株式会社山口工場の前工程が1年をめどに売却、後工程が来年度下期に閉鎖、柳井工場が3年以内に売却と、県内大企業で工場閉鎖、撤退が相次いでいます。
 中でも電機産業大手のルネサスエレクトロニクス、MCS、シルトロニックの3社で2,200人と、全体の80%に上る規模の大リストラです。それに関連する柳井の大畠製作所が先月倒産しました。
 そうした大変な雇用状況の中、市内11校の高校卒業予定者の就職状況は、2009年度をピークに求人倍率が落ち込んできています。来春の高校卒業予定者全員が就職可能な状況なのかどうか。市内の高校生から卒業の後、働き口が見つからない、アルバイトしかないなどという声が出ないよう、市長が先頭に立ち地元企業に働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねをいたします。

 引き続き3項目、教育問題についてお尋ねをいたします。

 まず、いじめ問題について質問いたします。
 このたびの大津市のいじめ事件で、子供たち自身が「いじめを見ていたおれらも悪いし、いじめたやつも悪いし、先生も悪いと思う」と発言し、一生懸命いじめ事件に向き合おうとしています。これ以上のものはありません。それを大人がなかったことにしたりしてしまうと、子供たちの心を深く傷つけ、大人が信じられなくなってしまうし、再発も防げません。「生まれてきた子供たちの命と心を守るのは、すべての大人に課せられた責任です」、こう語っておられるのは、NPO法人GHP――ジェントルハートプロジェクト理事の小森さんです。御自身も1998年に、当時高校1年生だった娘さんがいじめを苦に自殺。全国の学校で講演を行っています。
 その小森さんが「今までと今回の事件では決定的に違う点があり、それが学校が事件直後にアンケート調査をし、すべてではないけれど調査内容も遺族と共有できたという点だ」と言っておられます。
 これまでのいじめ事件は、いじめ自殺があっても学校側が否定すれば、それ以上は報じられなかったし、自殺や事件直後の調査内容を学校がすべて握り、学校にとって不利な情報は出さない。学校だけが情報を収集して、いじめと自殺との因果関係を決め、学校で何があったのか、せめて真実を知りたいと遺族が思っても、学校と情報を共有できなかったと言っています。
 また、真実を知りたくて裁判を起こしても、Aさんからいじめの相談を受けていたという一文を目にするのに10年もかかった。裁判をすれば事実がわかると思っている人がいるけれど、真実がわかることはほとんどなく、多くの場合は遺族側が敗訴していると語っています。
 このように複雑な社会問題となっているいじめに対し、学習指導要領が変わり授業時間数がふえ、授業の空き時間がほとんどないと言われている学校の先生たち。先生に余裕がなければ、子供に目が行き届きません。
 岩国市では、先生同士が何でも語り合える関係にあるのでしょうか。また、いじめの被害の訴えに対し、学校はその子の目線に立って話を聞くことができる状況にあるのでしょうか。現在、保健室登校や不登校の子供たちは、どれくらいおられるのでしょうか。教育委員会の御見解をお聞かせください。

 最後に、教育問題についての二つ目、学校給食について質問いたします。

 現在、岩国市内で行われている給食はセンター方式、共同調理場方式――親子方式ともいいます、単独校自校方式と三つの方式で取り組まれる完全給食です。旧市内の中学校も2年前に待望の学校給食がスタートし、生徒や保護者の皆さんは大変喜ばれておられることと思います。日本共産党は、学校給食法の本来の趣旨に沿った運営、すなわち学校給食は教育の一環であるとの法的根拠が確立されている単独自校方式が、最も児童・生徒に望ましいと考えていますが、1985年からの行政改革による学校給食の合理化通達以降、民間委託方式、パート調理員、栄養士の削減などの流れに、残念ながらストップをかけられず今に至っています。
 しかし、学校給食は教育の一環であり、現在食育も叫ばれている中、栄養補給のための給食にとどまってはいけないと、多くの自治体で合理化に対し改善を求めています。
 市では2013年度から由宇町で共同調理場方式――親子方式を小学校3校でスタートするとのことですが、その経緯をお尋ねいたします。また、実施に当たり学校側や保護者に十分説明をされ、理解を得られたのでしょうか。反対の意見や不安の声は出ていなかったのでしょうか。また、子学校へ搬入後の食缶内の検温はどのような理由で行うのでしょうか。校長先生の検食や児童の配膳の前に検温をするため、検温者の検便が必要だと言われていますが、そのことに法的根拠はあるのでしょうか、お尋ねをいたします。
 以上で、壇上での質問を終わらせていただきます。