20129月議会 大西議員の一般質問

  皆さん、おはようございます。日本共産党の大西明子です。朝晩、めっきりと涼しくなりまして、しのぎやすくなりましたけれども、日中はまだまだ厳しい日差しで残暑厳しいものがあります。私も相当ばてておりますが、一般質問の権利は議員だけに与えられたものですから、市民の皆さんの思いを一生懸命届けたいと思います。
 それでは、通告に基づいて一般質問を行います。

 最初に、水道料金の改定について質問いたします。
 水道局は、水道施設耐震化10カ年計画を実施するための財源確保として料金改定を行うとして、料金改定案策定の基本方針、料金改定案、基本水量制の廃止、施行期日等について、6月議会前に各会派に説明をし、その際に料金改定の条例案は12月議会に提案すると説明してきました。ところが、ある日突然、市民会議の答申が出たので、9月議会に上程しますという内容のファクス送信がありました。私は大変びっくりし、なぜ約束を守らないのか、水道局長に抗議をいたしました。
 日本共産党市議団は、9月議会終了後、水道料金値上げに対する意見交換会を開催し、市民の皆さんの意見を聞く機会を持つことや市民アンケート実施等についても検討することにしておりました。しかし、急遽9月議会提案ということで、意見交換会は2カ所でしかできませんでした。
 意見交換会で出された意見は、「耐震化は建物、配管両方なのか」「どこまでの耐震化なのか。震度6、7、8か」「現在の施設、配管の耐用年数はあとどのくらいか」「配管はどの地域からやるのか」「活断層の回りだけでいいのではないのか」「なぜ10年なのか」「10年過ぎたら料金をもとに戻すのか」「27%の値上げは高過ぎる」等々の意見が出され、特に年金が年々下がっているし、消費税も上がるという中で水道料金も上がるというのは、年金暮らしにはこたえるという声は強いものがあります。
 多くの市民は、耐震化は必要だと思っています。水道局が福祉型料金体系を基本とし、低所得者に配慮した料金体系だと主張するなら、耐震化の必要性と料金体系についても、住民にしっかり説明し、理解を得る努力をすべきだと考えます。合併して広くなった岩国市です。旧市町村ごとにでも説明会を開催すべきだと思いますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
 次に、全国防災の国庫補助金等の補助金の活用について質問いたします。
 私は、水道の耐震化というのは一自治体の問題でなく、全国的な問題であり、水道は生活に密着してなくてはならないものですから、国の補助があってしかるべきだと考え、調べてみました。平成24年度水道水源開発等施設整備費国庫補助というのがあることがわかりました。しかし、残念なことに条件があって、水道料金が安い事業所には適用されません。1カ月に家庭用10立方メートルの使用で1,119円以上、資本単価90円以上でないと適用されないということで、岩国市は該当しないということです。しかし、料金を少しでも低く抑えるために、他の補助金活用の検討をされてきているのではないかと思いますが、その点についてお尋ねをいたします。
 2番目に、住宅リフォーム助成事業の実施状況と問題点について質問いたします。
 福田市長は6月議会での私の質問に答えて、「約5億円の経済効果が見込まれ、地元中小企業の育成と地域経済の活性化に大きく寄与するものと確信している。市民の皆さんのリフォーム需要が多いことを改めて認識した。早目に対応したい」と答え、早速9月議会に3,200万円の補正予算を計上しています。この対応の早さを市民は歓迎していると思います。
 そこでお尋ねしたいのは、助成事業の実施状況です。1、受け付け件数、申請金額、リフォーム工事の内容、事務費の内訳、施工業者の受注件数の内訳について、それぞれお尋ねいたします。
 また、一施工業者が最高28件を初め23件、13件、11件、10件と受注しているようですが、中小業者の育成という立場から考えるなら、営業努力で確保した件数とはいえ、偏り過ぎているのではないでしょうか。今回の補正予算が通って受け付けが始まり、また同じ施工業者が数件も受注するようでは問題があるのではないでしょうか。施工業者の受け付け件数について適切な制限を設けるべきだと考えますが、市長の答弁を求めます。

 3番目に、教育問題の1、私は、昨年の12月議会で、さきの大戦に対する日本政府の歴史認識をどのように理解しているのかと、教育長の歴史認識について質問いたしました。残念ながら教育長は、自身の認識を真正面から述べることを避け、次のように答弁しています。「外務省が発表しておりますが、平成7年8月15日の村山内閣総理大臣談話や平成17年4月22日のアジア・アフリカ首脳会議における小泉内閣総理大臣演説、そして平成17年8月15日の小泉内閣総理大臣談話を踏まえて、政府が公式見解としているものであると承知しております」と述べるにとどまっています。
 そこで、私は、小泉総理の演説も、前文で、「我が国は、かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。こうした歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明する」とあり、村山総理談話も小泉総理演説も侵略戦争だと認めています。
 教育長は、あの太平洋戦争を侵略戦争だったと認められているのかという再質問に対して、「私といたしましては、二人の談話から反省と責任ある国際社会の一員として国際協調していかないとならないということ、そして平和と理念と民主主義、そうしたことを未来志向というふうに考えているところでございます」と答え、侵略戦争であると認める答弁はありませんでした。
 教育長に改めて質問いたします。村山総理談話や小泉総理談話にあるように、太平洋戦争を侵略戦争だと認められているのかどうか、改めてお尋ねをいたします。
 次に、育鵬社の中学校歴史教科書の問題点について質問いたします。

 歴史を書くことは、過去の人々の思想や行動を叙述するとともに、それらに対する現在の価値基準による客観的な評価をすることだと思います。だからこそ、歴史を学ぶことが未来を開くということにつながるのではないでしょうか。その歴史を学ぶ教科書が県内で唯一、岩国・和木地区で育鵬社の歴史教科書が使われていることは、皆さん御存じのとおりです。
 この育鵬社の教科書の問題点は多くありますが、その中で今回問題にするのは、単純な間違いが多過ぎるということです。
 例えば25ページ、「縄文・弥生時代の我が国は、文字を使わなかったため、土器や貝塚からの出土品、また集落の跡などからそのようすを推測するしかありません」とあります。これは文字を使わなかったためではなく、文字がなかったためとするべきではないでしょうか。
 31ページの帰化人の伝えたものでは、「大陸との関係が深まると、戦乱の続く朝鮮半島や中国から多くの人々が一族でわが国に移り住むようになりました。この人々を帰化人と言います。すぐれた知識や技術を持った帰化人を手厚くむかえ入れました」とあります。これは、日本国籍を取った、あるいは日本人になったかどうかは定かでなく、渡来人が正しいのではないでしょうか。
 52ページ、「最澄は比叡山に延暦寺(滋賀県・京都府)を建てて天台宗を広げた」とありますが、延暦寺は滋賀県大津市にあるのではないでしょうか。明らかに間違いです。
 72ページ、「モンゴル高原にあらわれたチンギス・ハン」とありますが、ジンギスカンとすべきです。
 96ページ、「軍役(ぐんえき)を果たすことが義務づけられました」とあります。正しくは軍役(ぐんやく)です。
 107ページ、「長崎(対オランダ、清)、松前藩(対清)、薩摩藩(対琉球)、対馬藩(対朝鮮)」とありますが、松前藩(対清)ではなく、(対アイヌ)あるいは(対蝦夷地)とすべきです。
 118ページの挿絵、「越後屋の店内、「越後屋」は「現金かけ値なし」(現金払いで値段を吹っかけていない)を掲げて繁盛し」とあります。「かけ値なし」は掛け売り、つまり一定期間後に代金を受け取る約束で品物を売ることはしないということではないでしょうか。
 40ページの注釈、「立法(法律の制定)、司法(裁判)、行政(政策の執行)の3つに分け、それぞれ独立させるしくみとありますが、行政(立法の執行)とすべきです。
 またまだ間違いはたくさんあります。時間があれば再質問でもさらに指摘したいと思います。
 このように間違いの多い教科書を子供たちが使って授業を受けるということは、大変な問題が起きます。事実と違ったことを学び、高校入試でも混乱を起こしかねません。また、間違った認識のまま成人することは、社会的にも影響は大きいと考えます。
 教育委員会は、一つ一つ丁寧にチェックし、7社ある歴史教科書から適切な教科書を選ぶという重大な責任があると思います。育鵬社の歴史教科書がこんなに間違いが多いという点について、どのように受けとめておられるのかお尋ねいたします。

 最後に、市民会館の洋式トイレの増設について質問いたします。
 地域の方々から、「市民会館に洋式のトイレが一つしかなくて、大きな催しがあったときには、洋式トイレの前は行列になって大変なんよ。市民会館に洋式のトイレをつくってもらいたい」との強い要望がありました。
 私はびっくりして、市民会館に洋式トイレが一つしかないのは本当かしらと調査をしました。実際には、2階には数カ所あるけれど、1階には障害者用トイレが1カ所あるだけだということがわかりました。1階で展示会や講習会が同時に開催されると障害者用トイレだけでは足りません。足腰の弱った方々には、和式トイレは苦痛です。市民会館の管理者からも洋式トイレの要望は多いと聞いています。早急に増設するよう求めて、壇上からの質問を終わります。