2012.3坪田恵子の一般質問

○ 小学校の統廃合は地域住民の納得の上で行うべき

日本共産党市議団の坪田恵子です。一般質問をさせていただきます。その前に一昨日植野議員が小学校の統廃合について質問されました。私は広島の当時1000人規模の小学校から由宇町神東の40人余りの小規模校に子供たちを転校させましたが、その時大規模校の管理されている教育から解放された教育に変わったと実感したことを覚えています。国連のWHO(世界保健機関)が「学校規模と教育効果」について見解を発表しています。「規模が大きくなれば『規則だ管理だ』ということで、どうしても教育にとって大事なところが損なわれてしまう。だから学校はなるべく小さい方が良い。管理でコントロールすると、子どもの人格形成が損なわれてしまう」と言っています。また、1973年の「公立小・中学校の統合について」という旧文部省の通達では次のような内容が記されています。「学校規模を重視するあまり無理な学校統合を行い、地域住民との間に紛争を生じたり、通学上著しい困難を招いたりすることは避けなければならない。また、小規模校には教職員と児童、生徒と人間的ふれあいや個別指導の面で小規模校としての教育上の利点も考えられるので総合的に判断した場合、なお、小規模学校として存置し充実する方が好ましい場合もあることに留意すること。学校統合を計画する場合には、学校の持つ地域的意義等をも考えて十分に地域住民の理解と協力を得て行うよう努めること」とあります。それから過疎法にも22条に“教育の充実”として「過疎地域において、教育の特殊事情にかんがみ学校教育及び社会教育の充実に努めるとともに、その施策の充実について適切な配慮をすること」と法律でも定めています。このように国連の世界保健機関も旧文部省も「地域に十分配慮し、地域住民が納得、同意したうえで行う」としています。私がこれから質問する乳幼児の問題も、学童保育(岩国でいう放課後児童教室)の問題も合併や学校の統廃合で起きている、またこれから起きるであろう大事な問題です。合併でれだけ住民の生活が変わったか、学校の統廃合で今後子供たちや地域住民にどれだけ大きな影響を及ぼすかを、市長並びに教育長にはお考えいただき学校現場や地域に出向いていただき、子どもたちの声、住民の声にしっかりと耳を傾けていただき、十分話し合いを持っていただきたいということを要望して質問に入ります。

1、子育てと教育を応援するまちづくり

 (1)乳幼児医療無料化制度の所得制限の緩和を

一項目目施政方針の「子育てと教育を応援する街づくり」について伺います。私もぜひとも子ども達を地域の宝として育て見守る子育て支援社会の形成を岩国で目指していただくことを願い次の4つについてお尋ねをいたします。@乳幼児医療費助成制度ですが、この制度の取り組みは1961年岩手県沢内村の「ゼロ歳児医療費無料化」に始まり、1968年新日本婦人の会が全国に運動を呼びかけたことで広がりました。日本共産党は当初から運動に協力し1971年浦井衆議院議員が「乳幼児医療費無料化」実施を迫り一貫して制度実施を求めて来ました。岩国でも無料化を実現し多くの皆さんに喜んでいただいていますが、残念ながら所得制限の撤廃まで至っていません。岩国市の出生数も2000年には1412人でしたが2011年では1128人と10年余りで300人近い284人の減となっており特に旧市内の減少が目立っています。(10年間でマイナス216人)子供たちの健康を守りこれまで以上に子育て世帯を応援するために、所得制限を撤廃することが求めれれています。年々食品汚染だけでなく複合汚染も増え続け子どもたちのアレルギー疾患も増え、医療機関にかかる小児も増えています。国による医療費も両化制度を求める運動も大きく広がり2010年5月現在で41都道府県議会、752市町村議会で制度創設を求める意見書が採択されています。全国で若いお父さん、お母さんが、岩国の未来を担う子どもを育ててよかった、住んでよかったと実感できる今後の取り組みを期待します。乳幼児医療費の所得制限の撤廃について見解を伺います。

 (2)乳幼児家庭訪問事業の復活を

続いてA乳幼児家庭への訪問事業について質問します。この事業は合併と同時にサービスが後退しました。「初めての出産で援助してくれる人がそばにいない」「彼と言えば仕事で帰りが遅い」など若い子育て世代のお父さんお母さんは育児に不安を抱えながらどうしてよいかもわからず過ごしておられる方がおられます。岩国市では『こんにちは赤ちゃん事業」として希望者で生後4か月の乳児をもつ家庭へ母子保健推進員、通称は母推さんが訪問活動をしています。また5か月目から2歳までは3か月に一度訪問を行いますが2歳から3歳までの間は残念ながら空白状態で健康診断もありません。由宇町では3歳までの保険師や母推さんの訪問が合併と同時に姿を消しました。私は2歳から3歳という聞き分けの難しい大変な時期をなぜ訪問事業を中止したのか疑問に思います。周囲との接触もなく一人で悩んでいる、若いお母さんのためにももう一度訪問事業を行っていただくなど子育てを支援する対策をお考えいただくことを求めます。また「こんにちは赤ちゃん」事業があることさえ知らない人がたくさんいます。出産後の家庭をチェックして何らかの形で連絡する方法をお考えいただけないかと思いますがいかがでしょうか。または母推さんの声として、「訪問したときに若いお母さんに適切なアドバイスをするのは難しく専門知識が必要。ただただそうですねと声を聞いてあげるだけではどちらも不安が残る」ということです。私はこのような訪問事業は一昔前と違い様々な悩みを抱えたお母さんがおり今だからこそ保健師の訪問が重要度と考えますが市当局の見解を伺います。

 (3)予防接種カレンダーを作成して

引き続きBの乳幼児の予防接種についてお尋ねします。難しい問題ではありません、お母さんたちからの要望で「予防接種の一覧表を作ってほしい」ということです。小児科など医療機関によってはそれぞれの予防接種の計画を立て示してくれるところもあるそうですが、予防接種は強制ではないので熱があればできないし、自分の子どもの様子、身体の状態を見ながら接種できるかどうかを判断するので「いつごろどんな予防接種を受けたらよい」というような一覧表を市で作り配布してほしい、ということですが市当局の見解をお伺いします。

 (4)放課後児童教室の保育料値上げ反対

子育てと教育を応援する街づくりの4つめ放課後児童教室について質問をいたします。神東地域に、地域の活性化を図るための子ども達とお年寄りのコミニケーションの場「ひだまりの家」がオープンすることは大変画期的で喜ばしいことです。しかしこのたびの議案でもありますが、放課後児童教室の保育料の増額は、今の社会情勢と子育て中の若いお父さんお母さんを応援する街作りの中で厳しいものがあります。例えば4年生以上の児童も預かっている教室が市内で11教室ありますが、兄弟で通っている児童もいると思います。これまでは2人なら4000円、年間で48000円の負担ですが保育料の改定で2人で5000円、長期の休みだけの利用としても7000円プラスで67000円で年間19000円のアップです。それ以外におやつ代が年間2人分で24000円ですから91000円の支出です。放課後児童教室、通称学童保育は「保育園より安い」とたまに言われる方がおられますが保育園の延長とは異なります。自分の足で行って自分の足で帰れるこれが保育園との違いです。私は保育料の増額には賛成できません保育料の使い道を教えてください。放課後児童教室が、施設がきちんと整備されまた、指導員が大変な活動をしているにもかかわらず嘱託やパートいう条件で働いている。パートは交通費も出ない。市の嘱託は保育士も指導員もほとんど5年でその任務を終えている。子供の命を預かる大変な仕事がそういう事でいいはずがありません。やはり指導員にはあきちんと研修や学習会等に参加していただき、現代の多様な児童に対応できる専門性が求められていると思います。パートで出たり入ったりするようでは親は子供を安心して預けることができません。うれしいことに岩国市は平田、川下、岩国小と施設が新しくなり、病気の時に静養できる和室もできました。しかし他の施設は相変わらず間借りのような所や倉庫を改造したものなどもあり、まだまだ整備が不十分な建物に児童はつめこまれているところもあります。学童保育は児童数が減少する中で共働きやひとり親家庭が増えている分、その必要性はますます大きく、それだけに預ける側も預かる側も安全、安心に預けられる施設の整備を望んでいます。「ただいま」と帰る児童の声が明るく響き渡る学童保育の整備が早急に求められています。今後岩国市はこの問題にどのような計画と見解をお聞かせください。

 2、偏った認識の「歴史教科書」に反対する

最後に二項目目の「平成24年度の中学校の歴史教科書の問題について質問します。育鵬社の歴史教科書が岩国市で採択されて以来、9月には山田議員、12月には大西議員と問題点を指摘して質問してきました。私は今回23年度まで使われていた東京書籍の歴史教科書と記述内容を比較しながら訪ねたいと思います。記述の違いはたくさんありますがそのうち3点ほど。

 @ 「日本の中国侵略」についての記述

@っ点は東京書籍の教科書には「日本の中国侵略」として満州事変と日本の国際的孤立の中で侵略という言葉を使っていますが、問題の教科書では日本が起こした戦争の歴史を記述するにあたって侵略という言葉を一切使っていません。ただし日本以外の国が起こした戦争については「ポーランドに進行するドイツ軍」などと他国を侵すことを告発する言葉を使っています。

A  南京大虐殺ついての記述

続いて日中戦争で『日本軍は同年末に首都南京を占領しその過程で女性やや子供など一般人や捕虜を含む多数の中国人を殺害し南京大虐殺として国際的に非難されたが ― と東京書籍が記述されているのに対し育鵬社の教科書では、日中戦争で日本軍は12月に首都南京を占領しましたと記述し(この時日本軍によって、中国の軍民に多数の死傷者が出た)と注意書きが横に出ているごく簡単なものです。しかしこの問題の教科書の南京事件の記述ではなんでこの事件が世界的な非難の的になったかがこれだけの短い記述からは理解できません。また、日本が問われているのは、捕虜と住民の大量虐殺があったかどうかの問題です。「このことは多くの関係者の証言で明らかになっていますが書かれていません」また、第二次世界大戦全体の世界中の死者数も東京書籍が5000万人を超えるとされているのに問題の教科書では2200万人と大きな違いがみられます。

B 沖縄戦での集団自決についての記述

その他沖縄戦では「日本軍によって集団自決に追い込まれた住民がいた」に対し問題の教科書は「日本軍は沖縄県民とともに必死の防衛線を展開 ― 米軍の猛攻で逃げ場を失い集団自決」と視点が違っています。私は学校で学習する教科書の内容を真実と受け止めて大人になって行く生徒がほとんどだと思う中、そんな生徒が日本が起こした戦争を侵略戦争ではなく「自存自衛」とアジア解放を目的とした戦争だったと肯定している内容で学習し、成長して行くことに国際社会で通用しない人間になるのではと危惧いたします。また、自国の歴史、特に近現代氏の学習は生徒が主権者として成長して行く上で大きな意味を持っていると思います。日本は戦前、アジアにおいて他国を侵略、植民地にし、多くのアジア諸国に甚大な被害を与えたという事実、そしてその国が過去の行為をきちんと反省していく事は国際社会に対する責任であり、今後、私たちが平和と民主主義の精神で自らの道を歩いていくために欠かすことのできない大切な問題と認識します。教育長は23年度までの、これまでの教科書と24年度からの行く放射の教科書との記述の違いをどのように理解されますか。またこの問題の教科書で歴史を学んだ生徒たちに「これは事実ですか」と尋ねられたらどのように答えられるのでしょうか、教育長のご書見をお伺いします。以上で壇上での質問を終わります。