おはようございます。山田やすゆきです。日本共産党を代表して一般質問を行います。
1、岩国基地に関する諸問題にっついて
(1)岩国基地内の放射性廃棄物の保管について
最初に岩国基地に関する諸問題について質問を行います。諸問題の1項目目、岩国基地内への放射性廃棄物保管についてお伺いいたします。
3月11日の東日本大震災の救援活動に派遣された米軍の航空機を除染した際に出た放射性廃棄物が米海軍佐世保基地・長崎県佐世保市の赤崎貯油所内で保管されていることが8月5日に判明、その後、三沢(青森)、横田(東京)、厚木(神奈川)、横須賀(神奈川)、岩国(山口)、沖縄など7ヶ所に保管されていることが次々と明らかになりました。
安保条約廃棄・岩国基地撤去岩国実行委員会が、8日急遽、岩国市に事実を調査し公表するよう求めましたが、基地政策担当者は「岩国市には何の連絡もない」と回答しました。
11日に報道資料として、基地政策課から、「岩国基地における放射性廃棄物の保管にかかわる国からの回答について」題して、議員にFAXで送信されました。
それによりますと、外務省北米局日米地位協定室からの回答として「米軍によって岩国基地に持ち込まれ保管されている物はない」、また、中四国防衛からの回答で「海上自衛隊岩国航空基地において、「福島 第1原発事故に伴う物資輸送で同原発沖約35キロを飛行したヘリコプター数機の除染に使用したウエス6.5Kg について4月15日以降、放射性廃棄物用に設定した保管場所に拡散しないように鉄製の容器にいれ二重 に密閉し保管している」「保管中の放射性廃棄物はすべて東京電力が引き取り処分するものとして、防衛省と東京電力との間で協議中」とのことです。
岩国市として、この放射性廃棄物がどのような状況で保管され、岩国基地内に何の根拠があって持ち込まれたのか、また、今後の処理についてどのような認識を持っているのか答弁を求めます。
(2) 空母艦載機の岩国移駐について
次に、空母艦載機に関する質問を行います。これに関しては、同僚の田村議員が6月議会で質問を行っておられますが、再度、質問を行います。
米空母艦載機部隊の岩国移駐について、米海兵隊が新たな「マスタープラン」(施設配備計画)を検討していることが明らかになりました。
この「新・マスタープラン」の作成者は米海兵隊太平洋司令部で、作成日は今年の3月24日とされています。
この「新・マスタープラン」を見るとその内容は、空母艦載機の岩国移転はさらなる住民負担増を計画していることが明らかになっています。
今まで防衛省は、「米国との安全保障上の関係が損なわれる」などと,簡易な「マスタープラン」しか公表せず、「厚木から移転するのは空母艦載機部隊のうち固定翼機59機」と説明し、人員についても4000人 程度と説明してきました。
ところが「新・マスタープラン」では「増加する航空機は15機増の86機」「人員増も千人多い5127人」など今まで防衛省が岩国市議会へ説明してきた内容とは異なり、大きく上回っています。
市長は「今以上の基地強化には反対」と表明されていますが、米軍がこのように具体的なプランを作成していることについてどのようにお考えか、見解をお伺い致します。明快な答弁を求めます。
(3) 民間空港について
次に民間空港についてお伺いいたします。
民間空港再開は「市民の長年の悲願」と言われますが、「再編のための日米ロードマップ」において「米軍再編を前提」に米側と協議を進め、実現したものです。
日本共産党市議団は、艦載機受け入れ反対の立場から、民間空港再開を歓迎しない立場を表明いたしました。
岩国錦帯橋空港という名称がつけられていますが、この空港は軍民共用空港であり、軍用機と民間機は全く運用形態が異なります。
空母艦載機に関する項目で述べましたように今迄の政府の説明より、一層基地機能の強化になり極東最大の軍事基地になります。
岩国基地は岩国エリアという広大な米軍管制空域を持ち、愛媛県知事も松山空港の正常な運行に大きな支障をきたしているとして、国土交通省に米軍管制空域から外すよう要望を行っています。
米軍管制空域の関係から民間機のスムーズな運航と安全は保たれないと考えられます。
しかし、準備は進んでおりますので、この問題に触れないわけにはいきません。そこでお聞きします。
8月に経済常任委員会で愛知県常滑市へ観光施策を目的に調査に行った折に中部国際空港について話題になりました。
愛知万博時には利用者が増えたがその後は右肩下がりに減少しているとのお話がありました。さらに、カーゴ・貨物についても当初の予想から大幅に減少しているとお聞きしました。
岩国市においても平成19年頃、担当者は、仮に搭乗者が予想よりも多少少なくてもカーゴ・貨物があるから採算は十分取れるという話がありました。
また当時の需要予測も年間43万人としていましたが、その後35万人と見直しを行っています。貨物の取扱量も1890トンと予測しています。
岩国空港は、国土交通省が設置・管理する空港で、施設整備や維持・運用管理において市の財政負担は生じませんと言われますが、市民の間では「利用者はそんなにいない、誰が利用するのか、珍しさで最初は利用する人もいるかもしれないが長続きはしない」との声が多くあります。
需要予測を大きく見積もって、結局他の地方空港と同じ道をたどるのではないでしょうか。お尋ねします。
2、教科書採択について
(1) 平成24年度使用中学校用教科書(社会)について
最後に教科書採択について、その中でとりわけ今全国的にも大きな問題になっている歴史教科書採択問題についてお伺いいたします。
岩国市教育委員会が、8月に採択した「来年度の中学校用教材用図書の採択について」と題して、9月1日の朝FAXで報告がありました。
中学校の社会科の歴史的分野に「育鵬社」の教科書が採択されているのにびっくりいたしました。
今まで「扶桑社」出版の歴史教科書が「侵略戦争美化、憲法敵視」の教科書として全国で大変問題になっており、侵略や国策などで公教育に誤った歴史教育をすることに多くの国民が教科書採択に反対してきまし た。
今回は「自由社」と「育鵬社」の2社が「新しい歴史教科書を作る会」の内容を踏襲して参加しています。
この教科書は、アジア太平洋戦争を「大東亜戦争」と記述し、日本のアジア侵略戦争と植民地支配、加害などの歴史的事実を捻じ曲げ、侵略戦争を肯定する記述等、多くの問題点を抱えた教科書です。
日本がやった戦争は立派な戦争だったと思い込んでいる人たちが、その精神で子供たちを教育する必要があるというとんでもない考えのもとに意図的に書かれた教科書です。
このような教科書を未来ある子供たちに手渡すことはできません。
どのような議論がされ、この教科書が採択されたのか、明快な答弁を求めて壇上での質問を終わります。