2010年度の予算案に対する討論です。

 

 日本共産党の藤本博司です。市議団を代表して議案第15号平成22年度岩国市一般会計予算に反対の立場で討論いたします。

 国民の大きな期待を集めて誕生した鳩山内閣は米軍再編問題、後期高齢者医療など公約違反を重ね、国民の失望と怒り買っています。

 国と地方の在り方をめぐっても地元の意見を聞かないで、上から押し付けようというやり方は、自民党・公明党の前政権と何ら変わりがないとして、ますます支持率を後退させています。

 約603億円の岩国市の平成22年度予算は子ども医療費助成、放課後児童教室整備、妊婦・乳幼児健康診断強化などが新設、継続されているなど、全体としては限られた予算の中で、努力されていることについて評価したいと思います。

 しかし、岩国市のもっとも大きな課題となっている基地政策については賛成するわけにはまいりません。福田市長は空母艦載機の岩国移転については容認ではないが、基本的には協力すべきものとして、事実上容認し再編交付金を受け取り続けています。

 一般質問でも指摘しましたが、岩国市がこうした姿勢を取り続けるならば、際限のない基地依存の方向へ進み、自立した街づくりを行うことは出来なくなるのではないでしょうか。

 私たち日本共産党は基地のない平和な日本、平和な岩国をめざし安保条約を廃棄して、アメリカと友好・平和条約を結ぶことを追求しています。

 当面、岩国市が基地政策の基本姿勢としていた「基地機能のこれ以上の強化に反対」の立場に立ちかえって、厚木空母艦載機の岩国移転に反対するよう求めるものです。

 愛宕山対策について福田市長は「米軍住宅ありきでは売らない」と言っておられますが、国ははっきりと米軍再編関連予算として、厚木からの空母艦載機59機の移転に伴う4000人の軍人、家族の増員に対応するために愛宕山開発跡地を買うと、……つまり家族住宅も含まれるわけで、あの二井県知事でさえ「現状では売らない」をはっきりと言っているわけで、福田市長も売らないと明言されるべきだと思います。
 
 民間空港について、今回新たにターミナルビル管理のための第三セクター会社設立に6000万円出資する予算が組まれています。民空対策は沖縄普天間基地にかかわるSACO合意に基づくKC−130空中給油機の岩国受け入れに伴う対策であるにもかかわらず、前市長の時代に、前市長が艦載機移転に反対しているという理由で、自民党・公明党の前政権が突然協議を中断していたものですが、福田市長になって艦載機容認姿勢を明らかにしたため、協議が進み始めたものです。

 愛宕山と民間空港はギブアンドテークだと国から念を押されたかどうかは知りませんが、こうした不透明な市政運営は正しくありません。

 厚木空母艦載機が59機もやってきて、130機にもなり極東で最大の基地になる岩国で米軍と民空問題の共同使用は、三沢基地の50機に比べ2、5倍という過密状態で事故の危険性は比べ物になりません。危険この上ない民間空港ターミナル設立への6000万円の出資は凍結し予備費に回すよう求めます。

 予算執行にあったっての市政運営について、正規職員を削減して非正規職員へ置き換えるという基本方針に反対します。先日、非正規職員の婚姻率と出生率が正規職員に比べて約半分程度にとどまっているという調査結果が明らかになりました。これは結婚し子どもを作り育てる。これを繰り返す、人間そのものの再生産システムを破壊するもの以外ないものでもありません。

 公務労働を利潤追求が目的の民間企業と比べて、なんでもかんでも安上がりの行政をという風潮がありますが、これは間違っています。とりわけ人間を生み育てる保育園や学校教育にこういう施策を持ち込むことに強く反対いたします。

 就学援助制度の大改悪についても改善を求めます。学校給食の民間委託が平成17年度麻里布小学校を皮切りに、平田、愛宕、岩国と拡大され、今年度は東小学校で実施されます。こうしたやり方についても改善を求めます。

 同和対策事業ですが、33年間14兆円投資された国の法律が廃止になって7年が経過しました。少しずつ縮小されているとはいえいまだに継続され、中には逆差別と批判されても仕方がない、数年にわたって利用者もいない施策も温存されています。一日も早い一般施策への転換が求められているのではないでしょうか。

 以上意見を述べて議案第15号、平成22年度岩国市一般会計予算に反対の討論といたします。