議員定数条令についての討論

 私は、日本共産党市議団を代表して、議員提出議案第2号岩国市議員定数条例、議員提出議案第3号岩国市議員定数条例の2議案に一括して反対討論を行います。

 岩国市議会は、各会派の代表でつくられた諌会改革懇話会で、議員定数の問題について5回にわたって議論をしてまいりました。懇話会では議会みずからが削減すれば行政に行革推進が強く主張できる、近隣の自治体が削減を行っているという意見や、合併により112名いた議員が34名になった。旧町村からは一人も議員が出れない現状もあり、広くなった行政面横と限界集落を一番多く抱えている岩国市の現状を考えるなら、今回は34人で行くのが妥当、議員を減らしたら少数意見が切り捨てられるという意見等が出され、集約した結果定数削減の議員17人、現状の34人で行く議員17人となり、議会改革懇話会としては、今回は現状の34人で行くことが懇話会の意向として、座長である武田議員から議長に報告されております。

 こうした経過があるにもかかわらず、定数削減の議員提案が提出されたことは、これまでの懇話会の議論は何であったのか、非常に疑問に思いますし、怒りを感じています。 しかも、懇話会の座長として取りまとめを行い、議長に経過を報告した武田議員が、削減提案の提出議員になっていることは常日ごろ、特に道徳教育を声高に主張する議員としては道理に外れており、私はこの点について強く反省を求めるものです。

 議員の定数問題について、元自治省の行政課長だったという方が、定数削減論に思うという論文の中で、地方議会議員の定数削減問題が大変ににぎやかである。一部の人たちが定数削減した地方公共団体が何か行財政改革の先端を走っているように考えている向きがある。こうした風潮に刺激されてか一部地域ではこの間題が住民運動の対象とされていることもある。しかし、地方議会議員の定数削減問題は世間の空気に迷わされずに考えるべき問題だとし、むしろ改善されるべき点は地方議会の管理運営、特に内容の伴わない視察旅行などの改善は、その最たるものと指摘をし、こうした問題を議員の定数問題と同列に論じてよいものではない。

 幾ら財政が苦しくても、また経費支出の効率性が叫ばれても、議員の定数問題を論ずるのは最後の最後でなければならない。今議論すべきことはいかにして地方議員本来の役割を果たせるかでなければならないと訴えています。

 そして、民主政治が脆弱な我が国で、政治・行政が国民の目の届かない遠いところで執行される方向に制度が少しでも変えられることに黙っていてはいけない、元自治省の行政課長が述べています。

 近隣市町村が削減しているからとか、時の流れで仕方がないということではなく、今合併して広くなった岩国市で、議員1人当たりの行政面積も広く、特に限界集落等を一番岩国市が抱えているとき、そうした地域の人々の声を把握し、議会に反映する、合併してどのような状況になっているのか、岩国市のまちづくりをどのようにしていくのか英知を結集し、全力での奮闘が今求められているときに、議員の数を削減すべきでないと考えるものです。

 むしろ、今の議会が議長選挙や各委員会の委員長ポストをめぐって水面下で、各会派で俄烈な争いが続けられ、そのしこりをいつまでも引きずっている現状こそ、打破しなければならない課題ではありませんか。いろいろの意見があるのは当たり前です。しかし、それをまとめ上げ、市民と協力・協働して岩国市をよりよい方向に進めていく、このことのほうが今最も必要だいうことを強く訴えて、定数削減に反対の討論といたします。