・2005年度の岩国市の予算についての討論  この討論は藤本ひろしが発言しました。


 日本共産党市議団を代表して議案第23号平成17年度岩国市一般会計予算に反対の討論をいたします。

 反対の理由に付いて申し述べます。

 政府は平成17年から平成18年にかけて、6年前の橋本内閣の9兆円負担増に匹敵する、7兆円にも上る国民負担増をおし進めようとしています。

 こういう時に地方自治体は国の悪政から、市民のいのちとくらしを守るために全力を尽くさなければなりません。405億5千万円の岩国市平成17年度当初予算は厳しい情勢の中でも、市民の切実な要求を反映して、放課後児童教室の新規開設、子どもの館にっこりの日曜開館に向けての準備、防災対策の強化なども盛り込まれ、評価できる事業や容認できる事業も多く含まれています。職員のみなさんの努力の後がうかがわれる所であります。

 しかし、岩国市の平成17年度「予算見積もりに当たっての基本方針」の扶助費のところで「国・県の補助制度が廃止や縮小された場合は、市としても同様に廃止や縮小を行う」とか投資政策的経費についても「補助制度や交付税の措置制度が廃止や縮小されたものは、市においても同様に廃止や縮小を行う」としています。

 これは16年度予算編成に対しても同じ姿勢をとっており井原市政の基本姿勢となっています。国の悪い制度改正があっても、それをストレートに市民にしわ寄せするのではなくて、少しでも負担が軽くなるように努力する姿勢が、今地方自治体に求められているのではないでしょうか。岩国市の基本政策と予算のなかで容認できないいくつかの基本的な点について意見を申し上げます。

 第一は基地政策です。井原市長は基地への基本姿勢について「国防上協力する立場にあるが、市民の生活に重大な影響をもたらすことには、米軍であれ国であれものを言う」とされていますこれは一定の市民の要求を反映していて評価できる点があるるものの、私たち日本共産党市議団が求めている「基地の整理縮小、返還」そして「基地の無い平和な岩国」を目指す方向とは相容れないものです。

 現在国の事業として進められている滑走路の沖合移設事業について岩国市も全面協力の姿勢です。この事業は滑走路の沖合移設にとどまらず基地の1.4倍への拡大事業そのものであり、 NLPを呼び込む口実を与えるものであり、これを推進する立場は容認できません。これに連動する愛宕山開発にも反対です。

 米軍再編による厚木基地とNLPの岩国移転について絶対に認めることの無いように改めて求めるものです。

 第二の問題点は合併に対する問題です。日本共産党市議団は今度の合併が国の都合による、地方への財政支出を減らすことを、唯一最大の目的にした押し付け合併であることを主張してきました。

 岩国地域の合併は、中国山脈の真ん中から瀬戸内海まで広大な面積を有する山口県下で最大の広さを持つ市となり、しかも人口は合併時の15万人が25年後に12万人に減少する人口推計が出されている状況で、財政的にもこれを支えるだけの力が無いことも指摘してまいりました。

 19年前の昭 和62年には岩国市の財政は収入の中で、市税収入が50%を超えていたものが、今日では36%まで下がっています。合併すればこの自主財源比率はもっと低下するのは間違いありません。今からでも遅くはありません。こんな合併はやるべきでないことを改めて主張します。

 第三の問題点は同和対策事業です。

  同和対策のための国の法律が無くなり人権対策という名前に変わりましたが、行われていることは、従来の同和対策の範囲を大きく変えるものではありません。平成17年度予算で、貸付資金が一千万円減額されて二千万円となっているものの、事業そのものが年1〜2件で多くて3〜4百万円であるため実効あるものとはいえません。

 一日も早い一般施策への全面的な移行とDV対策など真の意味の新しい人権対策を望むものです。

 さらに一部の大手企業に工業用水使用助成金が2950万円も組まれています。中小企業ための振興費がわずか239万円しか組まれていないことと比べても異常としか言いようのないもので、是正を求めるものです。

 第四は学校給食の民営化に反対します。麻里布小学校の学校給食の調理業務を民間に委託する計画ですが、言うまでもなく学校給食は食育という教育の一環をなすものです。調理業務だけとはいえ民営化することによって父母の一番の不安は安全の問題です。問題がおきても派遣労働とは違って、民間委託の場合、委託した教育委員会や校長、栄養士などが直接指揮監督することが職業安定法44条で出来ないことになっています。これでは食育が担保されません。さらに業者の都合で調理員がくるくる変わる可能性など多くの問題がある給食の民営化には反対です。

 またこれを突破口にすべての学校への民営化の拡大や保育所の民営化など公的責任の放棄につながる危険性を危惧するものです。

 五点目 、市営バスの老人優待パスで現在130円区間まで無料であったものが、一回の乗車ごとに100円、往復200円の有料となります。100円ぐらい出せるだろうという人もいますが毎日病院に通っておられるお年寄りが、往復二百円で月に数千円になる。お医者代も上がったし大変だといっておられました。こんなお年よりいじめはやるべきではありません。

 最後に市庁舎建設事業について意見を申し上げます。日本共産党市議団は庁舎建設に頭から反対するものではありませんが、国の大幅な財政補助が見込めない今日の状況の下では大幅な見直し、ないしは先送りすべきではないかという意見を申し述べて議案第23号平成17年度岩国市一般会計予算への反対討論といたします。 

 

戻る