2010年3月議会の一般質問 山田やすゆき

 

山田やすゆき: 日本共産党の山田やすゆきです。

 通告に基づいて、農林水産業の振興についてと消防行政について、質問を行ないます。

 私は父親が農業に不慣れだったため、小学校5年生の頃から、牛を使って田畑を耕し、稲や麦植えを手伝い、中学校に入学した頃には、父親の山仕事、雑木を伐採し炭焼き、更に杉・ヒノキの植林を手伝ってまいりました。こうした幼少からの体験から、とりわけ農林業には思い入れがあります。

 今日の日本の農業、林業、水産業、いわゆる一次産業の深刻な危機に直面していることに心をいためています。

 これらは国の政策と密接な関係が有り、国の政治を変えることが求められます。それと共に地方からもその解決の為に声を上げなければなりません。

 最初に日本の農業の実態について述べます。

 わが国の食料自給率は世界でも異常な39%まで低下しています。耕作放棄を余儀なくされた農地の増加、農業に携わる人も「高齢化」が進行しています。しかも農産物価格は暴落を続け、規模を拡大した農家を含めて多くの農家にとっても経営が続けられない事態が広がっています。

 日本農業の今日の困難を作り出したのは、戦後の歴代自民党政権によるものです。長い間の自民党農政の大きな罪は、食料輸入自由化路線の元で国内生産を縮小し、アメリカや財界・大企業の言いなりに、国民の食料を際限なく海外に依存する策をとり続けてきたことです。

 中小農家切捨てによって、農業のかけがえのない担い手を土台から突き崩してきました。

 「日本農業に競争力がないのは規模が小さいからだ」として画一的な「規模拡大」を押し付ける一方で、農家の経営とくらしを支える為にどの国も力を入れている農産物価格補償対策や経営安定策を放棄してきました。

 例えば、米の価格は94年の60Kg ・2万2千円から07年には1万3千円と40%以上も低下しています。それなのに政府は、「米価の下落は米の作りすぎが原因だ」などとして米作減反面積を更に大幅に拡大し、全農家に強制しようとしています。その上、「品目横断化」を押し付け、条件を満たさない多くの農家を農政の対象外にすることまで推し進めています。

 農業就業者は20年間で半減し、深刻な後継者難、担い手不足に直面しています。耕作放棄地、農地の荒廃も深刻です。まさに「亡国の農政」といわなければなりません。

 政権交代により、これまでの自民党農政の農林水産予算の多くが公共事業費で占められていましたが、その姿が是正され、価格保障・所得補償中心の農業予算への転換の一歩となったものと理解いたします。

 こうした状況のもと、岩国市の農業対策、特に担い手の育成、後継者の確保はどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。


山田やすゆき: 次に林業についてお伺いいたします。森林は、木材資源の供給と共に、国土や環境の保全、水資源の涵養、生物多様性の保全など国民生活にとって欠かせないものです。地球温暖化の要因とされるCO2を吸収・固定し、伐採後も固定しており、木材利用を拡大することは化石燃料の使用を削減することになります。

 木材は国内で再生産が可能な資源ですから、林業の停滞を打開し、林業・木材産業の再生の取り組みを強めることは大きな意味があります。

 森林面積の80%以上を占める岩国市での取り組み、特に森林整備を支える労働力の確保と林業経営の担い手の確保はきわめて重要な問題です。具体的な取り組みについて、答弁を求めます。

 水産業についてお伺いいたします。岩国市の水産業は、柱島周辺を含む沿岸漁業で、主にタイ類、たこ、ヒラメ・カレイ、今津川・門前川河口でアサリ等の貝類、河川域ではアユ、モクズガ二漁等の内水面漁業が盛んに営まわれてきましたが、近年は水質の汚濁、埋立や浚渫による漁場の減少、更に水産資源の低下、漁業者の高齢化などが相まって、漁業生産額の減少傾向、魚価の低迷等で岩国市の水産業は衰退の危機にあります。

 このような状況から脱却し、活気ある水産業を実現するために担い手の育成や後継者確保について具体的な方策についてお伺いいたします。
以上、農業、林業、水産業の状況を述べましたが、岩国市の22年度の予算でこれらにどのように取り組まれるかについてお伺いいたします。


山田やすゆき: 消防行政について、消防団員の待遇改善を求めることについて、質問を行ないます。

 岩国市の消防団は市町村合併に伴い、大変大きな組織となりました。10方面隊10本部50分団1629人で構成・配置され、さまざまな職業を持つ団員たちが災害時の出動、火災予防・警戒警備活動など休日や夜間だけでなく仕事を休んで出動する、自らの生活を犠牲にした献身的な活動が行なわれています。
消防団員は地元の事情に通じると共にボランティアとは異なる特別職の地方公務員として教育訓練を受け、災害時には昼夜を問わず地域住民を火災その他の災害から守る為の活動で常備消防・消防署を補完する重要な役割を果たしています。

 火災・災害時の出動、災害時の対応能力向上のためにおこなわれる操法大会に向けた訓練、毎月の機具点検などなど、さまざまな活動を行なっています。

 今日、災害が複雑多様化し、常備消防を保管する公的機関の消防団の活動はますます重要になっており、消防団活動の充実の為にも安心して活動できるよう待遇改善を求めます。

 最後に1年1回の消防団員の晴れの舞台である出初式には多くの団員が出席したい、出席人員の制限を止めて欲しいと要望が出されています。是非、団員の要望を実現していただきますよう、このことを、述べて、壇上からの質問を終わります。