平和とくらし、福祉を守る岩国市に
二〇一〇年度岩国市予算編成に対する要望
日本共産党東部地区委員会
委員長 米重 正彦
日本共産党岩国市議団
団 長 大西 明子
岩国市長
福田 良彦 殿
はじめに
自民党と公明党の政権が退場し、新たな民主党中心の政権が生まれました。先般、来年度予算をめぐり「事業仕分け」がおこなわれましたが、「軍事費」や「大企業・大資産家優遇税制」など二つの聖域に全く手が付けられない状況で、地方交付税の増額も不透明なまま推移しています。
こうした状況の中で岩国市の予算編成は市民の暮らしを応援し、守らなければなりません。とりわけ市町村合併してから三年、新市の隅々まで目を行き届かせ岩国の特性を生かした街づくりを心がけなければいけません。又、岩国市は在日米軍の再編成の渦中にあります。政権交代による米軍再編の見直しに住民の意志が反映できるよう全力を尽くすよう求めます。
日本共産党は、以上の立場で新年度予算編成にあたって以下のよう求めます。
一、米軍岩国基地の拡大・強化を認めない平和行政の推進を
1、厚木基地の空母艦載機の岩国移駐に反対すること。
2、岩国基地をFCLPの恒常基地にしないよう国・米軍に求め、文章で確約すること。
3、早朝・夜間の市街地上空の飛行禁止を求めること。
4、 米兵犯罪について再発防止の徹底と日米地位協定の改定を国に求めること。
5、沖縄・普天間基地のKC130部隊の先行移駐は認めないこと。
6、米軍機事故については、原因の公表と安全対策を徹底させること。
7、「核兵器廃絶都市宣言」を尊重し、核兵器廃絶のための施策を具体化すること。
8、イラクへ配備されているCH53Dヘリコプター部隊の岩国への再配備に反対すること。
9、米兵犯罪については、日本の司法権の拡充を国に求めること。
10、21世紀の早い時期に米軍基地を撤去し、核も基地もない平和な岩国をめざすこと。
二、民主主義・地方自治
1、「市民こそ主人公」を基本に市民のくらしと福祉・平和を守る岩国市政を進めること。
2、同和行政に偏重した人権行政を改め同和行政の終結を図ること。
3、官製ワーキングプワーというべき非正規雇用政策を改めること。当面、臨時保育士、看護師の賃金改定を行なうこと。
4、情報公開審議会の答申に従い情報公開を進めること。
三、福祉・医療
1、たかすぎる国保料金を払える料金に引き下げること。
2、介護保険の低所得者を対象にして利用料・保険料の減免制度を市独自で創設すること。
3、後期高齢者医療制度の速やかな撤廃を国に求めること。
4、障害福祉などの利用料は無料に、受益者負担を応益負担に転換するよう国に求めること。
5、子ども医療費無料化制度の所得制限を無くすこと。
6、父子家庭に母子家庭支援の制度を適用すること。
7、生活保護の母子加算・老齢加算の復活を早急に行なうよう国に求めること。
8、生活保護所帯の実態に即して自動車の保有を認めること
9、身体障害者のタクシー券使用枚数を一枚から三枚に戻すこと。制度の縮小、廃止は絶対にしないこと。
四、教育・文化・スポーツ
1、教育施設の耐震化を急ぐこと。
2、30人以下学級の早期に実施し、楽しい学び舎づくり事業を継続すること。
3、学校給食の安全管理は教育委員会の責任で行なうこと。食材は地産地消を推進すること。
4、総合体育館を住民が使いやすいように改善すること。
5、職員室にエアコンを設置すること。
6、中学校の教師にパソコンを配備すること。
7、学校の統廃合は地域住民の意見をしっかり聞くこと。
8、教育現場の意見を尊重し、教育行政に反映させること
9、理科研究備品の充実を図ること。」
五、自然・生活環境・街づくり
1、水源保護条例を制定し、水源地域の安全性を高めること、上流域の保水造林を進め、錦川の水質を守り、ダムによる水量の減少をきたさないようダム協定を守らせるとともに平瀬ダムの建設見直しを国・県に申し入れること。
2、中国電力の上関原子力発電所計画の中止を県・中国電力に申し入れること。
3、愛宕山開発跡地に米軍住宅並びに米軍関連施設を建設しないこと。
4、市営バスは市民の足を守る為、福祉施策として位置づけ、利便性の向上を図ること。
5、シティ電車を当面、南岩国駅まで延長するようJRに申し入れること。
6、岩国駅周辺事業に合わせて地下道の改善を行なうこと。
7、アルゼンチンアリの防除対策を行なうこと。
8、 耐震性貯水槽・消防ポンプ車をはじめ、施設・設備の増強、消防職員の充足をはかること。
9、国立病院機構・岩国医療センター(国病)の跡地の有効活用をはかること。
六、中小企業
1、サラ金・クレジット・商工ローン、「振り込め」詐欺の被害を無くす為、相談体制の強化を求める。
2、特別保証制度の主旨を生かし、弾力的な運用をはかること。
3、無担保無保証・超低金利、据え置き期間を延長とする特別融資制度を検討するなど対策を強化すること。
4、公共事業の発注・物品購入などは分離分割発注を徹底させ、地元業者優先をつらぬくこと。
5、大型店の進出を規制し、中小商店の営業を守るための「街づくり条例」を制定すること。
6、小規模修繕契約制度をつくること。
7、産業活性化支援事業「住宅リフォーム助成事業」を実施すること。
8、連合のみへの便宜供与を改め、公正な労働政策を実施すること。
七、農林漁業
1、米を輸入自由化の対象からはずし、FTA(日米自由貿易協定)交渉を中止するよう政府に申し入れること。
2、レンコン生産を地場産業と位置づけ、環境を守り、後継者問題などについて対策を強化し、価格を保障すること。
3、漁業振興をはかり、アサリ貝などへの支援を強化すること。
4、 林業振興をはかり岩国市の機関産業と位置づけること。農業従事者の雇用を支援すること。
5、農作物を猿・猪・熊の被害から守る対策を行うこと。