日本共産党市議団を代表して議案第1号に反対の討論を行ないます。
人事院は5月1日、民間で夏季一時金の大幅削減が見られるとして、既に決まっている国家公務員の夏季一時金(期末勤勉手当)を0.2カ月分減額するよう国会と内閣に臨時勧告を行ないました。
人事院が既に決まっていた公聴員の夏季一時金をカットする勧告を出したことは、内需拡大による景気回復に逆行し、又、労働基本権剥奪の代償機関としての役割を放棄して、政府与党の政治的動きに追随するものとして強く批判をいたします。
皆さんもご存知の通り、公務員の賃金は、前年冬と当年夏の民間の支給額を調べ、8月に人事院が勧告する仕組みになっています。
今回の勧告は、例年通りの調査を行なうものの、その前に一部企業の調査をもとに削減を勧告したものです。民間の一時金削減が相次いだので、公務員の夏季一時金も削減しようとするものですが、もともと勧告は夏の一時金には間に合わない為、年末一時金に反映されており時間差はあっても全体としては水準調整が行なわれる仕組みとなっています。
それを無視して前倒しで削減するなどというのは、ルール無視も甚だしものです。
日本共産党は衆議院総務委員会で「通常では1万1千企業を対面調査するのに、今回は2700社を対象に郵送調査しただけ」であり、「しかもボーナスを決定した企業は1割しかない。調書がすさんだ」質問したことに対して、人事院の谷総数も「全体を反映したかといえば、そうでない」と認めました。
同時にこのようなずさんな調査による勧告の影響を受ける労働者は全国で580万人にのぼり、勧告通りに引き下げると2700億円の削減になると答弁いたしました。その上、これが民間の一時金引き下げにつながることになれば、影響は甚大なものになります。
民間準拠といいながら、人事院勒告が民間に影響を与えることになりかねません。公務員の一時金削減は、民間企業の貸金を抑え込み、審議が始まる地域別最低賃金改定にも冷や水を浴びせるものです。深刻な景気悪化の中、家計を応援し内需主導経済に切り替えが求められている時、そのための補正予算まで出しながら、内需を冷やす一時金削減を敢えて前倒しで行なう道理は何処にもありません。
そしてこのことは消費低迷と景気悪化の悪のラスパイレスを加速させることにしかなりません。
今、とるべき道は小手先の出費を抑えることではなく、内需拡大のためにも家計を温めることです。それが岩国市にもめぐりめぐって大きな影響を与えることになります。
又、1人ひとりの職員には生活があり、それを大切にすることが大事であります。市職員が「全体の奉仕者として公共の利益のために全力をあげてそれに専念しなければならない」とした地方公務員法にのっとり、一番の任務である住民奉仕という仕事をまっとうする為にも、雇用と生活を守らなければなりません。
今必要なのは、公務員バッシングをして、市民と市職員の溝を深くすることではありません。深刻な経済状態の中でまず雇用や社会保障、中小企業対策を優先させ、庶民の暮らしを守る政治の責任があります。
市民の暮らしと営業、岩国市の経済に大きな影響を与える、一時金削減に反対の意見を述べ討論といたします。