2008年9月議会 山田やすゆき一般質問

答弁・再質問はもうしばらくお待ちください。

 

山田やすゆき(質問): おはようございます。日本共産党の山田泰之です。通告に基づいて、檀上よりの質問を行います。

 初夏の緑の田んぼも黄金色に輝き、農家にとっては猫の手も借りたい毎日であります。

 私は中国製ギョーザ中毒事件を初め、食品の産地、品質の偽装、添加物の表示違反、賞味期限の改ざん、最近では汚染米・非食用米を食用米と偽るなど、食の安全・安心を大きく揺るがす事態となり、先日、太田農林水産大臣は責任を明白にしないまま辞職いたしました。

 また、輸入食品からの残留農薬の検出、消費者には見えないままでの遺伝子組みかえ食品の横行、BSE牛肉の不安など、食の安全、これをめぐる問題が山積し、市民は何を信頼したらいいのか不安が高まっております。そこで、最初に、学校給食について質問を行います。

 私は今まで学校給食に地場の安全な食材を使用するように求め、せめて1月に1品、さらに1日に1品をと、地場野菜の採用を求めてまいりました。

 昨年の3月議会では、地産地消の促進のために関係団体と協議会をつくるよう求めたところ、答弁では「新鮮で安心・安全を基調とした地産地消の取り組みが大変重要なことであると考えておりますので、今後は地元生産者、生鮮食料品を扱う業者、学校栄養士の参加する協議会を設立いたしまして、地元の農産物を取り入れるよう前向きに取り組んでまいりたい」と答弁がありました。

 そこで、この間の取り組みと今後の取り組みについて答弁を求めます。

 また、我が国の食料自給率はカロリーベースで39%、特に穀物の自給率は27%と低く、多くを諸外国に依存しているのが現状です。

 今、学校給食に使用されている給食パンの小麦もほとんどは外国に依存している状態であります。全国的にも地産地消を強力に推進する運動が高まっております。食料の自給率全体の向上そして穀物の自給率向上のためにも、以前にも提案いたしましたが、再度、学校給食に米粉パンの導入を求め、答弁を求めます。

答弁(教育長)  山田議員1点目の学校給食についての1、協議機関の取り組み状況についてにお答えいたします。

 学校給食において、新鮮で安心・安全な給食食材を確保する意味から、地元で生産される野菜や果物などの農産物を積極的に使用するため、生産流通課等から、岩国地域の青果物出回りカレンダーや産地情報など、出荷・産地に関する情報の提供を受けまして、毎月の献立に役立てております。

 また、給食食材を発注する学校栄養士や給食主任をメンバーとする学校給食主任会におきまして、学校給食における地元産農産物を使用するときの問題点、使用率向上のための対策等について協議しております。

 この協議結果を食材発注に反映させたところ、平成19年度における県内産食材利用割合は34%となりまして、平成18年度に比較いたしまして8ポイント上昇いたしました。

 学校給食主任会では、今後も地元産農産物等を積極的に使用したいとの意見が大半であり、さらなる利用割合の向上を目指すためにも幾つかの課題があります。と申しますのは、地元産では必要な量の確保ができない、多品目の品ぞろえができない、価格が高いといった課題です。このため、安定した供給体制と価格を確保することが重要でございます。

 また、連携できる組織がないといった指摘もあります。生産者、流通関係者及び学校関係者が協働して地産地消に取り組むため、岩国市学校給食地産地消推進協議会を去年11月に設置しましたが、この協議会では、学校給食における食材の必要量、地元食材の利用状況等を説明し、その後利用率向上のための意見交換を行いました。

 そこでは食材の納入基準、納入価格等、解決していかなければならない課題も浮き彫りになりました。関係者が協力し、子供たちに喜んでもらえる給食を提供するという最終目標は一致しており、譲れるところは譲り合い、季節、品目を限定するなど、利用拡大が可能なものから始めることとし、利用率向上に向け協力していくことを確認したところです。

 その後、県農林事務所、生産流通課、教育委員会で地元産農産物供給体制等につきまして協議を行っているところですが、他市の地産地消の取り組み事例を見ても、農業協同組合との連携が必要不可欠となっております。今後は農業協同組合とも意見調整を行いまして、利用率向上に関する具体案がまとまった段階で次回の協議会を開催したいと考えております。

 次に、2の給食に米粉パンの導入についてお答えいたします。

 学校給食用のパンは、山口県の大半の市町において、山口県学校給食会に毎月の必要量を通知し、山口県学校給食会が割り振りした製パン業者から各学校に納入されております。現在、県内には米粉の製粉業者がないため、学校給食において米粉パンを導入している学校は余りない状況です。全国的には米粉パンを学校給食に導入している学校数は、平成16年度の4,067校から平成18年度では7,836校に増加しており、米粉パンを試食した児童・生徒や保護者の感想は、もっちりしておいしい、風味がいいなど好評であるとの新聞報道もあります。

 しかし、米粉パンにつきましては、米の製粉やパンへの加工には一定の工夫や技術の習得が必要であることや、焼き上がりから時間が経過するとかたくなるなどの問題があります。加えて、小麦の世界的な高騰を受けまして、政府輸入小麦の売り渡し価格が去年から引き上げられており、今年4月の30%引き上げに続きまして、10月にも10%の引き上げが決定されておりますが、それでも米粉パンは小麦パンに比べて価格が高いなど、給食費の面からの課題もあります。

 米の消費拡大を図る意味からの御提言かと思いますが、米粉パン導入については、他市の状況も調査いたしまして検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


山田やすゆき(質問): 次に、アルゼンチンアリの駆除対策についてお尋ねいたします。

 アルゼンチンアリの被害実態のわからない人は、たかがアリのことで何で大騒ぎするのかと言われるでしょうが、アルゼンチンアリが生息している地域の皆さんは台所に、食卓に、寝室にと、ありとあらゆるところにぞろぞろと入り込み、不愉快を通り過ごし、怒り心頭であります。

 何とかしてほしいと怒りの声が市役所にもたくさん寄せられており、私は平成14年12月議会でこの間題を取り上げ、 また、環境省にもたびたびと出向いて、対策を求めてまいりました。環境省も特定外来生物に指定し、一昨年から山口県、広島県等で中心にアルゼンチンアリ対策広域行政協議会が立ち上げられ、昨年度岩国市内でも駆除実験が行われております。その成果と今後の見通しについて答弁を求めます。

答弁(市長)  皆さん、おはようございます。29番 山田議員さんの御質問の第2点目の環境問題についての1、アルゼンチンアリ駆除対策についてお答えをいたします。

 特定外来生物に指定をされておりますアルゼンチンアリは、平成14年7月に黒磯地区において発見をされ、現在では黒磯・藤生地区、東地区、そして麻里布地区においても生息が確認をされており、急激な生息域の拡大は見られないものの、少しずつ生息域を拡大をしている現状下にございます。

 そこで、平成18年3月に、広島県、山口県と廿日市市、岩国市で構成しておりますアルゼンチンアリ対策広域行政協議会を立ち上げ、国の積極的な取り組みを求めるとともに、関係行政機関が連携をしてアルゼンチンアリ防除対策に当たっているところでございます。

 この協議会において、平成18年度は、防除目標の設定等を検討する基礎資料とするために、アルゼンチンアリの生態や分布状況、被害実態等の調査を実施し、昨年度は岩国市と廿日市市において、防除のためのモデル実験を実施してきたところでございます。その結果、道路等で区切られた比較的狭い範囲で防除を実施する際、えさや営巣場所を徹底的に排除することで個体群へ大きなダメージを与える可能性が高いということが判明をし、一定の成果を得ることができました。

 今年度は国におきまして新たに生物多様性保全推進支援事業が創設をされ、地域における生物多様性の保全再生に資する活動等に対し、必要な経費の一部が国から交付されることとなりました。

 これを受け、協議会のアルゼンチンアリ防除事業がこの交付金事業として採択されましたので、岩国市と廿日市市の防除のためのモデル実験を引き続き実施するとともに、今年度に協議会に加わった柳井市と大竹市とともに、新たに地域住民参加型の防除試験を追加実施する計画で、今議会においても補正予算を計上しているところでございます。

 岩国市におきましては、アルゼンチンアリの被害が顕著であり、道路等で囲まれ、アリが外部から侵入しにくい地域を選び、地域住民の協力を得て、アルゼンチンアリの根絶を目指した防除試験を実施していきたいと考えております。

 また、この交付金事業は3カ年計画で実施する予定をしておりますので、これらの試験の成果を検証しながら、さらに防除試験区域を拡大するなど、アルゼンチンアリの根絶を目指し今後とも努力をしてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。


山田やすゆき(質問):学校の耐震化と統廃合についてお伺いいたします。

 岩国市は昨年12月に、20年間100億円の予算で耐震化計画を作成していましたが、市長が交代、福田市長は選挙公約に5年間で実施するとしていました。

 3月議会で公約の学校施設の耐震化についての質問に対して、期間についてははっきりとした答弁はありませんでしたが、財源については再編交付金との答弁がありました。

 その後、5月の中国の四川省での大地象、さらに予想せぬ地域、岩手・宮城の内陸地域での大地震を受けて、政府は早急に学校の耐震化工事をするように急遽指示してまいりました。

 6月議会で我が党の大西議員の質問に対して、2次診断の予算を9月議会か12月議会に提案するとの答弁があり、今議会に8年間で耐震化工事を実施する計画が提案されました。

 1日も早く実施されることを望むものであります。この間題は耐震化工事計画とあわせて学校適正化基本方針が作成されると聞き及んでおりますが、学校の統廃合間題は、地域から、また父母から出たものではなく、この間の地方行革.市町村合併の流れの中で起こった問題であり、大もとには政府の大がかりな動向があります。

 自民党・公明党政府は、大型公共事業費や軍事費を維持するため、福祉や教育予算の一層の削減のため、教育分野では、子供の数の減少に対応するとして、2010年までに1万人の教員削減を閣議決定いたしました。この教育リストラを行う最も手っ取り早い手段が学校の統廃合です。

 しかし、学校の統廃合については、未来永劫、歴史のある学校を地域から消却し、子供や住民に多大な負担や苦労をかけ生きがいを奪う非情さを伴うと考えております。

 学校規模が小さく、財政効率が悪くても、教育を受ける権利の保障に必要な経費を支出し、教育条件を整え、その利点や可能性を最大限追求するのが国や自治体の役割ではないかと思います。

 学校の統廃合の検討に当たっては、このような原則的な問題を十分考慮し、軽率に計画を組むべきではないと考えております。

 先日も9番議員も切実に訴えておられましたが、どんな小さな学校でも子供への影響や地域の歴史、文化があります。費用対効果だけを追求する教育行政は絶対にやめるべきであります。

 今後、教育委員会では学校適正化基本方針を作成されるに当たってはこのことを十分考慮の上、作成されるものと願っておりますが、当局の考えについて答弁を求めます。

答弁(教育長)  次に、第3点目の学校施設の耐震化についての1、耐震化についてと2、統廃合についてにお答えいたします。

 現在文部科学省では、学校施設の耐震化の促進に向け、緊急の支援措置を講じることとし、特にIs値0.3未満の施設については、原則3年を目標に耐震化を図るよう指導がありました。

 教育委員会といたしましても、耐震化は喫緊の課題として、いかに効率的に実施していくかを考察しておりますが、本市学校施設は、大規模校を初め、早期に建てかえを行ったことから老朽化した施設が多く、当然耐震化の対象施設も県下2番目に多くなっております。このことから、事業を実施していく上にも多額の財政負担を強いることなどから、耐震化がおくれてまいりました。

 現在、本市の耐震化率は、小学校42.9%、中学校43.8%、幼稚園50%でありますが、このたび文部科学省の指導と支援措置を受けるとともに、防衛省の再編交付金を原資に、耐震診断に要する経費を基金として積み立てるようにいたしました。計画的な耐震化が図られる糸口が見出せたばかりでございます。

 しかし文科省の補助内容は、補助率のかさ上げ措置がなされたとはいえ、補助単価等補助内容は以前不明なことがあります。また、再編交付金につきましても、限られた財源であり、耐震化事業のみに活用することは市民ニーズからも非常に難しい状況にあります。こうしたことから、事業内容を精査しながら、より効果的・効率的に進めていきたいと考えております。

 なお、全国的に児童・生徒数の減少が問題にされております。岩国市におきましても、地域・学校区により減少幅に差異はありますが、5年後の推計では、小学校38校のうち、減少予定の学校は30校あり、100人を超えて減少する学校が3校もあります。また、中学校におきましては、17校のうち、減少予定の学校は11校あり、50人を超えて減少する学校が1校あります。

 こうしたことから、今後、児童・生徒への教育効果や学習環境、また学校運営の面からも、将来を見据えた教育基盤を確保するため、このたび岩国市立小・中学校の適正規模・適正配置に関する基本方針を検討していく委員会を立ち上げました。

 現在、検討委員会において問題の提起等を行っておりますが、小規模校においては、メリットといたしましては、教育・学習面では、子供たち一人一人に対しましてきめ細かな指導ができ、学校運営上も学校と保護者、地域との共通認識が図りやすい。一方、デメリットといたしましては、集団活動の機会も少なく、人間関係が固定化して、刺激が少ない、社会性の醸成が図りにくいなどの意見もございます。

 また、大規模校では、さまざまな人間と接することにより、人間関係に幅があり、切磋琢磨しながら成長できる。その一方で、大勢の中にいることから、小規模校ほどの細かな指導が難しいことなど、それぞれメリット、デメリットが上げられております。

 また、少子化とともに、中山間地域で過疎化も進んで、学校も過疎化が進んでおりまして、地域の核となって、学校が伝統芸能の保存や地域活動を担っている学校もございます。こうした地域性も考慮する一方で、人口減が避けられない今、適正な資産管理や次世代への負担を見通した、岩国市の望ましい教育環境の確保も図りたいところです。

 この適正規模・適正配置に関する方針の策定によりまして、統廃合の対象となる学校、通学区域を見直す学校も生じてまいります。方針を策定の後は、学校ごとに保護者や地域の方々と協議を重ねまして、新しい学校像を描いていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


山田やすゆき(質問): 最後に、岩国都市計画変更案の意見書について質問を行います。

 愛宕山を守る会と愛宕山を守る市民連絡協議会が愛宕山への米軍住宅反対などの意見書1,601通を9月2日に山口県に提出いたしました。

 山口県都市計画課によると、2,313通、5,256人が提出しているとのことです。愛宕山を守る市民連絡協議会が提出した1,601通は、一人一人がそれぞれの思いを書いたものですとが、社団法人山口県建設業協会岩国支部長名の呼びかけた意見書は、都市計画の愛宕山新市街地開発事業の廃止、都市計画道路牛ノ谷尾津線廃止、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針変更3案件を一括して賛成と表記し、印刷したものを作成、5名連記の署名方式で行われていることが判明いたしました。

 その主な内容は、「たとえ宅地が完売しても、最高500億円不足する。都市計画変更しなければ市民の命の安心・安全のよりどころである岩国医療センターの愛宕山移転にも悪影響を及ぼす」と書かれています。

 この書面は市長選時岩国市が今にもすぐにでも夕張のようになる、このように大宣伝された、それを思い起こすような意見書であります。

 愛宕山開発事業は岩国市のまちづくりの重要な問題であります。特定の業者団体が.さきに述べたように、市民を不安に陥れるような意見書に対して、岩国市としてどのように思っておられるのか答弁を求めます。以上で、檀上からの質問を終わります。

答弁(都市開発部長)  第4点目の愛宕山地域開発事業についての岩国都市計画変更案の意見書についてお答えいたします。

 愛宕山地域開発事業の中止に伴う岩国都市計画の変更につきましては、都市計画法第17条の規定に基づき、平成20年8月19日から今年9月2日までの2週間、山口県都市計画課及び岩国市役所で変更案の縦覧を図書を提示し行っております。

 その縦覧の参加者は、延べにつきまして157人の方が縦覧されました。

 縦覧終了後の速報値として、去る9月2日に県より、意見総数2,313件、意見書提出者数5,256人であったことが公表されているところでございます。

 なお、具体的な意見書の内容や提出数につきましては、県において取りまとめ中であり、現時点では市として承知していない状況でございます。

 議員御指摘の意見書の内容につきましては、愛宕山地域開発事業の中止に伴う岩国都市計画変更の手続は県において実施されており、県に対して出された意見書であります。意見書の提出者が考えておられる内容でありますことから、個別の意見の具体的な内容につきましては、市としてお答えすることはできませんので、御了承いただきたいと考えております。

 なお、都市計画の変更案に対する市の意見につきましては、現在、県より意見を求められておりますので、今後、岩国市都市計画審議会に意見をお伺いした上で市の考え方を取りまとめ、県にお示しすることとしております。どうかよろしくお願いいたします。

 

答弁を受けて、また再質問や意見等の発言をします。

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