2008年9月定例議会 一般質問

再質問はもうしばらくお待ちください。

 

古谷清子(質問) 皆さん、お疲れさまでございます。 30番、日本共産党市議団の古谷清子でございます。毎回地味な質問を行いますが、私の得意分野から、今回は3点について質問させていただきます。

 まず最初に、高齢者の医療、福祉についての質問をいたします。

 その1つ目として、長寿医療制度についてですが.この名前を見ると、長寿ということで、長生きを祝う制度かと勘違いをしそうな名前ですが、当初この制度ができたときは後期高齢者医療制度ということで発足しました。ところが、75歳以上の方を後期高齢者と呼び、これまでの国保や健康保険から強制的に追い出し、高い負担を無理やり押しつけながら、必要な医療を受けられなくなる空前の改悪制度がこの4月より始まり、全国各地で多くの方が怒りの声を上げられ反対署名など多数が国会に寄せられました。

 そして、こうした国民の怒りを静めるためにいろいろな策が講じられ、名前も長寿医療制度と言われるようになったのではないかと思います。

 そして、9月1日付の全国の朝刊折り込みには、一斉にこういう政府広報から出されました折り込みが全国で3600万部作成され、宣伝に投じた費用は約2億5000万円に上ると言われております。

 このように大きな文字で長寿医療制度が改善されましたと強調し、保険料の軽減策などを一方的に宣伝する内容でした。

 そして、見てもわかるとおり、カラー刷りの優しい色調で、イラストの人間もいかにも幸せそうな顔で、バラ色の中身に変わったのかと勘違いをしそうでした。この高齢者医療制度すなわち長寿医療制度がどのように改善をされたのか市民の皆さんにわかりやすく説明をお願いいたします。

 次に、小さい2番目ですが、介護保険の第4期事業計画について質問いたします。

介護保険が2000年4月に始まり、ことしで8年目となりました。この間、改悪介護保険法のもとで、介護の取り上げが進み、社会的な支援を必要としていても、制度の網目からこぼれ落ちていく介護難民が多数生まれています。こうした中、来年4月には介護保険は3年ごとの見直しを迎えます。 4月からの3年間が第4期事業計画の期間ということです。本市におきましても、既に基本的な考え方などが厚生労働省から示され事業計画づくりが始まっているのではないかと思います。

そこで、この第4期介護保険事業計画の進捗状況と計画策定方針について質問をいたします。

答弁(市長)  古谷議員さんの御質問に御答弁いたしますが、先ほどゴーヤの件に触れていただきましてありがとうございます。まさに農産物の振興もそうなんですが、実は緑のカーテンを設置しておりまして、地球温暖化防止に一助をなせばということで設置をしておりまして、そこからできたゴーヤでございまして、また収穫のときにはお持ちをしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 第1点目の高齢者の医療・福祉についてのうち、介護保険の第4期事業計画についてお答えをいたします。

 介護保険法第117条に規定があります介護保険事業計画は、老人保健計画と一体的に策定をする計画でありまして、3年ごとに見直すことになっております。この計画は、今後の高齢者人口の増加を念頭においた長期的な目標を立て、地域の実情に応じた介護給付対象サービスなどの供給量や供給体制の確保を図り、誰もが住みなれた地域で生き生きと暮らせる社会づくりを目指すことを目的に策定をするものでございます。

 平成20年度に策定をいたします第4期介護保険事業計画は、平成21年度から平成23年度の3年間を計画期間として策定するものでございます。本市におきましては、広く市民の意見を反映させるために、岩国市高齢者保健福祉計画策定委員会を設置いたしまして、計5回ほど審議をいただくこととしております。委員につきましては、知識経験者、保健・医療・福祉その他関係団体の代表者、被保険者の代表の15人で構成をされております。

 現在、平成20年7月30日に第1回目の策定委員会を開催し、8月には一般高齢者や要介護者などを対象にアンケート調査を実施したところであり、今後の予定といたしましては、来月2日には第2回目の委員会を開催し、アンケートの実施報告や分析結果報告、そして計画の課題などについて審議をいただくこととしております。また、11月には計画原案の概要を公表し、市民から広く意見をいただくパブリックコメントを実施したいと考えております。

 今後も高齢者が増加をしていく中で、要介護度に応じて必要なサービスを提供できるよう事業計画に盛り込んでいく予定としております。具体的には、利用者ができる限りその居宅において自立をした日常生活を送ることができるように、居宅サービスの充実を図るとともに、特別養護老人ホームなどの施設系の基盤整備を図ってまいりたいと考えております。ただし、被保険者の方の保険料などの負担サービスを受ける給付のバランスを考慮する必要がございますので、さまざまな御意見を真摯に聞かせていただき、第4次の事業計画に反映をさせていただきたいと考えております。

 いずれにいたしましても市といたしましては、法の趣旨を踏まえつつも、今後の利用動向を十分注視をしながらニーズの適切な把握に努め、利用者の方ができる限り住みなれた地域で生き生きと暮らすことができるような内容が盛り込まれた次期計画にしてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いをいたします。

答弁(副市長)  第1点目の高齢者の医療・福祉についての1、長寿医療制度についてにお答えをいたします。

 長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の見直しにつきましては、本年6月12日、政府与党において取りまとめられた、高齢者医療の円滑な運営のための負担の軽減等についてに基づきまして順次実施されているところでございます。

 その内容といたしましては、今月新聞広告に掲載されました政府広報にもございましたが、第1点目として、所得の低い方の保険料がさらに軽減されております。長寿医療制度の保険料は均等割と所得割で構成されておりますが、均等割につきましては、今年度7割軽減該当の方は一律8.5割軽減となり、平成21年度におきましては、長寿医療制度の被保険者の全員が年金収入のみで80万円以下の場合は9割軽減となる予定でございます。所得割につきましては、今年度は基礎控除後の所得金額が58万円以下の方、年金収入で申し上げますと、153万円から211万円までの方でございますが、この方たちについての保険料の所得割額が5割軽減されております。これは平成21年度以降も継続される予定ですが、軽減率については年金収入の多寡により変わってまいります。

 第2点目といたしまして、保険料の年金天引きが、一定の条件を満たせば、市へ申し出ることによりまして口座振替に変えることができるようになりました。一定の条件とは、これまで2年間国民健康保険料の滞納がない方あるいは年金収入180万円未満の方で、世帯主や配偶者が本人にかわって口座振替で保険料を支払う場合となります。

 政府広報に掲載された改善内容は以上でございますが、これらの措置を講じてもなお保険料が支払えない方について、広域連合の条例による個別の減免も含め、市におけるきめ細かな相談体制の整備を行うこと、また、本制度に基づく各種事務事業の実施に当たっては、わかりやすい説明、見やすい印字などを心がけるべきであり、保険証の切りかえ時期には印字を大きくするなど、高齢者の方々に十分配慮すべきであるとされております。

 また、資格証明書の運用に当たっては、相当な収入があるにもかかわらず保険料を納めない悪質な者に限って適用することとなりました。

 そのほか、与党の高齢者医療制度に関するプロジェクトチームにおいて、1つ、70歳から74歳の医療費の自己負担割合(1割から2割)を凍結すること及び被用者保険の被扶養者の保険料の軽減について、来年度も継続することとする。

 2点目として、高額医療費の自己負担限度額について、月の途中で75歳の誕生日を迎え長寿医療制度に移行する場合、移行前後の医療保険制度において、それぞれの自己負担限度額を支払うこととなるため、自己負担限度額をそれぞれ本来額の2分の1に設定することとし、平成21年1月から実施をすると。

 3点目として、長寿医療制度の創設に伴いまして、一部の方については世帯構成や収入が前年度と変わらないにもかかわらず、病院での窓口負担割合が1割から3割に変わりましたが、これにつきましては従前と同様1割負担のままとすることとし、平成21年1月から実施するということが決定をいたしております。
 以上が長寿医療制度の改善内容でございます。
 今後とも広域連合と連携をとりながら、岩国市としても高齢者に対しきめ細かな対応に努めてまいりたいと思いますので、御理解を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。


古谷清子(質問) 大きな2番目ですが、はり・きゅうの施術費助成について質問いたします。

 後期高齢者医療制度が実施をされ、はり・きゅうの助成制度も変更をされたように聞いております。

 この変更された内容についてお尋ねをいたします。

答弁(健康福祉部長)  第2点目のはり・きゅう施術費助成についての制度の変更内容についてにお答えいたします。

 高齢者はり・きゅう施術費助成につきましては、高齢者の健康の増進を図ることを目的とし、施術費の一部を助成するものでございます。この助成事業につきましては、市内に住所を有する70歳以上で、国民健康保険法その他の制度により給付を受けられない方を対象とし、1日1回、1カ月5回を限度に助成を実施しておりました。

 本年度からの変更内容といたしましては、この4月1日から後期高齢者医療制度が創設され、75歳以上の国民健康保険の被保険者もこの新しい医療制度に移行することになり、国民健康保険のはり・きゅう施術費助成制度が利用できなくなりました。そのため市といたしましては、これまでの高齢者はり・きゅう施術費助成事業を改正し、対象を75歳以上のすべての市民に変更し、実施することといたしました。

 また、制度内容変更の周知につきましては、この4月1日号の市報でお知らせするとともに、制度の変更により対象外となる70歳以上75歳未満で受診されておられた方につきましても、個人通知でお知らせをさせていただいております。さらに、今後とも市報等によりこの事業の周知を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。


古谷清子(質問) 最後の3点目は農林水産業の振興について質問いたします。

 今農家は農繁期の真っ最中です。先ほど藤重議員もおっしゃいましたが、早物のコシヒカリやひとめぼれなどの収穫はもう既に終わっております。今は遅物のヒノヒカリなどの収穫が行われておりまして、本当に猫の手も借りたいような忙しさです。

 先日の大型台風の直撃をこの地域は受けませんでしたので、やれやれと胸をなでおろすようでしたが、しかし、被害に遭われた地域の皆さんは大変な目を見られ本当にお見舞い申し上げます。

 ところで、農林水産業は本当に自然との戦いであり、自然との共生であります。この岩国においての農林水産業のとらえ方が、残念ながら弱いなといつも感じております。

 しかし、市長の市長夢日記、この夢日記では市長がゴーヤを手にして、農林水産業の振興を図りつつ云々とありました。

 そこで、福田市長の農林水産業の振興策はどのようなことを考えておられるのか、豊かで美しい自然を次の世代に引き継ぐためのプランなりをどのように考えておられるのかを質問をいたします。

 そして、鳥獣による農産物被害の防止策についても質問いたします。先ほども申しましたように、自然との戦いで、自然との共生ということを申しました。

 年々この鳥獣披害大きくなるばかりです。特にイノシシ」サルに加えて、近年はカラスも大変ふえてきております。人間とこうした鳥獣の知恵比べで、本当にイタチごっこです。被害区域がだんだんと広がっていると思います。担当課とされましても、いろいろと対策は考えておられるとは思います。

 そこで、防護さくの実績や今後の計画、対策について質問をいたしまして、檀上からの質問を終わらせていただきます。

 答弁(農林経済部長)  6月議会に引き続いて、農林水産業の振興について御質問をいただきました。振興策についてお答えをいたします。

 我が国の農林水産業は、長い間国民への食料の提供や木材の提供という重要な産業分野を担ってきました。農林水産業の振興は、農林水産物の生産はもとより、清流を守り、森を守りながら、豊かで美しい自然を次の世代に引き継ぐことにおいても重要な施策であると認識しております。

 しかし、近年の国際化に伴う農林水産物の輸入量の増加等、厳しい価格競争にさらされ、国内農林水産業の衰退、さらに少子高齢化に伴う担い手不足等により、第1次産業として大変厳しい状況にあると認識をしております。とりわけ農林業に従事されてきた中山間地域においては、集落の存続すら危惧せざるを得ない地域もあらわれてきている状況にございます。

 合併後、市域が約872キロ平方メートルと広大なものとなり、そのうち山林面積は約80%の7万1,383ヘクタール、耕地面積は約4%の3,500ヘクタールとなり、農林業はなお一層の重要性が増している反面、全国的な傾向でもあります過疎・高齢化、担い手不足等、多くの問題点を有している産業分野でもあると考えております。

 これらに起因し、農業の面では遊休農地、さらには耕作放棄地、林業の面では間伐等の山の手入れが行き届かず放置された森林は荒廃の一途をたどることになり、結果として防災機能の低下が懸念されているところであります。このような状況を改善するためには、農林業機械が使用可能な条件を整えるなど、基盤整備の推進を図るとともに、特に担い手を確保していくことが重要であると考えております。

 各地域では、それぞれの地理的条件などが異なりますので、これらを充分勘案し、それぞれの地域特性を重視した計画のもとに、例えば農林道や作業道、用排水路、圃場等の基盤整備、また後継者育成のために新規就農者に対する積極的な支援などが、いわゆる公助、すなわち行政の役割と考えております。

 また、水産業の振興につきましては、漁業生産基盤の充実と水産物の増殖及び安定供給を図っていくため、今後も県や漁業協同組合など関係各機関の御協力を得ながら、漁港等の整備や魚礁・干潟等の漁場造成及び海底清掃等による漁場環境の保全に努めるとともに、各種有用漁種の種苗放流等により栽培漁業を推進するとともに、離島漁業集落の活性化にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 市といたしましては、以上のような状況を充分に認識いたしまして、今後も関係各機関と具体的に協議・調整を行い農林水産業の振興に努めてまいりたいと考えております。

 次に、鳥獣による農産物被害の防止策についてお答えをいたします。

 近年、野生鳥獣における農作物被害が全国各地で深刻な問題となっております。岩国市におきましても特に中山間地域において、ほとんどの作物でイノシシ、猿を中心に被害が日常的に発生し、この傾向は耕作放棄地の拡大に伴い平たん部にも広がりつつあります。このことは営農面の被害にとどまらず、農作物が作付できないことによる営農意欲の喪失や精神面への被害、さらには耕作放棄地の増加といった環境面への被害にもつながっていると言えます。

 当市における合併後の獣害防止対策としましては、獣害防護さく設置を県営中山間地域総合整備事業、これは山代の郷地区でありますけれども、平成18・19年度で9地区、計25.1キロを実施しております。20年度で1地区4キロの設置計画を持っております。

 また村づくり交付金事業、これは周東中田地区でございますけども、19年度で1地区0.6キロ実施済みです。20年度から23年度において同地区で15キロの設置計画となっております。

 さらに、現在新規事業採択に向け地元調整中でございますけども、県営中山間地域総合整備事業におきましても約8キロの設置計画としております。

 また市単独の獣害防止に対する補助事業といたしましては、獣害防止対策事業補助金制度により、防護さく等の資材費に対し上限は5万円といたしておりますが、50%を補助するものであり、19年度におきまして133件の申請に対し約435万円の補助を実施済みでございます。

 鳥獣被害の一因でもある耕作放棄地対策につきましても、中山間地域等直接支払交付金事業、これは平成17から平成21が第2期となっておりますけども、この事業で市内85協定843ヘクタール、農地・水・環境保全向上対策事業、平成19年度から平成23年度までの実施期間でございますけども、現在、市内で13組織457ヘクタールの推進に取り組んでおります。

 市としましては鳥獣害防止に対応すべく、平成20年度におきまして岩国市鳥獣被害防止計画を策定したところであります。今後被害防止施策を実施していく中で、野生鳥獣との共存・共生に配慮し、鳥獣の生息環境の整備及び保全を推進していくことも重要であることから、被害防止施策及び鳥獣保護施策の両面で関係各機関との連携を密にし、鳥獣被害防止施策を推進してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

 

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