2008年6月定例会 「こども医療費助成制度」の導入に係わる予算について

大西明子: 私は議案第70号・平成20年度岩国市一般会計補正予算第1号について意見を述べ賛成をいたします。

 今回の補正予算は再編交付金の内定に伴い小学生を対象とする「こども医療費助成制度」の導入に係わる諸経費を計上しています。

 その財源は、平成19年度分の米軍再編交付金4億1306万3千円を「子育て支援基金」に積み立てる。10月から実施する「こども医療費助成事業費5,400万円を基金として取りくずして実施する」としています。安心して子どもを産み育てることができる環境整備の中の中核事業としておこなっていきたいと提案理由を述べています。

 私も議員になって以来、所得制限をなくし、すべての赤ちゃんのお産代を無料にと議会で主張し続けてきた者として、こども医療費助成事業が充実されることは、歓迎するものです。

 しかし、問題なのは再編交付金が財源であるということです。再編交付金が財源であれば、10年しかこの制度は存続できないのではという不安があります。将来にわたって続ける必要のあることの事業を10年限定の再編交付金で実施するのではなく、財政調整基金の取りくずしで充実するなどの対策が必要だと考えます。

 私は米軍再編交付金そのものについて意見を述べたいと思います。

 再編交付金は@米軍再編に伴う空母艦載機部隊移駐を容認したか、Aアセスメントに応じたか、B必要な施設整備の着工に応じたか、C工事は完了したか、という4段階に分け、その進ちょくに応じて岩国市が協力したかどうかを政府が一方的に判断して、配分されるものです。自治体を国策に従わせるテコにするのが政府の狙いです。

 地方の財政危機につけこんで、自治体に札束をちらつかせ、国に従わせるのはきわめて卑劣なやり方であり許せません。

 もともと米軍再編は世界各地でアメリカが先制攻撃戦争をおこなうための新たな拠点づくりが狙いです。基地再編の受け入れはアメリカの軍事介入を助長することにもつながります。侵略戦争を反省し、憲法で戦争放棄をうたっている私たち国民が戦争態勢づくりに反対するのは当然です。

 しかも基地の再編によって「基地の痛み」は確実に増幅されます。厚木基地から米空母艦載機59機をはじめKC130空中給油機が追加移駐されます。騒音と墜落の危険、米軍犯罪の激増で市民の苦痛が増加するのは必至です。井原勝介前市長が艦載機受け入れを容認しなかったのは市民の悲痛な思いを代弁したものではなかったのでしょうか。

 地域住民の生活を守るためにも自治体が国策を批判し、反対するのは当然です。私は再編交付金というアメとムチで、自治体を脅しつけ、米軍再編強化を強要するやり方につよく抗議をするものです。私は米軍再編反対の一致点で共同した国の仕打ちに怒りの1万人集会、6月22日の沖縄・神奈川・岩国連帯シンポジュウムに大変、勇気づけられています。

 宜野湾市の伊波洋一市長さんは、沖縄県議会で自民公明の与党が、過半数割れをし、各委員会の委員長ポストも一委員会を除いて野党がしめ、沖縄県議会も状況が大きく変わるでしょう、と話されていました。

 米軍再編は、ひとつどこかが崩れると全体がこわれます。アメリカではブッシュ政権が確実に終わりをつげます。日本でも総選挙は必ずあります。いま、国の政治を動かしているのは国民の声です。私はイヤなことはイヤと主張し続けたいと思います。同じに、市民の福祉・教育・くらしの充実のために全力をあげる。この立場から、こども医療費助成事業に賛成いたします。

 以上で討論を終わります。