2008年6月定例会 岩国市子育て支援基金条例について討論
藤本ひろし: 日本共産党市議団の藤本博司です。
教育民生常任委員長の報告の議案第72号・岩国市子育て支援基金条例について討論いたします。
本条例案は米軍再編交付金平成19年度分4億1,300万円を主な財源として「子育て支援条例」に積み立て小学校の医療費の無料化をおこなうと言うものです。私たち日本共産党は、従前から乳幼児医療無料化制度の所得制限の撤廃と対象年齢の引き上げを要求してきた政党として、提案理由にもあるように「安心して子どもを産み育てることができる環境を整備し、子育て支援事業の振興をはかる」事には、他のどの政党よりもろ手を挙げて賛成するものです。
しかし、小学1年生から6年生までの8,300人の内、所得制限があるので5,100人程度を見込み、助成期間も平成30年3月末の受診分までと10年間の期限となっています。
こうした制度の性質上、期限をもうけるのではなく、ズーッと継続しておこなうべきものではないでしょうか。
期限をもうけざるを得ないのは、米軍再編交付金を主な財源にしているからです。
この再編交付金は、第1に従来の基地交付金の性質を変えるものです。
従来の基地交付金は、基地が存在することによって生じる騒音などの迷惑行為また、基地が存在する事によって失われている利益の補償、例えば固定資産税とかですが、失われている利益がすべて補償されているものではありませんが、…こうした失われた利益の一部を補填するものでした。
ところが、この再編交付金は政府の方針に従えば交付するが、言いなりにならなかったら交付をしない、という不合理なものです。
政府の方針に従おうが、従うまいが基地があり再編が実施されれば住民や地方自治体に利益が失われる、被害をこうむる事には変わりはありません。
第2にこの再編交付金は、米軍再編の進ちょく状況を4段階に分けて、自治体が協力したかどうかを政府が一方的に判断して交付金を配分するというものです。
これはカネの力で基地をかかえる地方自治体と住民を分断、懐柔、屈服させて、基地強化をおしつすすめようというものであり、まさに住民を愚弄するものではないでしょうか。
アメとムチのこうしたやり方は、日本国憲法にうたわれている地方自治への真正面からの挑戦ですし、地方自治の破壊に通じるものです。
昨日、岩国基地内でひらかれた軍法会議で、昨年10月、広島で起きた19才の女性に4人の米兵が集団で暴行したとされる事件で、残っていた三等軍曹に懲役1年がいいわたされ、4人全員の1年以上の実刑判決が確定した、と報じられました。
また、大麻所持で送検されるという事件も起きました。
21日午前3時40分頃に岩国市の要請を無視して飛行するなど、時間外の離発着が多発している事態がおきています。
これに空母艦載機部隊59機が、やって来ればどういう事になるか。
いま、高知県の宿毛市でNLPを受け入れる運動がはじまった、という情報もあります。艦載機が訓練に飛び立って又、帰ってくる。昼夜にはタッチ&ゴーの訓練を新滑走路を使って離発着をくり返す。考えただけで背筋が寒くなる話です。
厚木空母艦載機の岩国移転には絶対に反対である。こと、そして再編交付金ではなく一般財源で10年経過後も存続すべきと意見を申し上げて、教育民生常任委員長の報告へ、賛成の討論とします。