2008年3月定例会 大西明子の一般質問

大西明子: おはようございます。私は、日本共産党市議団を代表して一般質問いたします。

 その前に、今3月議会を最後に退職をされる職員の皆さんに一言お礼を申し上げます。長い間、市政発展のために尽くしてこられた皆さん方に、本当に心から感謝しております。退職後、健康に留意されて、地域の場で活躍されるよう祈念しております。

 それでは、この議場での私の最後の一般質問になります。始めさせていただきます。

 まず最初に、施政方針について質問いたします。

 今回の市長選挙は大変な激戦で、選挙結果は1,782票の 僅差で福田候補が勝利をし、福田市政が誕生いたしました。しかし、岩国市民は真っ二つに二分化しました。この選挙は一体どのような状況だったのでしょうか。

 2月13日付の東京新聞では、「このままだと財政危機」「失政ビラで移駐隠し」の大見出しで、次のように述べています。

 「補助金カットという兵糧攻めを受け、有権者の心はどう動いたのか。選挙戦では、井原市政のままでは財政破綻すると強調するビラが何種類もつくられ大量にまかれた。結果的にはこれが効いた。入手したビラを見ると、市の一千億円以上の負債を突き、「岩国は倒産」「市立病院が閉鎖」「学校は統廃合」「市営バスがつぶれます」「市民税などが上がります」と、不安をあおる文言が躍る。

 福田陣営の幹部は、「センセーショナルなものでちゅうちょしたが、あくまで破綻したらとの仮定の話。まじめなマニフェストでは短期間で関心を引けない。ポイされていたら負けていた」、と不安作戦の実行をあっさりと認めた。

 有権者の声にも財政危機の宣伝が効いていた。「お金の力に負けるのはしゃくだったが、税金が上がる話が気になってすごく迷った」とある。政府がどう米軍再編の重要さを説こうと、基地が非常に迷惑な施設であることは変わりはない。容認派の市議ですら「移駐に賛成か反対か問われれば、今でも反対の方が多いと思う」と認める。ただし、選挙はきれい事ばかりではない」としています。小見出しで、「味しめた国」「他の自治体でもやりかねない」と紙面をくくっています。

 こうしたなりふり構わない手法でもってとった市長のいすですが、市民の思いは二分されました。この選挙結果をどのように受けとめて、これからの市政運営に生かされるのかお尋ねをいたします。

 また、市長は選挙中多くの約束をされています。例えば治安について、1億円持ってきて警察を100人から200人ふやす、学校の耐震化も5年程度でやる等々ありますが、今回の施政方針に反映された項目がありますか、お尋ねをいたします。


大西明子:  2番目に、財政問題について質問いたします。

 市長は、施政方針で財政の健全化を図ることを第一に掲げています。財政の健全化を言う前に、岩国市の財政状況をどのように見ているのかお尋ねしたいと思います。

 選挙期間中、福田候補の確認団体の街宣カーは、岩国市の財政は破綻します、夕張のようになりますと連呼をしており、市民は夕張のようになるということを大変重く受けとめており、選挙結果にも大きく影響していると思います。福田市長は、岩国市の財政を夕張のようになると本当に思っておられるのでしょうか、市長の見解を求めます。


大西明子: 3番目に、米軍再編に対する基本姿勢について質問いたします。

 3月13日付の中国新聞は、市長選挙での出口調査をまとめて報告しています。調査は、旧市部の13カ所と旧郡部の7カ所の投票所で実施し、投票した有権者633人から対面による聞き取りなどで回答を得たとしています。

 艦載機移転への賛否では、明確に反対としたのが46%、どちらかといえば反対とあわせて反対派は65.7%に達した。一方、賛成は8.4%、どちらかといえば賛成をあわせた賛成派は24%だった。賛否を男女別で見ると、男性で賛成派が28.5%、反対派が63.8%、女性の賛成派は18.9%、反対派は67.9%となり、女性の方がより反対の度合いが高い傾向が見られる。

 地域別では、旧市部で反対派が70%に達し、旧郡部では57%だったと報道しています。選挙結果は市民を二分した形になっていますが、艦載機移転問題では、依然として移転反対が多数です。この民意を無視するわけにはいかないと思います。

 米軍再編に対する基本姿勢で、負担の緩和に一定の配慮がなされていることから、具体的には協力すべきものと認識していますとあります。

 各新聞報道でも、事実上の容認と報道されています。選挙前の取材に福田候補は、艦載機が来るのは決まっている。2014年に来ると言い、記者から、容認派だということかと聞かれると、容認派じゃないと答えています。議会初日の施政方針の質疑の中でも、容認でも反対でもないと答えています。

 基本的には協力すべきものと認識し、来るものは来ると言いながら、容認と言えないのは市民の声、移転反対の強い声があるからです。

 国の言いなりにはならないと主張する福田候補に期待し、投票された方は多いと思います。国の言いなりにならない、この約束を守るためには、先に容認ありきではなく、市民の安心・安全対策について国と協議することが第一ではないかと私は思います。来るものは来る、だから、国からお金をもらえるだけもらうという姿勢では、市民の思いにはこたえられません。

 地位協定の見直しやNLPの訓練基地の問題、騒音の問題、これら諸問題解決のために国にはっきり物を言ってこそ岩国の市長なのです。公約を実現するためには財源が要る。そのためには国に理解を示す必要がある。この立場が先行してはならないということを強く申し上げて、改めて市長の米軍再編の基本姿勢をお尋ねをいたします。


大西明子:  次に、消防行政の消防団員の服務について質問いたします。

 私は、消防団のことは余り詳しくありません。そこで消防長に資料をいただきました。その資料では、地方公務員法第3条で、消防団員はそれぞれ職業を持つ傍ら、災害時に消防団員として活動しますが、この消防団員の身分は特別職の地方公務員ですとあります。

 そして、消防団員の服務に、消防団への入団は本人の自由意思によりますが、懲戒処分などで免職される場合があります。また、消防団員が個人として政党に入党すること、選挙運動すること、公職の候補者になり公職につくことは自由ですが、消防団員の地位を利用しての選挙活動はできませんとあります。

 私が消防団員の服務について質問することにしたのは、1月8日、岩国国際観光ホテルで行われた岩国分団新年互礼会での内容に疑義を持ったからです。岩国分団新年互礼会は、毎年消防出初め式の後に開かれており、1年間の消防団の活動とこれからの活動に感謝と激励を込めて、お互いの健康を願いながら、関係者の方々が一堂に集まって交流を深めておられます。

 私も、議員になって初めて招待を受け、地元の消防団の方たちと親しく言葉を交わすことができたのを第一歩に、毎年参加させていただき、今では団員の皆さんの御意見や要望など聞ける関係もできてきているところです。そういう意味で楽しみな会でもあります。

 ところが、ことしの互礼会は違っていました。来賓のあいさつとして、通津の消防団員でもある国会議員の福田良彦氏があいさつをされました。ところが、そのあいさつの内容は、国会議員を辞職して市長選挙に立候補する、立候補する理由及び決意表明でした。私は、一瞬にして不愉快になりました。同時に、長々と続けられるあいさつに怒りがわいてきました。

 岩国分団の新年互礼会は、岩国分団長、副分団長等の肩書きのもと呼びかけて開催されており、参加者は岩国分団の団員の方、そしてOBの方、地域の関係者、そして私たち議員も参加しており、また当日は国会議員の川下の平岡さん、地元川西の藤谷さんも同席されておられます。主義主張も政党の支持もそれぞれ違った人々が参加しており、あくまでも特定の候補を推薦するようなことはあってはならないと考えます。
 私は、消防団員の服務にある消防団員の地位を利用しての選挙活動はできませんという規定に反しているのではないかと思いますが、当局のお考えをお尋ねいたします。

 同時に、市長にもお尋ねいたします。通津の消防団員である福田さんが、特別職の地方公務員であることは十分承知のことだと考えます。

 互礼会のあいさつを依頼されたのだと思いますが、そのあいさつの内容は消防団活動に対する内容であり、参加者の新年のあいさつをするのが当然だと思います。

 みずからの市長選挙への立候補のあいさつをすべきでないと考えますが、それくらいの判断はできなかったのでしょうか、市長の見解を求めて、壇上からの質問を終わります。