2006年12月定例議会 藤本ひろし一般質問
答弁・再質問はもうしばらくお待ちください。
藤本ひろし(質問): 日本共産党の藤本博司です。通告に従って一般質問を行います。
(1)新しい岩国市の34人の議員が選出され、これから、新市の建設に向けて本格的な議論、検討が求められてきます。この 12月議会には大きな問題である米軍再編による厚木基地所属の空母艦載機部隊の受け入れの是非をめぐって、多くの議員が一般質問を行っています。
日本共産党は、今度の市議選で艦載機受け入れ反対に全力を尽くすことを最大の公約として掲げてたたかい、旧岩国市での3議席から4議席へと躍進させていただきました。日本共産党の議員へ空母艦載機が岩国に来ないように頑張ってほしいと、寄せられた市民の皆さんからの期待に背かないよう、まず力いっぱい頑張る決意を申し上げたいと思います。
米軍再編問題の最大の論点は、市民の安全安心をいかに守るのか、平和で豊かな静かな岩国を子や孫たち子孫にいかに引き継いでいくかという視点がとても大切だと考えます。地方自治体の責務は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。とされていることは論を待たないところです。
ところが、国は「移転反対」の態度を取っている岩国市に対して「うそ」の証言をしてまでさまざまないやがらせ、圧力を強めてきています。
例えば今年度の庁舎建設についての補助金の凍結をめぐって、在任特例期間中の6月議会の時に開かれた「議会全員協議会」の席で、これに出席した防衛施設庁の渡部施設部長は「本田議長さんがお見えになり新市の議会で庁舎建設の議論がされていないと聞いて、一時留保した」と、当時の本郷町の池田議員の質疑に答えました。
ところが、日本共産党の国会議員団の調査で、本田議長との会談の一ヶ月も前に、防衛施設庁長官の判断ですでに凍結する事を決めていたことが明らかになりました。私が6月議会で紹介したとおりです
最近の報道でも、来年度の庁舎建設補助金35億円が満額は難しいとか、民間空港問題についても実現が難しいなどと、なりふりかまわない圧力と嫌がらせが強められて来ています。
市民、議会、市長の理解と納得を求めるのではなく「アメリカとの約束」を優先させ、何が何でも「厚木の空母艦載機部隊59機を岩国移転せる」という国の態度は到底認められるものではありません。
中国新聞の12月3日付社説では、日米両政府の姿勢を批判しています。
記事の内容は「兵糧攻めで取引とは」との見出しを掲げ「なにやら兵糧攻めの観を呈してきた。米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転に反対している岩国市への国の対応だ。建設中の新庁舎の基地関連補助金をカットする意向を示した。
苦しい台所事情を見透かすように、圧力をかけるやりかたは納得しがたい」と糾弾し、アメリカの態度についてもアメリカフロリダ州のジャクソンビルでの住民投票のことも取り上げています。
11月初旬に住民投票が行われ米海軍のF18戦闘攻撃機の受け入れをめぐって行われた住民投票で、投票者の6割が反対し計画が白紙撤回されるそうである。アメリカは自国では住民投票の結果に従い計画を白紙撤回しながら、日本では住民投票はわれ関せずということで計画を押し付けるというのは、ダブルスタンダード、二重基準ではないかと指摘してます。
また「沖縄タイムス」の報道によると、ジャクソンビルの米軍施設は7年前に閉鎖されていたそうですが、バージニア州のオセアナ海軍飛行場のFA18戦闘攻撃機250機超をジャクソンビルに移転させる計画が持ち上がり、当初は3万人の雇用を生み出すとして歓迎していたそうです。
しかし、騒音や事故の懸念とともに建築物の移転など多額のインフラ整備が必要になることもあって、住民投票になりました。
沖縄タイムスの社説は「民主主義の原点に返って米国の二重基準についての対応を再検討せよ。このまま突き進むだけなら、対米追随姿勢も度が過ぎるというものだ」と指摘しています。
私も全くそのとおりだと思います。
こうして、日米両政府が、岩国市民の意思を無視してなりふりかまわぬ圧力と嫌がらせを行っていることに対して、世論の批判も高まっています。
井原市長はこうした世論に自信を持ち、国の無理な押し付けに対して負けないで、今までどおりに反対の姿勢を貫いてもらいたいと思います。見解を改めてお示しください。
(2)米軍は岩国基地を中心に180キロメートル圏にNLP訓練を含むFCLP(陸上空母離着陸訓練)施設の建設を求めていると言われています。瀬戸内海を含む離島、無人島その他に適切な対象地域があるとの情報は確認されてきていません。
厚木空母艦載機の受け入れを容認すれば、愛宕山への米軍住宅、NLPも他に適当な場所がないという名目で、岩国に持ってこられ、際限のない基地の拡張につながって行く危険性があります。市長の見解をお尋ねします。
(3)空母艦載機の移転問題は、住民投票、市長選挙、市会議員選挙と三度にわたり市民の意思は確認されてきています。しかし、国からの圧力、県知事の態度などから、大丈夫かとの不安も出されてきています。井原市長が確固として動揺しないで頑張っておられるのは大いに評価するところであります。
この市長の姿勢を支えることからも、市民の世論を盛り上げていく必要があると思います。
合併して基地被害とは直接的に関係が薄い地域や市民も増えてきています。こういう市民へ正しい情報を伝え、世論を高めていくことが必要だと思いますが市長の見解をお伺いします。
藤本ひろし(質問): 次に岩国市国民保護計画についてですが、私は 6月議会で国民保護法に基づく、岩国市での計画作りに関する条例に、日本共産党議員団を代表して反対討論を行いました。あらためて岩国市での計画が現実的なものか質問いたします。
いま、岩国市民にとって一番の心配は、昨年の台風で大きな被害を受けたわけですが、この様なことはこれからたびたび起きる可能性があります。
こうした事態が起きたときに、被害を最小限に食い止め、適切に市民の生命、財産、安全・安心を守る体制を至急確立することこそ求められているのではないでしょうか。合併して大変広大な面積となりました。市内の危険箇所にしっかりと目配りをして、市民が安心して日常生活が送られるようにすることこそ緊急に急ぐべきではありませんか。
また、この国民保護計画の元となっている、武力攻撃事態とか緊急対処事態というのは内容から見て戦争以外何者でもありません。こんな危険な計画作りは中止して、本気で防災対策を強めるよう求めるものです。市長の見解をお尋ねします。
国民保護計画についての二点目、計画の中身にかんする問題ですが、先日議員に配布された、「岩国市国民保護計画」(案)によりますと、核兵器による攻撃への対処計画も含まれています。これこそ、全く現実的でない計画ではありませんか。仮に核兵器による攻撃があれば一瞬のうちに私たちは蒸発してしまうわけですから手の施しようはありません。国が作れというから作る、それ以外の何者でもないこんな計画はとりやめるお考えはないかお尋ねします。
藤本ひろし(質問): 質問の三番目、介護保険についてです。最近の税制改悪、介護保険制度、障害者福祉、医療制度などの大改悪で、税金は上がるし、負担は増えると市民、国民の悲鳴が上がっています。とりわけ、生活に余裕のない高齢者や所得の低い方々の暮らしを直撃しています。
こうした事態に対して、多くの地方自治体では何らかの形で、市民の負担を軽減させる処置がとられてはじめて来ています。
そこで、介護保険を受けておられる方々の中に障害者にみなし認定することによって住民税の障害者控除の対象になると思われる方がたくさん居られます。
鹿児島市の例では、介護保険の認定が要介護 1以上の人で住民税が非課税であったが、今年新たに課税になった人が555人居られるそうです。
この方々に市役所介護保険課から「 555人全員へ障害者控除が受けられかも知れませんから申請してみてください」という案内を送付したところ前年 60人の申請であったものが一気に 390人が申請したそうです。
岩国市でも対象になる可能性のある人に、個別に通知する必要があると考えますが見解をお尋ねします。
最後に介護保険の保険料、利用料の減免税度についてです。
今年から住民税で 65歳以上の高齢者に対して48万円の老齢者控除が廃止されました。また年金収入から140万円まで認められていた年金控除が120万円と20万円圧縮されました。さらに所得税で20%、住民税で15%の定率減税が今年半分廃止され、来年残りの半分がが廃止されます。
年金収入しかない 65歳以上の高齢者の場合、住民税非課税限度額が大幅に下がり、昨年まで非課税であった方が今年新たに課税所帯となった方が数多く生まれています。
岩国市で 4020人にも上ります。この方々が新たに、非課税所帯から課税所帯になることによって、国民健康保険料、介護保険料の大幅値上げとなって大変な負担増となっています。「年寄りは死ねと言うのか」という大きな悲鳴と抗議の声が上がっています。
今こそ、地方自治体が初心に帰って、国の悪政の防波堤となって市民のいのちと暮らしを守らなければなりません。介護保険の保険料、利用料の減免制度の創設、拡充を求めます。市長の見解を求めて壇上での質問を終わります。