2006年6月定例会 大西明子の一般質問

答弁・再質問はもうしばらくお待ちください。

 

大西明子: それでは、日本共産党市議団を代表して、一般質問を行います。

 初めに、私は、6月2日の全員協議会での池田議員の質疑をお聞きいたしまして、旧町村の議員の方が、基地問題に関し、正確に理解され、主張されることに、旧岩国の議員として安心感を抱いているところです。

 一方、議会の代表である議長が、議会意思でもない問題を国に申し入れ、結果として、国は新庁舎補助金11億円を保留していることが明らかになりました。この行動は、市民や議会に不安を広げ、また、全員協議会の一方的な質疑打ち切りは、中立、公正、民主的な運営に欠けるもので、大変遺憾だと思っております。このことを述べて、質問に入ります。

 最初に、米軍再編についての1、艦載機移駐と公有水面埋立法との関係について質問をいたします。

 基地沖合移設による公有水面の埋め立てについては、平成8年度の各議会で、41ヘクタールの藻場、42ヘクタールの干潟が消滅し、瀬戸内法に違反するのではないか、大変な環境破壊だと大論争になりました。

 その中で、当時の沖本助役は、基地沖合移設事業は、岩国市にとりまして、基地に起因する諸問題を解決する最善の方法であると答弁しております。沖合移設は、諸問題を解決するどころか、拡張強化によって、厚木基地の艦載機部隊の移駐という新たな問題が起きているのが現実ではないでしょうか。

 そこでお尋ねしたいのは、公有水面埋立法に基づく承認願いが施工者から提出されますが、施工者である国は、県知事に対して、どのような理由で承認願いを出しているのかお尋ねをいたします。

 新聞報道ではありますが、愛媛大学の本田博利教授は、滑走路沖合移設工事と艦載機移転が公有水面埋立法に矛盾するのではないかと問題提起をされておられます。「沖合移設の目的は元来、地域住民の悲願であった航空機の工場群への墜落の危険回避と、市街地への騒音の軽減であった。そのため、国が不十分ながら示したアセスメントのデータなどを基に、公有水面埋め立ての免許権者である山口県知事は1996年に貴重な瀬戸内海をつぶしてまで埋め立ての承認を与えたのである。であれば、米軍機が倍の120機にもなる今回の艦載機移転は「重大な事情の変化」であり、当初の埋め立ての目的を著しく逸脱していると言わざるを得ない」と指摘をされておられます。

 岩国市長は、この指摘について、どのような見解をお持ちなのか、お尋ねをいたします。

 

 次に、基地外に家族住宅を建設することについて質問をいたします。

 私は、昨年6月議会で、愛宕山開発地域内に新たに米軍住宅が建設されれば、NLP用の宿舎としても利用可能になる。そうした新聞報道について、市長の見解をお尋ねしております。

 そのときの市長の答弁は、新住宅市街地開発事業は、住宅に困窮する国民のための住宅地の供給を図ることを目的とした事業であり、その区域に米軍住宅を建設することは、法の趣旨からしても、非常に困難であり、考えておりませんと答えています。

 しかし、6月2日の全員協議会で、渡部厚部長は、仮に岩国飛行場の外に家族住宅を建設する必要があるといった場合、神奈川県の逗子市や長崎県の佐世保市では、こういう住宅を整備しているわけだから、当然ながら、自治体の皆さんのご理解を得ながら、周辺環境と調和するように検討したいと答え、愛宕山地域に米軍住宅をつくるかどうかは、これから米軍側と調整して決まると答えています。

 市長は、法の趣旨からいって困難、考えてもいないと言ってきましたが、国の方では対象の一つと考えていることは明らかです。

 岩国市は、厚木基地の艦載機の移駐に反対です。米軍住宅建設についても、半永久的に米軍が居座ることになり、はかり知れない不安を抱え、平穏な暮らしを脅かされるのはもう嫌だというのは市民共通の思いではないでしょうか。

 米軍再編の最終報告、閣議決定などの状況の中で取りざたされている愛宕山地区に米軍住宅建設について、市長の見解を改めてお尋ねをいたします。


大西明子: 次に、愛宕山地域開発事業についての1、抜本的な見直しについて質問をいたします。

 平成17年3月1日に開催された愛宕山地域開発推進調査特別委員会で配付された見直しの資料の愛宕山地域開発事業の1期施工区域にかかわる整備方針には、整備面積約5.4ヘク、戸数は1戸当たり、面積を平均70坪として換算すると、約230戸。

 集合住宅用地整備面積約7.1ヘク、売却先(事業者)については、関係業界への働きかけを行う等により、その掘り起こしに努めるとともに、今後、建設による需要が見込まれる公営住宅等の整備について検討を進める。タウンセンター用地、整備面積約0.8ヘク、売却先については、今後、対象施設を幅広く検討しつつ、関係業界への働きかけ等により、その掘り起こしに努める。コミュニティセンター用地約0.5ヘク、売却先については、今後、対象施設を幅広く検討しつつ、関係業界への働きかけ等により、その掘り起こしに努める。福祉施設用地、約3.8ヘク、当面は1期施工区域に含めない。教育施設用地、1期施工区域から除外する。近隣公園用地、約2.1ヘク、1期施工区域の戸建住宅の整備にあわせて、運動広場、休養・散策施設等を配置した近隣公園を、本区域のシンボル的な公園として整備する。このように見直しが示されています。

 当初は、教育、福祉などの機能を備え、周辺の自然環境と調和や、景観に配慮した21世紀にふさわしい快適でゆとりのある住宅市街地が創設され、県東部地域の活性化や人口定住に寄与し、岩国市を中心とする中核都市圏の形成にも貢献できると述べています。

 今回の見直しは、福祉施設も教育施設もない。タウンセンターやコミュニティセンターもできるかどうかわからない不確実な寂しいものです。

 私は、このまま事業を進めるなら、大変な赤字を抱え込み、市民の負担ははかり知れないものになると危惧をするものです。2期施工区域と同じように、今後の経済情勢や新たな土地需要の動向が上向きになるまで、一次造成工事で開発事業を凍結するのも一つの対策だと考えますが、市長の見解をお尋ねをいたします。

 

次に、錦川の砂利搬入についてお尋ねいたします。

 現在、錦川のしゅんせつによって出た砂利や砂を愛宕山地域開発と平瀬ダムに使用するために、それぞれ搬入していると聞いております。

 現在、愛宕山には、牛野谷を通って搬入しており、今後は平田地区を通って愛宕山に搬入するということですが、沖合移設事業に砂利が必要なのでしょうか。どのぐらいの量が搬入されるのか、砂利の販売価格はどのようになっているのか、これらの点についてお尋ねをいたします。


大西明子: 3番目に、錦川のしゅんせつについて質問いたします。

 台風14号による被災地域住民への説明会が先月開催をされました。私は、3カ所の説明会に出席をさせていただきました。

 各会場ごとに住民の要望は具体的であり、非常に強いものです。排水ポンプの設置一つとっても、その地域の実情が違って、要望も異なっています。

 その中で、共通していたのは、錦川のしゅんせつ、中州の除去でした。県の説明によれば、錦川激甚災害対策特別緊急事業が行われているということですが、この事業と地区名、掘削土量についてお知らせください。

 さらに、広域基幹河川改修事業、単独河川改修事業についても、同様にお尋ねをいたします。

 今年度の事業について、激特事業費は幾らなのか、単独河川改修事業費は幾らなのか、それぞれの事業箇所はどこなのか、あわせてお尋ねをいたします。


大西明子: 最後に、中学校給食の早期実施について質問をいたします。

 私は、母と子の願いを市政に届けたいという思いで、一つは小学校区ごとに学童保育所をつくる。二つ目は、児童館をつくる。三つ目は、中学校給食を実施するという公約を掲げ、その実現のために、お母さんたちと一緒に運動を進めてきました。

 学童保育所は、署名運動や議会での質問で、早い時期に各小学校にできました。

 児童館は、20年間設置を主張し続けて、2年前にようやくできました。

 残っているのは中学校給食の実現です。3月20日に合併した旧町村では、既に中学校給食を実施しています。子供たちの教育環境に差があってはなりません。

 昨年12月議会で、長尾議員も実施を求めておられます。みんなが望んでいる中学校給食です。早急に実施すべきではないでしょうか。平成17年11月に作成の岩国市総合計画・実施計画では、中学校給食推進事業、共同調理場方式(センター方式)により、市内中学校(10校)の完全給食を実施するとあります。平成19年1300万円、平成20年1700万円、通算約8億3300万円となっています。この事業を計画どおり実施するのかどうか、まず最初にお尋ねをいたします。

 そして、総事業費、設置場所、スケジュールについて、あわせてお尋ねをいたします。希望ある答弁を期待して、最初の質問を終わります。