2006年6月議会 古谷清子一般質問

答弁・再質問はもうしばらくお待ちください。

 

古谷清子(質問): 日本共産党市議団の古谷清子でございます。合併して、はや3カ月となりました。私は、周東町の出身です。

 この周東町、かつてはタブー視をされていた同和問題に対して、町を挙げて正面から立ち向かい、今では人権問題の一つとして、広い立場でとらえられるようになったという経緯があります。私も一時はふるさとを捨ててしまいたいと思った時期もありましたが、今にしてみれば、周東という町に高い誇りと深い愛着を持っています。合併に際しては、いろいろな意見がありましたが、既に新市になり、動き始めているこの時期、よりよいまちづくりに向けて、私も歴史を動かす歯車の一つになっていきたいと思っております。

 市長は、合併後、市内全域を回られたということでしたが、私は、旧「岩国市」を除く玖珂郡内を歩きながら、皆さんの声をお聞きしているところでございます。

 本日は、そういう皆さんの声を集めて、質問をいたします。

 まず最初に、皆さんの思いは「切り捨てられてたまるか」でございます。ということで、1番目は、住民の足の確保について質問いたします。

 まず最初に、高齢者の福祉タクシー券についてです。周東では、80歳以上の方にタクシー券が1年に12枚交付されていました。しかし、この4月より、バスの優待券が70歳より交付されるようになり、このタクシー券の利用者に大幅な規制がかかるようになりました。5月現在の申請者は34人となっています。

 ちなみに、3月19日時点では、636人の申請者でございました。新制度での利用範囲は、バスの運行が週2便程度しかなく、バス停から地区の入り口の集落までの距離が2キロ以上ある地区の中から地区指定をするとあります。周東では、今年1年は1キロとなっていますが、足腰の元気な方は、バス停まで歩いていけますが、そうでない人は、100メートル歩くのも大変なんです。

 担当課では、先日も痛いからといって歩かなければ、だんだんと歩けなくなる。介護予防のためにも、なるべく歩くようにと言われますが、介助者もなく、歩け歩けと言われましても、無理な話なんです。今までの交付券の枚数は12枚と、往復で6回しか使えませんが、それでも高齢者にとってはささやかなプレゼントと思われていました。80歳以上でも元気な人は不必要でございますが、要介護3以下での交付ができないものか、お尋ねをいたします。

 

 次に、市営バスを由宇町まで運行することについてお尋ねいたします。

 昨日も、由宇の方より質問も出ておりましたが、このことは旧「由宇町」の町民にとって切実な要望でございます。隣の通津まで来ているなら、由宇まで走らすことはそんなに難しいことではないと思います。昨日の交通局長の答弁では、経営的に困難とのことで、一部乗り入れは可能ということでしたが、私の素人考えで考えた場合、一部可能なら、大畠の境まで行くように、防長との併合をされたらいかがかと思いますが、どうでしょうか。

 

 続きまして、錦川清流線に高齢者の優待券を適用することについてお尋ねいたします。

 清流線のことにつきましても、昨日、錦の議員の発言で、沿線住民の方々の知恵と協力のもとに、存続をされている様子が伺えました。そこで、この清流線に対しまして、高齢者の方へ市営バス並みの優待券を交付されるよう求めます。


古谷清子(質問): 続きまして、福祉・住民サービスの充実についてお尋ねいたします。

 まず最初に、障害者自立支援法の制定により、助成措置をされるよう求めてまいります。

 自立支援法が4月1日から実施をされ、応益負担が課せられ、多くの障害のある方々の制度利用に不利益が生じることになりました。応益負担は生きるために必要な福祉を益として障害が重いほど負担が大きくなるという障害者にとって生存権を否定するような制度ではないかと思います。

 ある福祉作業所に通所の方は、一月の賃金が1万円いくかいかないくらいです。しかし、この4月から利用料が倍近く要るようになった。何のために働いているのかわからないと嘆いておられました。

 また、施設入所の子供さんを持っておられる親御さんは、今までは障害年金の一部から施設に支払いをし、あとの残りは貯金をしていたが、これからはほとんど全額払うようになり、親なき後のことが心配だと言っておられます。障害が重ければ重い人ほど、負担が重くなるこの制度は、障害が重い人ほど働きたくても働けず、収入が得られないという現実の中で、非常に過酷な逆進的な制度ではないかと思います。

 日本共産党の国会議員団は、国と地方自治体に対しまして、障害者の自立と社会参加の後退を食いとめるために、制度の抜本的改善策を提言しております。私は、市独自の軽減策を拡充されるよう求めたいと思います。

 

 続きまして、はり・きゅうの助成事業ですが、周東、玖珂では、早くからこの事業に取り組んでおり、町民全員が対象となっておりました。

 ところが、合併後、この制度も大きく変わり、鍼灸師も利用者も使いにくくなりました。今まで周東では、年度ごとに1回申請すれば1年間有効の証明書をもらい、治療を受けるたびに印鑑を押すようになっていました。この制度は、玖西の鍼灸組合と議会、執行部が努力をされた結果の成果と聞いております。

 しかし、新制度のもと、シール形式で3カ月ごとに申請をするように変わりました。鍼灸師さんのほとんどが視覚障害者です。シールを間違えないように、はがさないといけないし、使いにくくなったと聞いております。岩国市全体での反応をどのように聞いておられますでしょうか。私は、できれば周東・玖珂方式に戻してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

 続きまして、配食サービスについてお尋ねいたします。

 65歳以上のひとり暮らしの方や高齢者世帯で、食事の支度の困難な方に配食サービスが行われています。

 旧周東では、1週間に1回200円で今まで行われていました。ひとり暮らしの方にとっては弁当を届けてこられたときに、配達者と話ができ、週1回200円でおいしい弁当が食べられると大変好評でした。しかし、これもこの4月より一気に450円になり、希望があれば毎日でも配達しますよということになりました。

 それは、毎日あればうれしいと言われますが、何分にも大幅な値上げに、大多数の方は断られてしまいました。何人かの方と話しましたときに、450円になったんでは、とてもじゃないが、頼まれん。何とか自分でおかゆさんを炊いて、そこら辺の漬物でも食べちょく、そういうふうに言われました。

 その利用者の数は、 今年の3月19日時点では、148人でしたが、5月の調査では、21人にと激減しました。周東での助成額は328万7,000円でした。この岩国市でも、もう少し助成をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

 次に、緊急通報システムについてお尋ねいたします。

 これも、65歳以上のひとり暮らしの家庭に設置をされて、大変喜ばれていました。形式などは今までいろいろ変わってきまして、今ではマリコムとかいいまして、サスケセンターが中継所として連絡体制ができています。

 センターの交換手さんが、時には声をかけてこられ、「お元気ですか、変わったことはないですか」と言われたり、困ったときなどは、早急に連絡をとってくださり、助かったという話もたくさん聞いております。

 今まではこのシステムは無料でした。これもこの4月より500円の負担がかかってきました。件数的には3月の時点で124件、4月で102件で、22件の減少となっています。わずかな年金で、わずかな収入しかない人にとって、500円はかなりの負担です。

 そして、ある視覚障害者の人が言われました。いつぞや、雷が鳴ったときに、テンパールが落ちて、電話も使えなかったとき、サスケセンターに連絡をし、民生委員さんに連絡がとれて、民生委員さんがすぐに駆けつけてこられ、テンパールを上げてくださり、助かったと。しかし、500円毎月要るのなら、もう要らない。これから先、何があっても我慢しなきゃいけないと言っておられました。

 市としまして、それでも個人負担をとられるのでしょうか、お尋ねいたします。

 

 続きまして、公共施設の使用料を無料化することについて、お尋ねいたします。

 これは、具体的には、周東のサン・ビレッジですが、先日も周東の議員がこの会場で言いましたように、周東は生涯学習が進んだ町で、皆さんいろいろなことに取り組んでおられました。

 中には複数の講座やスポーツをやられる方もいらっしゃいます。そうした中、このサン・ビレッジで高齢者のグループがグラウンドゴルフなどを盛んに行われております。今までここの使用料は電気代ぐらいで、あとは無料で楽しむことができましたが、4月より一気に使用料が要るようになり、こんなにお金がかかるなら、もうできないと悲鳴が上がっています。総合支所の方でも、よく検討をお願いいたしまして、これは要望としておきます。


古谷清子(質問): 最後になりますが、農業振興についてお尋ねいたします。

 耕作放棄の防止対策についてですが、農業振興を進める上で基本となる要素の一つに、農地が上げられるところであります。農産物生産の基盤として大切な農地は、水害防止や環境保全といったいわゆる多面的、公益的機能を有しており、ぜひとも保全していくべきだと思います。

 しかし、全国的な状況とも言えることですが、新市におきましても、残念ながら、高齢化や担い手不足は否めず、そのために遊休農地は増加傾向に進んでいると思います。耕作放棄が進めば、農地は荒廃し、生産基盤は失われ、雑草が繁殖して、周囲の農地に悪影響を及ぼすなど、多くの弊害が生じますことも明白です。

 そこで、耕作放棄の防止策、すなわち遊休農地を利活用する施策はないものか、お尋ねいたします。

 最後になりますが、1点目の質問の中でも申し上げました内容になりますが、高齢化する農業就業者、これは次の世代の農業を支える担い手不足の深刻なあらわれと言える問題です。

 そこで、後継者の育成について、具体的な取り組みや方策などがないものか、お尋ねいたしまして、壇上での私の一般質問を終わらせていただきます 。