2006年3月定例会 大西明子の一般質問
答弁・再質問はもうしばらくお待ちください。
大西明子: いよいよ合併前の岩国市議会での最後の最後の一般質問となりました。心を 込めて精いっぱい訴えますので、よろしくお願いいたします。
最初に、基地問題についての 1、米空母艦載機受け入れ反対について質問をいたします。
「 岩国市は、岩国基地が果たしている安全保障上の重要な役割を理解し、その安定的な運用に協力して いるが、市民生活の安全・安心を守るために、今以上の基地機能の強化は容認できないというのが、従 来からの 一貫した方針である。今回の移駐案は、厚木の騒音被害や危険の単なる転嫁にすぎず、岩国に とっては明らかに大幅な負担増、基地機能の強化に該当すると考えられる。到底容認できる話ではない とし、また基地周辺住民の大きな痛みや負担、そして何よりも子供たちが安心して住める岩国の姿を考 えれば、今回の移駐案は容認できない 」と井原市長は態度表明しておられます。
私は基地問題について市長と見解の違いはありますが、今以上の基地機能強化反対、米空母艦載機 の岩国移駐受け入れ反対の方針を支持をいたします。子供たちや孫たちに恥ずかしくないまちづくりを 推進しなければならないと思っています。
こうした中、 2月 18日、大和市平和委員会の蒲谷さんから、大和市の現状を聞く会が持たれました。
蒲谷さんの話の中で、大和市は他の自治体に比べて未熟児や難聴児が多く、落ち着きがない、学力にも 影響があるという事例が出されました。私は、早速大和市に資料の照会をお願いしましたが、調査時期 が古く、適切なのがないとの返事でした。
一方、沖縄県が平成 11年に調査した航空機騒音による健康影響に関する調査報告書があることがわ かりました。早速、調査報告を事務局にお願いして取り寄せていただきました。調査報告の中でも、特 に子供への影響について、蒲谷さんのお話と同じような結果が報告されておりました。乳幼児問題行動 では嘉手納飛行場周辺では、感冒症状、頭痛、腹痛、食事課題、消極的傾向、情緒不安定の各クラス ターで、普天間飛行場周辺では感冒症状、食事課題、消極的傾向の各クラスターでオッズ比の対数値 比、うるささ指数W値との間に、直線的な関係があることが認められたとしています。
端的に言えは航空機騒音に曝露されている幼児たちは、風邪を引きやすくて食欲が乏しく、友達づ くりに手間取る傾向がある。総括すると、航空機騒音は身体的にも精神的にも幼児たちの問題行動を増 加させる要因になっていると言えるとしています。
学童の記憶力では、記銘したある物事を長期間保持し続ける長期記憶のオッズ比と航空機騒音曝露量 との間には、有意な関連が謎められたとしています。
低出生体重児出生率について分析の結果騒音曝露量と 2500グラム未満の低出生体重児出生率 の間に、有意な量反応関係が険出された。最も曝露量の高い嘉手納町においては、対照群のオッズ比は 1.3であり、有意な差が認められた。 2000グラム未満の低体重児についても同様な結果が得られ た。早産児の出生率についても、有意な量反応関係が得られたと報告しています。
私は、岩国市でも同じような状況があるのではないかととても心配です。 この上、空母艦載機 57機 が移駐してきたら、大和市や沖縄で起きている事態が子供たちに襲いかかってくることは間違いないと 思います。
こうした子供たちの未来を奪う要因を私たち大人がつくってはなりません。 20年先、 50年先の岩国市の姿を描くとき、空母艦載機の受け入れは到底容認できないと考えるものです。
市民 の生命、財産を守る立場をある市長の態度表明を改めて求めます。
次に、住民投票について質問いたします。
井原市長は、米軍再編に伴う岩国基地への空母艦載機移転受け入れの是非を問うために、 3月 12日 に住民投票を行うことを発議いたしました。
米軍基地にかかわる住民投票は、これまで沖縄で行われた ことはありましたが、米軍再編計画が発表されて以降、その是非にかかわって住民投票が実施されるの は、岩国市が初めてではないでしょうか。
今回の住民投票は岩国市にとってはもちろん、米軍基地を抱える全国の自治体にとっても重大な意 義を持つものと思います。米軍基地再編に当たっては、小泉首相は地元の自治体と事前に協議をし、 オーケーをもらったら米側と交渉すると 2004年 10月に明言しております。
ところが、実際には地 元自治体と事前に協議をするどころか、一片の情報さえ明らかにしないまま、昨年 10月に米側と合意 をし、それを一方的に自治体に押しつけるという強権的な手法をとりました。多くの自治体が米軍再編 計画に反発して受け入れを拒否しているのは、在日米軍基地の地球的規模での殴り込み機能を一層強化 しようという計画の中身の重大性とともに、地元自治体の意向を全く顧みようとしない日本政府のやり 方に、激しい怒りを燃やしているのであります。
米軍基地受け入れを関係自治体に飲ませるために、議会 の監視や関係機構の説得など、政府がさまざまな圧力をかけていることが参議院予算委員会で明らかに なったことは 、自治体の怒りを一層大きくしています。
今回の住民投票は、地方自治の精神を生かし、私たち市民が空母艦載機の受け入れに賛成か反対か 直接の意志を示す絶好の機会ではないでしょうか。残念ながら住民投票に反対の会が発足し、意味のな い住民投票である、今回設問では市民の意見が正確に反映されない、多額の経費を要し、貴重な財源が むだになる、投票しないのも市民に与えられた選択肢の一つであると主張されています。
これらの内容 は 2月 20日の諸般の報告一「般質問で、保守系の議員の方々から主張された内容とほとんど同じで あります。市長も既に何回となく説明をされておられますが、最後にも一度わかりやすく解明してい ただき、 28人の議員全員が投票に行きましょうと行動を住民投票を成功させようではありませんか。 私は 、このことを強く訴えるものです。市長の誠意ある説明をお願いをいたします。
大西明子: 次に、少子化対策についての1、乳幼児医療費助成制度の所得制限をなくすことについて、質問をい たします。
2004年の合計特殊出生率 1.29は、 1人の女性が一生の間に産む子供の平均数です。
1989年の合計特殊出生率が戦後最低の 1.57を記録し、 1.57ショックと言われて以来、政府は 今後の子育て支援のための施策の基本的方向について、重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計 画についてなどを打ち出しました。
しかし、少子化傾向に歯どめがかからず、 2004年、総務省は 今後は子育てに伴う経済的な負担感の緩和や子育て中の専業主婦家庭の負担感の緩和に資する施策を充 実させることとしています。
2005年版の国民生活白書では子育てに対する不安や悩みでは、子育てに伴う経済的負担が重い、 これが一番多く、子供のいない既婚層では 72.9%、子育て層では336.4%となっています。
乳児医療費助成制度は子供の命に直結し、子育て世帯の経済的負担の軽減にとっても大きな制度で あり、その上充実が求められています。
現在すべての市町村で乳児医療助成制度を実施していますが、 自治体によってばらつきが大きい制度です。山口県は、市町村民税所得割 8万 2,300円以下で、小 学校就学前まで入院・通院・歯科が適用になります。下関市は、県制度に上乗せをして 3歳未満児まで 所得制限をなくしています。周南市は、入院・歯科は小学校就学前まで、通院は 3歳未満で所得制限を なくしています。周防大島町は入院・通院・歯科は小学校 3年度末まで適用 され小郡町、秋芳町は 1歳未満まで所得制限をなくし、乳幼児医療助成制度の充実、国による制度創設の切実な願いが今全国 で起きています。
国はやっと思い腰を上げて制度の創設に向けて取り組み始めました。岩国市も所得制限をなくして、 すべての乳幼児を対象にするよう制度の充実を求めます。
次に、多子世帯の保育料の軽減負担について質問いたします。
岩国市の出生数の推移を見ますと、 1967年の 2,250人をピークに毎年減少し続け、 2004年には 1,000人を切りました。
新エンゼルプランの施策の中で、子供を持ちたいと思える ようにするため、特に充実が望まれているものは何かと総務省の実施した住民アンケート結果によりま すと、教育に伴う経済的負担の軽減が 58.6%、両立のための雇用環境 46.1%、教育費以外の経済 的負担の軽減 36.7%、保育サービスなど子育て支援のサービス 33%が上位を占めています。
この アンケート結果でも、経済的負担の軽減、子育て支陵サービス充実に強い要望があることが明らかにな っています。
岩国市でもさまざまな施策を行っておりますが、今回私が取り上げた多子世帯減免は、現に 3人以上 の児童を扶養している世帯で 3人目以下が 3歳未満の場合に、 2階層から 6階層は全額免除、 7階層か ら 10階層の場合は半額免除となっています。
私は 、この減免対象を 3人目以下にし、 3歳未満という年齢制限をなくし、減免の対象を拡大するよ う提案するものです 。市長の答弁を求めます。
大西明子: 最後に、学校給食業務の委託業者の選定における情報公開について、質問いたします。
私は昨年 6月議会で学校給食の業務委託業者の選定について質問しております 。情報公開で取り寄 せた資料が 、委員が行った質疑は真っ黒に塗りつぶされて全く読めない、どの業者がどういう点がすぐ れているかについて、委員の判断がさっぱりわからない、このような情報公開のあり方について改善を 求めました。
その後、久米慶典氏が 一部非公開となったことで異議申し立て書を提出し、 9月 20日に市情報公開 審議会によって異議申し立てがはば全面的に認められたと新聞報道されております。
しかしながら、各業者から提出されている運営提案書は決定業者のはありますけれども、他の業者 については返却したため文書不存在となり、却下と同一な扱いとなっています。運営提案書がなければ 各委員の点数配分が適正かどうか判断できません。こうした資料の一定期間の保存は必要だと考えます が、こうした点の情報公開条例の充実を求めるものです。
市長の答弁を求めて、壇上からの質問を終わります。