2006年3月定例議会 藤本ひろし一般質問
答弁・再質問はもうしばらくお待ちください。
藤本ひろし(質問): 日本共産党の藤本博司でございます。通告に従って一般質問を行います。
米軍再編による米空母艦載機の岩国受け入れの是非を問う住民投票が大きな注目を集めています。
私 たちも加入する「艦載機受け入れ反対に○をする会」が結成をされ 、この会が主催をして「名護市民投 票」の経験を聞く会が開かれました。講師の伊佐真一さんは「政府は神奈川県の厚木基地の空母艦 載機 57機を岩国に押しつけようとしている。極東最大のアメリカ空軍基地の沖縄嘉手納基地を上回る 機能と役割を持つものとなる。先制攻撃戦略のもとで、岩国も沖縄も、そして日本全体が米軍の出撃拠 点にされようとしている。戦後 60年たって、こんな異常で無謀が許されてたまるものか。この住民投 票は山口県岩国だけにとどまらず、日本全国、アジアと世界に影響を与えるでしょう。名護市民投票 を経験した一人として、熱い連帯と共同の思いを発せずにはいられない」、こう言って、体調が悪いの を押して駆けつけて話をしてくれました。
また、隣の大竹市の中川市長は他の自治体のことなので、慎重にコメントすると言って、 「投票する 場合に、岩国市だけでなく、大竹市や広島県の問題であることを十分考慮に入れて意思を表明してほし い 」と語っておられます。「由宇町の思いを託す住民投票支援の会」、この会も私たちの「○をする会」 に激励のメッセージを寄せてくれています。
また、新聞報道でも、沖縄名護の住民投票や徳島県吉野川 可動堰での住民投票を戦った人たちの談話やメッセージが伝えられているところであります。
私たちも加入する「反対に○をする会」の事務所にも、全国各地から激励と連帯のメッセージやカン パが寄せられています。岩国市内の若いお母さんが立ち寄られて、漫画で子供の思いを託して、受け入 れないでと訴えてこられました。
岩国市内でも艦載機受け入れ反対市民の会や住民投票を成功させる会 などが結成され運動を進めておられるところです。
私自身長い間政治活動をやっておりますが、これほど大きな盛り上がりを経験したことはかつてあ りません。なぜ地方の中都市の住民投票がこんなにも世間の注目を集めるのか。それは米軍再編によ る米軍厚木基地の岩国移転に、正面から両手を広げて待ったをかけようという大胆不敵とも言うべきも のだからではないでしょうか。額賀防衛庁長官は、住民投票の結果がどうなろうと、艦載機の岩国移転 は変えないんだ、こういうふうに言っております。
しかし、アメリカのラムズフエルド国防長官は歓 迎されない所に行かない。こういうふうに言っております。
さらに、この問題にはそもそもアメリカ側にも、日本政府の側にも道理がないということです。つ まり小泉首相は一昨年の 10月に、地元と協議し、OKが出たらアメリカと交渉する、こういうふう に言っておりました。ところが、何の説明もなしに、 2プラス 2の共同文書にこれを発表したことは御 承知のとおりで、これは明らかに明確な約束違反以外、何物でもありません。
それに加えて都合のいい情報だけ出して、意図的に根拠のない情報を流したり隠したり、回答をし ないなどの操作を行っていることであります。たくさんありますが、主なものを上げるだけでも、騒音 のたらい回しではないかということへの回答も明確にしておりません。広島県側が改めて防衛施設庁に、 飛行ルートなど米軍の示したものか こういう質問をしておりますけれども、政府自身も公式に米軍と 協議をしたものではない、このことを認めておるところであります。
さらに、艦載機 57機、兵員 1600人と説明されていましたが、家族については協議中、こうい うふうにされております。 これもごまかし以外何物でもありません。艦載機 57機と兵員が 1600人移動してきて、家族は池子の宿舎に残るというようなことが考えられるでしょうか。まさ か厚木基地周辺の家族住宅からジェット機で岩国基地へ通勤するとでも言うんでしょうか。本当に腹立 たしい限りです。
米軍関係者が数千人増加をすれば市民の生活が激変することになることは間違いありません。
つい先日も、酔っぱらって朝帰りの米兵が新港の 2号線で追突事故を起こしました。同じ日に、これも 酒を飲んで自転車を乗用 車へ投げつけて、窓ガラスを壊すという事件が起きております。いずれも逮捕 されてますけども、基地の規模の面から見ても、新たに 57機がやって来れば、 自衛隊機を含めて 130機という世界一の密度を持つ巨大基地になってしまいます。ジェット機が 100機という体制は 沖縄の嘉手納基地でも 48機ですから 2倍になります。沖縄嘉手納基地の 面積、これが 19.95平方 キロメートルです。この広さは、実に拡大をした後の岩国基地の約 2倍の面積になります。
したがって、飛行隊航空機の密度からいえは実に沖縄嘉手納基地の 4倍にもなるのです。
岩国基地の沖合移設は、そもそも騒音対策と飛行コース上にある工場への墜落の危険を避けるという のが目的であったはずです。それを 2本目の滑走路ができたからといって空母艦載機を岩国へ持ってく るというのは、最初から計画していたのではないかと疑われても仕方がありません。
どんな角度から見ても、空母艦載機の岩国移転は容認できる範囲のものではありません。そうである にもかかわらず全国 130の自治体が東京都の石原知事を除いて、執行部も議会も基地のたらい回し に反対して頑張っているときに、市議会決議に反して議会の中から条件闘争への転換論が出たことは、 重大な間題であるということも指摘をしておきたいと思います。
質問の第 1点目、地域振興策の問題です。
今度の艦載機移転問題に関して、国が強行する前に地域振 興策を条件にして出して交渉すべきだという、こうした意見も出されておりますが、今回の艦載機移転 問題は従来のKC− 130やCH− 53Dのときとは全く異なる問題だと思います。
振興策との取引 はあるのか また、基地問題を振興策と絡めていけば、際限のない基地の拡大、基地機能の拡大につな がっていくものと考えられますが、市長の見解をお尋ねいたします。
艦載機移駐問題での 2点目、市長は 2002年、平成 14年 4月に基地機能強化についての基準を整 理するとして、 1、今以上の航空機部隊の配備、 2、基地の性格を変えるような措置、 3、市民の生活 環境にさらなる悪影響を及ぼすような措置という 3点を上げられておりますが、今回の移駐案について、 どう 整理をされておられるのか改めてお伺いいたします。
3月 12日投票で住民投票が行われます。井原市長が全国で初めて米軍再編の影響を受ける地方自治 体で、みずからの発議で住民投票を実施することを決断されました。日本共産党と市議団は、基地問題 での基本方針は市長と異なるところが大でありますけれども、即座に住民投票については歓迎の態度を 表明をいたしましたけども、この間題をめぐって国の専管事項だから住民投票条例になじまないとする、 地方自治法で定められている地方自治体の責務を放棄するかのような、変な議論が横行しております。
改めて住民投票条例の意義、基本的な考え方についてお尋ねいたします。
今回の住民投票条例については公職選挙法が適用されません。買収や脅迫以外、何をやっても自由 です。通常禁止されている戸別訪問や投票日当日の運動も自由です。幾ら自由といっても投 票ボイコット運動は、民主主義の原則からいっても、好ましいことではないと思いますが、市長の見解 をお尋ねいたします。
藤本ひろし(質問):2点目、アスベスト対策についてですが、前回の 12月議会でもアスベスト対策について取り上げま した。前回ここで取り上げさせてもらって以後、国会で 2月 3日、石綿(アスベスト)健康被害救済法 が自民党、公明党などの賛成多数で可決、成立いたした。民主党、社民党 、日本共産党は反対をいたし ました。
日本共産党は工場周辺住民などに救済対策が制度化された点は一歩前進であるが、一つ、国と企業 の責任があいまいである。二つ、対象疾病が中皮腫と肺がんに限定されているなど重大な欠陥があると いうことを指摘し、修正案を提出いたしましたけども、否決をされました。
岩国のアスベストを考える会でも、 37人の方が胸膜肥厚と診断をされ、 18名の方が健康管理手帳 を取得をされ 15名の方が申請手続中と聞いております。さらに、 1名の方が中皮腫の疑いで入院治 療をされておられます。
そこで、市長にお尋ねをいたしますが、肺がん検診一般ではなく、アスベスト検診を実施することができないか御回答いただきたいと思います。
最後に、医療機関への支援と連携についてですが、 12月議会での私の質問に対して、連携は重要だ と認識しているので、情報収集に努め、保健センターの窓口で受け付けた相談をまずかかりつけのお医 者さんに診てもらうなど、そういう連携を図っているという御答弁でしたけれども、その後の取り組み についてお聞かせください。
以上で壇上からの質問を終わります。