2005年12月定例議会 藤本ひろし一般質問

答弁・再質問はもうしばらくお待ちください。

 

藤本ひろし: 日本共産党の藤本博司です。通告に従って一般質問をおこないます。

 最初に「米軍再編について」です。

 昨年7月に米軍再編問題が報道され、以来年とヶ月、厚木基地の岩国移転反対、NLPの岩国基地での実施反対、米軍再編「中間報告」に移転を盛り込まないで、という願いと運動が盛り上がりました。

 岩国基地のこれ以上の強化はごめんだと言う世論は、岩国市民の万人を越える署名だけでなく、由宇町、和木町、柳井市、周防大島町に広がり県議会も決議しました。広島県側でも隣の大竹市、廿日市市、江田島市、広島市、大野町、旧宮島町をはじめ、中国地方や四国からも自治体や議会決議で、また住民団体の反対の声が上がっています。

 しかし、日米両政府はこうした世論を一顧だにせず、岩国市に何の相談もなく「中間報告」に盛り込みました。しかも、報道などによると原文である英文には「中間報告」という文言はなく、日本政府の意図的な操作で、これが中間報告ではなく「日米政府の最終合意だ」と言う声も上がっています。

 いま、市民全体が思想・信条、政党・政派を超えて「厚木基地の岩国移転に反対する」一点で力をあわせて世論と運動をさらに広げていかなければなりません。この点で井原市長が「これ以上の基地機能強化は認められない、移転計画の白紙撤回を求める」とされていることを評価するものです。

 私は麻里布町に住んでいて、米軍機、自衛隊機など基地の騒音に毎日悩まされて続けている市民の一人です。今でさえ耐えられないのに厚木基地から60機近くもFA18ホーネットを中心とする航空機がやってくるかと思うと背筋が寒くなる思いです。さらに移転してくるとされているジェット戦闘機は、スーパーホーネットといって騒音が数段大きいと言うこともわかっています。

 

 そこで伺いますが、

第一に、

  米軍機が増え米軍人・軍属が増えることは、騒音と同時に米兵犯罪、墜落の危険などさまざまな基地があるゆえに、市民生活に被害が及ぶ恐れがあると思いますが、どんなことが考えられるかお伺いします。

第二に、

  厚木基地での被害の実態を広く岩国市民にも知らせることが、大事ではないかと思いますが市長の考えをお伺いします。とりわけ騒音被害についてですが、厚木基地では基地周辺人口も多い、人口密集度も高い、基地の周辺をぐるりと住民が取り囲んでいる状況で非常に深刻な状態にあると言われています。騒音被害救済、飛行差し止めの訴訟が何度も起こされていると承知しています。

  このような基地被害の実態を広く市民に知らせ、「厚木基地周辺の住民がいやなものは、岩国市民もいやだ。人数が多いか少ないかの問題ではない。厚木基地は岩国に来てほしくない」との世論を全市民の共通の声にしていくべきだと思いますが市長の見解をお尋ねします。

米軍再編についての三点目、

  市長が厚木基地移転反対の運動の先頭にたってほしいと言うことについてですが、この問題が明らかになって以来、井原市長は「これ以上の基地機能の強化には反対であるとして、計画の白紙撤回を求めて」今日に至るまでこの姿勢を貫いてこられました。座間市や相模原市では市長自らが街頭にも立って署名を訴えるなどしてがんばっておられ、この姿が多くの市民に元気を与えています。

  来年3月の「最終報告」をめざして重大な局面、新しい局面に遭遇している今、市長が先頭に立つ姿を市民に見せることは、市民に大きな勇気と確信を与えるものと思います。市長の決意をお伺いします。


藤本ひろし: 大きな二番目の質問アスベスト対策についてお伺いします。

 アスベスト問題は大手機械メーカー「クボタ」の発表を契機に、政府の統計が改めて報道されました。

 それによると政府が統計を取り始めた1995年以来2003年までの9年間で中皮腫による死亡者数が6060人にのぼり、ガンの死亡者の中でも一定の比率を占めることもあきらかになりました。同じ時期の山口県内での中皮腫による死亡者数は109人で、総死亡者中中皮腫での割合は、全国が0.07%であるのに対して山口県は0.08%で全国平均よりも高い数値を示しています。

 日本の場合、世界が禁止の方向に向かっている1970年代から90年にかけて20年間、非常に広い用途に使われ、発癌物質で危険なものとの説明もなく使用されて続けてきたことです。

 一部「吹き付け」については、1995年に含有率%を超えるものについては禁止され、ある程度危険性についての認識は進んできたと言うものの、これも最近のことで政府自身も対策の遅れを認めています。

 7月21日付大手紙は「周辺住民らへの影響の可能性を国が30年以上前に認識していたことを裏付けるもの」と一面トップ記事で報道しました。

 「A紙」が紹介したのは今から33年前の衆議院厚生委員会で日本共産党山原健二郎衆院議員の質問です。アスベストの製造工場で従業員に肺がんが多発していることを明らかにし、全国的な問題として「がんの定期検診とかあるいは精密検査、健康診断などがなされているんでしょうか」と当時の厚生省に質問。厚生省は「その(工場)周辺の者、住民というような問題が起こり得る可能性がある場合には、一般住民の検診についてはわれわれのほうで考慮する必要がある」と当時の滝沢正・公衆衛生局長が答弁したことを紹介しています。

 今回政府は、アスベスト問題に対する過去の政府の対応について「関係省庁の連携が必ずしも十分であったとはいえず、反省の余地がある」としたうえで、来年度特別立法を政府として提出し「労災補償を受けずに死亡した労働者、家族、周辺住民に対し、できる限り救済の手を差し伸べる」とされています。

 しかし、アスベストを取り扱っていたとか、関連性の証明が補償の要件とされると、労災認定の狭き門と同じで法律はあっても適用されない……ということにならないように、これをしっかり見守る必要があると思います。

 

そこで、いくつかの点でお尋ねいたします。

  市内の病院、特別養護老人ホーム、老人保健施設等でのアスベスト使用の現状についてお伺いいたします。

  二点目消防職員へのアスベスト教育と健康診断についてどのように行っておられるか現状をお伺いします。

  市内の大手企業や米軍施設、自衛隊施設におけるアスベストの使用状況について、調査を行い対策を採るべきだと思いますが市長のお考えをお聞かせください。

  次に岩国市医師会等の取り組みの現状と医療機関との市との連携の必要性についてです。

 旧山パルの退職者を中心にして「岩国アスベストを考える会」が発足しました。60余人の会員がおられるそうです。現在29名の方が広島の診療所で診断を受け、そのうち27名の方が「胸膜肥厚」と診断されてられます。そしてアスベストによる「健康管理手帳」の申請を行い現在までに合計10人が「手帳」の交付を受けておられるそうで、引き続き順次申請をされておられます。これらの方は広島まで治療に通っておられる人も、そうでない方もおられます。

 岩国市内にぜひ「専門医がほしい」と言う切実な要望を持っておられます。岩国市医師会の取り組みと市との連携体制を強め、アスベスト被害の診断、健康管理手帳の申請、労災保険の申請など取り組むことが必要ではないかと思いますが市の見解をお尋ねします。

  市内の自営業者や中小企業で働く方々への健康診断について、支援ができないかお伺いします。

 個人事業主や中小企業で働く方々が下請けとしてアスベスト関連の作業に危険を知らず、従事していた方が多く居られます。これらの人々は何の補償もなく、一般的に肺がんなどの肺疾患として処理されていると思われます。アスベスト関連の作業に従事して胸膜肥厚や中皮腫になった場合、健康管理手帳の取得や労災認定を行える可能性があります。

  私たち日本共産党3人の市議団で日本製紙に申し入れを行い懇談を行いました。私たちの申し入れに対して、「会社として、胸部X線写真やCT画像撮影などの検査費用、交通費等は負担する」「職場に勤務していたことの証明、在籍証明は発行する 」等の積極的な回答をいただきました 。

  しかし、中小企業や個人事業主など市民が医療機関で診断を受けようとする場合多額の費用がかかります。このような場合、検診費用の補助ができないかお伺いします。


藤本ひろし:  最後に岩国市中心市街地商業等活性化基本計画に関連して3点お伺いします。

  一点目は岩国駅周辺での進捗状況と将来展望についてです。

  平成 12年に「基本計画」が策定されました。これは郊外型大型店の相次ぐ出店で中心市街地が空洞化し、これを解決する目的で平成10年「中心市街地活性化法」が制定され、岩国市でもこれを受けて「活性化基本計画」が作られたものだと理解していますが、しかし、活性化どころか、計画策定後も空洞化に歯止めがかかっていないのが現実ではないでしょうか。

 本年月定例会でも同僚議員の質問に対し「市としても基本法とTMO構想を中心市街地活性化のための基本的な計画として位置づけており、引き続き地元商店街や地元関係団体との連携調整を行い、財源の確保にも努力しながら主体性を持って中心市街地活性化に努めてまいりたい」と答弁しておられます。

 そこで改めて駅周辺での進捗状況について具体的にお伺いいたします。

  また 、岩国駅周辺が虫食い的に次々と小規模開発が行われています。中心市街地活性化基本方針実現の立場から、行政としてしっかりと対応しなければならない。必要によっては「規制」をかけることも必要だと思うがいかが でしょうか。

  二点目は倒産した錦水ホテルを九州のマンション業者が買い取り 15階建てのマンションを建設する計画があることが報道されました。ところがこのマンションの一階部分はパチンコ屋さんになるとのうわさが流れ地元住民に不安が広がっています。岩国駅前がにぎやかになるのはサラ金とパチンコ屋さんだけだと言うのでは困るわけで、跡地利用についてもしっかりと見守っていかなければならないと思いますが、当局の見解をお伺いいたします。

  三つ目に日本通運跡地の利用計画についてお伺いいたします。

 以上で壇上での質問を終わります。

 

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