2005年3月定例議会 藤本ひろし一般質問
藤本ひろし: おはようございます。日本共産党の藤本博司でございます。通告に従って一般質問を行います。
最初に、基地問題についてお尋ねいたします。
米軍再編問題については、既に多くの議員が取り上げており、私で 9人目で最後のトリになっておりますけども、私も今なぜ米軍再編なのか、戦後 60年、このまま外国の軍隊が日本に駐留し続けていいのか、市民の暮らしや平和が外国の軍隊、軍事基地に脅かされ続けていい のか、こういう視点でお尋ねしたいと思います。
私たち日本共産党は、労働組合や平和団体などさまざまな大衆団体と共同して実行委員会をつくって、 来る 6月19日に東地区の第3街区公園をお借りをして、中・四国規模での4000人規模の大集会や人間の鎖を計画をし、取り組んでいます。
先日も、我が党の 3人の市議も参加をして、基地の影響を最も受ける川下地区、東地区、愛宕・灘地区などの自治会長さんを訪問をして、集会のことをお知らせ するとともに、集会への参加や協力をお願いをして歩きました。
直接お会いできた自治会長さんは、集 会に協力をするところまではできないが、私たちも厚木基地の岩国移転には賛成できない。ぜひ頑張っ てほしい、こういうふうに激励をされました。何人かの自治会長さんは、チラシを回覧板で回してあげましょうと、こういうふうに言ってくださいました。
このことに見られますように、ほとんどの岩国市民は、厚木基地の岩国移転やNLPの岩国実施に反対をしておられるものと確信をいたします。
井原市長と桑原議長は6月1日上京し、町村外務大臣と大野防衛庁長官に面会をされ、市民を代表されて厚木基地の岩国移転と夜間着艦訓練について反対であると、こういうふうに伝えられたというところでございます。
私は、この一連の行動を積極的に評価をするものでありますが、途中で態度を変えることなく、最後まで反対の姿勢を貫いていただくよう求めるものです。市長の見解をお尋ねいたします。
基地問題の2番目に、岩国商工会議所が3本目の滑走路の建設を条件に、夜間着艦訓練(NLP)の岩国実施を求めて運動していることについてです。
たとえ3本日の滑走路の建設が非現実的であるといっても、NLPを誘致するなどということは許されることではありません。市長の見解をお尋ねいたします。
基地問題での3番目、沖縄普天間基地のKC−130空中給油機を岩国に移転させることを受け入れたことにかかわって、9項目の要請を行いましたが、その進捗状況について概略お尋ねします。
特に、昭和町藤生線用地を含む5ヘクタールの返還要求について、現在の到達状況についてお示しください。
藤本ひろし: 2番目、教育問題についてお伺いをいたします。
今、政権与党の自民党を先頭に、憲法改正、教育基本法の改正を目指して運動を展開をしております。
ことしは戦後60年という節目の年であります。こうしたときに、戦争をしない国から戦争をする国に、戦後の憲法の平和主義を根こそぎ破壊してしまおうというたくらみを絶対に許してはならないと、こういう熱い思いを持つものです。
第二次世界大戦では310万人に上る日本国民が犠牲となり、2000万人を超えるアジアの人々が犠牲になりました。
ヨーロッパでも数千万人の人々が犠牲となり、世界全体では5000万人を超える膨大な人々が亡くなりました。日本では、世界で初めて広島、長崎に原爆が投下をされ、一瞬のうちに20万人以上の人が亡くなりました。東京大空襲では10万人の、いずれも非戦闘員がなくなったのです。
日本の憲法は前文で、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」こういうふうに言っております。
そして、第9条で、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際政治を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、これを永久に放棄する。前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と高らかにうたっています。
この憲法があったことだからこそ、我が国は戦後60年、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争等、幾多の紛争・戦争があった中でも、日本人が戦争によって他の国の人々を傷つけることもありませんでしたし、また傷つくこともありませんでした。
この憲法のもとに昭和22年3月31日、11条から成る教育基本法が制定されました。
教育基本法は前文で「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものであるわれらは、個人の尊厳を重んじ、心理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造を目指す教育を普及徹底しなければならない。ここに、日本国憲法の精神に則り教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する」こういうふうに言い、また第1条で教育の目的として、「教育は人格の完成をめざし、平和的な国家及び 社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび勤労と責任を重んじ自主的精神に充ちた心身ともに健全な国民の育成を期して行わなければならない」と述べております。
引用が長くなりましたけども、戦後 60年、被爆60年の節目の年に、戦後日本の原点とも言うべき憲法、教育基本法の原点に立ち戻って考えてみたときに、第二次世界大戦、日中戦争から太平洋戦争に 至る経過と結果についての歴史を、日本がやった戦争は立派な戦争だった。あの戦争は日本の安全保障 と自尊、自衛の戦争だった。
また、アジア諸国での解放が戦争の目的だったというふうにゆがめてこれ を描き、これを教育に持ち込もうとする政治的な動きを見過ごしにすることはできません。
そこで、市長にお尋ねをしますが、憲法、教育基本法で述べられているような平和的な国家及び社会 の形成者として、真理と正義を愛する子供たちを育てていく上で、正しい歴史教育、単に戦争や原爆の 悲惨を教えるだけでなく、なぜ戦争が起きたのか、平和のとうとさ、人の命の大切さをじっくり考える ような子供を育てる上で、戦争の反省をしっかりと教えることが大切だと思いますが、いかがお考えで しょうか、お尋ねをいたします。
この点で、自分たちの身近なところでどんなことがあったのか、岩国での戦争の被害の実態をおじい ちゃんやおばあちゃんに聞いてみるとか、岩国にある被爆の記念碑などを調べて歩くとか、こういうこ とが大切になると思いますが、いかがお考えか、お尋ねをいたします。
教育問題についての 2点目、教科書採択についてお尋ねをいたします。
ことし、中学校の歴史教科書の選定作業が行われております。 4年前に初めて扶桑社の歴史教科書が文部省の検定を通過し、その採択を求める運動が一部の人々により展開されました。 6月6日から教科書の見本本が各所に展示され、私もこの質問を準備する必要がありまして、教育事務所に行き、時間を かけて閲覧しました。
歴史の教科書を中心に、一通り全部の教科書を読んでみました。全部の教科書を 比べて読んでみて、初めて 1種類だけ違う立場で書かれているのがよくわかりました。これが扶桑社の歴史教科書です。
つまり、戦争や平和に対する記述の仕方が、世間一般で理解され認識されているも のとは違うものになっております。
300万の日本人の命を奪い、2000万人のアジアの人々が犠牲になったあの戦争への反省と、平和な国を希求していく、そういう記述は見当たりませんでした。歴史の歯車を逆さに回すような、こんな教科書を採択すべきではないと強く改めて感じました。
日本共産党は、歴史教科書検定制度そのものに賛成する立場に立っておりませんが、それにしてもこ んな教科書が憲法、教育基本法のもとでよく通ったものだなと、国の教育行政について改めて怒りを感 じるものです。幸いなことに、 4年前にはこの教科書の採択は、国公立中学校ではゼロで、全体でも0.039%にとどまりました。ことしは10%の採択を目指して運動しているというふうに聞いておりますが、そこで市長にお尋ねしますが、こうした偏った歴史認識に基づく歴史教科書は採択すべきではないと考えます。
教科書採択に当たって、教育の専門家である教師の果たす役割が重要であると考えますが、見解をお示しください。
藤本ひろし: 最後に、被爆 60周年についてです。
核兵器廃絶都市宣言の看板が撤去をされております。市庁舎建設に伴う駐車場の確保という理由で、 核兵誰廃絶宣言都市、この看板が撤去されましたそうですが、ことしは被爆 60年の区切りの年であります。
我が国は世界で初めて原爆の惨禍を受けた国民です。ニ度と核兵器がこの地球上で使われること があってはならないという熱い思いで、本市議会においても平成 10年9月議会において全会一致で議会決議を行ったことは、御案内のとおりでございます。
また、岩国市は広島市、長崎市に次いで全国で3番目に被爆者の多い都市で市民100人に1人の割合にもなります。
世界でも2005年核不拡散条約(NPT)再検討会議がニューヨークで開かれ、日本から広島市長、長崎市長らを先頭に1000人もの代表団が参加をし、核兵器廃絶の明確な約束の実行を求めてニューヨークに参りましたけれども、こうしたときに岩国市が核兵誰廃絶宣言都市の看板を撤去したのは重大な問題があると思います。
看板撤去に当たって岩国市は十分検討したのか、私は再設置を強く求めたいと思いますが、見解をお尋ねいたします。