2004年6月議会 山田やすゆき一般質問  15日(火)の午前10時 から  

 

山田やすゆき: 日本共産党市議団の山田泰之です。通告に従って質問を行ないます。

 新庁舎建設に関わる諸問題

 2001(H13)年3月24日に発生した芸予地震で岩国市内では多くの被害が発生しました。市庁舎にも多くの亀裂が生じ、一時的な修復が行なわれましたが種種検討の結果、新庁舎を建設する運びになり、平成14年度に新庁舎の建設に向けた整備の指針となる基本方針を策定しました。

 庁舎の規模については、在庁する計画職員数を約700人と見込み、職員が事務を行なう執務室や会議室、また議会関係の諸室などを合わせ、必要となる庁舎面積は2万4000平方メートルで準備を進め、この度基本設計書が配布されました。

 新庁舎建設に関して3点の質問を行ないます。

 駐車場の問題について

 現在でも来庁者の駐車場確保は非常に困難です。その上、市民会館の駐車場は、事実上無いに等しく、市民会館の利用者は、市役所の駐車場を利用しているのが現状です。

 新庁舎の建設に関わる駐車場の確保は205台、車椅子用5台、公用車駐車場101台を計画され、職員の駐車場は確保されていません。

 市長は岩国圏域市町村合併協議会の場でも新市を考慮しての建設ということを度々と表明されています。人口を14万人と想定しての建設だと思いますが、岩国市の今後の人口増加等を考慮すると今の計画駐車台数で対応できるのでしょうか。

 新庁舎建設の際、市民会館の利用者をも含め、来庁者等の便宜を図るためにも駐車場を大幅に増やすことが求められています。答弁を求めます。

 新庁舎周辺の道路拡幅について

 全員協議会での説明の質疑で、「道路を広くすると暴走族が走る」ということが、わが党の議員の質疑で答えられたが、庁舎周辺の住民からも東側(8M)・西側の市道(6M)の拡幅が求められています。

 市庁舎は何度も造りかえられません。一度、建設したら道路は二度と拡幅は困難であります。新庁舎らしく大きな建物で圧迫感を感じず、周辺の開放感があってしかるべきだと考えます。

 この際、抜本的な対策を求めます。

 新庁舎建設の財源について 

 昨年の6月議会での私の質問に、当局は財源確保について「信頼関係」でとか、「SACO 関連」の予算との答弁がありました。2月9日の新庁舎問題に関しての全員協議会での質議で資金が不足する場合は「起債」するとの答弁がありました。

 またこの件で「市町村合併法定協議会」で周辺の町村議員から104億円の内(庁舎の本体工事費や外構工事費92億円)岩国市の基金18億円を除く、約86億円も防衛施設庁からは補助は得られないのではないかとの意見が出され、法定協の会長・井原市長は、「最大限の努力を約束」されていますが色々疑問視されています。明快な答弁を求めます。

[答弁:総務部長]

 1点目の市庁舎建設にかかわる諸問題についての3点にわたる御質問のうち、最初に駐車場についてにお答えいたします。

 新庁舎の基本設計における駐車場計画は、来庁者用として一般駐車場200台、車いす使用者用5台、合わせて205台分の駐車スペースを確保することといたしております。これは、現庁舎の来庁舎用の駐車スペースが109台でありますことから、およそ2倍の規模となるものでございます。

 議員御指摘の市町村合併によりまして来庁者の増加が予想されることへの対応についてでございますが、全員協議会の場でも御説明しましたように、来庁者駐車場の規模は所轄人口から必要駐車台数を想定する近似的計算法によって算定された数字等を参考に決定いたしております。これは、現在合併が進められております1市5町1村の合計人口約14万3,000人を対象にしましても、対応可能な駐車台数と考えております。

 また、市民会館利用者にも便宜を図ることにつきましても、市民会館大ホールは多くの場合、市役所の閉庁時間及び閉庁日に利用されており、新庁舎に計画する駐車台数は現庁舎敷地内における駐車可能台数を上回ることが考えられますことから、ある程度利便性の改善は図れるものと思っております。いずれにいたしましても、来庁される方々に御不便をおかけしないよう、駐車場の管理、運用面につきましては、今後十分検討してまいりたいと考えております。

 続きまして、庁舎周辺の道路拡幅についてにお答えいたします。

 議員御提言の市道は、東側が今津町9号線、西側が今津町16号線でございますが、新庁舎建設に当たり庁舎用地を活用した道路改良について検討、協議を行ってまいりました。そうした中で、現状において車道としての機能は確保できているものと考えられますことから、車道部分の拡幅は行わず、歩道について車いす使用者を含めた歩行者の安全確保が図れる幅員と、新庁舎の周辺環境に見合った整備を実施する予定にいたしております。

 最後に、建設財源についてでございますが、昨年度基本設計が上がりましたことから、現在その成果をもとに、平成17年度からの本体工事着手に向けて防衛施設庁と協議を行っているところでございます。したがいまして、現時点におきまして建設工事に係る補助額についてお示しできるものはございませんが、従前から防衛施設庁に対して本市の財政状況等を説明し、相応の助成をお願いしているところであります。これまでの経緯を見ましても、引き続き誠意ある対応をしていただけるものと判断をいたしております。今後とも計画どおり事業が実施できますよう努力してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


 宅地造成に関わる諸問題

 「暗きょ」の取り扱いについて

山田やすゆき: 平野部の少ない岩国市は、特殊な地形から公共下水道普及率も18.5%と他市に比べ大きく遅れ、市街化区域(2445万u)の中央部、23%・5.74Kuを米軍基地に奪われてます。

 戦後、臨海部に大工場が次々と誘致され、雇用も増大する中、昭和30年ごろから民間や開発公社等で周辺の丘陵地や沼地・海岸部を埋め立て住宅地として宅地開発が始まり、不動産会社等が販売しています。

 市民が宅地購入するときは、道路、給水、下水、また周辺の生活環境等をふまえ、自分達の将来設計を考え宅地を購入し、家を建てて日々の暮らしを送っています。

 こうした土地に現在、約8543戸(岩国市開発分を含む)21000人、岩国市の人口の約20%の市民が生活をしています。

 私は、昭和46年の「宅地造成等規制法」以前の宅地開発がかなりあり、そうした古い住宅地では既に40数年以上も経過しているところもあります。

 こうした住宅地で近年、排水施設との因果関係は定かではありませんが、道路が陥没するという事故が起ったりしています。

 住宅地内の道路側溝は岩国市の所有になっているが、道路側溝と河川の間の市道下に「暗きょ」があります。近年、道路陥没等の修復に関して、市の道路課から道路の補修費用の一部負担を住民に求める動きがあります。

 住民にはなんら責任はありません。

 岩国市の所有の道路下の排水施設の維持管理について、当局の明快な答弁を求めます。

[答弁:建設部長]

 第2点目の宅地造成についての中の暗渠の取り扱いについてお答えいたします。

 本市における宅地造成に係る排水施設の管理は、市及び申請者並びに自治会等が行っております。これは、市においては市施行によるもの及び土地区画整理法に基づく施設並びに都市計画法に基づく開発許可制度による山口県土地開発公社、岩国市土地開発公社の設置した施設を管理しております。また、これら以外でいわゆる民間業者の申請で開発許可制度により設置した施設及び制度施行前に設置した施設は、申請者または自治会等による管理で現在に至っております。

 しかしながら、本市の地形が市街地の排水施設において海抜ゼロメートル地帯が多く、また未改修の箇所も多いため、浸水被害のおそれがあります。市としましては、この解消に鋭意努力しているところでございます。

 一方、開発許可制度等により設置された排水施設は、その基準に適合した施設となっており、地域の浸水のおそれは少ないこと等により、申請者及び自治会等に維持管理をしていただいておるところでございます。しかし、これらの施設について、経年とともに老朽化が進み、補修等の対応が必要な状況に至っているものと推測されます。このような施設の管理者及び維持管理をどのように取り扱うかについては、生活基盤の安定という観点から今後検討していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


農業問題について

 岩国市の現状と今後の方針について

山田やすゆき: 日本は、食糧の6割を海外に依存する、先進国でも他に例の無い国になっています。そのうえ小泉内閣は、農政「改革」と言いながら、日本農業を支えてきた諸制度を次々に壊そうとしています。農業全体を輸入自由化や市場競争にゆだねた、耐えられないならつぶしてしまうというのです。

 日本共産党は、政府の食料・農業政策を根本から転換させて農業を基幹的な生産部門に位置づけ、食料自給率を向上させることを目指しています。

 近年、BSE,いわゆる狂牛病問題、鳥インフルエンザ、輸入野菜の農薬付着問題、食品の偽表表示問題など、食料の安全性が脅かされる事件が立て続けにおきています。日本人の主食であるコメの生産は、生産調整がおこなわれ、農地面積は年々減少傾向にあります。

 今まさに田植えの真っ盛りであります。水をはった田んぼに若緑の稲の苗を見るとさわやかな田園風景に心からの喜びが沸き起こります。その反面、草の生い茂った田んぼを見ますと情けなく、もったいないと思うのであります。

 農水省は「『食卓から農場へ』顔の見える関係の構築」、「都市と農山漁村の共生・滞留の推進」、「新鮮でおいしい『ブランド・ニッポン』食品の提供」など、いわゆる「食と農の再生プラン」を示し、消費者に軸足を移した農林水産行政を進めるといっています。

 しかし、国内、地域の状況を見れば、周辺の農村部では高齢化で農業の後継者もいない状況が続き、耕作放棄地も増加傾向にあります。

 そうした中、今日では農地を持たない人が、仕事の合間に余暇活動として農作物を栽培することに関心を持ちつつあります。数年で定年を迎えるサラリーマンの中には、定年後、自分で野菜や果物などを作って、安全で新鮮なものを食べたい、そのために今から勉強しておきたいと考える人が増えています。が、このような人たちに応えるために行政はどのような方策をお持ちでしょうか。

 岩国市の総合計画には「農業の振興」に「生産基盤等の充実」、「担い手の育成」、「農村環境の友好活用」等が記載されています。そこで次の3点につき、お伺いいたします。

(1)休耕田の状況とその活用

 休耕田が増加していることは先に述べましたが、どのような状況になっていますか。

 また、休耕している田畑を利用して、自家野菜や花の栽培などができる小面積の農地・市民農園などが考えられますが更に規模等を拡大し、市民に斡旋することを提案します。

 次に国においては来年度・H17年度に「中山間地域等直接支払い制度」の廃止も決定されているやに聞いています。

 この制度は「山間地の農地保全を条件に山間地と平野部の農業生産者の格差を補填する制度」です。それぞれの対象地域は、小規模ながら、それぞれ工夫しつつ対処しています。農地・農業を守るうえから将来とも継続が望まれる制度であります。この制度が継続されるよう強く望むと共に政府に「制度」の存続を求め、安心して農作業等ができるようにするべきだと考えますがいかがでしょうか。

(2)後継者対策   

農村は都市に比べ、少子高齢化の進行が激しく農業の後継者がいない中、人数は少ないが、定年後ふるさとに帰って農業を始めた方々も居られます。何とか農地などを荒廃させないように頑張っています。総合計画に「後継者の育成」をあげていますが具体的な方策を求めます。

(3)地産地消の取り組みについて

 地産地消とは、文字通り地元で取れたものを地元で消費するということです。輸入品や生産状態がわからないものではなく、生産者の顔が見え、無農薬、有機野菜を作ることができます。

 私は、食の安全と安心、耕作放棄地の抑制・解消など食料と農地、農業のあり方について本気で取り組み、日本の食糧の自給率の向上をめざすべきと考えます。

 山口県も地産地消に取り組んでいます。再度、岩国市での具体的な取り組みについてお聴きします。

 以上で、壇上での質問を終わります。

[答弁:市長]

 山田議員の御質問のうち、私からは最後の農業問題についてお答えをいたします。

 (1まず、休耕田の現状とその活用についてですが、農林業センサスにおける平成7年の水田が約490ヘクタールあります。平成12年には約383ヘクタールに減少しておりまして、休耕田が増加傾向にあるということであります。御指摘のように、休耕田を放置すると、雑草や病害虫の発生原因ともなりますし、イノシシ等の有害鳥獣の生息地ともなるということもあります。さらに、保水力が低下するなどにより、周辺農地への悪影響、さらには公益的機能も喪失するなど、重大な事態となるというふうに認識しております。

 この休耕田の活用には、主として現在三つの取り組みがございます。その一つは、平成12年度から5カ年計画で中山間地域等直接支払い制度が導入され、耕作条件の不利な市内の9地区におきまして、協定面積が79ヘクタール、農家戸数257戸になっておりますが、集団で農地を活用していくということで活用実施がされているところであります。この制度は、耕作放棄防止の上で大変有効な制度であるというふうに思っておりますが、御指摘のように、国の方では平成16年度が最終年度で打ち切る方向であるやにも聞いておりますが、今後県、国に対して継続をしていただくように要望もしていきたいと考えております。

 その2としまして、平成16年度から移動放牧システム、いわゆる牛を水田等に放牧をしまして、その荒廃防止に努めているシステムでありますが、これについても長野地区ほか2カ所で実施をしているところであります。

 その3番目としまして、平成4年度に市民農園を二鹿地区に開村をいたしまして、現在1.4反、参加者29名で実施をしておるところでありますが、今年度から新たに南河内地区でも約3反、参加区画個数19で南河内に新たに開設し、多様な農業利用を図ることで、休耕田が少しでも解消されるように努めているところであります。

 (2次に、後継者対策ですが、本市の農業従事者数は、平成7年には約4,500人、平成12年にはこれが3,600人と約19%も減少をしているという状況でありまして、次代を担う後継者の育成が大変重要であろうというふうに思います。

 新規就農者に対しましては、農業の技術、経営方法の習得の促進、資金の融通等の相談、支援、情報提供等を行ってきているところであります。さらに、新しい形としまして、やまぐち型担い手組織ということで、今年度岩国市域で初めて二鹿地区に48人で実施をされるということが決まりました。これについては、集団営農という考え方のもとで、グループと個人が協定を結びまして、双方が協力し合いながら農地を効率的に管理、運営する組織でありまして、これの有効活用も図っていきたいというふうに考えています。

 (3最後に、地産地消の取り組みでありますが、御指摘のように食の安全、安心という観点からは、顔の見える地元の産品を利用するということが、消費するということが大変重要であろうというふうに思いますし、我々にとりましても、我々が育った気候風土の中で育った食物をとるということが一番健康であるという考え方もあります。そういう意味では地産地消は大変重要なことであろうというふうに思います。

 岩国におきましては、学校給食におきまして平成14年度から岩国産米のお米の使用、あるいは地元の野菜が使用されている一方、直販所も朝市の形で開設をされております。さらに、岩国レンコンや赤大根等岩国の伝統野菜のほか、県内の農林産物を対象としました特別な「やまぐちコーナー」といわれるものが市内の大型量販店にも設置をされております。今後ともそうした形を利用しながら、地産地消にも努めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

実際は、まず質問者が上記の質問を一度にすべてし終わってから、それぞれの項目について市長や担当部長などから答弁を受けますが、ホームページでは分かりやすいようにそれぞれの項目に分けています。

壇上でまず最初にこのように質問をし、答弁を受けてから、またさらに再質問をします。再質問の時は、質問・答弁、質問・答弁と進んでゆきます。

再質問はもうしばらくお待ちくださいませ。

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