2004年 6月定例 議会 藤本ひろし一般質問    15日(火)の5時15分ごろから

 

藤本ひろし: 日本共産党の藤本博司でございます。通告に従って一般質問を行います。

 第1は岩国地域の合併についてです。私は本年3月議会でも合併問題に対する日本共産党の考え方を述べて岩国地域7市町村の合併について質問しました。

 今回の平成の大合併の狙いが国や地方の700兆円を越える借金を市町村の数を減らすことによって、これを解決しようとする国の押し付け合併であることを指摘しました。日本共産党は合併一般にすべて反対という立場ではなく、その地域によって、自治体や議会、住民が合併を選択する場合もある事を述べました。

 そして今回の岩国地域の合併は行政面積と財政の面から、岩国市の立場から見れば大きなリスクを背負うことになること、周辺町村の側からすれば周辺部の切捨てに進んでいくことを指摘し、岩国市民の立場からすればメリットは一つも無い事を主張しました。

 私はこの2点にもふれながら今回は改めて5点質問します。

 第1点は7町村が合併してどういう広域的なまちづくりをするのかということがまったく見えてこないことです。小委員会では議論されているのでしょうが、合併協議会の本体では、まちづくりについての議論はあまりされていないのではないでしょうか。まして、岩国市民には合併によって街がどうなるのか、くらしや福祉がどうなるのか一向に見えていないと思います。

 合併協がつくった冊子「岩国地域まちづくり将来構想」を読みましたが大変立派なことが書いてあります。「将来構想」ですからこれに全部意見を申し上げる気はありませんが、どんなまちづくりを目指すのかを端的に表すものであると思いますので、それぞれの市町村が掲げている主要な施策についてお示しください。

 次に総合支所への人員の配置についてお伺いします。

 周辺町村が一番心配しているのが合併することによって過疎がますます進み、地域の歴史や文化がすたれ、やがて地域そのものが無くなってしますのではないだろうか……と言う心配です。3月議会では「総合支所へは部長級を配置して、予算がつく」と答弁がありました。しかし、総合支所と言うのがどうしてもイメージが湧きません。

 合併協で確認されている組織、機構について、新市の本庁に統合する事務として@ 政策及び新市全体にかかる施策に関する事務。A 全市的な総合調整事務。B 新市の大規模な工事、プロジェクト等の計画実施に関する事務。C 内部管理事務 D 本庁一箇所に集約して処理することが適当かつ効率的な事務。とされています。例として秘書、企画調整、財政、入札、契約管理、人事、給与・厚生、電算等の部門が示されています。

 総合支所の担当業務は、「基本的に以上の総合事務を除き、地域振興の支援業務や住民生活に密着した福祉、厚生、産業、建設、商工、観光、文教部門等の業務について、現行のサービスが提供できる機能を維持する」とされています。これでいきますと総合支所へは相当数の人員が確保される必要があると思いますか、この総合支所への人員の配置についてお聞きします。

  次に昭和30年(1955年)小瀬、藤河、御庄、北河内、南河内、師木野、 通津の7村が吸収合併され今日の岩国市になりました。約50年前ですが当時の合併時の人口は90,607人で合併から25年後の昭和55年(1980年)が人口が最高で112,500人です。それから人口は減少に転じて現在では最高時よりか約4700人減少して来ています。地域によって大きく増えているところもありますし、極端に減少が激しい地域があります。この人口減少の推移と地域、人口減の要因をどう見ておられるのかお尋ねします。

次に合併による財政計画についてお尋ねします。3月議会で私は合併後10年間の財政計画だけではなく、20年後30年後をみた財政計画を示すべきだと質問しましたが、20年間の合併した場合と合併しなかった場合の財政シミュレーションが示されました。これによりますともし7市町村が合併しなかった場合20年間で岩国市が130億円の黒字、他の町村が205億円の赤字になると見込んでいます。この数字を見ると合併して、岩国市の黒字分130億円で赤字をかかえる町村の面倒をみるとも受け止められかねませんが、こんな数字に根拠があるのでしょうか。特に岩国市の130億円の黒字というのは愛宕山開発に債務保証一つ取ってみても納得できるものではありません。

  また、合併後の財政推計で交付税が17年度から26年度まで増え続ける計画になっていますがこの根拠をお示しください。

 政府は三位一体改革と称して地方への交付税や国庫補助金を大幅に削減しながら、財源を地方に移さないため全国で大問題になっています。全国知事会、全国都道府県議長会、全国市長会、全国市議会議長会など地方6団体は連名で今年5月25日付けで地方財政危機に関する緊急決議を行いました。このなかで平成16年度を初年度とする三位一体改革が16年度の地方の予算編成に重大な支障を及ぼしていることを指摘し改善を求めています。こうした国の地方への予算の削減の影響は合併して10年間合併算定替えの措置がとられたとしても、減額は避けられるものではありません。

 さらに合併11年目からは地方交付税が大幅に減額されはじめ15年目からは完全に一本算定になります。

 先に合併した周南市では平成16年予算でみて合併のときに作った財政計画に対して、地方交付税が18億7千万円、国庫支出金も18億6千万円少なく、両方合わせて37億円も少ない額になり、当初予算が昨年度平成15年度の660億円から、595億円へとなんと65億円も少ない予算をとなっています。玖珂町が合併の方へ傾いたのも地方交付税の減額、国庫補助金の減額、臨時財政対策債の減額により所得譲与税増加分を差し引いても、1億5000万円の国からの交付が減額され財政運営が困難になったことが理由としてあげられています。

 新市の財政シミュレーションは地方交付税や国庫支出金を過大に見積もっているのではないかと思いますがお尋ねします。

)  合併問題の最後に6月30日から7月30日にかけて住民説明会が行われます。この住民説明会に多くの市民の方々に参加していただいて、この岩国市が合併によってどうなるのか、市民のくらしや福祉はどうなるのか、みなさんの疑問や意見を聞くことは大変大切なことだと思います。どれだけ多くの市民の方がこの説明会に参加してくださるかどうかが、単なるセレモニーになるかどうかの鍵だと思います。

 そのためにも市民の目線に立ってわかり易く、合併によって岩国がどうなるのかメリット、デメリットを含めて説明することが必要です。そのためにも事前に市民の疑問や意見をよく掌握し、その疑問、意見にかみ合った回答をすることを事前に知らせる事により、興味と関心を高める方策が必要だと思います。全市一律の杓子定規な説明会だけはやめてもらいたいと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。

[答弁: 助役]

  まず、 1.具体的なまちづくりについてですが、地域住民の意見を反映するために、行政、議会、学識経験者の代表で構成される岩国地域合併協議会で新市建設計画(案)を策定しておりますが、この策 定の具体的な項目に当たっては、住民参加の観点から開催した「岩国地域まちづくりワークショップ」 など、新しいまちづくりに関する住民意見を集約し、反映した岩国地域まちづくり将来構想がペースと されています。

  新市建設計画(案)による新市の地域整備の方向といたしましては、高次都市機能が充実した中心ゾーンの整備、住民の生活を支える 6つの地域核の整備、そしてこれらを結ぶ公共交通網、情報通倍網 の構築が位置づけられています。そうした中で、関係 7市町村の具体的な主要事業といたしまして、岩 国市は民間空港の整備促進、新庁舎の整備、由宇町は総合運動公園の整備、本郷村はコミュニティー施 設併設の総合支所の整備、周東町は農林公園の整備、錦町は図書館等併設の総合支所の整備、美川町は 交流センター併設の総合支所の整備、美和町は公共下水道の整備などが最重点事業として掲げてお ります。

  次に、 2.総合支所への人員の配置にお答えいたします。 総合支所の組織等については、岩国地域合併協議会において、新市の組織及び機構の取り扱いについ て、本庁は、議員御案内のように、市全体に係る政策、施策、総合的な調整事務、菅喪章務及び総合支 所の所管する区域以外の市域に関する事務を所掌する。総合支所は、合併前の町村の区域を所管区域とし、本庁において処理する事務を除く住民サービスを提供するとともに地域の振興を図る総合行政機関 とすると個別整備方針が承認されております。

  現在は、岩国地域合併協議会の専門部会等において、この整備方針のもとに新市の効率的な事務処理 を考慮しながら、総合支所長の権限や人員配置等について検討がなされておりますので、具体的な 人員につきましてはいましばらくお待ちいただければと思います。よろしくお願いします。

[答弁: 総合政策部長]

)  第1点目の合併についてのうち、まず昭和の大合併についてお答えし ます。

  昭和 30年の合併時の国勢調査人口でございますが、桂島が 1765人、小瀬村 2337人、藤河村 2305人、御庄村 1609人、北河内村 3613人、南河内村 3147人、師木野村 1932人、通津村 3635人で、平成 12年の国勢調査人口では、柱島が 381人、小瀬 1152人、藤河 2063人、御庄 1991人、北河内 1728人、南河内 1802人、師木野 844人、通津 5208人で、平成 16年 1月 1日では、柱島が 364人、小瀬 1109人、藤河 1998人、御庄 2089人、北河内 1692人、南河内 1867人、師木野 826人、通津 5464人となっています。

  昭和 30年と平成 16年を比較しまして、人口減が 5割を超しておりますのは、柱島、小瀬、北河内、師木野ですが、これらの地区につきましては、少子・高齢化の現象が如実にあらわれていると思われま す。

)  次に、合併後 20年間の財政計画についてお答えします。

  財政計画では、 7市町村が単独の場合の平成 27年から平成 36年までの 10年間の収支見込みが、 岩国市では 130億円の黒字、他町村は 205億円の赤字となっています。合計では 75億円の赤字という数値の根拠ですが、この数値見込みの算出に当たっては、「新市財政計画参考資料」に推計の基礎的な考え方として説明書きもありますが、現行の行財政制度、現在の行政サービス水準を維持した場合 を想定し、平成 14年度の決算額あるいは制度改正のほか、特別の要因のあるものについては、平成 15年度予算額等をベースに、そうした(設定)条件のもとに普通会計で算定されています。

  また、合併後の地方交付税の伸びにつきましては、 100%の交付税措置がある臨時財政対策債の債還分が含まれております。

  続いて、住民説明会についてお答えします。 住民説明会につきましては、山手・麻里布地区を対象にした 6月 30日の市民会館小ホールを皮切り に、市内 22地区 23会場と市内全域を対象に、 7月 17日土曜日の 14時から市民会館小ホールにお いて、岩国地域合併協議会で策定された新市のマスタープランとして役割を持つ新市建設計画(案)概 要をスライドにより説明を行うと同時に、これまでの岩国地域合併協議会で調整された事務事業の内容 を忠実に住民の皆様の視点に立ってわかりやすく説明し、理解を得ながら合併を推進したいと考えてお りますので、よろしくお願いいたします。


藤本ひろし: 質問の2点目はごみの収集の問題です。

 ごみ問題は大変奥が深く自治体にとって固有の責務であります。この問題は環境問題、市民のライフスタイルの問題、企業モラル、財政問題など社会全体にかかわる重要な問題であり多岐にわたる問題がありますが、一年生議員の私にとってこれを全般的に質問する知識はありません、ごく身近な問題について二点質問します。

  一点目は粗大ごみの収集の現状と今後の計画についてです。

 粗大ごみは平成13年度まで自治会等で年1回程度1箇所に集めて、それを市の方で無料で回収するという方法が取られていました。これが平成14年度から有料化され、収集方法が、事前に市役所に電話して、住所、氏名、電話番号、収集日時、排出場所を打ち合わせて確認した上で、粗大ごみ収集券を購入して、そのシールを粗大ごみに貼って、決められている収集日当日午前中に自宅前に出しておくという方法に変わりました。

 こうした収集方法が有料化したこととあいまって変更されたことによって、変更前4年間の収集量が1年当たり平均1282トンであったものが、変更後の平成14年、15年、2年間年平均110トンに、10分の1以下に激減しています。これは家電リサイクル法による回収ルートの変更も影響していると思いますが、収集が有料化されたことや手続きが煩雑になったために相当の出し控えが有るのではないかと思われます。こうした現状をどう把握され分析されているか、また全国的にもこの粗大ごみ回収問題は、有料化、個別回収方式が流れであるように思いますが、問題も出て都市部などでは人口衛星などを利用した収集方法を取り入れているところがあると聴いています。岩国市として粗大ごみの現状についてての認識と改善の計画があるかお尋ねします。

[答弁:市長]

 藤本議員の御質問のうち、私からは最後のごみの収集についてお答えをいたします。

  粗大ごみの収集の現状と今後の計画等についてでありますが、御指摘にありましたように、粗大ごみ は排出者責任の明確化と適正な受益者負担による排出抑制及び収集業務の効率化を図るために、平成 14年 4月から個別有料収集方式を実施しているところであります。

  収集量は、これも御指摘のとおり当初の見込みをはるかに上回り、大幅に減少している状況にありま す。例えば平成 13年度は 1429トンでありましたが、実施をしました平成 14年度は 82トン、 15年度は 138トンと、大幅に減少してるところであります。

  自治会単位の年1回の無料収集を、電話申込方式による 4週 1回の戸別収集に変更したことにより、 あらかじめ収集券をスーパー等取扱店で購入する等の手続は必要となりますが、以前のように自治会の 方の手を煩わすこともなくなり、市民の利便性も向上した、面もあるというふうに考えているところで あります。

  また、ひとり暮らしの高齢者等身近な人の協力を待ることができずに自身で持ち出しが困難な方から の要望があれば地域の方に立ち会いをお願いし、職員が直接申込者の家の中から持ち出し、収集を行っているところでもございます。

  当面は、現行の戸別収集方式を継続していきたいというふうには考えておりますが、インターネット による粗大ごみの収集申し込みを実施している例、広島市や下関市等でもありますので、今後の収集量 の推移を見きわめながら、より市民に便利な方法を模索をしていきたいというふうに考えております。

 

藤本ひろし: 次にペットボトルの回収についてお伺いします。

 ペットボトルはスーパーなどの店舗や学校などの公共施設などに回収箱を置き、そこへ市が回収に廻るという拠点回収方式で毎年大幅に回収量を増大させて成果を挙げてきていると聞いています。これは大いに評価できることでありますが、しかしごみ全体の資源化率、リサイクル率は年々伸びているとはいえ、まだ27%程度であります。これを50%60%と伸ばしていく上でも改善が必要だと思います。

 この点でペットボトルの回収を現在の拠点回収方式に加えて、資源ごみの日にもあわせて回収できるようにならないかお伺いして壇上での質問を終わります。

[答弁:市長]

  次に、ペットボトルの回収こついてでありますが、これも平成 12年度から回収協力店等による拠点 回収方式により実施をしております。 15年度からは、教育委員会の協力も得て、市内の小・中学校を 新たに回収拠点に加えまして、現在スーパー等の店舗が 21カ所、市役所の本庁と出張所含めて 13カ 所、小・中学校が 27カ所、保育園が 4カ所等市内の 67カ所で実施をしております。

  ペットボトルにつきましては、専用の収集車で回収後、リサイクルプラザに搬入し、選別、圧縮こん包を行い、再商品化事業者に出荷後、再びペットボトルの原料として再資源化がされているところでございます。

  平成 12年度には約 35トンであった回収量は順調に増加しておりまして、 13年度が 65トン、 14年 度が94トン、 15年度には 102トンというふうに順調に増加をしているところでございます。

  御指摘がありました定期収集を行うとすれば車両、人員等が新たに必要となるということもありま すし、また比較的かさばるペットボトルを収集日までといいますから、 1カ月ぐらい家庭に保管をする ということにもなりますので、当面現行の方式を継続をしていきたいと考えておりますので、よろしく お願いいたします。

 

実際は、まず質問者が上記の質問を一度にすべてし終わってから、それぞれの項目について市長や担当部長などから答弁を受けますが、ホームページでは分かりやすいようにそれぞれの項目に分けています。

壇上でまず最初にこのように質問をし、答弁を受けてから、またさらに再質問をします。再質問の時は、質問・答弁、質問・答弁と進んでゆきます。

再質問はもうしばらくお待ちくださいませ。

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