2003年9月定例会 藤本ひろしの一般質問

 

藤本ひろし: 皆さんこんにちは。3日間にわたる一般質問もいよいよ私で最後でございます。お疲れのことと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。私は日本共産党の議員の一人として一般質問を行います。

 まず最初に、岩国基地に関連をして質問をいたします。

 9・11のニューヨーク同時多発テロから丸二年が経過いたしました。犠牲になられた関係者の皆さんに改めてお悔やみを申し上げます。 このようなテロを地球上から根絶するために力を尽くさねばならないと決意を新たにするところです。ところが事態の推移は、アメリカなどによるアフガニスタン攻撃そして、イラクへの軍事攻撃が空前の世界の反戦世論を尻目に行われ数千人の罪もない女性や子供などが犠牲になりました。

  これがまた、新たな憎しみを生みだし自爆テロ、米・英軍へのゲリラ攻撃の強まり、イラクの国連現地本部への爆弾テロにより国連のイラクでの最高責任者が殺されました。また国内多数派のイスラムシーア派の最高指導者ら100人以上が聖地で爆弾テロでなくなるなど、イラクでの治安は悪化の一歩をたどり暴力がまた新たな暴力を生むという泥沼と化しています。

  このようなアメリカへの憎しみが世界に広がれば、イラク攻撃の重要な軍事拠点となっている在日米軍基地へのテロも充分予想されます。今度のイラク攻撃に在日米軍基地から一万人の米軍が参加しました。岩国基地からもおそらくイラクへ出撃しているに違いありません。この報復として岩国基地にテロが仕掛けられれば、多くの市民が巻き添えになる危険があります。

 米軍岩国基地内ではガスマスクが日本人従業員にも配布され、9・11同時多発テロ以来すでに4度にわたって「民間防衛訓練」が行われています。イラク攻撃に岩国基地から出撃していればテロの危険性がそれだけ大きくなる可能性があります。イラク戦争に岩国基地から米軍が出撃していたかどうかを含めて、イラク情勢の悪化が岩国基地へ与える影響についてお伺いいたします。

 市長はイラクへの性急な武力行使に憂慮を表明されました。武力行使以後も岩国基地で万が一の事態に対しても情報収集や連絡体制について警戒態勢を指示されました。私は6月議会で市長の「イラク問題でのコメント」を歓迎する質問を行いましたが、イラクの今日の情勢についてどういう認識を持っておられるか? 私は米英軍が一日も早く撤退し、国連を中心にしたイラクの再建体制をつくるべきだと思います。また、イラク特措法による自衛隊の派遣ではなく、医薬品、食料やイラクのインフラ整備などの復興での派遣を行うことで貢献すべきと思いますが 、市長の見解をお伺いいたします。

答弁(市長): ご指摘のありました同時多発テロやアフガン、イラクなど国際情勢の緊張によりまして岩国には基地があります。基地のあり方が変わってきています。市民生活にも影響が出ているのも事実であります。

 ご質問のありました岩国基地からイラクへ出撃しているかどうかという点につきまして、米軍の運用ということで情報を得ることができません。さらにイラクの情勢についてご質問があったかと思いますが、こうした詳細についても私は把握する立場にはありませんのでコメントは差し控えたいと思います。

 さらにイラクへの自衛隊の派遣等につきましてご質問がありましたが、これにつきましても大きな議論があった上で国会におきましてイラク特措法が成立しております。今後自衛隊の派遣を含めて、さまざまな支援をどのような支援を行うのかということは、この法律におきまして政府が適切に判断されるものと考えておりますのでよろしくお願いいたします。


藤本ひろし: 2番目に岩国港の軍事利用に反対することについてお伺いいたします。

 県営埠頭岩国港が米軍によって地位協定を理由に、アジア・太平洋地域での米軍の軍事演習のたびに、軍事物資の積み出し、積み下ろしに利用されています。山口県当局や岩国市は「山口県港湾条例」による入港を要請していますが、これを無視して地位協定をたてに入港を繰り返しています。

 岩国港は日米安保条約による提供施設ではありません。提供施設でもないのに、このような傍若無人な使用は容認できません。岩国市として市民の安全と物資の輸送業務に支障をきたす、米艦船の入港に反対の態度を表明してもらいたいと思いますが市長の見解をお伺いします。

答弁(経済部長): 議員ご承知のように、去る6月26日に日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定、いわゆる地位協定の第5条に基づく届け出により、米軍チャーター船グリーンポイント号が岩国港に入港いたしました。

 岩国港への地位協定に基づく入港は、平成10年7月2日以降20回目となります。内訳は、平成10年3回、11年6回、12年4回、13年2回、14年2回、15年3回となっております。現在までのところ、関係地元住民や事業者からこの入港による安全に対する不安や物資の輸送業務への支障などの苦情は特に聞いてはおりませんが、議員ご指摘のような危惧もございますので、港湾管理者であります県に対しましてその都度港湾管理条例に基づいた入港とするよう基地側に申し入れを行うよう要請を行ってまいりました。

 なお、県からは、山口県港湾施設管理条例では、港湾施設の使用に当たっては港湾施設や周辺の地域住民に危険が及ぶことがないよう危険物の取り扱いについて制限を設けており、基地に対しては地位協定で入港する場合でもこの条例の趣旨を十分尊重し、安全対策に万全を期するよう要請し、基地からも十分配慮するとの回答を得ておりますとの説明を受けております。

 市といたしましては、国防という国策に基づきます外交上の取り決めにつきましては、協力すべき立場にありますが、と同時にそのことに起因して生ずるさまざまな地元への障害につきましては、可能な限り緩和や除去に努力してまいるという立場で今後とも対応してまいる所存でございますので、ご理解をよろしくお願いいたします。


藤本ひろし: 3番目に岩国基地の核疑惑についてお伺いいたします。

(1) 第一点目は核疑惑についての調査を求めることについてです。

 岩国基地に核兵器が存在していたことについて、議会でもたびたび取り上げられてきました。今回また新たに1959年から1966年にかけて核兵器を積んだ米海軍揚陸艦(LST)サン・ホアキン・カウンティが基地沖に長期に停泊していたことを示す米政府の証拠文書が 初めて見つかりました。

 8月1日付け「しんぶん赤旗」の報道によれば「ホイーラー米統合参謀本部議長がシャープ太平洋司令官にあてた1966年5月13日付けの当時の機密電報です。

 このたびの電報の重要性は、政府がサン・ホアキン・カウンティ号が核兵器を積んで岩国沖に長期に停泊していた事を知っていた事です。2002年の議会でわが党の大西議員の質問に答えて市長はサン・ホアキン・カウンティ号について「政府に問い合わせたところ情報が責任を持って判断できないからコメントできない」との政府回答を繰り返し、岩国市としてはコメントできない旨答弁されていますが、新たな事態の展開に対してあらためて調査を求めます。

  日本政府は、核をつくらず持たず持ち込ませずという非核三原則を国是としています。ところが政府は国民に隠れてアメリカ政府と核兵器の持込による事前協議の対象として、「核兵器の通過」は含まない密約を交わしているのです。この立場から問題を避けているのであって政府の言い分はとても説得力あるものとは言えません。

 岩国市として改めて調査すべきと思いますがお伺いいたします。

(2) 二点目は岩国基地を核兵器が通過することに岩国市として反対の態度を明らかにしていただきたいと思います。

 今度の電報は岩国基地に核兵器が持ち込まれる危険性を改めて証明した事件でもあるのです。市長が岩国基地への核兵器の持込には反対である事を明確に表明してもらいたい。見解をお伺いします。

答弁(基地対策担当部長): 本件について外務省に問い合わせましたところ、その時期に当該艦船が核兵器を搭載して岩国沖に停泊していたことは承知していない。また政府としては米軍による岩国への核兵器持ち込みがあったことは承知してないとのことでございました。ただ、いずれにいたしましても、国は日米安全保障上、艦船によるものを含めて核の持ち込みが行われる場合は、すべて事前協議の対象となっており、もし核持ち込みについての事前協議が行われる場合は、政府としては常にこれを拒否する方針であると明言をしております。市といたしましても、国の非核三原則堅持の政策を支持するものですが、従来から申し上げておりますように、基地の運用が市民生活に重大な影響を与えるような場合には国に対して言うべきことははっきり言い、行動すべきときは毅然として行動してまいる所存でありますので、よろしくお願いいたします。


藤本ひろし: 4番目に岩国基地に関する9項目要請の進捗状況についてお伺いします。

 9項目要請は言うまでもなく沖縄普天間基地のKC−130空中給油機の岩国移駐に伴って岩国市長が出したものです。KC−130空中給油機の移駐について当時、日本共産党市議団は「岩国基地の機能の拡大強化反対」の県議会決議、市議会決議に反するとして反対の態度をとりましたが、当時の市長が「地獄の沙汰も金次第」ということで受け入れました。その対価としていわゆる9項目を政府に要望し、政府も具体的になった段階で誠意を持って検討対応すると回答している問題です。

 日本共産党はこの9項目要請は、岩国市と市民が歴史的にこうむってきた経済的な精神的な有形無形の基地被害を補償するにはあまりにも不十分な内容であるが、市民の要望を一定反映している部分もあると考えています。

 米軍岩国基地は、「沖合い移設事業」によって基地の面積は213ヘクタールも拡大して、現在の面積よりも約1.4倍も大きくなります。市民の中には当然跡地が返ってくるだろうという期待の声もあるわけです。そこでお伺いいたしますが 、

 一点目は、9項目要請の第一にあげられている「都市計画道路昭和町海土路線に基地内ルートを含め、その周辺(本路線とJR線の間)の5ヘクタールを提供地域の変更によって基地の返還をすること」とされていますが、この進捗状況はどうなっているでしょうか。お伺いいたします。

 二点目は9項目要請の3番目にあげている、「基地の一部返還によってし尿処理場用地を確保すること」となっていますが、この予定地を基地北側遊水地を埋め立ててここへ移転するとされています。移転することによって、遊水地の機能や排水対策はどう考えているかお答えいただきたいと思います。

 三点目はこれとも関連がありますが旭町ポンプ場の排水対策についてもお伺いいたします。

答弁(助役): いわゆる5ヘクタールの基地内用地返還につきましては、国から、「貴市の具体的な要望を踏まえ米軍および関係機関と調整し、実現に向けて最大限の努力をしてまいりたい。」との回答を得ているところであり、現在、広島防衛施設局と調整しながら、返還後の土地利用計画について国有地の払い下げ条件等を踏まえ、出来るだけ市の負担が小さくなるような形での計画案を策定中でございますが、沖合移設事業その他との整合の問題もあり、未だ返還時期等が明示できる段階には至っておりません。

 次に、し尿処理施設の移転先を、基地内から滑走路北側遊水池に変更することに伴う排水対策につきましては、現在まだ地元説明の準備段階で詳細な計画は出来上がっておりませんが、既存遊水池の機能確保について万全の対策を講じるということで、関係機関と調整中でございます。

 最後に、旭町ポンプ場の排水対策についてですが、このポンプ場は、川下地区の約189ヘクタールの浸水防除を目的として整備したもので、昭和 58年度から運転を行っています。近年、地域住民から悪水・悪臭の苦情があることを受け、その対策として、ポンプ場からの排水を基地の沖合へ排出するよう要望していたものです。しかし、新たな放流渠建設は費用対効果の面で再考の余地があることから、平成 13年度から毎日1回排水運転をするといった形に運転方法を変更し対応しております。なお、将来的には川下地区に公共下水道を整備することにより、雨水は旭町ポンプ場と中津ポンプ場から排水し、汚水については一文字終末処理場に圧送し処理する計画となっております。


藤本ひろし: 5番目にマンション対策についてお伺いいたします。

 1960年ごろから分譲マンションが大都市圏を中心に広がり始め、地方都市にもだんだん広がってきています。ある推計によりますと400万戸を突破し1100万人がマンションに住んでいるといわれています。岩国市でもここ数年急激にマンション建設が進みはじめてきています。

 マンションは鉄骨・鉄筋コンクリートづくりで、堅固で防火や限られた土地の活用、省資源にも適しています。また分譲マンションは所有権者が全員で管理組合を作り、共同で行うマンション管理自体が社会性に富んでおり、新たな都市コミュニティを築く可能性を持っています。これからの街づくりや住宅政策にとってマンション対策は重要な課題となってまいります。

 マンションが増えるにしたがってさまざまな問題も生まれてきています。建設時の日照権の問題で建設予定地住民とのトラブル、景観、風力公害、電波障害、交通問題、また、入居時の販売業者と入居者の問題、販売業者は早く売り切って資金を回収しなければならないために、共益費、修繕費、立替積み立て金などの説明を充分しないで売りつけるとか、欠陥マンション、騒音、ペット飼育の問題などなどいろいろな問題が生まれてきます。

 こうした事態を受けて、ここ数年マンション管理問題に関する、国や地方行政に大きな変化がありました。まず国が「マンション管理適正化法」を2001年8月に施行、「マンション立替円滑化法」を2002年12月施行しました。今年6月には「建物区分所有法等」が改正されました。

 地方自治体におきましても相談窓口の設置、専門家の配置、大規模修繕費への貸付、マンション共有部分への固定資産税の減免制度、手すり設置や段差解消助成制度などが行われ始めています。兵庫県の明石市では住宅リホームへの助成制度が、「産業活性化緊急支援事業」として実施され、市民にも市内の大工さんなど小さい業者に大歓迎されています。これはわが党の大西議員がこの壇上でも紹介しましたが、この制度はマンションにも適用されているそうです。

 以上紹介しましたように国も地方自治体もマンション対策を抜本的に強めようとしているところです。本岩国市においても、ここ数年マンション建設が増加している中で対策を強めていく必要があると考えます。そこで3点ほどお伺いいたします。

 第一点は岩国市におけるマンションの現状、実態がどうなっているか分譲マンション、賃貸マンション、ワンルームマンションなど建築棟数などについてお伺いいたします。

 第二点目はマンション住民や管理組合などが自分たちが抱えている諸問題、こうしたものをわかるように相談窓口を設置していただき、市報などで広く知らせていただきたいと思いますが、いかがお考えかお伺いいたします。

 第三点目はマンション内の共有部分、なかでも集会所の固定資産税の減免はできないか。また集会所への建設費や増改築費への補助はできないかお伺いいたします。

答弁(総務部長): 建築確認申請の受け付けによりますと、平成元年度から平成14年度までに建設された30戸建て以上の分譲マンション、鉄骨鉄筋コンクリートづくり等で8階以上の建物が14棟で、その戸数は806戸であり、岩国駅を中心とする1キロメートル程度の範囲内の麻里布地区や東地区に特に集中して建設されている状況であります。

 次に、相談窓口についてですが、分譲マンションの供給戸数は全国で370万戸に達し、今や1000万人以上、日本の人口の1割近くの人々がマンションに居住していると言われています。こうした背景のもとに、近年マンションの良好な維持管理の重要性が叫ばれるようになり、平成13年8月1日よりマンションの管理の適正化の推進に関する法律が施行されました。本市では、商工課内に消費者相談窓口を設けており、契約、解約、販売方法のトラブル等についての相談を受け付けております。マンションに関する相談件数は、平成13年度ゼロ件、14年度2件、今年度は8月までに1件の相談を受け付けており、内容はすべて契約に関するトラブルの相談であります。相談機関としては、社団法人宅地建物取引業協会岩国支部が毎月第1、第3金曜日に山口県と財団法人山口県建築住宅センターによる、きらめき住まいづくりセンターでは、常時建築士による住宅相談や弁護士による法律相談を行っております。現状におきましては、これらの関係機関と連携を取りながら対応してまいりたいと考えております。

 最後に、共有部分の固定資産税の減免などについてについてですが、マンション内の集会室、通路、エレベーター、エントランスなどの共用部分につきましては、固定資産税の課税客体としてその所有者を納税義務者として課税しております。この固定資産税の減免につきましては、岩国市市税条例第56条第1項第2号において公益のために直接専用する固定資産について対象とする旨定めております。具体的には、不特定多数の利用に供され、かつその利用に何ら制約を設けない場合等で、その施設の公共性、公益性が高い場合に限り措置を行っています。御質問のマンション内の集会所につきましては、区分所有者全員の共有に属する共用部分とされ、マンションの維持効用を果たすために共有されており、利用の実態が当該マンションの住民の利用に限られている場合が多く、現時点では公共性、公益性の観点から、また受益者負担の観点からも減免の趣旨とは相入れないものと考えておりますが、当該集会所が自治会等の地縁団体で所有される場合や、マンションの居住者だけでなく広く地域一般の集会にも利用される場合等の公共性、公益性が確保されれば減免措置をとることも可能であると考えております。今後とも固定資産税の減免規定の適用につきましては、税負担の公平の原則を踏まえつつ、公共性、公益性の高い固定資産に限定して適用していく必要があると考えております。

 また、マンション内の集会所の取得に対して補助金を交付することについてですが、現在本市では地域住民のコミュニティー活動の活性化を図るため、岩国市コミュニティ集会所整備事業補助金交付規則に基づき地域住民の自治組織である自治会が行う集会所の新築、増改築、補修に要する経費について、予算の範囲内で補助金を交付しておりますが、マンション内の集会所はマンションが分譲されると同時に区分所有者全員が共有する共有部分として取得され、管理組合によって管理されるものであり、地域の自治組織が整備する集会所とは考えられず、補助対象とはしておりません。しかしながら、他の自治体ではマンションの住人が地方自治法に基づく認可地縁団体を組織し、その認可地縁団体が集会所部分を新たに区分購入する場合に一定の条件を付して集会所整備の補助対象とする例がありますので、今後は集会施設の整備に対する助成制度のあり方について調査研究をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。


藤本ひろし:  6番目、岩国市高齢者等過疎地域福祉バスの乗車対象者を拡大することについてお尋ねいたします。

 平成7年1月から、路線バス等を利用できない地域に居住をする高齢者、身体障害者及び知的障害者に対し、岩国市が市営バスを借り上げて過疎地域福祉バスとして運行されています。これは北河内駅から錦帯橋の間を週に2回、小瀬の上迫から持ケ峠を経由して錦帯橋までの間を週1回、柱野二軒屋団地から山越えで叶木、通津の本呂尾、通津駅を経由して国立岩国病院までの間を週1回、合計3路線が走っています。この3路線で昨年度1年間で延べ6189人もの方が利用され、大変喜ばれています。

 しかし、乗車対象者が70歳以上、身体障害者3級以上、知的障害者の障害程度がAとか1級の手帳を持っている人、そういう人に限られています。そのため、例えば故郷を離れていた方が定年退職になって決意をされて故郷に帰っていかれた方、車を持っておられる方は問題ないのですが、中には免許証も車もないという方がおられるのです。私が話を聞いた方は、持ケ峠の方ですが、山を荒らすわけにはいかないとおっしゃっておられました。

 せめて60歳程度以上の交通手段を持たない方がこの福祉バスの適用を受けられるよう対象を広げたいと思いますが、当局の見解をお尋ねいたします。

 以上で壇上の質問を終わります。

答弁(健康福祉部長): 高齢者等過疎地域福祉バスにつきましては、路線バス等が運行されていない地域の高齢者、障害のある方に対し、交通弱者の足を確保するため平成7年1月から地域福祉の向上を図ることを目的として実施しているものでございます。このバスは29人乗りで、福祉バス「ゆめあい号」として地域の皆様にとってはなくてはならない足として利用され、この事業は元気な高齢者であるための社会参加の促進や、閉じこもりを解消する介護予防の観点からも重要な事業となっております。

 現在の過疎地域福祉バスの利用状況につきましては、平成14年度の年間利用実績で申し上げますと、北河内駅から錦帯橋までの通称二鹿線は毎週火曜日と金曜日に週2日運行し、延べ利用者数は3705人で、1便当たりの平均利用者数は18人となっております。上迫から持ケ峠経由で錦帯橋までの通称持ケ峠線は、毎週水曜日に運行し、延べ利用者数は1535人で1便当たり平均利用者数は15人となっております。二軒屋団地口から国立岩国病院までの通称通津線は、毎週月曜日に運行し、延べ利用者数は949人で、1便当たり平均利用者数は10人となっております。この福祉バスに乗車できる対象者は、70歳以上の方と障害のある方などとなっております。

 議員ご提案の乗車可能対象者を60歳以上に拡大することにつきましては、市営バスの敬老優待乗車証等の対象年齢を70歳以上としていることとの均衡の問題、有料で他の交通機関を利用している同年代の方との公平性などから考えますと、利用対象者の拡大につきましては難しいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

実際は、まず質問者が上記の質問を一度にすべてし終わってから、それぞれの項目について市長や担当部長などから答弁を受けますが、ホームページでは分かりやすいようにそれぞれの項目に分けています。

壇上でまず最初にこのように質問をし、答弁を受けてから、またさらに再質問をします。再質問の時は、質問・答弁、質問・答弁と進んでゆきます。

ここから再質問です。

 

藤本ひろし:それでは、順不同で再質問をさせていただきます。

 最初に、福祉バスについてお伺いをいたします。今のご答弁で敬老優待乗車証の対象年齢が70歳になっとるということと、有料で他の交通機関を利用している同年代の方との公平性というふうに言われたんですが、有料で他の交通機関を利用している同世代の方との公平性というのは、例えば今私は小瀬の場合を取り上げてるんですが、小瀬はバスが通ってないんですけれども、これは市内のことを言われるんでしょうか。

答弁(健康福祉部長): これは平成7年からやってるわけですけれども、岩国市において過疎地域における対象地域を今設定しておりますが、福祉のバスという形で対象年齢等設定してから運行を開始したわけであります。

藤本ひろし:それは分かったんですけれども、有料で他の交通機関を利用している同年代の方との公平性から難しいというふうに御答弁されたんで、その有料で他の交通機関を利用されている同年代の方というのはどういう意味かということをお伺いしておるんですが。

答弁(健康福祉部長): この福祉バスについては、今「ゆめあい号」を運行しておりまして無料でありますが、そのほかの運行バスについては当然有料になっているわけであります。したがいまして、それまではもしという形になれば当然有料になるわけでありますけれども、この過疎対策として、3地区を設定して無料という形で、今市から交通局の方へ委託して「ゆめあい号」を走らせているということでございます。ちょっと若干理解しにくいかもわかりませんが、よろしくご理解お願いしたいと思います。

藤本ひろし:いや、ちょっと理解が、私の質問がやっぱり分かっていただけないんですかね。ご答弁で、有料で他の交通機関を利用されている同年代の方との公平性から難しいというふうにご答弁されたんですね。小瀬の方にはバスが通っていませんから、どういう意味なのかな、ここで言われる有料で他の交通機関を利用されている同年代の方、いわゆる70歳にならない方の意味のことだと思うんですけども、それはどのことを指してそういうふうに言われているのかということをお伺いしておるんですが。

答弁(健康福祉部長):  ちょっと整理しますので、ちょっと時間いただきたいと思います。済みません。

>すこし休憩

答弁(健康福祉部長):  申しわけありませんでした。次回から十分に整理して本会議に臨みたいと思います。大変申しわけありません。
 これにつきましては、70歳未満の同年代の方につきましては、市営バス、そしてJR、タクシー等有料で乗車されているわけであります。したがって、この福祉バスを無料で乗っていただくということになれば、均衡を失するということであります。大変申しわけございませんでした。よろしくご理解をお願いいたします。

藤本ひろし: 時間がございませんので、先行きたいと思うんですが、私が話を聞いた方はこの9月で69歳になられるんです。自治会長をやっておられまして、交通手段がないために小瀬の出張所に持ケ峠から自転車で降りられるんだそうです。下りはいいんです。それでも、45分か50分ぐらいかかるそうです。上りが大変らしいんです。聞いてみましたら、体が物すごい調子がええときに2時間半、ちょっとやはり悪いときは3時間かかるというんです。自治会長さんですから、通っておられるわけです。そして、時々バスには乗せてもらうんだそうです、運転士さんに頼んで。そしたらやはり白い目で見られるらしいんです。だから、堂々と乗れるようにしてほしいというふうにおっしゃるんです。これは非常に何ていいますか、70歳というそういう制限はあるんですけれども、せっかく決意をされて、年を召されて奥に入って山を守っていく、そういう作業をされておるんですけれども、そういう方のご努力に報いるためにも、60歳というのは若いかもわかりませんが、せめて65歳とか少し幅を広げていただければ、そんなに特別に予算がかかるわけではございませんし、ちょっと乗るだけですから。そういう融通といいますか、それが今非常に必要だというふうに思うんです。

 それで、もう一つ、本郷とかそれから錦町、今合併が問題になってますけれども、Uターン転入者奨励金といって、村外に転出された方が3年以上たたれて、そしてまた本郷に帰られた場合、40歳未満の方は家族で40万円補助が、Uターン転入奨励金というようなそういう制度がされておりますし、錦町でも転入奨励金というのが10万円出されておるんです。そういう自治体で、やはり町を守っていく、山を守っていくという、そういう施策として行政を挙げて、小さいことですが、そういう取り組みをされておるわけで、そういう点からいえば、岩国市は財政的にも力もあるわけですから、ぜひこれはそういう角度からもお考えをいただきたいというふうに、過疎対策として、福祉対策と、それにあわせて過疎対策というのをつけ加えて、条文を一行ほどつけ加えていただければ公然と乗れるわけですから、ぜひそういうふうに変えていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

答弁(健康福祉部長):  現在まで、これは規定にのっとってやってきました。これを過疎対策としてという協議は今日まで行っておりません。したがいまして、現時点においては先ほど答弁いたしましたように、「ゆめあい号」についてはこの規定でやっていくという考えであります。先ほどから議員さんがおっしゃいましたことは十分には理解できますけれども、現時点においてはそういう方向で考えております。

藤本ひろし:ぜひ検討していただきたいというふうに思います。


藤本ひろし: 次に、マンション対策について再質問いたします。この問題を考えるときに、やはり消費者保護の立場というのが非常に大事だというふうに思います。勤労者にとってマンションの購入というのは、一生に一度の大きな買い物で、多くの場合は10年以上、何10年とローンに縛られるわけですから、消費者保護の立場というのは欠かせないというふうに思います。マンションの計画の段階、それから建築の段階、分譲の段階、それぞれの段階で行政の適切な指導と検査があれば、かなりのトラブルが解決をされるというふうに言われております。さらに、マンションライフを豊かにするためにも、供給の仕方や管理、維持、大規模修繕、建てかえまでを視野に入れたマンションの総合的な施策、こういうものが必要になるというふうに思います。

 岩国市も、急激なマンション建設にしっかりと対応できる体制を強化していくために、壇上で3点にわたってお伺いし、ご答弁をいただきましたが、第1点目の現状について、平成元年度から14年度まで、8階以上の建物が14棟で806戸というふうにご答弁いただきました。きのうの藤井議員への答弁の中で、5年間の住宅建築戸数について、一戸建てが2065戸、集合住宅が1492戸というふうにご答弁があって、これは10年から14年までのこの5年間だというふうにご答弁があったんですが、この5年間に限ってみて、マンションの棟数、戸数がわかればご答弁いただきたいと思います。

答弁( 都市開発部長): 平成10年度から平成14年度までのマンションの建設件数でございますが、8階建て以上の棟数で申し上げますと、7棟でございます。戸数で申し上げますと、395戸でございます。

藤本ひろし: 395戸といいますと、1割以上になるわけですね。そういう点では、非常に比率の上でも大きな比率を持っているというふうに思います。それだけに、やはりマンション対策を強めていくということが大事だというふうに思うんですが、今岩国市で一級建築士の免許やマンション管理士の免許を持っておられる方、人数が分かればお示しいただきたいと思います。

答弁( 総務部長): 岩国市におきまして、一級建築士の資格を持っているのが13人で、マンション管理士につきましては0人でございます。

藤本ひろし: 壇上で、この一、二年のうちにマンション管理問題に関する国や地方行政の大きな変化があるというふうに申しました。3つの法律を挙げたんですが、その中の1つに、マンションの建てかえを勧告することができる、そういうマンション建替円滑化法というのが昨年施行されたというふうに思うんですけれども、日本共産党がこの法案が議論をされた参議院の国土交通委員会で大沢辰美参議院議員が質問をやっておるんですけども、その中でこういうふうに言ってます。「不良住宅の改良事業が一つの基準になるということですけれども、それでは勧告を行う側、市町村長がマンションが危険又は有害な状況になっているということをどのように把握をするのかということになるんですが、その勧告すべき義務や責任を市町村長はどこまで負うことになるんでしょうか。」と、こういう質問に対して、政府の答弁は、「まず、どうやって把握をしていくのかという問題でございます。建て替えの勧告というのは、これは地域の住宅事情に最も精通している市町村長が行うということにしておりまして、そういう意味では市町村におかれましてはやっぱり日ごろからマンションの所在、建築年数あるいは戸数といった実態把握に努めまして、データを整理、蓄積していくということが重要である。」というふうに、こういうふうに政府の方は答弁をしておるんですけれども、そういう立場に立って岩国市でもぜひマンションの総合的な対策を強めていただきたいということを申したいと思うんですけれども、その点についてご所見をお伺いしたいと思います。

答弁( 都市開発部長): マンションの建替えの円滑化等に関する法律でございますが、議員ご提言のように、今後老朽化のマンションの急増に対して、区分所有者による良好な住居環境を備えたマンションへの建てかえを円滑化し、民間が主体となった都市の再生を図るため、マンション建てかえ組合の設立とか、権利変換手法による関係権利の円滑な移行等を内容とするマンションの建替えの円滑化等に関する法律でございます。このマンションの建てかえの組合を当然区分所有者等が設置するわけですが、これは都道府県知事の許可を受けて。それで、そのマンションに住まれておられる方が、保安上危険または衛生上有害な状況にあるマンションの一部の区分者が、市町村長に対して建てかえ勧告をするよう要請することができるという、ただ今藤本議員さんのご質問で、ちょっと私が理解できてないのかもわかりませんが、逆に住んでおられる方が市町村長に対して建てかえの勧告をすると、要請するようになると思います。その要請を受けた場合に、市町村長はこれを、住んでおられる方の建てかえ勧告を行うために必要な資料提出を求めるようになっておると思いますが。

藤本ひろし:そのとおりだと思うんです。住んでおられる方が、市町村長に対してそういう要請をして、市町村長が建てかえの勧告を行うわけで、そのときにやはりしっかりそのマンションの状況がわかってないと勧告ができないわけで、そういう点で、日ごろからきちっとそういう状況をつかんでおきなさいというのが政府の方針の趣旨だというふうに思うんです。そういう点で、ぜひご努力をいただきたいということで、次に参りたいと思います。

 相談窓口について、今ご答弁がございました。政府が、これは建設省の時代ですけれども、平成5年と平成11年に大規模なマンションの総合調査というのをやっておりまして、その中にマンションのトラブルへの行政への希望という欄がありまして、住民の方の要望というのは、音に対する問題やペットの問題、駐車場問題、管理費の滞納問題、そういうふうなのが大きいんですけれども、一方管理組合の側から見て、行政の側に対して、国に対しても、都道府県に対しても、市町村に対しても相談窓口の設置を希望する、そういう回答が一番多いんです。市町村長に対しては、特に29.6%という非常に高い数字になってます。今のところ消費者センターの相談窓口で対応されるということでございますので、ぜひその体制を強めていただきたいということを要請をしておきたいと思います。

 時間がありませんので、次に参ります。マンションの集会所への固定資産税の減免の状況についてお尋ねをいたしましたけれども、現在自治会館とか地区の集会所とかそういうところへ、この固定資産税の減免措置がとられているところがありましたら、その件数と金額をお示しください。

答弁( 総務部長): 減免件数につきましては80件で、減免相当額は376万8600円でございます。

藤本ひろし:あわせてマンションの集会所への建設費補助を壇上で質問しましたけれども、現在自治会館とか集会所とかそういうところへ、この10年ぐらいで結構ですので、建てかえないし改築の補助金を出された件数と金額、お示しください。

答弁( 総合政策部長): コミュニティ集会所の整備補助金の状況でございますが、これにつきましては昭和56年から始まっておりまして、現在までで累計をいたしまして1億3600万円を補助金として出しておりまして、新築28件、あとは増築とか改築とかで合計いたしまして94件でございます。全体で94件です。

藤本ひろし:一定の要件、マンションの中だけでなくて一定地域に開かれた状況があれば、集会所については今後検討していく。集会所の固定資産税については、要件に当てはまれば減免が可能だと、マンションの中での集会所について固定資産税の減免は可能だと、要件が整えばですね。そういうふうに理解をしていいかどうか、確認をしたいと思います。

答弁( 総合政策部長): 先ほど、私壇上からご答弁申し上げましたように、マンション内の集会所におきましても、いわゆる公益のために直接専用するものであれば、そのあたりは可能になってくるというふうに考えております。


藤本ひろし: 時間がございませんで、あと大きなのが三つ残っとるんですが、核疑惑についてお伺いをいたしますが、この問題は、もう何回もこの岩国市議会でも議論になってきております。その都度政府に問い合わせたら、政府は承知しないと言ったと、これの繰り返しになっとるんです。事は非常に単純明快でありまして、証拠が出とるんです、証拠が、コピーではありますけれども。証拠が出とるけども、政府がそれ知らないというふうに言っとるから、それ以上政府の言い分を信じる以外ないと、こういうことでありますし、また非核三原則の問題についても、事前協議がないから核を持ち込まれてないというふうに判断をすると、こういう答弁ですね。

 これも、きちっと私ども論破をして、核密約ですね、密約があるんですから、60年のあの安保改定時のとき、それから沖縄の施政権の返還のときに。つまり、核兵器を持ち込んで据えつけるというのはイントロダクションといって、これは認めないと。トランジットといって核が通過をする、船に積んで横須賀に来て、また出ていく、飛行機で運んできて、また飛び立っていくという、これは通過をするんであって、持ち込みには当たらないと。だから、事前協議がないんだという、こういう密約になっとるわけです。だから、これはこれ以上繰り返しませんけれども。

 要は、そういう状況を踏まえて、市民の命と暮らしに責任を持つ地方自治体として、そういう非常に明確な事実に対して政治的にコメントするといいますか、反対をするとか。だから、市長御答弁になりませんでしたけれども、核兵器の通過については認めないとはっきり言っていただけますか。

答弁( 総合政策部長): 藤本議員すでにご承知でしょうけども、先ほど見解述べられましたけども、国の考え方もちょっと述べてみますと、基本的には防衛問題は我が国の存立する基本的な、根幹的な問題でありまして、それが決定された以上は、地方としては国の施策に基づいて尊重しながら、国の言葉を信頼して非核三原則を今後守ってほしいと、いただきたいということでございまして……。

 

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