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美術展へ行かなければ 2000-01
2001年11月23日
MOMA ニューヨーク近代美術館名作展
Masterworks from The Museum of Modern Art, New York
上野の森美術館

◆ 20世紀初頭の絵画の傑作を展示。
◆ 主な出展作品・・・
● ウンベルト・ボッチョーニ Umberto Boccioni
サッカー選手のダイナミズム Dynamism of a Soccer Player (1913年)
サッカー選手には殆ど見えない抽象的絵画。赤やエンジ色を主体とした色彩が重なり合う、独特の造形美、私の好みには合っている。
● マルク・シャガール Marc Chagall
誕生日 Birthday (1915年)
この時期のシャガールは、非常に想像性に富んだ画風を見せる。誕生日の幸福なイメージと、大胆過ぎる人物のデフォルメが、何の矛盾も無く同居している。
● ジョルジオ・デ・キリコ Giorgio de Chirico
偉大なる形而上学者 The Great Metaphysician (1917年)
キリコの、お馴染みのシュールなイメージ。閑散とした広場に起立する、"学者"と呼ばれている摩訶不思議なオブジェ。ある種の郷愁が、ナゼか漂う。
● サルバドール・ダリ Salvador Dali
記憶の固執 The Persistence of Memory (1931年)
この展覧会最大の目玉、しかしサイズは極めて小さい絵画。所謂シュール・レアリスムと呼ばれるところの、現実離れしたイメージを視覚化する手法、その代表的な作例と言えるのだろうか?24.1×33 cm の画面に展開される異様な世界を固定化する、驚異的な絵画テクニック。美術館の中で、この世界的に有名な作品は、人だかりの中に完全に埋もれていた。
● カジミール・マレーヴィチ Kazimir Malevich
至高主義絵画 Suprematist Painting (1916-17年)
"至高主義絵画"とは何だろう?真っ白な画面に浮遊する、長方形や円。
● ジョアン・ミロ Joan Miro
狩人(カタロニアの風景) The Hunter (Catalan Landscapes) (1923-24年)
空間に浮遊する、デフォルメされ尽くした様々な形態。
● パブロ・ピカソ Pablo Pocasso
髪を編む女 Woman Plaiting Her Hair (1906年)
"アビニョンの娘たち"製作直前、無機的表情を持つ女の顔。徹底的に事物を解体し画面上で再構築するという、新たな前衛的表現様式を確立した"キュビズム"。ピカソは、人間さえもこの手法を用いて描き、見る者に衝撃を与えた。この作品では、ピカソによって解体される直前の、何かしら危うい雰囲気の漂う、人物であって人物でないような、 微妙なイメージを醸し出している。
● ジャクソン・ポロック Jackson Pollock
ナンバー1A1948 Number 1a,1948 (1948年)
ペンキを撒き散らしただけ、だがそこに出現した色彩の集合は、やはり無二の芸術なのであろうか?全てが前もって計画され尽くし建築される現代のビルディング。そこに展示されるアートは、計画性とは逆の即興的で混沌とした作品であればあるほど、現代建築が持つ無機的な空間とのコントラストを際立たせる。作品と空間が一体となって、我々の心象に対して絶妙なバランス感覚を提供する。きっと、現代芸術を無理に"理解"する必要もないだろう。作者の表現したいイメージを、一部でも感じ取るだけでよいのではないだろうか?

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2001年9月15日
デュフィ展
RAOUL DUFY
ポンピドーセンター所蔵 Contre Pompidou
安田火災東郷青児美術館

◆ デュフィの画風は、印象派、フォービズム、セザンヌ風と、変化を見せる。フォービズムの旗手とされ、確かにそうなのである。しかし、生涯を通じて、デュフィ独自のタッチと明るい画面に、大きな変化はなく一貫していると言える。その点では、時代によってイメージを大きく変えたピカソの作風とは違っているかも。
◆ 港に浮かぶ黒い蒸気船の周囲を何故か黒く塗りつぶした晩年のシリーズには、注意を引かれるものがあった。
◆ 主な出展作品・・・
● ラウル・デュフィ RAOUL DUFY
旗で飾られた通り (1906年) La rue pavoisee
ヴァイオリンのある静物:バッハへのオマージュ (1952年) Nature morte au violin:hommage a Bach

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2001年8月17日
マネ
MANET
The Origin of Modern Painting
府中市美術館

◆ 基本的には、マネの"笛を吹く少年"の為の展覧会。他に、"驚くニンフ"や"草上の朝食"のエスキスも展示。
◆ 主な出展作品・・・
● エドゥアール・マネ Edouard Manet
笛を吹く少年 Le fifre

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2001年3月25日
18世紀イタリア・・・ヴェネツィア絵画展
Pittura veveziana del Settecento
上野の森美術館

◆ 主な出展作品・・・
● カナレット Antonio CANAL detto CANALETTO
サン・マルコ広場の眺め (1730年代前半) Veduta di Piazza San Marco, Venezia
カナレットの作風の特徴である超現実性を備えた、青い空の描写が印象的な、風景画。
● ジャンバッティスタ・ティエポロ Giambattista TIEPOLO
アブラハムと3人の天使 (1732-33頃) Abramo visitato dagli Angeli
ティエポロの初期の作品。後年の大作に見られるようなダイナミックな表現が、既に確立されている。古典を題材に選択してはいるが、古典派的なイメージから逸脱した、激しく個性的表現が素晴らしい。
● 18世紀ヴェネト地方の逸名画家 ANONIMO BENETO
1708年に凍結したラグーナ La laguna ghiacciata alle Fondamenta Nuove nel 1708
巨匠達の傑作に混じって目立ってしまう、拙い人物デッサンが、逆に印象に残る作品。後年の素朴派、ルソーを連想させる。この様な意外な作品を見ることが出来るトコロに、展覧会の楽しみがある。

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2000年8月20日
アムステルダム、国立美術館所蔵、17世紀オランダ美術展
Dutch Art in the Age of REMBRANDT and VERMEER
レンブラント、フェルメールとその時代
国立西洋美術館

◆ 17世紀、貿易によって世界に覇を唱えたオランダ。商人を中心とした市民階級の多くが経済的に恵まれ、絵画を購入する割合も相当数になった。その需要に対し、供給側すなわちアーティストの質と量も上昇したと言う事であろう。フェルメールやレンブラントなどの巨匠はさておき、比較的著名ではないアーティストの作品も、素晴らしい。いや、その裾野の広さが巨匠を生んだというべきか。
◆ 主な出展作品・・・
● ヨハネス・フェルメール Johannes Vermeer
恋文 The Love Letter
● レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン Rembrandt Harmens. van Rijn
聖パウロに扮した自画像 Self-portrait as the Apostle Paul

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